2025年3月9日日曜日

読むべきである。読まねばならぬ。読みなさい。読め。

 


かの「大作家さま」がそこまで仰るならば、、、


仮にも文庫化されると世界が滅び、、、はしないが、その「百年の孤独」を凌駕するとも言われる本作。

その次に上梓されたのが、この「族長の秋」

これまた新潮文庫で刊行されたもんだから、これは本当に「世界が滅びる」かも(^^)


なんともねえ、、、、ページぎっしりと文字が詰まっており、句読点はそれなりだが、何ページも何ページも何ページも、、、、まったく改行がない。

歯応えあり、、どころが歯がたたなそうだが、同じような一葉の雅俗混交擬古文がスラスラ読める(一葉さまは更に句読点が少ない)アタシだから、なんとかなるだろう(^^)


しかし、原稿料って、原稿用紙の枚数なのか、文字数なのかどっちだっけ?

あるアメリカ映画では、一文字幾らって台詞があったし、、、倭國の小説では、枚数単価だからやたら改行する売れない作家が横行しているらしい(^^)




To be continued 


2025年3月8日土曜日

日本誕生

 


ドラえもんアニメじゃないですよ。

昭和30年代の東宝の記念大作実写映画です。


動画配信サイトサーフィンで見つけました。

懐かしさのあまり、早送り一気見をしてしまった。

当時はチベットの寒村陋屋界隈にも小屋(映画館)があり、大黒座か恵比寿座とか懐かしいネーミング、、、珍しくも、亡父自身が見たかったのでしょう、アタシを誘って、、、、以後、映画に誘われた記憶がないから、実に映画はつまらんって思ったに違いない


記憶はほとんどなくて、八岐大蛇登場シーンとか焼津での草薙の剣くらいしか覚えていない。

今回はリプリント版ですが、キャスティングなんかだけは実に豪華だ。


主役は三船敏郎。素戔嗚とヤマトタケルを演じています。この役柄は日本神話における数少ない英雄伝説なんですが、、、三船敏郎さんじゃヒロイックなイメージを醸し出さない。

以下、、、天照大神が原節子。熊襲の兄弟の片割れが鶴田浩二とか、、、当時の5社の専属俳優の揃い踏み

あとは、初代朝潮がタジカラオ、アメノウズメが乙羽信子とか、、、



しかし、映画史には残らない空虚な大作

製作サイドに神話的世界の創造的な視覚イメージがないのですよ。古事記や日本書紀にもその辺りの描写がないからってなんだかオリンポスの神々の世界の借用みたいで、、、国体明徴派ならば激怒しそう。


監督は巨匠稲垣さんなんだが、、、ちょっと荷が重かった



2025年3月7日金曜日

250人のヒーロー

 


