あるほどの菊
なげいれよ
棺の内
お互いにどの程度の恋愛感情だったかは分からない
夏目鏡子が猛妻・悪妻の類いであったらしいから、才色兼備の大塚楠緒子に憑かれた可能性はあり得るが、よく知らないはなしだから、、、
ただ彼女が夭折した際の弔句が、冒頭の俳句。
子規と交流もあった故彼の俳句はなかなかのもの、気持ちもよく伝わります。
ちなみに、楠緒子の亭主は赤門の美學の先生でしたから、漱石の「猫」に登場する迷亭君だと容易に想像出来ます。
漱石ファンには常識なんだろうが、アタシはまったく知らなかった。塩野七生さんのエセーの枕のエピソードでたまたま、、、
つまり、彼女は中央公論社から処女作を刊行し、最初はお抱え作家だったのだが、ある時から新潮社の看板作家になった経緯がアレコレ!あらまあ、そんなことなのって(^^)
作家と編集者のコンビの巧拙が作品の出来栄えを左右するとはよく聞くはなしだ、、、と毎度の長いマクラがやっと終わります。
村山由佳の「プライズ」が公設貸本屋からやっと届いた。確かウンジュウ人待ちだった。
お手軽な小説だから、、それに結構面白いし一晩で斜めに読み切った。まだアタシの後に百人以上が行列をしているようだから、そうそうに返却(貸し借りのエチケットです)
ベストセラー連発で映像化作品も多く、既に生涯収入は軽く稼いだ。財も地位もある旦那もいるし、軽井沢に別荘をもち、、、でも直木賞には何度も候補にはなるが、どうしても手が届かない。
承認欲求の権化みたいな女流作家の焦燥感を描いた作品、、、だと思うのは大いなる錯覚
この小説の主人公はむしろ編集者というのがミソ
文学賞選考の内幕ものならば、筒井康隆の「大いなる助走」で充分だし、ハチャメチャ感は筒井が上。
しかし、編集者をセンターに据えれば、違った世界が見えてくるし、作品の良し悪しの半分は編集者に帰責します。この辺りは、トマスウルフとマックスパーキンスのエピソードに詳しい。
彼が編集者でなければ、ウルフが名声を得ることはなく、フィッシュジェラルドやヘミングウェイだって
ネタバレを言えば、あまりに作者と作品に感情移入し過ぎた編集者の「暴走」は直木賞をもたらすと同時に作者の受賞式での突然の辞退表明となる劇的な展開
さらにその先があるが、そこいら迄はアタシが書くべきことではない。