2017年11月30日木曜日
長い間お世話様でした。
この外資の銀行と取引を開始したのは、記憶にないほど大昔。
会費無料資格に該当しますからとクレカを勧誘され、永らく愛用し、
旅のお供として世界中のアチコチへ。
使い込んだ様は見ての通り(^.^)
まさか身売りをするとは思わなかったし、あそこが買うとは想定外。
買い手のクレカ運営会社はこれまた大昔から御愛用で、
けだし、当時としてはステイタスの高いゴールド助さん格さん(^.^)
二枚も要らんがことさら解約も面倒だし....と使わずに放置しておいたのがトラブルの始まり。
少額の情報提供料を定期的に引き落とす程度なのに、
予想外の請求!
なんと「年会費」なるものの請求
有史以来払った事がなく、経営母体が変わっても取引条件は変更しない約束のはず。
泡食ってコールセンターへ
忘れていたが、会費無料の条件は取引残高とクレカ利用金額。
後者のハードルに抵触したらしい。
そもそもは高額の金融取引のオマケみたいなものなんだが、
そっちはSMBCに行っちゃいました。
まあ、いい機会だから解約しました。
問題は引き落とされそうな会費相当額と溜まったまま放置してあるポイント。
あれこれやりとりの結果、
君じゃカウンターパートナーには役不足
これ以上言葉の暴力をふるいたくないから....
上を出せ!
半端じゃダメだよ
って毎度の物言いもなく友好的に満額回答を得た(^.^)
まあ、辞めた本当の理由は別に有ります。
IDがあてがいぶちのウェブサイトは好きじゃない。
加えて大文字小文字認識を要求されるのは苦手。
必ず何回かは間違う。
そんなややこしいサイトからでないと使用状況が確認出来ないのは
嫌なんです!って
2017年11月29日水曜日
セコイはなし(^^)
毎度前置きが長く、前置だけで終わることもある(^^)
ある先輩は、この学校の近くに生まれ、大学までここだった。
曰く、就職して一番嬉しかったことは...鉄道定期券が持てたこと
まあ、つまらんとおもうが、俸給生活者から素浪人になれば
自腹で鉄道に乗らなくてはならない。
びっくり仰天、目から鱗、棚から本マグロって(^^)
まあ、そんなもんで...と本題のまえに
何故だかこの学校は、kwansei とオシャレに発音する。
倭語の困った事は、漢字、平仮名、片仮名と様々もさることながら
漢字の音読みが多岐多用。
ざっと、呉音、漢音。あとはさまざま。
最初の漢字は中国南部の音読みが百済経由で入ってきた。
これが呉音。
仏教典は、基本呉音であるそうな
その後北方の漢音が流入したが、メジャー一歩手前で停滞。
げにや宗教のチカラは恐ろしい。
漢音がメジャーになったのは廃仏棄釈以来で、外来語は基本漢音。
この学校も当時のブームに乗っかったという事。
けだし、プロテスタントの学校です。
さて、毎度毎度切符を買うのは面倒だから交通系ICカード
便利は便利だが、定期券のような割引がないのはなあ...とセコイはなしになる(^^)
そこで回数券(正確には回数乗車券)
当たり前にあるのが、区間指定乗車回数券
しかし、これは不便です。
運賃同じなんだから、どの区間でもいいじゃないか!って
関西人のいいそうな事(^^)
なもんで、御愛用の私鉄は昔から額面運賃乗車回数券がありました。
東京勤務時代にそれがないことを知り、
蕃族未開の地に島流しにあったかと涙しましたよ。
さらに、時間帯割引の時差回数券や、土日回数券まで、、
また、カードか個々の切符かまで選択できます。
そうだ!ハーフ回数券と称して五枚券も
十回で11回のれる普通の回数券には魅力はない。
しかし、12回、14回ともなれば、これは得した気分になる。
JR西日本も、国鉄時代の旧態然としたシステムをはやく
変えればいいのですがねえ。
2017年11月28日火曜日
絶滅歳時のさまざま
歳時記と言えば「四季の事物や年中行事のアンソロジー」のことであるが、
一般的には「俳句の季語辞典」である。
あの懐かしい銀座の猫フェチドクターは「ブログのネタに困れば歳時記を・・・」と嘯いておられた。
蝸牛庵は別にネタに困ってはいませんが、夏井いつきさんの季語辞典の続編(実は刊行されたのが相当昔)をリアル書店で見つけたもんで
前作もそうだったが、奇天烈季語(別に風土や文化が変わったわけではなく)なんかをネタにしよう。
絶滅危急季語辞典
俳句の定義は単純で・・・
定型詩
季語があること
しかしながら、自由律なんて俳句もあるがこれは論理矛盾。
こんなことをやるから「俳句第二芸術」と批判されるのですよ。
たった17文字の世界で参入が簡単ですから、川柳もふくめ多くの方々がたしなんでくれるのは
それはそれで功のほうが多い。
もっとも、ここからに先にさらに一歩踏み出してくれないのは困ったものだが。
さて前作で紹介された「絶滅寸前季語」を使った「秀句」の再公開・・・(当然自作ですよ)
人見知り 好き好き ままこのしりぬぐい
おしのけて 藻に住む虫の 音に泣くも
蚯蚓鳴く 静思夜切り裂く 鹿威し
ダルマ俳句とはこう言うのを言います。
これに比べれば前衛俳句なんか大人しいものです。
俳人と言われる方でも果たして知っておられるかどうか・・・(笑)
なんちゃって、たった17文字のうち11文字が季語ってことになれば、俳句つくりも楽なものです。
定型詩の世界では「禁句」なるものがあり、あまりな秀句表現なんかは使用が禁止される。
たとえば・・・根岸の里のわび住まい
しかしながら「藻に住む虫の音になく」も季語です(われから・・なる虫の異名だとか)が、
使ってはいけないとは聞いていない。
そんなこんなで、コンテンツ的には寸前でなく危急ですからまだ知っている季語が多い。
まあそんなことより、奇天烈で文字数の多い季語なんかを巧みに使えば、句会で注目を集めますから・・・
鷹化して鳩になる(10文字)
夜糞峰榛の花(10)
鶏初めてつるむ(12)
けだし狂言綺語俳句の始まり。
しかし、奇天烈すぎてインスピレーションが働かない(^^)
前作を読んだ時はさしてそうも思わなかったが、
なついいつき(ダジャレみたいなお名前だ)って俳人よりも
隠し味のきいた随筆家の様相ですなあ。
一応は歳時記なのですが、そんじょそこらの季語辞典の数倍は
面白い。
蝸牛庵は殊更に奇矯、難解な言葉つかいをこのみますが、
別に好きだとかペダンティックなひけらかしをやっている訳ではない。
言葉は死に絶えると可哀想だし、言葉は使われる事で命脈を保つ。
2017年11月27日月曜日
悪魔のような女はあの人か?
リンク映像は、アンリジョルジュクルーゾーの「悪魔のような女」
1955年版ですが、ハリウッドでもリメイクされました。
タイトルロールからすれば主演は、シモーヌシニョーレですが、
重要な役どころで、クルーゾー夫人(ヴェラ)がでています。
夫のDVに苦しむヴェラは夫の愛人と共謀し、バスタブで溺死させた上で
プールでの事故死を偽装したが....死体は行方不明。
本当に夫は死んだのか?
