2025年8月22日金曜日

家業なるもの

 



一子相伝で、芸を継承してゆく。

家業の際たるものだが、国民全体が古典伝統芸とはそんなものって得心している。
親代々の百姓や魚屋に八百屋。ささやかに生産力と生産手段を保有する自営業者。社会学用語的には、プチブルであるが、特段のものとも思われていない。


しかしながら、政治家の世襲となれば、一転眼差しはキツくなる。そこには利権の温存や闇政治資金の継承やらよからぬ策謀を感じとるし、世襲化される権力は腐敗の温床という経験則も働く。

ならば、数年おきに選挙があるのだから、そこで叩き落とせば済む話し、、、なんだが、その温床の末端の旨味を味わった有権者が多いからかしら、現職はまことに強い。


しかし、野球ビジネスにも「家業」があるとは知らなんだ!実力と才能の世界だから世襲制とは相入れないという訳でもないらしい。


父親が、野球部監督(高校の理事でもある)

その子息が、野球部長

記事では触れていないが、母親が寮母


つまり、中井家は「野球が家業」

寡聞にして聞いたことのないビジネスモデル。

監督はチームを何度も優勝に導いているから有能なんだろうとは思いますが、有能な個人につながる一族郎党が餌にありつくってさまは、悪しき中華の外戚政治体制と変わるところがない。


監督と部長が退任するらしいが(寮母はどうなったのかな?)ヒトノウワサモ75日と言わんばかりに「復帰の可能性」を匂わせる


何をか言わんや



2025年8月21日木曜日

代筆屋

 



大和の国の恋物語では「代筆」は当たり前。

王朝時代のプロ歌人は、高貴なる方の代わりに歌を読むことが職業的義務。
源氏物語でも、お姫様宛の貴公子のラブレターの代返はお局様のお仕事
なかなか才気ばしった書きっぷりが、住み込みのキャリアウーマンのセンスってもんでしょうか。
靡かず、袖にもせず、気を持たせ・・・


しかし、恋文代筆話は、これに止めを刺す。

-- 
文武に秀でた快男児の彼だが、お面相がちょっと滑稽で絶美女に告白ができない。
親友のハンサム君は、文才はからっきしながら、同じように絶美女に思いをはせ、代筆を懇望してきた。
複雑な感情の快男児くんですが、友情も大事ってことで、渋々と・・・しかし、書き綴っていくうちに激しい感情移入が・・・
かような熱情に満ちた恋文に心動かされぬ女性があろうはずがない。
しかし、悪戯な運命の女神はハンサムくんを自らの膝下へ。
世を儚んだ絶美女は、修道院へ、
時世過ぎ、死期がせまった快男児くんは、今生の想い出にと修道院を訪ねる。
夕闇迫る中庭で、絶美女宛の「ハンサムくん」の恋文を読んで上げるっていう名シーン。

灯火がなくて、どうして文字が読めるの?

絶美女は、その時全てを察したのです。
命の灯火の燃え尽きる最後の時、快男児くん(シラノ)は、絶美女(ロクサーヌ)の腕の中で・・・笑みを浮かべながら

これが、男の羽根飾だ・・・!
--

エドモン・ロスタンの原文をしらないのですが、辰野隆さんは「心意気」に「羽根飾」をあてる屈指の名訳!
仮にも新訳の依頼があろうと、先達の偉業をそのまま踏襲するほうが安全と言えます。


言葉は鬼神の心も動かす。
しかし、文才だけでは、女心はうごかなないこともある。


日本史で希代の悪人と言えば、高師直。
仮名手本忠臣蔵では、吉良上野介に化体されてます。
無類の女好きでもあったらしく、塩治判官の妻に横恋慕し、吉田兼好に命じて恋文をかかせたと太平記のエピソード。

史実かどうかは諸説芬々
分かっているのは、手痛くフられ激怒した師直は、冤罪で、塩治一族郎党を惨殺したってことだけ。
塩治夫人は、中味を読まずに、庭に捨てたって書いてますから兼好法師の才能以前ということのようです。

2025年8月20日水曜日

May the FORCE be with us!