建国250年を記念する国立公園に設置される予定の顕彰者250人のリストです。

一概に否定するか、疑問を投げかけるか、唾棄するかは人選次第。

浅学菲才なアタシは全員を詳にしないから、コメントを控える。

そもそもの選考基準がわからないのだが、何故に彼(彼女)をオミットしたんだ!!ってことくらいはいいたい。

リストは、アルファベット順です。



Ansel Adams
Samuel Adams
John Adams*
Muhammad Ali
Luis Walter Alvarez
Susan B. Anthony*
Hannah Arendt
Louis Armstrong
Neil Armstrong
Crispus Attucks
John James Audubon
Lauren Bacall
Clara Barton*
Todd Beamer
Alexander Graham Bell
Roy Benavidez
Ingrid Bergman
Irving Berlin
Humphrey Bogart
Daniel Boone*
Norman Borlaug
William Bradford
Herb Brooks
Kobe Bryant
William F. Buckley Jr.
Sitting Bull
Frank Capra
Andrew Carnegie
Charles Carroll
John Carroll
George Washington Carver
Johnny Cash
Joseph H. De Castro
Joshua Chamberlain*
Whittaker Chambers
Johnny "Appleseed" Chapman
Ray Charles
Julia Child
Gordon Chung-Hoon
William Clark
Henry Clay*
Roberto Clemente
Grover Cleveland
Red Cloud
William F. "Buffalo Bill" Cody
Nat King Cole
Samuel Colt
Christopher Columbus
Calvin Coolidge
James Fenimore Cooper
Davy Crockett*
Benjamin O. Davis Jr.
Miles Davis
Dorothy Day
Emily Dickinson
Walt Disney
William J. Donovan
Jimmy Doolittle
Desmond Doss
Frederick Douglass*
Herbert Henry Dow
Katharine Drexel
Peter Drucker
Amelia Earhart*
Thomas Edison
Jonathan Edwards
Albert Einstein
Dwight D. Eisenhower
Duke Ellington
Ralph Waldo Emerson
Prince Estabrook
Medgar Evers
David Farragut
Mary Fields
Henry Ford
George L. Fox
Aretha Franklin
Benjamin Franklin*
Milton Friedman
Robert Frost
Gabby Gabreski
Bernardo de Gálvez
Lou Gehrig
Theodor Seuss Geisel
Cass Gilbert
Ruth Bader Ginsburg
John Glenn
Barry Goldwater
Samuel Gompers
Alexander D. Goode
R. C. Gorman
Billy Graham*
Ulysses S. Grant
Nellie Gray
Nathanael Greene
Woody Guthrie
Nathan Hale
William Halsey Jr.
Alexander Hamilton*
Ira Hayes
Hans Christian Heg
Ernest Hemingway
Patrick Henry
Charlton Heston
Alfred Hitchcock
Billie Holiday
Bob Hope
Johns Hopkins
Grace Hopper
Sam Houston
Whitney Houston
Julia Ward Howe
Edwin Hubble
Daniel Inouye
Andrew Jackson
Robert H. Jackson
Mary Jackson
John Jay
Thomas Jefferson*
Steve Jobs
Katherine Johnson
Barbara Jordan
Chief Joseph
Elia Kazan
Helen Keller
John F. Kennedy
Francis Scott Key
Martin Luther King Jr.*
Coretta Scott King
Russell Kirk
Jeane Kirkpatrick
Henry Knox
Tadeusz Kościuszko
Gilbert du Motier, Marquis de Lafayette
Harper Lee
Pierre Charles L'Enfant
Meriwether Lewis
Abraham Lincoln*
Vince Lombardi
Henry Wadsworth Longfellow
Clare Boothe Luce
Douglas MacArthur*
Dolley Madison*
James Madison*
George C. Marshall
Thurgood Marshall
William Mayo
Christa McAuliffe*
William McKinley
Louise McManus
Herman Melville
Thomas Merton
Billy Mitchell
George P. Mitchell
Maria Mitchell
Samuel Morse
Lucretia Mott
John Muir
Audie Murphy*
Edward R. Murrow
John Neumann
John von Neumann
Annie Oakley
Jesse Owens
Rosa Parks
George S. Patton Jr.*
Charles Willson Peale
William Penn
Oliver Hazard Perry
John J. Pershing
Edgar Allan Poe
Clark V. Poling
John Russell Pope
Elvis Presley
Jeannette Rankin
Ronald Reagan*
Walter Reed
William Rehnquist
Paul Revere
Henry Hobson Richardson
Hyman G. Rickover
Sally Ride
Matthew Ridgway
Jackie Robinson*
Norman Rockwell
Caesar Rodney
Eleanor Roosevelt
Franklin D. Roosevelt
Theodore Roosevelt
Betsy Ross*
Babe Ruth
Sacagawea
Jonas Salk
John Singer Sargent
Antonin Scalia*
Norman Schwarzkopf Jr.
Junípero Serra
Elizabeth Ann Seton
Robert Gould Shaw
Fulton J. Sheen
Alan Shepard
Frank Sinatra
Bessie Smith
Margaret Chase Smith
Elizabeth Cady Stanton
James Stewart
Harriet Beecher Stowe*
Gilbert Stuart
Anne Sullivan
William Howard Taft
Maria Tallchief
Maxwell D. Taylor
Tecumseh
Kateri Tekakwitha
Shirley Temple
Nikola Tesla
Jefferson Thomas
Henry David Thoreau
Jim Thorpe
Augustus Tolton
Alex Trebek
Harry S. Truman
Sojourner Truth
Harriet Tubman*
Mark Twain
Dorothy Vaughan
C. T. Vivian
Thomas Ustick Walter
Sam Walton
John P. Washington
Booker T. Washington*
George Washington*
John Wayne
Ida B. Wells-Barnett
Phillis Wheatley
Walt Whitman
Laura Ingalls Wilder
Roger Williams
John Winthrop
Frank Lloyd Wright
Orville Wright*
Wilbur Wright*
Alvin York
Cy Young
Lorenzo de Zavala



.......ちょっとだけコメント(リスト読み落としによる誤認があればご容赦)


絶対におとすだろうと思ったRBGがノミネートされているのは、少し嬉しかった。

怒鳴る度でも無視出来ないくらい偉大な最高裁判事。

ロースクールの女子学生の全員が尊敬し目標としているとまで言われています。アタシだって尊敬してます。


NBAですが、偉大な選手っていうなら

チェンバレン

ジョーダン

ジョンソン

バード、、、だろう。

悲劇的な死去だったからってブライアントを選ぶのは、如何かなあ(彼も素晴らしいんですがね)


クラッシック音楽分野やらはやはり不毛なんだっての自己認識だろうが、せめてガーシュインくらいは、、、

絵画は、ロックウェルだけだし

文学者としては、、、サリンジャー、カポーティなんかは及びでない。


やっぱり、野卑なカウボーイレベルってことかも?