よみがえったかのように、夫の陰がまとわりつく。
疑心暗鬼は、シモーヌとの仲違いもあり、
心臓の弱いヴェラを蝕んでゆく。
谷崎が激賞したことでも知られますが、仏蘭西文芸にお詳しいのかどうか
存じ上げないが、大文豪が褒めなくても傑作は傑作。
多分、シモーヌと京マチ子さんを二重写しに見たのです。
実は夫とシモーヌが企んだ財産目当てのヴェラ殺しなのですが...
でも本当かしらって。
クルーゾーはヴェラを熱愛していたらしく、監督作品には必ず起用し
自分の製作会社の冠までがヴェラです。
しかし、クルーゾーはその後バルドーとの恋に落ち、ヴェラは精神衰弱状態に
既視感な風景ですが、なんとヴェラは浴室で死体で発見された。
事件か事故か?
司法機関は事件にはしなかったので事故なんでしょう
でも本当かしらって(^^)
リメイク版では、
シモーヌ=シャロンストーン
ヴェラ=イザベラアジャーニ
なんですが、あのミザリーで最恐なキャシーベイツまで
なんの役かなあ?
2017年11月26日日曜日
潜在能力が顕在化するとき
馬鹿でも利口でも出来なくて中途半端じゃ尚更ダメな稼業がある。
まあ馬鹿はなにやっても駄目ですから論外だし、
中途半端は、腹が座らないから論外以上。
チョット難解なのは「利口」が向かないと言うこと。
なんだか某クオリティ雑誌によれば、赤門生がスポーツの世界で
席巻しているらしいということ。
六大学野球では大活躍。
しかし、南原総長の時代にはあわや優勝かというシーンもあった。
箱根駅伝の選抜チームに赤門生がえらばれたとか
ゴルフやアメラグのチームも下位リーグからボチボチ這い上がりつつある。
至極当たり前のことで、いまさら驚くほうがおかしい。
何事においても知力のある奴は一流になれる。
受験偏差値と知力は別物だが重なり合う部分も大きい。
難儀なことは、自分の知力が一番発揮できる分野が何かという事がわからない。
お前の知力が最大発揮できる分野はこれだ!って
指南してくれる何かがあればヒトザルは最大の幸福が得られる。
赤門生になれたと言うことは潜在的な知力が相応であったと言う事であり、
波長の合う名お受験コーチングに恵まれたという事だ。
だから、赤門大スポーツ部が有能なコーチを備えれば、ある程度になることは
自明の理。
そもそも名伯楽さえいれば、潜在的な名馬が顕在化ってことです。
さて某高検長にうかがったことですが、あの稼業は度外れて
知力欠陥集団らしい。
先天的なアホもいるだろうが、様々な差別の中でマトモな知力トレーニングを
受けることもなく不幸にも放置されれば、生きる道はアレしかない。
しかし、この世界も所詮は知力が物言う世界らしい。
あの組織の三代目が小説や映画に描かれるような人格者だとは思わないが
乱世の梟雄として名をなしたことには間違いはなく、
ヤッパリ知力があった。
淡路島の貧農出身ですからコーチング以前の学習環境だったのでしょう。
リターン以上のリスクある稼業を巧く
乗り切った...のところが一流の証し
しかし、テロに遭遇もし、結果としていのちを縮めた。
頭がいいなら、他にやるべき事はいくらでもある。
事実彼は事業家としても成功した阪神間の名士である。
久しぶりに阪神間の山の手の三代目時代の本部を訪ね...といっても外から拝見するだけ(^^)
昔より警備が厳重みたいですが、記念撮影をバチバチ。
玄関前に兵庫県警の監視所がありますから、
一番安全な場所ですよ。
閑静な住宅街なのは、報道の通りです。
観光客がいないのが不思議だねえ。
最高の撮影スポットなのに(^^)
2017年11月25日土曜日
「更に」もうひとつのダンケルク
本当に皆さんは、ベルモンドとカトリーヌスパークのダンケルク映画を忘れています。
委細は過去エセーをご覧いただきたく。
だから惹句が「もうひとつのダンケルク」なんて誤解まみれになる。
バックステージものに外れなく、お気に入りのジェマアーターソンがヒロイン。
クリストファーノーランのダンケルクは秀作ですが、
こういう小粋な作品もなかなかゆかしいものがある。
戦時下の英国
戦意高揚のため、ダンケルクテーマの映画製作が企画推進されたが、
色々と要望という名の横槍がはいり、製作スタッフは七転八倒の苦闘を強いられる。
さあ〜ここからがカツドウやの本領発揮(^^)
しかし、大空襲やらヒロインの個人的トラブルなんかもあって
本当にこの映画は完成するのでしょうか?
ジェマアーターソンは、英国の労働者階級の出身。
ボンドガールで少し話題に
JBとのナニのあと微睡んでいたんでしょうなあ、
悪役たちに全身に金粉じゃなくコールタールを塗られて
苦悩死という役柄。
その後の「ボバリー夫人とパン屋」で、小粋なフレンチ風味で
個人的には大ブレイク!
そもそも無名のボンドガール役なんて使い捨て。
大成したのは
ロザムンドパイク様と彼女だけ。
ほぼ毎度辛辣に映画評をかいてますが、
愚作、駄作と揶揄しても、映画作りの情熱と苦闘には
リスペクトは忘れない。
国策映画や戦意高揚映画だってそれは同じ事。
映画人って本当に映画が好きなのです。
2017年11月24日金曜日
Nocturnal animals
映画監督に必要な資質は、映画がある種の総合芸術ですから、
あらゆる藝術に対するいっぱしの見識なり才能だと思われます。
だから、才能あるデザイナーが映画の世界で花開いても
驚く方がおかしい。
トムフォード
元々は、GUCCIのトップデザイナー。
独立してなんともエクスペンシブなお洋服、化粧品、眼鏡....なんかで財をなした。
有り余る財を浪費するには、映画製作(^^)...
かどうかはしりませんが、製作、脚本、監督と八面六臂の活躍の結果
ベネチアの映画祭でなんとか大賞の栄に輝きました。
個性的な役者に支えられたのでしょうが、キャスティングも製作者の腕
原作は邦訳されているようですが、未見
どう脚本家が料理したか興味が無いではないが、
読む暇がない。
さて「夜行性獣」とは、思わせぶり
一見して予想がつくタイトルですが、不眠症の別名でもあるらしいって
知った瞬間、多重構造なメタファーだと感じ入る。
美であるべきものが醜となったこと以上にジャンクなものはない。
冒頭の展覧会のシーン(ヒロインはセレブな藝術財団のトップ)は、
怖いもの見たさやグロファンでも目を背ける醜悪なまでの美しさ。
美は醜、醜を美と思わない感性なら、この映画は勧めない。
ある種難解な構造だし、不愉快にも不安にもします。
過去と現在、そして元夫から送られてきた小説のゲラの世界。
なにが実像でどれが虚構なのか不可解なまま
ヒロインが元夫をLAの日本料理店で何時迄も待ち続けるシーンでエンディング。
2017年11月23日木曜日
主観的意図と行為の外観性
http://ueda8823khj.blogspot.jp/2017/09/blog-post_3.html?m=1
まず九月の初め頃のイザベルユペール渾身の問題作の映画批評...だったのですが、
矛先は性犯罪処罰法の厳罰化批判へ(^^)
別に「厳罰化」を批難してません。
むしろ手緩いというニュアンスです。
つまり、強制猥褻罪に手をつけなかったことが許しがたい。
審議過程では議論になったらしいが、
ジンケンハ委員が難色を示したのかなあ。
そこでって言えば完全な邪推ですが、45年の最高裁判決の
見直しが行われる可能性が出てきたらしい。
滅多に使われない大法廷での審議。
そもそもがどうかと思う判断だし、半可知な刑法の知識だと
まずもっておかしいと思う。
強制猥褻罪の構成要件に「性的な主観的意図」が必要とされたのが当時の最高裁判決。
信じ難いが当時の最高裁長官は、タカ派の石田和外氏
長官が少数派だったか?