 


誤植じゃないですよ。

オリジナルストーリーでは、、、


May the FORCE be with you!


ですが、このシェアードユニバースではかような台詞になっています。ヒロインのジンアースが仲間たちに言う台詞です。

そもそもが、May the GOD be with you!

に由来ですから、いくらでもひねりが効きます。


しかし、そこらあたりに詳しくないと、字幕造りに四苦八苦したらしく、、、初公開の際には


理力とともに!(昨今は「FORCE」の和訳は断念)


まあ、映画製作のニュースタイトルが「惑星大戦争」とキネ旬が最初に紹介したくらいですから(^^)



あたしのような真言宗徒ならば、迷わずに間髪入れず、、、、


同行二人



ちなみに、英語の表現例は、


ODAISI-SAMA is always with me !


なんともセンスのない、、、あまりに稚気に乏しいのは、AIの回答だからです。


2025年8月19日火曜日

残暑、涼有り

 



猛暑だろうが、酷暑、烈暑でも彼岸を過ぎれば多少の涼の気分。
聴覚的には虫の音よりも、茅蜩の声に感じ入る。


黄昏時の少し前頃に打ち水

打ち終わるや否やの遠雷に夕立、、、涼は一段と感じ入るものの、舌打ちやら微苦笑(^^)



夕立の雲もとまらぬ

夏の日のかたぶく山に ひぐらしの声


夕涼み

閨にもいらぬうたた寝に

夢を残して あくる東雲



時系列は逆だが、後者の藤原有家の作

新古今集選者のひとりだが、歌才はこの程度

下の句にはキラリとひかるものを感じるが、上の句が俗っぽくあまりな散文的だ。

縁側での夕涼みから寝落ち、、、気がつけば既に空はしらみ始めって、長家の八公だか熊さん(^^)


前者は式子内親王の作品

彼女らしからぬ一筆書きのような単純平明な叙景歌だが、誦せば誦すほど涼味に感じ入る魅力のある佳作です。





2025年8月18日月曜日

ブラジルの夜と霧

 



Nacht und Nebel, niemand gleich!

ワグナーの「ラインの黄金」に出てくる呪文です。

夜と霧になれ!
誰の眼にも写るな


藝術の薫り豊かな寓意的な修辞ですが、これがファシスト達(ナチス)の手にかかると、、、


危険分子は密かに拉致せよ。

そして抹殺せよ。

生死、所在、経緯は一切あきらかにするな!



なんとも非人道的なやり口。

大川原加工機の冤罪事件のように、濡れ衣を着せて長期間拘束尋問し自白するまで保釈も認めずに締め上げるのはまだまた法治国家のうち。


軍事独裁政権下のブラジル

時代は70年代

ヒロインの夫はコミュニストシンパだが、ある日誰とも分からない連中に連れ去られ、爾後杳として動静はわからなくなる。

そして25年が経ち、残された家族の苦難の果て、やっと夫の死亡証明書が発行された。

生きて再会出来たわけではないが、事の経緯が詳らかに出来たという苦い勝利

苦学の末に、マイノリティサイドで闘う弁護士になった妻と家族は、記者会見で胸を張るのですが、、、


政権は、補償も謝罪も違法行為の処罰も一切しようとはしなかった、、、これは実話であり、同じような事はチリや他の南米諸国でもあったと聞いている。



大川原加工機事件においては、国家賠償請求は認められたが、個人の違法行為を咎める、、、つもりは全くなく(個人に求償転嫁も刑事訴追はやらないと決めたらしい)幕引き

これが「法治国家」だということ、、、らしい



この作品は、アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞しました。賞レースのオッズは二番手だったが本命が主演女優の舌禍で落馬しての栄誉。

経緯はともかく、良質な作品である事には間違いはない。




2025年8月17日日曜日

最後の化粧

 