2025年3月6日木曜日

名もなき者

 


ボブディランをティモシーシャラメ
ジョーンバエズをモニカバルバロが演じています。



いづれも演奏シーンは、役者本人の生声です。

だって、二人とも今年のオスカーにノミネートされていますから。

かつてヘップバーンはマイフェアレディのヒロイン役が吹替を理由に主演女優賞にノミネートされませんでしたし、エクソシストの悪魔の声を吹き替えた事を隠した為に(周囲の大人が悪いのですが)ヒロインのその後のキャリアは悲惨なものになりました。


ちなみに、モニカはこれでブレイクしたのです。



映画は、60年台のフォークソング全盛期。

若かりしボブディランの伝記的映画です。

アタシは、軽薄軟弱ミーハーなフォークソングファンでしたから、気難しいボブディランはあまりお好みでもなかったからよくは知らない。

後年ノーベル文学賞に受賞し、その理由が「アメリカンソングの伝統に新しい詩の表現を創造した」事だそうですが、、、どの部分が「新しい詩の表現」だかよく分かりません。


サルトルはノーベル文学賞を拒絶していますが、その理由は明らかではありません。識者に依れば、本人は哲学者のつもりなんだが、品下がる文学者として評価された事が屈辱だったかららしい。彼はシンガーソングライターなんだから、ライターだけを切り出して評価されるのは意に反する、、、とかなんとか言ってくれれば、実によくわかったのですかねえ。


製作会社はかつてのサーチライトフォックス。

いまは、ディズニーグループに属しますが、良質な安心して観れる映画作りには定評があります。

残念ながらオスカーはかすりもしなかった。



2025年3月5日水曜日

わらの女

 


カトリーヌアルレー作の、、、ミステリーあるいはピカレスクロマン。

いや、今風ならば後妻業または婚活業の「あやつり人形」だ。

オールタイムベストミステリーにもランクインするほどの1950年代の秀作。

新訳が最近刊行されているようなので再読してみた。



ところで「わらの女」というタイトルの寓意は何?

AIによるGoogle検索によれば、、、、

苦肉の策とか、、、ちょっと違うような気がします。

まだまだ学習不足だ(^^)


あやつり人形、、、これならドンピシャ!

homme de paille なるフランス語の慣用表現の女性形です。

つまり、ヒロインが操られるまま破滅して行くって展開が予想されます。



テレビ版は沢山ありますが、映画版は多分これだけ。

ワルはこのオトコ。

007シリーズ全盛期の頃の作品ですから、大富豪の秘書の役ですが、ジェームズボンド映画製作の間の片手間出演かしらって雰囲気。

後ろのヒロインが悲劇的な主役なんですが、それなりに売れた女優です。グラマラスよりもやはりJBを前に出す方がウレル(^^)


物語の発端は、婚活で玉輿願望なヒロインがFBのお友達サイトで「大富豪の伴侶求む」投稿(その当時ですから新聞の交際希望ページ)を見つけた事に始まる。

倭國のぽっちゃりな鬼畜達と違い、金員を搾り取った後は命までとは考えない。

しかし、大富豪に上手く取り入る為の策略のアドバイザーがこの秘書、、、、

その策謀なりストーリーの委細は自分で読んでください。



下衆なアタシはかの後妻業のオンナ(筧千佐子)を思い出す。交際相手から搾り取った金額は十億円とも言われるがその大半を投資だか投機で胡散させてしまったらしい。

犯罪収益を上前をはねるワル(投資セールスマン)がいた訳で、連中が罪に問われることもなくで未だにのうのうと生きて、、、つぎのわらの女を探しているのかも

筧死刑囚は、再審請求中に獄中で死去。別に合掌はしません


2025年3月4日火曜日

予母都志許売

 



万葉仮名でなく、多少わかりやすく書き換えれば

黄泉醜女(ヨモツシコメ)