つまり猥褻行為を行っても猥褻意図が無ければ無罪!
例えば、セーターの中に手を入れてお乳を揉んでも、
乳癌の触診のつもりだったと強弁すればいいということ。
社会通念に照らしても如何かとおもうわなあ。
因みにセーターの上からだと痴漢行為(^^)...だとかつての顧問弁護士が。
本来は量刑の引き上げもやるべし(性交等強要罪との関係からして)
ですが、今回はこの程度で矛を収めるのかねえ
改めて治世の要諦とは「小さな罪を大きく咎めること」である。
さすれば、人民は大きな罪を犯さない。
2017年11月22日水曜日
近江八景?
先日の能楽のおさらい会は、盛況の内に終了しました。
身共も、さしたるトラブるもなく、
早朝にも関わらず応援団も駆けつけて頂き、感謝感激アメアラレ。
とかなんとかランチワインを飲み出したのが運の尽き。
ワイン通の弁護士に呑んだくれのピアニスト、加えて893医師(^.^)
なもんで、、、
実はこれは!ってお仲間の独吟を聞き逃してしまった。
近江八景
芸歴だけは馬齢の如く長いものですから、
たいていは、やった、観た、聴いたことがある...なんですが、
これはまったく知らない。
落語にはあるんですがねぇ(^^)
先輩弟子に伺っても誰も知らない。
ぐぐっても駄目。
Googleのデータベースも大したことがない。
なもんて、全知を傾けて調べた結果...
乱曲なる秘伝アンソロジーの一曲らしい。
そもそも、乱曲とは(これはネット引用)
----
世阿弥の能楽論は、最高の芸位に達した演者の自在な境地を「闌(た)けたる位」とするが、
その位をもって謡われる謡のこと。
世阿弥は謡を、祝言・幽玄・恋慕・哀傷・乱曲の五音に分類し、
乱曲は他の4つを超越した至高のものであると位置付けている。
また、現在は上演されない古曲などの聞かせ所を独立させ、
原則独吟で演じるものも乱曲(曲舞とも)という。
「飛鳥川」「香椎」「島廻」「初瀬六代」「東国下」など約50曲がある
----
この解説で得心する程の素人じゃない。
二つの定義があり、一般には後者の意味合いで使われるようです。
謡い継がれることなく散逸した謡曲のサビばかりあつめたものが、
超越至高な訳がない。
そんな素晴らしい曲なら現在まで残っているはず。
謡曲は品位、難易度でランキングされますが、
乱曲は最上位の扱い。
しかしなあ....
オリジナルがどんなお話かまったくわかりませんが、
有心幽玄なものとは思い難い。
しょうがないから米朝獅子の落語でも(^.^)
これは洒落た言葉遊びの和芸
難易度も高いと想像します。
2017年11月21日火曜日
フランツあるいは婚約者の友人
監督のフランソアオゾンくらいは知ってもいるし観てもいますが、
中年のゲイだとは(^^)
てっきり小洒落たパリジェンヌあがりと勝手に想像していた。
まあ、そんな作風だという事。
これは掛け値なしに「秀作」だ!
映画のコアコンピタンスである
スジ(ものがたりの展開)
戦死した婚約者の友人なるフランス人の正体とは?
ヌケ(映像美あるいはカメラワーク)
カラーとモノクロの色彩感自体がものがたりのうねりを語る。
ドウサ(最後に演技力)
抑揚の激しさが真実よりも嘘の善意を語る。
を満足させています。
オリジナルタイトルは、ヒロインの戦死した婚約者の名前。
メタファーがあるらしいが、無視します。
むしろ「婚約者の友人」ってそそりますなあ(^^)
幼馴染の親友
久しぶりであったらオンナずれ
...最近、、婚約してさあ、、紹介もしたかったし...
ぎこちない三人の風景
好みのオンナ
オンナも目元の傍らにある種の官能
後日のさざ波を予感させます。
なんて思わせぶりで、平凡なるが故に珍しくよく出来た邦題です。
毎度の長ったらしいイントロが終わり、映画評の核心の場面だが、
ここいらで辞めときます。
後は自分で観てください。
損はしません!
ヒロインのドイツ女優ですが、名演です。
あまりインスタ映えしないが、この映画では誰よりも美しい。
来歴を調べるに、ドイツ版のウィキしかない。
いまから、コツコツと読みます。
マダムエメが、手間を省いてくれると助かりますが....(^^)
https://de.m.wikipedia.org/wiki/Paula_Beer
2017年11月20日月曜日
至高の贅沢(再説)
築庭こそ至高の贅沢!
なんてテーマでエセーを書いたのが、昨年の三月頃
どうやら、この「ベルサイユの宮廷庭師」にインスパイアされたようです。
築庭(あるいはガーデニング)をモチーフとする映画はそう多くない。
知る限り英国の作品ばかりというのが実に面白い。
テーマ的にもお話の展開も月並みで予定調和なのですが、
その既視感がたまらない(^^)
庭園美學に関しては世界レベルな倭国ですが、映画美として
正面切って取り扱われた例は浅学菲才ながら知らない。
アーティストではなくアルチザンが扱う世界だと思っているのだろうか。
南禅寺別邸群と小川治兵衛(植木職人七代目)なんかモチーフにすれば、品位の高いものが出来上がりますがねえ
もっとも作り手の技量次第
相変わらず足立美術館庭園の人気が高くランキングもトップなのは慶賀の至り
しかし大塚美術館と似たところがいささか胡散臭い。
壺中天 なる言葉がある。
縮み思考と揶揄もされるが、巨大キャンパスに描かれたものだけが名画ではない。
かつて高名な英国の旅行家(だったと思うが)
西芳寺の庭を観て・・・
タージマハールの千分の一の面積で百倍の入場料!
そんな比較をするものではないがねえ・・・
あの「サルバトーレムンディ」・・・サイズは、個人の家の壁にかけれる程度の大きさ(65×45センチだとか)です。
あのお値段・・・(個人蔵だったということですから、あんだけの金銭が転がり込むのか!)
ウワサによれば、90億円でしこんだスイスの美術商がロシアの大富豪に143億円で転売
この大富豪はオンナ遊びが過ぎて三下り半を突き付けられ・・・
加えて多額の慰謝料の請求
どうやら慰謝料の支払いの一部の充当するみたい。
オークションハウスは両手で手数料をせしめるらしいが、なんと合わせて四割!
多分その辺の雑器の話だと思います。
しかし、これまた噂では今回の手数料は60億円だとか・・・
さっぴいても凄いが、慰謝料の額にはまだまだ足りないそうな(笑)
欲目が先に立つような美術品の蒐集よりも、築庭のほうが典雅ってものですねえ
2017年11月19日日曜日
電気羊はレプリカントの夢を見るか
まあなあ....初回はカルト映画になってしまったから
パート2も作り難いだろう(^^)
呻吟するような160分。
観客に不条理感満載の苦痛の時間....でも爆睡する気にはならない。
ケッタイなリトルトウキョウ風なチープ感はあい変わらず
初回は2019年の設定ですから、あれから三十年。
更にテクノロジーは進化した。
ナンチャッテ、レプリカントが妊娠するのだ!