化粧の始まりは、呪術性に求めるのがわかりやすい 

目とか口とか・・・魔物が侵入しそうな入り口を「形作ること」が化粧の始まり。 

時代は下り、特権性の表象として化粧(白塗り)がはびこる。  


白い → 日に焼けていない → 不労階級  


キリスト教は化粧を禁じたらしいのですが、あの手この手と肌を白く見せる工夫に尽きることはなかった。 かのエリザベート・バートリーは、処女の生き血のお風呂に入ると白い肌が維持できると信じて疑わなかったらしい。 これを思えば、クレオパトラの牛乳風呂なんか可愛いもんだ。 

19世紀では化粧はまっとうな女性の嗜みではなかった。 だから、オデットと結婚したスワン君は社交界から追放されたって、スワンの恋の章で、プルーストは書きます。

 つまり、その世代では  

・皮膚保護程度の化粧派(上流階級)

・紅、白粉、香水派(高級娼婦等)

・なにもしない派(庶民) 

に分別されたってことのようです。 

原始、女性は純粋無垢で、汚れとは無縁だという宗教的信念が化粧を忌避した。 だから、化粧をすると逆に肌が汚れそうな少女を偏愛する傾向がある。 

つまり「無垢な少女」

これをプルーストは19世紀末にふさわしく「花咲く乙女」って命名した。 アールヌーボーとは、花=女 女=花 のモチーフ 

要は「化け技法」のたぐいですので、 どってことないのですが、やっぱり、ここ一番は・・・カレーじゃなくて・・・ 


-- 

化粧なんて どうでもいいと 思っていたけれど 

今夜 死んでもいいから きれいになりたい 

こんなことなら あいつをすてなきゃよかった  

と最後の最後に あんたに思われたい 

--  



・・・「歌姫」はやはり凄いなあ、 

勝負服って聞いたことありますが、勝負化粧もあるんだ!    

そうそう、勝負化粧はさておき「化粧詐欺」ってあるんですってねえ。 

どうも、オトコはすっぴんで勝負してるに、オンナは化けて卑怯だってことみたいです。 騙された方にも半分は責任があるでしょう・・・ 

詐欺ってそういうもんです。 男女間のハンデイキャップと思うが、不公平なゲームの規則だと思うかは人それぞれ。 

まあ、誰のために、何のために・・・化粧をするのかってことだ思えば・・・ 


女は己を説ぶ者の為に容づくる・・・


とは史記の一節  

この文章の前には・・・ 士は己を知る者の為に死し・・・とありますから、まあ答えは明白   

昭和流儀に言い換えると・・・ 


男の顔は経歴書

女の顔は請求書   

2025年8月16日土曜日

スクールメイツ

 



昨今はFBにやたらとなつかしい写真が投稿される。

これも、昭和150年だか、戦後80年イベントの一貫かしら?
なつかしいと思うのは、精神が老境だからだろうし、むかし話に興じる気も程度問題。

スクールメイツ

バックコーラスあるいはダンサー集団

こんなものがあったことやテレビの奥の方に写っていたのを観た記憶がある。

名前がエンドロールに出るわけではないし、所詮はその程度の存在。


しかし、昔メンバーの一員でしたってカミングアウトされると多少はOGリストに興味が湧く。

迂闊ながら、当時は男女混成だったとは、、、、🫢🫢

 

さすがに、キャンディーズがOGだった事は知っている。

結構ソロ活躍したOGやOBもいたんだ。

ウィキには、メンバーリストが載っていますが、爾後の芸能活動にてらし、、、

さもありなん

まったくの畑違い、、、まで人生色々さまざま

なんとまあ!森進一さんもメンバーだった由



無論、消えていったメンバーが大半です。

2025年8月15日金曜日

詔書

 



タイトルが正式な公文書名です。

詔勅は、主上の御意志を表す文書の総称であり、なかでも「詔書」はその中でも特に重要なものを意味します。

大東亜戦争という閣議決定された正式名称はGHQの言葉狩りにより今に至るまで使用が差し控えられていますが、戦域を正確に表現するものでもある。


---以下本文


朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク

朕ハ帝國政府ヲシテ「米英支蘇四國」ニ對シ其ノ共同宜言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ

ポツダム宣言は、ソ連を除く三カ国が署名していますが、ソ連は後に追加署名。戦後の分捕り合戦やらの利害を考えた後だしじゃんけん、、、あの国らしい(正確な署名月日は不詳)



