2019年3月14日木曜日

今年の春の舞台は....藤戸





去る藤戸(倉敷市あたり)の合戦に勲功のあった
源氏の武士佐々木盛綱は、その地を知行する恩賞に預かり
春うららかな頃、意気揚々とお国入り。

そこにみすぼらしい老婆が登場し、盛綱に対して
恨み辛みを涙ながらに語る

手柄を独り占めするため、軍事機密を提供した
若い漁師を殺害し、海中に放置しただろう。
遺棄された漁師は、成仏も叶わず、
冥府の闇の中で苦悶している
その若者こそ我が息子
一体このオトシマエをどうしてくれる...

盛綱は罪の意識から、海辺で供養のため
読経のさなか、にわかに現われ出でたる漁師の亡魂


若者の苦悩
老母の嘆き
武士の悔恨

とドラマティックな展開ですが、御約束通り
魂鎮めの結果、晴れて成仏得脱というハッピーエンド
なんとも御都合主義なんですが、
素人能楽師の演じる演目からすれば、今回はこれに限る。
舞うのは任が重いので、素謡。
オーケストラなし、バックコーラスありでアカペラ。


シテは姉弟子...要するに老母と漁師の霊の二役
ワキが、アタクシで、カッコいい...はずの佐々木盛綱

四月は第2週の日曜日(春うららかな良い季節)
場所は毎度の渋谷のセルリアン(観客席が小振りで丁度良い)

四月十四日が死ぬ程暇で怖いもの見たさの気分にでもなれば
足をお運びください。
プロの能楽師がガッチリサポートしますから、
素人の拙い部分は耳栓・アイマスクでもして、プロの演じる箇所だけを
鑑賞するのが通ってもんです。
それでも無料ですから、お安く世界文化遺産が堪能出来ます。

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