2025年2月12日水曜日

カエル男

 


乱作の作者がかなりな思い入れなりで書いた連作ホラーミステリー四部作
かような作家の愛読者って公言するにはかなり勇気いりますが、、、いわゆる「純文学」の大半は骨粗鬆症か自閉症の産物みたいなものだと揶揄するアタシだから、、、

でも別に推奨はしません。

中身の悍ましさは、自分で読んで(買わずに借りる事で充分)確認してください。

ここまでも、これでもか!って作家は類を見ない。


中山七里ワールドには、様々な主人公(個々の作品のセンター)が登場します。

それが、全員ではないが、かなりなオールスターズが登場するのがこの四部作



このシリーズのセンターは、触法少女あがりの統合失調症患者のピアノ講師。コンサートピアニストの域ではないが、その荒削りな演奏は魂を揺さぶり、同じ触法少年上がりのサカキバラまがいの辣腕弁護士とは少年院仲間だし、ピアノレッスン仲間には司法修習生あがりで後年のショパンコンクールファイナリストもいたし、埼玉県警の体力バカ刑事とも心が通い合う。



彼女は悪名高いシリアルキラーだが、解離性同一性障碍を患う。

ミステリーである以上、捜査関係者は警視庁、埼玉県警、千葉県警のそれぞれ個性的な刑事にまで及び、あとは法医学者や鑑定人まで、、、、

これだけの多様なメンツが織りなしてこそ「シェアードユニバース」に相応しい。




この連作のキーワードは刑法39条

ジンケンハ被告代理人の最後で最強の魔法の杖だが、使い方が難しい法律概念だし、被害者側からの批判も激しいセンシティブな分野。

本条文削除という強硬意見もあるが、これは刑法総則第七章全体を鳥瞰していない視野狭窄な暴論。精神鑑定は科学ではないというが、そんな事はアタシでなくとも裁判官は百も承知。だから鑑定書に拘束されず己の自由心象に従って判決を書く。

また、責任主義は近代刑法のプリンシプルではあるが世界基準ではないと宣う方がいますが、唐代やそれをうけた養老律令でも「幼若、老耄、衆愚が犯した犯罪処罰は軽減する」と定められている以上、自然法理に近い考え方であり、主張は勉強不足な的外れ。



物語自体は、最終的にはすべてが浄化される結末なんですが、肝心の「キーワード」の解は、当然ながら見つからない。

罰を排斥ないし軽減する要件は、この第七章が必要にして且つ充分なんですが、、、実は第四十条(条文は後述)はかなり前に削除されてます。

まことに珍しい事なのですが、障碍者団体の「切実な訴え」を立法府が考慮したってこと

そのひそみにならえば、39条廃止反対論者は、、、

サベツシテクレ!って言っているような(流石にこれは詭弁まがいな言いがかりだからアタシの真意ではない)



聾唖者、行為ハ之ヲ罰セス又ハ其刑ヲ軽減ス






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