 抑々帝國臣民ノ康寧ヲ圖リ萬邦共榮ノ樂ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々措カサル所嚢ニ米英二國ニ宣戦セル所以モ亦實ニ帝國ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他國ノ主權ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス然ルニ交戦已二四歳ヲ閲シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ勵精朕カ一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ盡セルニ拘ラス戦局必スシモ好轉セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス「加之敵ハ新ニ残虐ナル爆彈ヲ使用シテ」頻ニ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所眞ニ測ルヘカラサルニ至ル而モ尚交戦ヲ繼續セムカ終ニ「我カ民族ノ滅亡ヲ招來スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ」斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神靈ニ謝セムヤ是レ朕カ帯國政府ヲシテ共同宣言ニ應セシムルニ至レル所以ナリ

宣戦布告は、英米二カ国に対してと書いてますが、その後、中華民国やオランダ等にも布告されたはずです。

ポツダム宣言受諾理由は、大和民族の滅亡を招きかねないに加え「人類の文明を破却」とは、、、意味がわかりかねます。この時点で原爆が人類を滅ぼしかねないとまでの想像力だとすれば、、、実に凄い事だ。

全般的に戦況は不利であり、特に原爆の惨害にふれていますが、結果的に「早期の戦争終結効果」にお墨付きを与えたようなものでアタシは好ましいとは思わない。原爆投下を含めて空襲での死者(大半は民間人)は40万人以上ですから、原爆被害と同規模の被害に言及がないことは如何なものか



 朕ハ帝國ト共ニ終始「東亜ノ解放ニ協カセル諸盟邦」ニ對シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝國臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及遺族ニ想ヲ致セハ五内爲ニ裂ク且戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ惟フニ今後帝國ノ受クヘキ苦樋ハ固ヨリ尋常ニアラス爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ萬世ノ爲ニ太平ヲ開カムト欲ス

1943年に大東亜会議なるものが開催されて、、、諸連邦がどの程度政略的戦略的に貢献したのかは皆目分からない。どれもこれも傀儡政権の類いですから、安っぽいプロパガンダに過ぎなかったようです。



 朕ハ茲ニ國體ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ亂リ爲ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム宜シク擧國一家子孫相傳ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ總カヲ将來ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ國體ノ精華ヲ發揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ體セヨ


最後の部分は、国の分断を起こしかねない主戦派の暴発や利敵行為や売国的行状を諌めることにあり、よくぞ、朝鮮やドイツのような苦難の歴史を持ちえなかった事に、改めて想いを致すしかない。

2025年8月14日木曜日

ルメイ

 



カーティス・ルメイ

性格は冷酷で好戦的。軍人は元来好戦的であるし、戦争があるから栄達の機会がある。

最終的に空軍参謀総長まで栄進した。

彼は、東京大空襲で大きな成果を出し(数多の無辜の民間人の犠牲を出したということ)その後の他都市空襲の指揮もとった。

広島原爆投下に関しては無関係だとされますが、原爆や原爆投下作戦についての情報はもっていたらしい。


空爆の効果は、期待値を下回る事が多いらしいが、

彼の無謀かつ大胆な作戦(低空からの焼夷弾投下と積載量を増やす為に、機銃や弾薬を装備から除去した)は大きな成果を挙げた。


戦後、彼は、勲一等旭日大綬章の叙勲を受けている。

航空自衛隊発展に功績があったというのが理由だが、

再軍備の軌跡(読売新聞社刊)を読んでも、ルメイはまったく登場しない。


世が世なら「戦争犯罪人」を勲章なんてあり得ないはずだが、なんかの政治力学やら忖度が働いたのだろう

勲一等は主上の親授が慣例であるが、さすがに、、、


なお、アメリカンの軍人でもうひと方が同じく叙勲されている。

こちらの方は海上自衛隊創設に貢献したし、先の著作には度々登場してます。


なんだか、バランスをとって欲しい、、、みたいな要請があったとか

2025年8月13日水曜日

夏の嵐

 