しかしそんな馬鹿な話はあり得ない。
そもそもヒトザルとレプリカントの識別も容易ではない。
意図的な意識を埋め込まれた存在は、自意識において、ヒトザルにもレプリカントにもなる。
ネタあかしは簡単にやってくれない。
なん年後かのさらなる続編をまて!というのがメッセージである。
監督さんは、発音が難しいので割愛しますが、
ボーダーライン(エミリーブラント)
メッセージ(エイミーアダムス)
となかなか良い作品を作ってます。
起用は成功ですが、興行はどうもなあ(^^)
本来はマニア向きのカルトですから、大箱には向かない。
-----
オリジナルは、アンドロイドは電気羊の夢を見るか という寓意的なタイトルで
様々にパロられています。
今回もそのひそみに習った。
自然なものとそうでないものの境界線が判然としなくなったことを表現したと解釈するのが
通説のようですが、どうして殊更に「羊さん」なのか?が
よく分からない。
不眠症ぎみの原作者が
One sheep
Two sheep
Three sheep
と数え、良い夢みながら sleep に転じ寝入った....からかな(^^)
ヒトザルが羊さんの夢みるなら、
人造人間が、機械羊の夢だって見るだろう
2017年11月18日土曜日
モラルとモラル
堀田善衛さんの評伝を了読しました。
動乱の時代の孤高の知識人に対する感情移入的解釈には定評があります。
鴨長明
定家
ゴヤ
そして...モンテーニュ
蝸牛庵は王道的な批評には興味がなく、神は細部に宿るって嘯きつつも
稚拙な誤解を啓蒙されたって話題(^^)
モラル...ラテン語を起源とするっと言えばなんでも通る。
厳密なところ、語義も含めよく分かりません。
受け売りを知ったかぶりすれば、フランス語では
la morale
le moral
となるそうな。
前者は女性名詞で後者は男性名詞
カルネを「手帳か肉屋」かで錯乱した程度のフランス語の知識レベルだから
問いだたされても困るが、かなり意味合いが違います。
前者は道徳、倫理という意味です
後者は士気とか気力(倭語だと敢えてモラールなんて)
フランスの精神史の思潮としてのモラリストの存在は無視し得ない。
モラリストなんて言われると、二宮尊徳みたいなもんで敬して避けたくなる。
しかしそれは謹言居士の若き付き合い難い存在をイメージするが故だろうと気がついた。
当然ながら、ヒトザルとしての社会常識は具備していないと論外だが、
所謂「モラリスト」とは後者ではないか...という仮説!
自然体にあるがまま思うがままヒトザルの矩の範囲で自適に生きる...
当たり前ですが、カトリックの頸木の中でそう言い切る、更にそう生きるのは
かなり勇気のいる事だったと思います。
彼の「エセー」は二十世紀半ば近くまで法王庁の禁書目録にテイクノートされていたそうです。
随想録を精読するだけの時間がないのでお手軽に事をはこびますが、
ヒトザルは如何に生きるべき、、なんて晩年になってはじめて感じいるんだなあ。
観念としての人生論なんて空虚なんですよ。
若者に人生論なんて薦める識者ほどの偽善者はいないとキッパリ!
ミシェル 城館の人(集英社文庫版)
このネットエセーの読者には薦めない。
皆さんはまだお若い。
棺桶に片足を突っ込みかけた頃にお読みになれば感銘ふかかろうって(^^)
2017年11月17日金曜日
ポイントは3つあります(2)
聖徳太子の事績とされる事柄については、論点が二つある。
その事績が本当にあったか?
その事績は聖徳太子によるものか?
まず問題となる「事績」ですが、
遣隋使
冠位十二階
17条の憲法
三経義疏
最後の仏教典の注釈書については興味も知見もないのでパス。
遣隋使がなかったという説は聞いたことがない。
しかし、回数については両国間の文献に違いがある。
どちらの史書も、都合の悪い事は書かない、つまらないと思えば書かないのが
鉄則ですので、冷静に見れば日本書紀の記述はいささか危うい。
冠位十二階も実際に施行されたようです。
が、大化改新以降に廃止されましたし、施行による効能はよく分かりません。
氏より人で評価するシステムは確かに画期的だが、
実力主義を標榜する人事システムの実際ってありますからねえ(^^)
17条の憲法については聖徳太子論の核心ですから、過去から姦しい論争があった。
その程度は社会常識だろうが、全文を読んだ方は、、まあいない。
結構長文だし、四六駢儷体に習った華麗な漢文ですが、
倭人らしい誤謬があるのもご愛敬だとか。
冒頭の
和を以て貴し
三宝を敬え
詔は必ず謹め
なんかまでは誰でも知っているし、内容を克明に分析した先生によれば
憲法の核心はこの3つだけらしい。
まあ思うに、全くの虚構ではないが、日本書紀にある全文は、かなり装飾されていると
考えるべきだろう。
かくあれかし!という事は逆に言えば、現実はいがみ合い、決めた事を守らない、指示した事をやらない
って事が横行していたんでしょう。
平和主義的な仏教の精神でもって上位下逹が全うされれば
平穏な和謔の社会が生まれる、、とは太子らしいと言えばらしい。
これだけの革新政治が聖徳太子一人によるものと考えるには
無理がある。
当時の政治体制はトロイカ(推古、馬子、厩戸)であった以上
ヘゲモニーは誰にあったかはともかく「合作」だということかな。
意見の対立があれば何も進まなかった筈だし、理想の和の世界も
永くは続かなかった。
蘇我氏を後見人とする政治体制ですから、隙間風が吹けば危うい。
to be continued
2017年11月16日木曜日
ポイントは3つあります!
物情騒然となった「聖徳太子抹殺教科書」問題の決着はどうなったのかねえ?
皇室に関わる歴史事実に関しては、意図的に貶めたいと目論むかのような一派と
無条件盲目的尊皇派の争いの場である。
マトモな学術論争に縁遠く、遠巻きに冷やかに眺めているのが一番(^^)
そうは言っても後学のため、争点整理位はやりましょう。
聖徳太子なる人物は存在したのか?
諸説紛々であり...
全くの虚構の存在
誰かさん(存在を明らかにできない)を化体した存在
合成キャラクター(複数の実在人物からなる)
聖徳太子の事績とされる歴史事実は本当か?
人物存否と事績存否は別物ですが...
遣隋使
冠位十二階
17条の憲法
三経義疏
聖徳太子と呼称する事は妥当な表現なのか?
所謂「教科書問題」はこれだけである。
一番目の大命題とのガチンコ勝負ではない。
生存中は聖徳太子と呼ばれなかったのは歴代天皇と同じで
後世の諡号である。
しかし、存命中にそう呼ばれなかったから、存命中の呼称である
厩戸王子と言いましょうって歴史教科書の標記原則からして論外。
従って、聖徳太子抹殺計画の第一段階だという主張はあり得る陰謀ではある。
しかし、家永教科書問題を知っている者からすれば、
ライト系の教科書検定官が易々と組みするとは思えないが、
最近はレフト化したのかなあ?
そこんところだけは明らかにしておかないと...
教科書は教育の信頼性の源泉なんですから。
To be continued
2017年11月15日水曜日
マドレーヌを浸した紅茶の味
歴史なるものが始まって以来「世紀末」は何十回もあったが、
頭に浮かぶのは西洋の19世紀末。
フランス語だと、ファンドシエクル
皮膚感覚で感じ得ないのが残念だが、何やら思潮の退廃感が....
