2017年5月16日火曜日
子連れ狼こと・・拝一刀は正社員だったか?
死刑制度のある国家においては、死刑執行は公務であり正当行為である。
従って死刑執行人も公務を遂行する公務員ということになるが、公務員であっても、
正社員もあれば、派遣社員、契約社員もある。
江戸幕府の官制に「公儀介錯人」なるものが本当にあったかどうかは知らないが、なかったとされる。
御用があれば、誰か腕に覚えのある誰かさんを特別に指名したのであろう・・・
浅野のお殿様にせよ、四十数名の浪士にせよ、一体誰が介錯人を務めたのか調べてはいるがよく分からない。
首切り御用の山田浅右衛門は実在したが、この二つの役職は似て非なるものである。
介錯とは自殺幇助(切腹)というヘルパーさんであるが、首切り役人は死刑執行人である。
山田浅右衛門は、明らかに奉行所との世襲的請負契約により死刑の執行を行っています。
つまり、旗本や御家人(江戸幕府の正社員)ではなかった。
そして、付帯業務として「死体処分権」を有しており、生薬の製造販売業を兼営し、本業以上に収入があったようです。
死刑執行人が、医薬の心得があるというのは東西共通のことのようで、
フランス大革命期のギロチン執行人(アンリ・サンソン)も本業は医師である。
さらに、家業としてのギロチン執行人であり、かの一族も政府の委託により業務執行を行ったことのようです。
いわゆる「3K」は正社員の仕事じゃないって雰囲気があったのですよ。
職業に貴賤はないとはいえ、死刑執行人は人様から憧れや尊敬を得られるものではなく、
はっきりと言ってしまえば、不浄のお仕事である。
警察官(与力や同心)ですら不浄役人という倭国である。
死体を扱う死刑執行人なんてなんと言われるか・・・
だからかどうかは別にして、専門職ではなく輪番制かくじ引きかは知りませんが、刑務官の業務のひとつだとされます。
漏れ聞くに、死刑執行ボタンは三つあって、三人の刑務官が同時に押すと・・・どれかがヒットする(・・・仕組みらしい)
銃殺の場合に空砲を混入するのと同じ仕組みである。
いくら法律上の「正当行為」とはいえ、明らかに自分の手で執行したって分かるって気持ちのいいものではない。
昔の法務大臣は、見識や力量があった・・・と思います。
今のように、大臣適齢期議員の処遇ポストに使われるようでは、法と秩序の担保に不安が出る。
かつて、後藤田正晴氏は、江田五月議員(たしか法曹資格を有していたはずである)の質問に対して・・・(多少意訳すれば)
死刑制度がある以上、裁判官や刑務官に重い役割を担わせている事実を踏まえ、
行政府として法務大臣が死刑執行しないということで
国家の秩序は保てない。
個人の思想信条や宗教観を理由に執行を拒絶することが許されるわけではなく、
仮にもそうありたいのであれば、
その任にあることが間違いであり、即刻辞任すべきである
・・・・はっきり言ってスタンディングオベーションです!)
さすがの江田議員もそこで質問や追及をやめたと伝えられる・・・
なかんずく、委員会終了後、後藤田氏は江田氏の席に出向き
「君だって裁判官の一員だっただろう、法曹界の一員として法と秩序の重み・・・」
とかなんとか、懇々と諭し、江田氏はただ黙して、
先輩の苦言を聞くのみだったらしい。
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