かの辺りをネタとする評伝あるいは評論のタイトルですが、意味するところは「黄泉の国に巣食うデブ・ブスみたいな鬼オンナ」だろうか?
黄泉とは、死者の国とされるが、単に穢土(汚れたこの世)と解しても差し支えない。

理不尽な事がまかり通り、正直者が馬鹿を見る世界を穢土と言わずして何とする。

不殺生戒とはまずもって第一に護るべき事で、次に不偸盗戒。他人様のお財布目当てにひと様を殺めるなんて極悪非道だということだし、それが常習的となれば、、、



しかし、色香に迷いってあるし、騙される方が愚かと言われるかも知れないが、



上◯美由紀

木◯佳苗、、、、、不二峰子さんみたいなオンナならば、コロリと行くのは実によくわかるし、隠微な盛り場の一角には、デブ専やブス専をウリにする風俗店がある事くらいは知っている。

被害を受けた方々にお気の毒とした言いようがないが、心の隙間に魔物が忍び込んだのだろう。


拭い去りようのない劣等感

妬心と自虐を超克するための承認欲求やら、、、斯様な魔性に取り憑かれたメスザルは、すでに鬼畜。


識者はあれこれおっしゃいますが、死刑囚は圧倒的にオトコの世界(メスザルは一割くらいかな?)

昨今は後妻業やら婚活業の魔物が跋扈し、いずれもが傾向的に黄泉醜女、、、

やはり、ロンブローゾ博士のホモデリンクエンス(傾向的犯罪者気質論)って真理の一端なんですかねえ?


アタシって、デブ専風俗にはまったく興味はないが、プチぽっちゃりがお好みですから、多少は注意しないとなあ(^^)



たまたま、柚木裕子さんの社会派小説って言うから、読んでみた。

彼女も、ミステリー分野から脱皮進化しているようです。まだまだ「未熟」なのかこの手のキャラクターに感情移入出来ないアタシの心情なのか、、読み続けるのに難儀した。

あくまで小説でありモデルの死刑囚を等身大に正確に描いている、、、ものではない。

この死刑囚は活動的でして、自伝はだすし獄中結婚を繰り返すし、欲求不満解消のためにはなんでもやる。メディアが騒がないから更にエスカレートするみたいで、自己実現欲求があまりにも高い。


柚木裕子さんだって、木◯佳苗の心の闇を解明しようと本気で思っているわけでなく、ある仮説を提示しているだけだろう。

むしろ、小説の主人公である雑誌記者やその親友の「こころの歪み」に対して非対称的な対峙を繰り返し、やっとこさ止揚するって言う、ある種の教養小説です。





2025年3月3日月曜日

ひとり映画

 


才能と意欲のある役者さん(ある意味で向こう見ず)がしばしば手がけます。
最近は御目にかからないが、、、、

白野弁十郎(シラノドベルジュラックの翻案)

普通はただの御芝居だが、一人芝居版もあり新国劇系の実力派の役者さんが挑戦するようです。

翻って、ひとり映画


アタシの大したことのない「知の大伽藍」は、、、やはり空虚な洞窟だ。皆目記憶にない。

実験的な映画にはあるようだが、、、商業映画に限れば、極めて稀有。

その稀有な映画が倭國で誕生した。


綺麗な、悪


原作は、中村文則の「火」

文庫本で30ページ程度の独白的一人称な文体小説。

映画化に際しては、仔細に見比べたわけではないが、オリジナルの独白がそのままセリフになっています。


ヒロインは、ライターで自宅を全焼させ家族を焼死させた触法少女。その後の悲惨な人生は容易に想像できますが、心療内科で治療を受けているらしく、ドクターに対する告白が、そのままセリフになっている。

部屋の何処に医師がいるはずだが、合いの手も無ければ、姿形も見えない。


そもそも、医師を前にした診療中なの?

本当に真実なり事実を語っているのかしら?


全ては彼女の妄想かしらってよくわからないママ、エンドマーク

消化不良のまま不機嫌になる映画です。

主演の瀧内公美さんの滑舌ってこんなに酷かったかなあ。きっと録音技師の腕前が悪いのか、小説の文体をそのまま台詞にしたのが間違いかも?

