いつでも何処でも、刑事犯罪は起きる。
犯罪が発生し
捜査が始まり
容疑者を確保し
処断が終われば、、、一件落着なミステリー
しかし、室町時代以前は、社会風俗や文化が現在と違いすぎ違和感が先に立ち、江戸期はむしろミステリーよりも捕物の世界。
大正や昭和初期は、既に乱歩なんかが書き散らかしているから、いまさら、、、
という事で、、明治の開化期なんかが舞台装置として面白い。
山田風太郎氏の、明治断頭台や幻燈辻馬車なんかは、伝奇浪漫風味もあり、サクサク読めます。
ところが読むのはお手軽でも、書く方は参考文献を漁り読み込み、なかなか手間がかかるみたいで、、、
明治殺人法廷(芦辺拓)
彼の他の作品はろくに読んでいないから、力量の程はなんとも
しかし、この作品はまあまあいけます
ミステリーよりも時代設定の読み込みが読みどころ
自由民権運動過激派が跋扈し、権力の弾圧でなんとか表面的には平穏な「獅子の時代」
大阪市市内の質屋一家惨殺事件が発生
なんせ、旧刑法の時代ですから、推定有罪
孤軍奮闘する代言屋や、それをサポートする自由民権芸者に新聞記者、、、圧倒的に不利な公判。
この手の話は予定調和のハッピーエンドなんですが、色々実在の著名人が狂言回しを務めます。
手塚太郎検察官(最終的にどっかの高検長まで偉くなりました)
テミス神の代理人なんですが、無能で偏見まみれの裁判官を歯牙にもかけず、、、児島惟謙(この頃は大阪高等裁判所長官かな?)のバックアップもあったか、毅然と正義を全うするのです
この検察官の御子息はさしたる者とまでは言いにくいそうだが、孫は稀代の医師免許を持つ大漫画家。
そもそも、手塚家は蘭学医の家系ですから、、、、
小説のなかに、チョコっと孫の設定で手塚治虫さんが登場します。
読み飛ばしそうなくらいあっさりと(^^)
ちばてつやさんではなく、もう少し長命ならば、文化勲章受賞者のはずが、、、
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