同時代的に20世紀末を体験したはずだが、何も想うものがない(^^)
あれから三十年近く経ち未だにあの世紀末を鳥瞰的に体系化した書物が何もないところをみれば、
誰しも何もないのです。
プルースト的に言えば、失われた記憶はなにか具体的な物質を媒介に
向こうからやって来るものらしい。
例えば、紅茶に浸したマドレーヌの懐かしい味とか....
けだし、彼の「失われた記憶」とは、あの世紀末の残照のことのようです。
角田光代さんの超訳なる「失われた時を求めて」には、
スワンの恋の部分はバッサリとオミットされてます。
この章は失われた記憶の更に前の記憶だから異質だということですし、
独立して取り扱うことが可能と言う理由もあります。
なかなか興味深いエピソードであり、シューレンドルフの秀作があるのですが、
世間は目あきばかりでなく、スクリーンにかかることはない。
ある種単純な物語でブルジョアジーのスワン氏が、高級娼婦のオデット嬢に
狂おしいまでの焦燥感満載の恋をするはなし。
こぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くやもしほの 身も焦がれつつ(定家)
遊びごとには寛容なおフランスでも、正式に結婚までとなれば
あの時代はやはり不味い。
しかし、暗喩的なネーミングです。
スワン(白鳥)
オデット
なんて言えば、あの有名なバレー曲を連想しない方が
どうかしています。
マドレーヌスワン嬢
これもやはりメタファーです。
プルーストを連想すれば、いまんところJBが最後に愛した必然性も
あるというだし、失われた幼い日の記憶探しも見え隠れします。
2017年11月14日火曜日
境界科学あるいは似非科学
何が本流でどれが非主流かは時代による。
非主流とか境界とか言われているうちはまだいいが、異端とか似非と非難されれば、学者生命は終わる。
あのリケジョの方はどうなった?
どっかでまだなんちゃら細胞の「再現」実験をやっているのでしょうか?
フリンジサイエンス
しかし、かつての異端の学説(例:地動説や大陸移動説)も時代が変われば保守本流にもなりうるのだから
「フリンジ」であることの証明って実はそう簡単ではない。
お話としては荒唐無稽のほうが楽しいし、陰謀論はドラマにもなります。
アマゾンプライムでは「シーズン5」まで・・・
段々お話が飛躍しついてけなくなっていますが、xファイルの亜流って感じです。
主人公たちは、FBI・・まで飲み込んだ国家安全保障省のスタッフ
xファイルでは男性のFBI捜査官でしたが、この手のドラマって最近はヒロインが多いのです。
これも時代の変化。
アフリカンやヒスパニッシュのメンバーがいないと、騒ぎ立てる向きがありますので配慮が欠かせない。
まあ・・・シーズン1まで見れば十分かな。
17年間精神病棟に収監されていたフリンジサイエンティストの天才科学者はまあいいとして
その助手めいた息子さん・・・IQ180の大秀才って触れ込みなんだが、どうみてもその辺のチンピラにしか見えない。
次の海外ドラマを探さないとねえ。
早く「クリミナルマインド」のシーズン10がプライムに来ないかねえ
映画は・・・どれもつまらないし
2017年11月13日月曜日
「it」が怖くない理由
ある英国人数学者による「恐怖の方程式」
完璧なホラーサスペンス映画のレシピである。
-----
(es+u+cs+t) squared +s+ (tl+f)/2 + (a+dr+fs)/n + sin x -1
(注記)
squared 二乗を表す
es 段々と大きくなる音楽
u 未知のこと
cs 追跡シーン
t わな
s ショック性
tl 現実性
f 空想性
a 登場人物の孤立
dr 暗闇
fs 場所・設定
n 登場人物の数
Sin 三角関数記号
要するに・・・
段々と大きくなるBGM・未知のハプニング・追跡シーン・わなの和を二乗すれば「ショック度」が増す。
恐怖とは現実におこりうる状況のほうが観客に訴えかけ、さらに空想が「恐怖感」を増大させる。
そして、バランスも大切なので「現実性と空想性」を足して2で割る。
登場人物が孤立すればするほど、暗い場所であればあるほど恐怖感が増すので「孤立と暗闇と場所」を足して、
登場人物の数(n)で割ると「衝撃性」が表される。あと、どっちかと言えばホラー系は冬場がいい。
血の量を表す要因の効果的な使用もホラー映画には欠かせないが、
血が出すぎはかえって逆効果である点をsin x -1で考慮する。
-----
この方程式は、プロ映画鑑賞家からの目線では実に面白い!そしてよく出来ている。
かかるが故に、世界的大ヒット中ではあるが、ホラーとしてつまらないのか、イット
もっとも、このレシピはあの「シャイニング」から逆算したきらいがある。
赤い風船の暗喩とはなかなかそそるのですが...
ある夏休みの出来事って事からして間違いの始まりです。
怪談は夏だが、ホラーは冬に限る。
あの名作「スタンドバイミー」のホラー仕立を狙ったが、これは裏目
ガキがゴロゴロ登場するから、緊張感不足。
ピエロが殺人鬼というのはある種衝撃ですが、
Coulrophobia なる精神病癖がありますし、実際にピエロ恐怖症の後輩もいます。
モデルとなったシリアルキラーは余技がピエロに扮する事だそうですから、
もはや主役造形に衝撃感はない。
メイン州の田舎町なのですが、あまり現実味がなくて、かと言って空想性にもかける。
同じメイン州の田舎町である「ヘイヴン」....おなじくキングのコロラドキットの舞台ですが、
遥かにスリリングです(海外ドラマになってますが、、)
シリーズ化を考えた露出あるいは出し惜しみがストーリーを破綻させたみたい。
だんだん良くなる法華の太鼓だと期待するかな(^^)
2017年11月12日日曜日
Last meal
https://www.google.co.jp/amp/s/gigazine.net/amp/20150119-12-last-meals-of-death-row-inmates
イエスの「最後の食事」....実際は捕縛されてから死刑に処せられるまでに
何か食べたはずだから、正確な解答は「不明」。
しかし、一般的には、
魚
果物
パン
ワイン
だと、かの名画に因み言われる(福音書にそう書いてあるそうな)
しかし、レシピは分からない。
死刑囚の最後の食事は?って、写真集が話題なくらいだから、
ブリアサヴァランが喝破したように「食は人格」
パラパラと見るに(アメリカンだからか)ミート中心にロクなものを
食べていない。
聖書すら読んだことがないのかね?
もっとも信仰心と凶悪犯罪とは相反するものとは必ず言い切れないが・・・
それにつけても死刑制度廃止は、グルメ国家の死刑囚の最後の食事が何か?という
楽しみを奪う非道な行為だなあ(^^)
蝸牛庵は最近死刑制度廃止論に宗旨替えをしました。
理由は様々ですが、
最後の食事を自分で選択できるという至福を鬼畜のようなやからに
与えるべきではない!もそのひとつ。
倭国は異様なまでに病院死の比率が高い。
ある統計では80%だとか!
つまり、大半の倭人は、ランチカプセルとかディナーチューブが
最後の食事だということ。
死刑囚の方がシアワセだと感じ得ないのであれば、
今一度、ブリアサヴァランの「美味礼讃」をお読みになって下さい。
自分の生誕日に相応しい話題のエセーをしばらく前からシアンしていましたが、
珍しくも「食い物ネタ」になった。
つまり蝸牛庵の「人格」とはそういうものなのだ(^^)
今日から66歳
2017年11月11日土曜日
中南海なる伏魔殿
五代十国の末期、金朝の頃に離宮として造営され現在に至る。
永田町二丁目三番地
ダウニング街10番地
ペンシルニア大通り1600番地
みたいなものである。
いま何が起こっているか?