そして、映像も古汚くもうす汚い。


映画は総合芸術ですから、録音や照明を粗末に扱うと、話にならない。

せっかくの意欲作が台無し



なお、一人芸ならば、落語や講談と豊穣な文化を誇る倭国。しかし、話芸とひとり芝居(映画)は別物




2025年3月2日日曜日

見比べる

 



不善を為すのは、暇人や小人、、、つまりアタシみたいな極私的映画評論家。

そうでもなければ、大作三本の見比べなんかやるわけがない。


1925年版
1957年版
2016年版


それ以外に、1907年版(14分程度)のサイレントやアニメ版もありますが、、、



結論は、、、2016年版の興行はオオコケでした

矢張り、あの作品の裏主役は「イエス」なのですが、それがわかっていない。

だから、名題はベンハーですが、併せて「キリストのものかたり」とサブタイトルがついてます。そこんところをシカトし、ベンハーとメッセラの友情や愛憎にマトを絞った2016年版がアメリカンに嫌われたのは当たり前。二十一世紀の新解釈なんて惹句が虚しい


やはり、1957年版は素晴らしいし、一番長尺なのも当たり前。なんせ「序奏」まである。

演劇の古典的な様式の踏襲。つまり三幕もので、二幕部分がみどころ満載という構成

海戦や戦車競争はこの辺り。その前後は、イエスのエピソードやそのカラミでもたしてます。

客受けは二幕部分だが、実は作品のキモはそれ以外。



基本の枠組みは1925年版と同じ。

CGのない時代。ひたすら物量をこれでもかと。

十万人のエキストラを集めてのスタジアムの風景

このころは、サイレントの終末期ですが、未曾有の大ヒット。

後年、音入れをして再上映をした、、、のも宜なるかな

2025年3月1日土曜日

「節」のはなし

 



手の込んだお料理を、それ相応のお値段で提供する小料理屋さん。

ご夫婦二人で、たった四席のカウンターでの接客(人数が多くなると別室テーブルを使うこともあります)


はやい話が、エクスペンシブなんです(^^)

料理を頂くだけでなく、プロセスをかぶりつきで鑑賞し、あれこれと素人質問をしたりするのも、代金のうちだと割り切る


和食の華は椀もの。

お椀をとったときの写真を見せないのは、、、イジワル。でも言葉で説明すれば、

揚げ小芋と蟹の脚が入ってました、、、凄く美味なんです。

出汁をとるには大量の「けずりぶし」を使うんだが、、、なんか違うのよ


なんか隠し味を使ったの?

今日は、マグロ節を使いましたから、、、


浅学菲才は悲しいねえ

節といえば、カツオかサバしか知らない。

店主によれば、地域地域のテロワールみたいなもので、イワシやらなんやら、お魚を半身におろした際のブロックを「節」というそうだ。

まあ、カツオの席次が高くて、あとは「雑節」という

以下、ググれば、、、



という事らしい。

やっぱり、高級店で上品な晩御飯を食べたアタシでした。

以下は、呑んだお酒写真







2025年2月28日金曜日

ベンハー

 



オリジナルは19世紀末あたりのベストセラー小説です。
風と共に去りぬと並ぶくらいの大衆的傑作。
ベンハーは、ユダヤ人の名門ですが、サブタイトルには「キリストの物語」とされますので、宗教的味付けが隠し味。
時代的に映画界が目をつけないはずがなく・・・

1907年版(まったく知らない)
1925年版(大ヒットだったらしいが未見)
1957年版(かの大傑作!戦車競争の凄さは後世様々にモチーフとされた)
2003年版(アニメ版らしいがよく知りません)
2016年版

最後は、制作費一億ドル(大した金額でもないが・・・)で、公開予定のはずが・・・
シネコンの予告映像にも関わらず、劇場公開見送りって、なんかスキャンダルとかクライシスでもない限り起こりえない
よくわかりませんが、興行的に当たらないって判断したのだと思いますが・・・多分正しい。
大枚叩いて配給権を買ったのに、DVDの発売だけだと大損でしょう。
確かにねえ・・・今更って気もしますし、役者に知名度もない。




何がスペクタクルのウリだか知りませんが、戦車競争だと、SWのボットレース以上にはならないから、いまさら
ガレー船同士の激闘ならば・・・ギリシャ海軍のように漕ぎ手が戦闘に参加するって派手さがないと受けないが史実は曲げられない。


当時のバトルシップの主エンジンは人力である。
ギリシア船を例に取れば、総乗員は二百名で、漕ぎ手は大半の170名。
連合艦隊として二百隻くらいを常備していたらしいので、ざっと四万人の配備。
狭隘な国土に少ない人口からすれば、
分業なんて贅沢は許されないから「多能工化」
漕ぎ手であり戦闘員(他方で、ローマやペルシアはエンジンは奴隷のお仕事だった)
当然にアテナイ市民とは言えプロレタリアのお仕事