ルキノヴィスコンティは、ミラノの高貴な一族の末裔で、別名「赤い貴族」
青年期は共産主義に傾倒したが、代々の貴族趣味とは比べものにならず、その後

耽美
倒錯
頽廃
官能、、、、な趣味的世界に浸りきった。

ココシャネルに誘われて、映画監督の真似事をやり、ミラノのスカラ座のスポンサーでもありますから
オペラの舞台監督も手がけ・・・ってうちに、彼の映画は優れてオペラ的になってしまった。


その萌芽がこれ・・・・「夏の嵐」

原題は「官能」と言うが、映画のタイトルとしてはあまりそそる用語ではない。

映画冒頭に登場するのが、ベネチアの劇場でのオペラの上演シーン
演目はベルディの「イル・トロヴァトーレ」である。
典型的なイタリアオペラであり、

邪恋
ジプシーの呪いと因果話
決闘あるいは反乱
ヒロインないしヒーローの処刑やら自殺

映画の方は、貞淑な伯爵夫人がジゴロでイカサマ賭博師であるオーストリア士官の手練手管に弄ばれるドロドロ劇。
背景に、イタリアとオーストリアとの戦争が絡み、波瀾万丈のゴージャス悲劇。
ブルックナー七番を効果的に使うところなんかも、日頃の贅沢な趣味が偲ばれます。




日本では55年の公開。
興行的にも評価的にも悲惨なもので、キネ旬ベストテンでは全くの無視。
当時の選者は、傾向的な映画鑑賞のプロがゴロゴロいたのですが、彼らですらマトモに評価出来るようになるのは60年代以降。
日本がやっとGATTに加盟でき、二大政党制なる55年体制のスタート。
この年が戦後の分水嶺で、もはや戦後ではないと喝破されたが、生活実感としては、貴族的趣味に共感するまで財布も心も豊かになっていなかった。
けだし、衣食足りて礼節を知るのですよ。

ルキノヴィスコンティ映画が識者から激賞され、大衆的人気を高めたのは70年代。
一流品を素直に素晴らしいとみんなが評価できるしあわせな日本があったということだ。
以降、再発見や再評価上映がまったく企画されないということは、そういう事だということでしょう。

生きているうちにそんな時代がまた来るといいのですがねえ

2025年8月12日火曜日

ある寓意

 



世界三大美女なるもの、、、普遍的とも思えないし、文明地域単位に不平不満が出ないようにバランスよく選んでいる、、、程度のもの

クレオパトラ
楊貴妃
トロイのヘレン

当時の西洋は、蛮族の住む未開地だし、アメリカは、、、これもよく似たもの

小野小町をヘレンの代わりに差し替えるが、単なるお国自慢であり、倭國以外じゃまず知名度はない。


この三人の中でダントツは、トロイのヘレン

なんといっても、美の女神ビーナスのお墨付きがありますから、、、

トロイのパリス王子はなによりも「美」を選んだ、、、これがパリスの審判。

芸術至上主義者なら泣いて喜ぶだろうが、結果はトロイ戦争を引き起こし、激闘の果てにギリシャの覇権が確立された。権力や財力あるいは軍事力よりも「美」を上に置く事は、如何なものかと言う寓意、、、かな?





世界一の美女がトロイのヘレンならば、映画ネタに度々なってもいいのだが、知る限り二回。

演じた女優は、、、

ダイアンクルーガー(ドイツ系)

ロッサナボデスタ(イタリアン)

前者はさておき、後者は、トロイのヘレンらしい。

後年「黄金の七人」で銀幕に輝き、それに魅了されて、峰不二子さんが登場!



であれば、世界三大美女倭國版ならば、トロイのヘレンの代わりには、小野小町よりも峰不二子さまが一番相応しいのです。




2025年8月11日月曜日

出場辞退

 


...


