2025年6月7日土曜日

はなたちばなのかをり

 


伊勢物語では、なんとも言えないエピソード付きで詠われる名歌が、けふの名題

 
むかしオンナありけり。
オトコもいました。
橘の香りのパヒュームがお好みの美人だった。
相思相愛だったのですが、オトコのうだつがあがらないと見て・・・だか
かまってもらえなくてだか、、
別のオトコに乗り換えた・・・
がどうも予想がはずれ落馬したみたい(苦笑)

捨てられたオトコは発奮したのかどうか知らないが、立身出世で飛ぶ鳥を落とすさま。
ある夏のころ、パーテイの片隅でしょんぼりと壁の花なオンナとそのオトコが出会い、
近寄り、しみじみと・・・詠いかけるともなく

オンナは恥じ入り、そのご出家・・・と原作にはありますが、いまどきならどうなんでしょう?
もう一度って、誘いかけるかな(笑)


某氏のブログによればですが、王朝和歌に倒叙する花群って(古今集のランキング)


紅葉





大別すれば、

花を愛でる
薫りを楽しむ
それ以外にも 語感を弄ぶ・・・・・ってあります。
 
その意味で橘は「その薫りがむかしを懐かしむ・思い出させる」ってのが約束事
その約束事は、このうたを嚆矢とする・・・ということで「定番」なのです。

このうたを本歌とする和歌群は、一大巨峰といわれ、それだけで詞華集がつくれるほどだが、玉石混淆

ちなみに比較的よく出来た本歌取り(源氏物語に登場)を見るに・・・

橘の 香をなつかしみ ほととぎす
   花散里(はなちるさと)を たづねてぞ訪ふ

詠い手は、ヒカル君(自分を子規になぞらえ)

こちらの方は、むかしのオンナ(源氏名が花散里)にまだ未練があるようです。


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