古代ローマの国の背骨とはケントウリア。

重歩兵戦団であり、通常百人隊と言われる。
それに対して、古代ギリシャは海軍国であり、バトルシップのエンジンこそが国家の背骨である。
彼らの権益に配慮することこそが政体の基本であり、かかるが故に民主政が生まれた・・・とかの女史が喝破した。
歴史評価として正鵠を得ているかどうかは・・・・読み手が判断すればいいが、ポピュリズムと言えば聞こえが悪いが、大衆を無視して政治は成り立たない。

健全な中産階級を四半世紀に渡り、苛み傷みつけてきた政権はそろそろ痛いしっぺ返しが、、、


そんな事は別のネタですから、このお蔵映画は動画配信サイトでそのうちに見よう。
まあ、暇ならば、、、だが、UNEXTには、三作品揃い踏みだから、戦車競争だけを見比べるかな






2025年2月27日木曜日

明治波濤歌

 




山田風太郎の明治を舞台とする連作集。
主人公は勁草草莽ともいうべき人々。多くは大官顕紳になれたわけでもないし、一般的な通史の中では記憶に残ることも少ない。


吉岡艮太夫と榎本武揚

北村透谷、大井憲太郎と景山英子

樋口一葉と美登利(たけくらべのヒロイン)

成島柳北、川路利良

エリス(舞姫のヒロイン)に、ほんの少し森鴎外

川上音二郎と貞奴に何故か野口英世


どの作品にも、アレレという感じで有名人のカメオ出演が楽しい。明治期は必ずしも坂の上の雲みたいな晴れ晴れとした社会の青春期でもなかっただろうが、変革の時代はどこでも光もあれば陰もある。

片面だけをフィーチャーするのは間違いの元


個人的には、一葉ファンだから彼女が登場するのが一番好きだし、ミステリー仕立てでもある。

面白さでいえば、はちゃめちゃな音二郎だ。




2025年2月26日水曜日

ただいま海外逃亡中

 


禁錮八年の確定判決らしいが、この作品を「正しく理解」すれば、この程度の有期刑どころじゃ済まないって思いますよ。

ポスターと惹句を読めば、、、ウィキのAIが生成したあらすじだと



スリリングなホームドラマにみえますが、これは極めて痛切な神権体制国家批判です。


倭國には馴染まない寓意だが、アブラハムの宗教では、イチジクはアブラハムの民や神殿の姿を意味し、葉ばかりで実のないイチジクはかたちだけで内実を伴わない事をも示唆している(らしい)

イランイスラム共和国は一応は三権分立体制であるが、三権の上にイスラム宗教家が君臨する神権国家である。憲法や法律よりもイスラムの教義が上位。


ビジャブを着用しなかった事で女子学生が思想警察に圧殺された。それをきっかけとして反体制運動が巻き起こり、政権は鎮圧に躍起になる、、、、中で起きた家庭の悲劇。

実直な、実直であるが故に、イスラム原理主義そのものが化体した暴君となった家長は悲劇的に命を落とし、家族は瓦解した。


二時間半の長丁場ながら、長さを感じさせない圧迫感と緊張感。

オスカー国際長編映画賞ノミネート作品(イラン代表でなくドイツ代表です)ですが、受賞してもおかしくはない秀作。、、、多少何を言えば、映像芸術性に欠けるし、徹底的なリアリズムって訳でもない。

まあ、競争相手次第だ


2025年2月25日火曜日

「チベット」の飛び地

 



世界中には「飛び地」なるものがある。
厳密な定義はさておき、地方自治体(市区町村)の一部が他の地方自治体に囲繞されているエリアを言う。
例えば、近畿のチベット県のさらに辺境の北山村は、周囲全てが三重県と奈良県なんだがそのチベット県の一部として未だに、、多分未来も存在するかな?

歴史的経緯からの必然でそうなった訳だが、いまやその意味はない。
全村まるまるって稀有の例だが、市町村の一が飛び地になっている例は全国に沢山有ります。


タマネギくさい和泉ナンバーエリアには、岸和田市とか貝塚市とかアレコレがある。
ある岸和田市の住人が貝塚市エリアにお引越し...ところが公的書類の住所表記を見るに、自宅は岸和田市!
つまり、飛び地だった。

従って未だに貝塚市議会や市長選挙の投票権はない。行政サービスや手続も岸和田市が対応することになる。
学区がどうなのかまでは知らないが、なんとも不便なもんだから、岸和田市は貝塚市に有償事務委託を余儀なくされている.....

