2025年12月7日日曜日

四知

 




明らかにだれでも判る成句なんだが、意味するところは誤解されている。

小人とは誰のことだ?
君子と対句で使われますから、君子でないヒトザルのこと。君子とは孔子様のような立派な方のことだから
そんじょそこいらにはいない。
つまりアタシのような凡愚の大衆全てが小人です。
我々皆んなに対する「戒め」だという事です。

ならば「不善」とは何のことだ?
戒に違背するような振る舞い、、、では定義にならないが、モーゼの十戒やら七つの大罪やら、さまざま。


アタシは真言宗の在家私度僧ですから「十善戒」を尊びます。


不殺生
不偸盗
不邪淫
不妄語 嘘をつかない。
不綺語 中身の無い言葉を話さない。
不悪口 乱暴な言葉を使わない。
不両舌 他人を仲違いさせるようなことを言わない。
不慳貪 激しい欲をいだかない。
不瞋恚 激しい怒りをいだかない。
不邪見 因果の道理を無視した誤った見解を持たない。

最初の三つは「法は三章にて足る」と言われる通り、
普遍的な戒であるが、後はさまざま。
禁酒を戒に定める宗派もあります。
それは「色と酒」は宗教の最大のライバルだがら、、、
宗教的な感動...つまり法悦って、アタシは体験したことがないが、色と酒の愉悦ににているそうな。
お手軽に法悦を得られたら宗教の存立基盤が揺らぐって事が本音に違いない
しかし、たった十しかない戒の中で、口の禍が四つもありますから、優れてアタシむきだ(^^)

さて誤解を招くのが「閑居」の意味です。
通常暇を持て余している..と思われているが、正しくは
一人でいること、つまり他人様の目の届かない状態を言うそうです。

要するに、、、


君子にあらざる凡愚のヒトザルは見つからないと思えば悪事に走る


暇だと悪行に染まるわけではない。
ガバナンスでよく言われる「不正の三要素」にも同じような指摘があるし、後漢の頃の楊震の故事(四知)は優れて端的です。


天知る

地知る

人知る

我知る


千年以上も成句として生き残っているとは、ワルなヒトザルは絶えないって事だから、相互監視の制度(五人組とか)なんかの工夫が生まれた。ジンケンハは批判しますが、他に有効な手立てはないと言うのが歴史の教えるところであり、良い意味の連帯責任制。

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