過去何が起きたか?
が皆目判らない事が共通点であり、ある時期に公式発表でない
秘史が有能なジャーナリストの手により明らかにされることも似ている。
毛沢東秘録
共産中国から蛇蝎よろしく毛嫌いされた新聞社の手になる大河歴史ドキュメンタリー。
政治局の要人から激励されたり、顎足つき(だと噂された)取材旅行からなる
小説や紀行文からは真実は見えない。
歴史の真実は敗者の側にあり、勝者にはうとましいものだ。
中国政府の新体制が決まったようです。
下馬評を含めアレヤコレヤと姦しいが、所詮は伏魔殿の中の権力闘争
なんだかんだ言っても政治的人間の集団のやる事はそれしかない!と
喝破した佳作がこれ。
手元にあるのは単行本ですが、3分冊の文庫版もあるようです。
毛沢東語録
文化大革命
紅衛兵
造反有理
上山下郷
紅色娘子軍
どれもこれも「輝かしい革命運動の一環」と褒めちぎられて
猿真似をしないとバカにされそうになった時代。
最後は革命的バレー劇ですが、今見れば抱腹絶倒(^^)
招待券を貰って足を運んだらしい著名文化人が、異口同音に絶讃するなか
石原慎太郎氏だけが罵詈雑言(今思うにあれは見識)
絶讃記事は忘れたがこれだけはまだ覚えています。
改革開放路線という事で現在に至るが、権力権威財力を一つに集中させる愚は
歴史の教えるところである。
しかし、そう言う戒めは中華の古典には....書いてませんが、
極めればあとは堕ちるだけってなのはあります。
長い歴史で冊封体制に組み込まれ顎で使われるような惨めな目に合わないように
やってきたが、正面切って敵対するような愚はおかすものではない。
この辺はフィンランドを見習おう。
まあ暫くは臥薪嘗胆だわなあ〜
2017年11月10日金曜日
16世紀(2)
ルネサンスと宗教改革の時代
近代エウロッパの輝かしい黎明期....とかなんとか山川世界史の記述を
鵜呑みにしてはいけない。
無理矢理に光の部分をフォーカスすれば間違いとは言わないが、
結構ダークサイドな時代だったのだ。
ルネサンス本場のイタリアは当時の先端国家。
明るい太陽の下に文芸復興運動は似つかわしいが、
反面猜疑と陰謀の巣窟であったことはその辺の読み物にすら書いてます。
宗教改革の本場はさしたる混乱はみられないものの、スイスの惨状や如何に。
宗教(広義に考えてもいい)と政治の融合はロクデモナイものしか生まない。
そして、なんとも悲惨な有様は...
その時代精神を具象化した人物と言えば、大方の予想を裏切り(^^)
マルグリッド・ド・ヴァロア(王妃マルゴ)
父はアンリ二世
母はカトリーヌ(メディチ家からお嫁入り)
際だつ美貌だが傾城のオンナ
博識に教養、語学の大家
兄弟を含めオトコ出入りの激しい放縦にして淫蕩
母親ほどでもない陰謀家
彼女のたぐいまれな資質こそが16世紀の時代精神。
倭国での知名度の程はよく知りません。
萩尾ナニガシの漫画があるそうですが、今回初めて知った。
ベル薔薇の二番煎じだろうが、、、キャラとしてはマリーアントワネットなんかより遥かに上。
しかし、おフランスでは、
ジャンヌモロー
イザベルアジャーニー
とコメディフランセーズ出身の大女優により二度映画化されています。
淫乱美人だけならばいくらでも似つかわしい女優さんが居るはずですから、
彼女達でなければならないアイコンだということです。
当時のフランスは国家としての程をなさないくらい混乱を
極めていた。
宗教的対立あるいは名を借りた抗争が相次ぎ、
定説を見ないほどの犠牲者が出た。
マルゴはカトリックであったが、夫となるのちのアンリ四世はプロテスタント
絵に描いたような政略結婚ですが、当人たちに和解と寛容の精神なんか
持ち合わせていないし、
結婚式に集まったプロテスタントへの迫害が、
高校の教科書にさえ登場する「聖バルテルミーの虐殺」
その後アンリ四世により国家は統一され、ブルボン王朝の繁栄の礎が築かれた。
彼は何度となく改宗を繰り返し、最期はカトリックだった。
マルゴとは離婚し、、ローマ法王のお墨付きですから、
正確には、離婚ではなく、原始的に結婚は無効とされたのでしょう。
しかし、アンリ四世は狂信的なカトリックに暗殺されたものの
マルゴの晩年は寂しくも平穏であったらしい。
新しい時代を切り開いたと言う点では
フランス史と国史は時代的にも相似形にみえます。
2017年11月9日木曜日
It chapter one
最初から、パートワンですよって強気です。
オリジナルタイトルはいいとしても、
「それ」なんて翻訳風のサブタイはシャレがない。
ユーチューブで二億回の再生というが、このリンク映像はその一割でしかない。
それでも凄い!
ローバジェットながら興行は大成功みたいですから
シリーズ化されますねえ。
今年のハロウィンの仮装は、赤い風船をもったピエロに決まり...のはずだったが
スティーブンキングの小説の多くの舞台は東海岸。
雰囲気は、スタンドバイミー。
ガキの登場する映画は苦手だが、怖いもの見たさが先に立つ。
ボストンの辣腕悪徳弁護士のアランショア(敢えて人物設計はパス)氏は、
ピエロが苦手と言う設定ですが、理由は定かではない。
小さい頃にこのホラー小説を読んだのかもしれない。
ライムライトのピエロがそうたし、バットマンのジョーカーもそうですが、
滑稽さのなかで笑いをとる様それ自体に哀しみならを抱えて...
更に邪悪の感情までも(やはり緑色の眼ですなあ)
ジェイソン
フレディ
チャーリー
とあまたのシリアルキラーを生み出すものだ。
単なる需給なのかアメリカンの深層心理の何かなのかは分からない。
知らなかったが、このキラークラウン(役名、ペニーワイズ)にはモデルがあるらしい。
ネット情報では、植松、宮崎、白石を遥かに超える数の犠牲者だとか
肉食人種の殺し方はコメ主食の倭人には理解できない。
普通のホラー映画だよねえ。
喧伝される程怖くはない。
弐番館の二本立てで十分です。
まあ、赤い風船みると多少ドッキリくらいでしょうか(^^)
スティーブンキング原作映画はろくでもないものが多い反面
秀作も数多。
2017年11月8日水曜日
Get out
ロワールの旧家の四姉妹の配偶者は
アラブ人
ユダヤ人(当然ユダヤ教徒)
チャイニーズ
最後が、コートジボワール人(一応カトリックみたい)
なんて設定のコメディ映画が作れるフランス人はやはり天才民族だ!
しかしアメリカンともなれば、進歩性を標榜しても...
ってテーマだったかどうかはすでに記憶にない。
しかし、昨今は掲題のようなしつらえになるのか!
たった五百万ドルに満たない製作費でその五十倍の興行成績
美味しくてたまりませんなあ(^^)
全くの予備知識なく、、、サスペンス系らしいとは目星はつけてましたが....
ある種の人種差別映画です。
ホラー映画でもあります。
逆レイシズムの要素も持ち込んでいます。
主人公の恋人の祖父は陸上の選手だったが、オーエンスに破れ
ベルリンには行けなかったことがさり気なく語られます。
だからどうした!!
