2024年11月26日火曜日

素晴らしいじゃぱにーず駅伝

 


スポーツは映画や漫画の素材.....つまり視覚系コンテンツとして優れたものが多いが、、、、

要するに、小説にするとロクデモナイ。

読むに耐えるのは「素晴らしいアメリカ野球」くらい?


だから、稀代のストーリーテラーの池井戸潤がスポーツ系のエンタメノベルを幾つか上梓していますが(野球とかラグビー)まず食指が進まない。

最新作が箱根駅伝テーマといわれれば、、、それって三浦しをんさんの「風が強く吹いている」の二番煎じだか三番煎じ(^^)

でも、アタシが大好きな「予選会」をモチーフにしていると聞けば俄然興味津々。



本戦に出場が叶わなかった大学の高成績選手だけで構成される所謂「学連選抜チーム」が、なんと本選で二位相当の結果を出すって、ある意味荒唐無稽なお話なんだが、青学の原監督が実際に学連選抜チームで四位相当の結果を出した事があるらしいから、あながちそうでもない。

選抜された選手の記録だけを見れば、本戦上位の可能性はありうる話し。

しかし、幾ら良い成績でも「記録に残らない」ならモチベーションは上がらないし、団体戦なんだから寄せ集めではチーム力にはならない

それをなんとかするのが監督の力量ってこと。

毎年最下位あたりに低迷するチームを上位に導いた原監督は実に素晴らしい指導者なんだ。



エンタメとしては実によくできています。

複数の視座から立体的に物語を作り上げて行くというお手本のような小説です、監督の視点、選手の視点、そして放映するテレビ局の視点がうまく絡み合う、、、というか、この最後の視点が一番面白い(^^)


初めて知ったが、テレビ局が初めて中継をした際に箱根でのスタッフ三百余人の宿泊地の確保にポカをやり、その苦境を救ったのが小涌園ホテル。

その恩義から未だに区間中継ポイントでもないのに小涌園前に中継カメラを設置しているエピソードが執筆動機だというから、、、実際の後援は読売新聞なんですが、こちらは、スタートとゴールの場所提供だけ、、、と思いきや「箱根駅伝」なる商標の権利者でもあるが、この小説は文藝春秋刊行ですから、讀賣は全く登場しない。



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