紆余曲折の果て、今は貝塚市に編入された筈です。
岸和田市としてみれば、多少なりとも人口が減ることは地方交付税交付額に影響しますから許し難いはず....アタシが市長ならば「買い取れ!」と言うところだが、、、、


まあ、このあたりはぐちゃぐちゃなんですよ

2025年2月24日月曜日

転売防止

 


東京2020の際に、不正転売防止を目的に「不正転売防止法」が制定され、各条例でのダフ行為禁止でカバー出来ない穴を塞いだ筈だが、、、ザル法というか構成要件該当性のハードルが高い。


実のところ主催者が本気で不正転売を撲滅する気にならない以上、倭國は転売ヤー天国。

立件例はありますが、あの程度じゃ応報にならない。



まず全てのコンサートやスポーツイベントがこの規制の網にかかるわけではなく「特定興行」だけが対象である。


有償譲渡禁止が明示されていること

興行の場所日時座席が指定されていること

購入者や入場者の確認可能な措置を講じていること


かような「特定興行」はドーム公演くらいで、大半の興行はこの法律では処罰できないし、迷惑防止条例はネット取引に網はかけられない。

だったら、、、転売ヤーが濡れ手で粟がつかめないようにする方が気がきいているという逆転の発想は如何でしょうか?



全て(あるいは何割か)のチケットをオークション(あるいは逆オークション)方式で販売する。

主催者の超過利潤は善良なファンのチケット代金を廉価にする事の原資に充当する(無論本人確認可能な仕組....顔認証でもなんでもいいから担保する)


本当は、全てオークション方式と逆オークション方式で販売して、超過利潤は慈善事業(子ども食堂運営費とか遺児育英資金等)に寄付したいが、、、、


物議かますかなあ?

一番愉しいのは犯罪収益の上前をはねること

それに、ダフ行為抑止の法益ってなんなんだ?

反社の資金源になるらしいが、そんなシノギはしれてます。

プレミアムを納得して転売が為されているだけで、普通の商行為と何が違う

暴利を貪る事を賤しく、単に右から左へ商品を転がすだけの商人を「賎商、賤しき者是商人」と貶めるが、値段は需給で決まる。これはinvisible God hand

仮に、この地球がゴールドで出来ていれば、一握の汚泥の為にヒトザルは殺しあうに決まっている。






2025年2月23日日曜日

承認欲求

 



彼に「おおいなる女装、、、じゃなくて助走」なる、パロディ的な作品がある。
芥川賞だか直木賞を欲しくてたまらない主人公が、何度も撃墜された腹いせに、雑誌編集者や選者を片っ端から血祭りにあげる、、、というプロット。
まるで、太宰治がモデルみたいなおはなし。
太宰は芥川賞が欲しくてたまらず、佐藤春夫に土下座的な懇願レターを書いたり、こき下ろした川端康成には罵声を浴びせたり、、、なんとも子どもじみた(^^)


万年芥川賞候補レコードは六回。何人かおられますが、、、受賞しなくて文名が上がる方はあがるし、そうでない方も。

川上宗薫は五回ですが、官能作家に転身(宇能鴻一郎は芥川賞作家ですが、同じく転身)受賞の有無に関わらず末路は同じ。

芥川賞候補でしかないハルキさんがノーベル賞受賞となれば、、、そう言えば、川端康成も候補だけだ。

筒井康隆も三度候補になりながらとうとう受賞は叶わなかった。

やっぱり、シネマもそうだが、SF系の宮中席次は末席

しかし、後年様々な「冠文学賞」ホルダーとなり、知らなかったが、紫綬褒章や日本芸術院の恩師賞の栄に輝く大作家に成り上がった。

文藝の世界では、ヒエラルヒーのトップクラスに位置するってことだ。

本人曰く、とれなかったから偉くなれた



この直木賞作家の小説が一部で話題らしい。版元は文藝春秋社。

買うような作家とは思っていないから、公設貸本屋さんに閲覧依頼を出したが、、、忘れた頃に案内があるだろう。

2025年2月22日土曜日

無題

 




ハイクオリティな情報誌の記事の斜視的なご紹介です。
政治、経済、国際情勢のよみには定評がありますが、投資予測は、、、どうだったかなあ?