そこを語ればオチがわかる。
語らないとエセーにならない(^^)
まあ、最初から弐番館の添え物上映に相応しい作品
2017年11月7日火曜日
なんでも「おまとめ」
http://www.epark.jp
持ち歩く、あるいは引き出しなんかに退蔵されたカード類。
ざっと、ポーカーが出来そうな数。
纏めれば便利...とは誰しも思うが、
現れたのが「診察券まとめサイト」
猫いらず、じゃなくて医者いらずな蝸牛庵。
というか「不治の病」で医者も見放していますが、それなりに
診察券はある。
治療には行かないが予防には行くから意味はないではない。
なもんで、セコセコと登録を始めたが....
本当にスマホかざせは窓口は大丈夫なのかなあ?
予約電話が一発で掛かるのはわかった。
しかし、磁気カード型診察券は代替は無理そうだ。
多少の効用はみとめるが、それ以上でも以下でもない。
電子社会の到来とは....夜明け前が一番暗いのか?
まあ、年寄りと医師のインフォメーションリテラシーには
定評があります(^.^)
バリーシール
秘密文書の暴露や公聴会での衝撃証言なんかで政治のダークサイドを
見せつけられるが、それが映画化されるのは別の衝撃である。
娯楽仕立てとはいえ、或いは真偽は定かならざるが....
登場する大統領は
カーター
レーガン
ブッシュ(親)
クリントン(但し州知事として主人公の逮捕を阻止)
ブッシュ(子。但し何やらヤバイ事のもみ消しでも親父に頼みに来たらしく)
あとは実在の事象として
メデジンカルテル(コカイン製造販売組織)
ニカラグアの反共組織(コントラ)
イランコントラ事件
ノース中佐
まさしくダークサイドは須らく同じ水脈にあるのだ!
目くらまし的に目眩く展開に、途中から何故か爆睡(^^)
眼を覚ませばラストシーン。
大衆娯楽とは言え、こう言うテーマで映画が作れる国が羨ましい。
倭国だと「金環蝕」が最後かも....
実話的には、
バリーシールは射殺された(映画ではどうなったか解らない)
妻はそうそうに離婚したはずだが、、なんかファストフードの店員なんか?
でも、左手には豪華なダイヤのブレスレット(^^)
爆睡はやっぱり残念したなあ
が、再度映画館に足運ぶまでのことはない。
来年くらいの弐番館かな。
2017年11月6日月曜日
白い嘘、赤い嘘
短編集の名手と言えば、フレデリックブラウン
SFとかミステリーに異彩をはなつ。
真っ白な嘘
なかなか唸らせますが、そんな事はどうでもいい。
オリジナルタイトルは....Mostly Murder
これがどうして斯様な邦題になるのかねえ?
英語に、white lie ってありますが、たわいない嘘というニュアンス。
そういう意味ならば、シリアスな殺人事件なのに読む前からネタバレです(^^)
真っ赤な嘘の対極のつもりかな?
その辺は、まあ立ち読みでも(短編ですから直ぐに読み終わります)
白い嘘
赤い嘘
しかし、悪意あるタチの悪い嘘ならば black lie でしょう。
どうも、白と赤を対比してはまちがいのようだ。
しからば....
赤の他人
赤貧洗うが如し
赤心報国
赤っ恥
どうも「蓋しそれ以外何者でもない」って肯定的強調の形容漢字のようです。
雑学的には、色彩の「赤」でなく「明(あか)」だとされる。
しかしながら、何故に「赤」の字を当てるのかの説明がないので
鵜呑みにするつもりはさらにない。
あかい色とは多様である。
赤
朱
緋
紅
丹
あとは忘れましたし、それぞれを区分定義と言われても...(^^)
寒村陋屋に帰れば「日本色彩辞典」があります。
これを持たずに源氏のファッション(色襲とか)なんて理解できませんよ。
別に理解しなくてもものがたりは愉しいが、
それだけじゃ....
ただ言えることは、赤なんて色は西洋的で王朝美学の色彩ではない(と思います)
だから「鵜呑み」にし難いのよ。
2017年11月5日日曜日
考える人
新潮社の文芸雑誌みたいですが、初めて知りました。
が、休刊中。
海外文学ランキング
物は試しと....つまり「読破率」の自己チェック
選び方なり順番には文句たらたら...はさておき(^^)
なお、戯曲と詩歌は除外しているらしいリストです。
90から100位
知っているのは6冊。真面目に読んだのは3冊
80位台
知っているのは7冊。真面目に読んだのは薔薇の名前と三国志
70位台
同じく7冊。読んだのは大地だけ(いまや熱読した過去が疎ましい)
60位台
6冊は知ってますが、若草物語しか読んでません(^^)
50位台
知っているのが8冊。源氏物語が此処に登場とはなあ?
40位台
同じく7冊。モンテクリスト伯が源氏物語よりランクが上(^^)
30位台
ロレンススターン以外は知ってます。
高慢と偏見やブリキの太鼓がこの評価か?
20位台
同じく9冊。ボヴァリー夫人を含めて6冊読破
10位台
悪霊
嵐が丘
戦争と平和
ロリータ
ユリシーズ
赤と黒
魔の山
異邦人
白痴
全て知ってますが、ロリータのポジションが信じられない。
遥かに哲学的な悪徳の栄えが100位なんですよ。
9冊読破
ベストテン
百年の孤独
失われた時を求めて
カラマーゾフの兄弟
ドン・キホーテ
城
罪と罰
白鯨
アンナ・カレーニナ
審判
悪霊
ある意味順当で、異論もあり!
順当というのはノーベル文学賞対象の大作家が四人で
三人までもらっていない事。
ドンキホーテの評価がよくわかりませんが、流石に全部読みましたよ。
百年の孤独が金メダルねえ(^^)
理由は簡単です。新潮社からしか邦訳がでてません。
こんなあざとい事をするから文藝が衰退する。
大したことありませんねえ。
認知率は9割から8割
読破率はまあ半分くらい....もいきませんなあ。
読書人の看板が泣きますので、あらため「ヒマ人」と呼称しよう。
2017年11月4日土曜日
改めて演目をご紹介してみよう
放下僧
ほうかぞう、と読みます。
ほうげと読みそうですが、これでは意味が違う。
どっちの読み方でも、投げ棄てるという意味ですが、
ほうげと言えば、一切を断捨離し、解脱の道を往くという仏語
他方ほうかであれば、大道曲芸のこと
つまり、僧体をした大道曲芸師が放下僧です。
時代は鎌倉か室町期
親の仇打ちを企てる若い男(ツレ)が、兄(シテ)と共に放下僧に扮し
首尾良く本懐を遂げるものがたり。
敵討ちって倭人は好きです。
曽我兄弟みたいな話ですが、主題は仇討ちよりも大道曲芸を演じる
エンターテイメントにある。
だっから、演目タイトルもそういうことなのですよ。
従って、ワキは本当にそえもの
たいていのワキは最初に登場するのですが、
今回は後半からやっと出番。
本格仇討ちものならば、吉良上野介のように憎々しげに演じてもいいが、
まあ、どっしりアッサリ。
プロ的にはワキの出来で舞台が決まる。
シテよりワキの方が難しい。
と言う事で
動かざること山の如し....(^^)
しかし、前泊なんだが暇だなあ。
だれか遊んでくれませんかなあ?
2017年11月3日金曜日
プリペイド デビッド クレジット
デビッドカードなんかがどうして普及するのかねえ?
支払サイドから言えば、クレジットカードが一番良いに決まっている。
商品や役務を先に受け取り、支払はあとからほど嬉しいものはない。
支払が終わるまではクレーム付け放題だし。
それにデビッドカードが使える店舗はクレジットカードも使える。
もっとも、相手側は嬉しくないだろうからあらかじめ与信管理をする。
が、最近は無審査クレジットカード(あまつさえ会費無料)が横行している。
プリペイドカードなんか一番嫌なんだが、交通系ICカードはこれしかない。
少額だから我慢もするが、毎度チャージの度にアタマに血がのぼる(^^)
もっともクレジットカード払いですがね。
デビッドカードの取り柄は、支出管理ができる事らしいが、
それはクレジットカードでもオンラインで可能だ。
浪費家にはクレジットカードは危険らしいが、そういうタイプは
カード破産以外でも金銭破綻をするに違いない。
なんだかデビッドカードでコンビニのレジなんかで現金引き出しが
できるようになるんだって?
何が嬉しいのかなあ😆
レジはそもそもATMじゃない。
多額の現金を置いておけばコンビニ強盗のマトにもなる。
郵便局とセブンイレブンを合わせたATMの台数はざっと5万台!
総数はよく分かりませんが、人口比では世界平均の三倍(第7位)らしい。
実際にフリーで使える台数には個人差がありますが、
蝸牛庵の場合は、身売りした外資系金融機関との取引継続中だから
凡そATMと名がつけばどこでも
それ以外のキャッシュカードも含めたら、まずもって現金引き出しに困った試しがない。
このATM大国にいまさら「レジATM」なんかいりますかね?
世界的に現金取引が多いと言われているが、
蝸牛庵が至近で現金を使ったのは.....毎月の師匠へのお月謝だけです(^^)
これだって、ネット振込でもいいんですがなあ。
一枚のカードで色々な機能がありますって、一見ファンタスティックですが、
紛失や盗難リスクを考えればオススメ出来るものではない。
卵は分散して籠に入れるものだ。
2017年11月2日木曜日
2020年の大河ドラマ
「太平記」を最後にまったく観なくなったのですが、
来年は明治150年記念なんでしょうなあ...「西郷隆盛」
更にその次の年は「オリンピックもの」だとか!
実在する人物ならばあらすじは大体よめますが、オリンピックものなんて想像もできない。
代々の参加したオリンピックのエピソードや、幻の東京オリンピック話の羅列かなあ?
いまや利権やら招致にまつわる贈収賄がオリンピックの最大の話題なんだから、
長閑にノスタルジーに浸っている場合でもない。
決まったことらしいので平穏無事であることをいのるだけだが、その次はこれで行こう!
仏教伝来(公伝)
釈尊以来千年の時をへて伝来したわけだから、当時の半島情勢を踏まえ
聖徳太子一族の滅亡までを描く。
政治的に物議をかます事は百も承知だが、古代史や近代史をいつまでも禁忌として
避けていてもしょうがない。
オリンピックを踏まえ、新たな日本へ!....なんでしょう。
よく解らないが、宗教の伝播とは伝道師が経典一冊を片手に布教にやって来たという事ではない。
キリスト教だって後から軍隊や商船が連れだって来たわけだ。
当時の半島情勢ほど面白いものはない。
残念ながら中国は混乱期でマトモに東夷伝を書いてくれていない。
倭国は程度が低く、粗末な外交史だけで当時の半島にあった三国の委細まで筆が至らない。
肝心の朝鮮自体の史書は数百年後に編纂された三国史記しかなく同時代性に欠ける。
なんにしても、高麗、新羅、百済の三国の覇権争いがあり、
任那日本府なる倭国の飛び地の興亡がからみ、凄く素敵なんですよ。
仏教伝来といっても、経典が届いたとか僧侶がやって来たレベルの事ではなく、
仏教なるシステム全体がセットでやってくるという事である。
壮大な知的財産であり、単なる外交儀礼であげたりもらったりするものではない。
今風だと、ミサイル防衛網一式かな?
しかしながら、タダより高いものはなく、そんなものを装備すれば
戦争に巻き込まれるとか必ず反対論が出る。
提供する側にしても思惑があるし、ギブアンドテイクはいつの時代も同じ。
揉めまくったあげくが、物部対蘇我の宗教戦争。
信仰は血の対立を生むが、血の対立は信仰だけに起因しない。
力量ある脚本家なら、蝸牛庵の意図にそったシナリオを書いてくれるだろうが、
今風のホームドラマにはなりそうもない。
狙いは、文化的文明的に如何なる国家のかたちを作るかという壮大な
政治ドラマですが、視聴率がなあ...
つまり、期待しても実在する可能性は低いという事です。
2017年11月1日水曜日
ロビンソンクルーソーと資本主義の精神
「ビール大全」なる新書片手の世界漫遊は、アマゾンのおかげで断念しそうだ。
折角読み出したのだから、麦酒製法の知識でも習得しよう。
元来化け学は不得手なのだが、得手な世界にばかり埋没していては成長はない。
17世紀のころ
ロビンソンは、三十年あまり孤島で自足自給の生活をおくったが、
それは採集経済的なものでなく、前産業革命化社会の萌芽が垣間見える処が
経済史的にも産業史的にも有意差がある。
お子様向きの読み物程度と見下してはいけない。
高名な経済学者が引用するくらいなのだ。
彼は不器用で怠惰で何一つ自分の力でものつくりのできないエゲレス人であったが、
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を絵に描いたように....
まあ辛苦と努力の結果なんでも出来るようになるのですが、
麦酒つくりは成功しなかったというのがオチ(^^)
書物的には酒造りは味を無視すればさほど難しいものではないようだ。
麦酒の場合は...
水(当たり前ですが、ないと始まらない)
麦芽(発芽させた大麦を加熱乾燥させ幼根を除去したもの)
ホップ(除菌、苦味や味わいの元だが、なけれは香草系でもいいそうだ)
酵母(これがよく解らない。醗酵の元くらいな知識しかない)
ロビンソンの孤島では、ホップがなかったらしいし、蝸牛庵と同じで
酵母についてかいもく手探りだったみたいだ。
麦酒でなくとも果実酒なら、、例えばシードルなんかだと
手間隙かけなくとも出来ますが、やはりエゲレス人は麦酒にこだわったのか(^^)
半世紀ぶりに手をとった極色彩画入りのロビンソン漂流記
蝸牛庵が買って貰った少年少女世界文学全集の一冊はもはや行方不明。
これは老母がご幼少のみぎりに買い与えられたらしい稀覯本
なんと富山房刊行の大正14年版で定価三円八十銭なり。
しかし改めて読み返してみるに、一握りしかない麦を栽培し、土器を焼き、パンを作りという労苦は
何ページも続くのですが、ビールつくりの話は出てこない(ビール大全の著書の悪戯に引っかかったか)
当時のエゲレス人がことごとく酒好きだという偏見が勝手な妄想を作り上げたみたいだ(苦笑)
収穫量からすればビールにでもしないと需給バランスがおかしくなる。
パイプが作れなくて嘆くシーンがあるので、ロビンソンはスモーカーではあったがドランカーではなかった
せいぜいお薬代わりにラム酒をたしなむ程度。
面白く無いねえ(笑)
資本主義の精神とは禁欲にありか?・・・・
嫌だねえ・・・ゾンバルト先生の卓見を披露しておこう
ちょっと歴史の知見があれば、吉宗の緊縮財政よりも宗春(尾張藩主)の
享楽的需要喚起型経済政策のほうがファンタスティックだと思うに違いない。
資本主義の胎生は非合法恋愛の合法的な子供である「贅沢」による。