投資のプロは、ドメインをかように分類し、分散なり集中を考えるのか!ってところがまずキモ

多少説明をすれば、


リートは不動産

コモディティは国際市況商品

フィクストインカムは確定利付債権、、、あとは略


まず、S&P500のPERが20を越え、マグニフィセント7が30ともなれば、、、更に駆け上がるかも知れないが、過去百年のパフォーマンスからすれば、大型株より中小型株が優位(だと書いてます)だから、ちょっと立ち止まって考えるべきかなあ?ってことらしい


新興国やコモディティは、あまりパッとしません。

欧州を組み込んだ国際分散投資って、言葉が美しいだけみたい(^^)


そう思って、この表をしばし睨みつけているのですが、ゴールドっていつの時代も安定感がある。

金利が付かないのが難点だが、金リース取引を仕組めば多少は、、、、

そして消費税が上がれば上がるほど売値が高くなる。

森永さんが、食料品の税率0%とかを主張されてましたが、じゃあメリハリをつけて金地金なんかは20%とか^_^さ


債権については言及しません。

債権に重きを置くバリュー投資なんて時代遅れだし、そもそもパフォーマンスが面白くも何ともない^_^

2025年2月21日金曜日

国際ロマンス詐欺

 




去るものも来るものも拒まないアタシ、、、


しかし、詐欺師って頭の良さからムショでは尊敬され、一方で性的な犯罪者は過酷な運命にあうらしい。

至極もっとも話し

以下長文ですが、毎回、相手はかわるのですが、テンプレート例がこれ


.....

兄弟として、日本を貧しい人々や幼い子供たちにとってより良い場所にするために、あなたと一緒に働けることを嬉しく思います。

何も心配する必要はありません。お金は自宅に届けられます。

この5億円が委託箱に入っていることを知っておいてほしい。

亡くなった夫が亡くなる前に、夫と私はオーストラリアの運送会社へ行き、このお金を安全な委託箱に預けました。

私たちはこのお金を祖国日本の貧しい人々を助けるために使うつもりですが、残念ながら私は夫を亡くしました。

私は彼にこの願いを叶えると約束しました。

しかし、今の生活は私にとって有利ではありません


だからこそ私はあなたに連絡しました、そしてそれは私をあなたに導いた運命だと信じています。配送業者がご自宅までお届けいたしますのでご安心ください。

私が望んでいるのは、私に代わって運送会社から箱を受け取るのを手伝ってほしいことだけです。

どうか、このお金をあなたの周りの貧しい人々を助けるための慈善活動に使ってください。

私はあなたを信じています。

わかりますか?

....


相手にしなければそれまで。

しかし多少なりとも、戯れてやれば、他に被害が及ばない、、、って事での暇つぶしだ。

多少変な倭語だからまあ想像がつきます。


五億円の一割位を、手数料でもらえるらしい。

でも「後払い」、、、って罠(^^)


先払いで、その1%くらいでいいからアマゾンのギフトポイントで送ってよ、、、、しかし、うんともすんとも(^^)


対人接触のないネット詐欺師は、アタマすら良くない、、、はずだが、その阿保に騙される馬鹿がいるのが信じられない。

しかし、最後まで騙されているフリもかなりしんどかったわ

2025年2月20日木曜日

ミュンヘン 九月5日

 


1972年と言えば、、、アタシは何をやっていたのだろうか?

九月の初めだというのに、寒村陋屋界隈で能天気にオリンピックのテレビ中継を毎夜毎夜見てたみたいだ。

体操ニッポンの躍進やらバレーボールでの東欧のどっかの国との激闘とか、、、


申し訳ないが、余りにも極東の島国ではリアリティが感じられず感情移入の出来ない悲劇なもので、、、

PLO傘下のテロ組織「ブラックセプテンバー」がイスラム選手団を襲撃、西ドイツの強攻策でテロメンバーは全員掃蕩したものの、同選手等で十名以上の犠牲者が出るという最悪の結果に終わった。


世界初のテロルのABCによるライブ中継(まだディレイでの中継という慣習はなかった)

いまなら報道規制が先だろうし、西ドイツ警察の不手際や失態もなかったかも知れない。

シナリオのないぶっつけ本番の報道の圧倒的な臨場感、緊迫感

実に素晴らしいドキュメンタリータッチの作品だし、地味な役者(はやい話が知らない俳優)ばかりである事が、より本物らしく見せている。

唯一知っているのは、通訳の若い女性(結構大活躍)役のドイツ人女優だけ。


事件後、ミュンヘン解除で追悼式が開催されたらしいが、アタシの記憶にはない。

そもそもテロ事件のさなかでも競技は予定通り行われていた。

しかし憎悪が抑えきれないイスラエルのモサドは直ちに報復テロにうってでた。

この辺りは「ミュンヘン」なる映画(スピルバーグ監督)に詳しい。

小屋で見た記憶があるが、、、単にその記憶だけで報復を昰とするとも懐疑的とも、よく覚えていない。



配役を見れば、この映像の右端は、かのダニエルクレイグ(007役者)のようです。