高校野球に於ける「出場辞退」のヒストリーは、既に戦前からちらほら。
当時は、かなり牧歌的であり、、、

急病のため選手が揃えられない
資格外の登録選手がいた
無試験で部員を進級させた


戦後は、あの悪名高い連帯責任論から野球部員以外の犯罪(的)行為の詰め腹を切らされる例が多発し、、、昨今はさすがに可罰性なしとなったが、いまだに退部部員の不祥事は咎められるのは、如何なものかねえ。そもそもは身分犯だろう?
現役部員の不祥事は事情に応じた処分は当然だろうが、、、毎度言うように「小さな罪科も大きく咎める方が良い」


今回の大会途中の辞退なんて前代未聞であり、初期対応に齟齬があったように思われますから「暴力問題が理由」とはことの本質の歪曲に近い。

現役部員の暴力行為は落着しており、一事不再理原則にてらし辞退理由と見做すのは妥当ではない。

処分事案以外の暴力行為があったとされるが、これはまだ審議中だから、視野外。


不可解なことに、加害者が居座り被害者が転校したらしいが、普通は逆だろう。上記の審議中の事案を申し出たのもこの被害者だと言われると、なんだかモヤモヤしてくる。

勝手な憶測だが、下手な揉み消しが失敗し、疑念をもつネット義民があるこれないことをテロまがいに騒ぎ立て、高校や高野連が火消しのすべを失い、安易な解決を図ったって、、、、つまり責任放棄であり、可哀想なのは現役部員。


断固たる処断をやっていれば、、、厳重注意なんて懲戒のうちにははいらないの。

退学までは必要なかろうが、退部や今シーズンの公式戦出場禁止くらいは当然。

高野連のルールって、最低基準と思えばよい。

つまり、法律は最低限の道徳というプリンシパルは、ここでも範に足るのです



2025年8月9日土曜日

初盆あるいは新盆

 


漢字の当て方、漢字の読み方は、、、地域によりそれぞれ。

特段中身が変わるわけでもない。
四十九日が過ぎて最初の盂蘭盆の事だが「最初」に重きが置かれるからか、ひどく大層なイベントになる。

葬儀ならば、葬祭場が所持万端引き受けてくれるが、、、初盆は自宅でやるものだし、雛飾りの要領で、あれこれと汗水流して(^^)


まあ、祖霊供養の一環ですから、適当に手抜きはしますが、非常識にならない範囲で

しかし、通夜や葬儀は時間が決まっているが、初盆のお参りは、親類縁者がバラバラとやってくるのに対応するのは億劫だねえ

主宰者は第一種礼装らしいが、この暑い盛りにやってられるかよ。思案の果てに、地味っぽい作務衣にすることにした


精霊馬も作りました。

古式豊かに、本物の茄子と胡瓜を使います。

言われはあるのだが、、、今どきはあまりはやらないし、初盆だけのお飾り



しかし、趣旨的にはお盆飾りの必需品とも思えますから、来年までには、クリスタル製のお洒落な精霊馬を買うことにしよう




2025年8月8日金曜日

新しいスーパーマン

 



アメコミのビックヒーロー
30年代後半からの登場だが、スクリーンに大々的に登場したのは、七十年代

なんとも、クリストファーリープのスーパーマンがかっこよくて、、、しかし、禍福はアザナエルなんとか、乗馬事故だかの後遺症で晩年は不幸だった。


その後は、個人戦から団体戦へ

アベンジャーズに対抗して、ジャスティスリーグ

バットマンにスパイダーマン、さらには、、、

しかし、四番を撃つスラッガーばかりを集めても、チームにはならない。



炎暑のおかげかなあ?

エアコンの効いてる場所は、どこもガキと年寄りやらで満杯。

八月は夏枯れって、、、とんでもない。



しかし、スーパーマン映画も、大言壮語風になってしまった。

最初の頃は、小悪党を鎧袖一触に粉砕したのだが、、、昨今は、勝手に国際紛争の調停めいた事にまで手を出して、逆に国際社会から嫌がられる。

なんだか現実国際社会で聞いたりみたりしたような、、、


世界のボリスマンって、労多くて誰からも感謝されないって、、、小さなシンセツは大きなオセワ

MAGA風なMSG映画でした。


2025年8月7日木曜日

大阪IR

 



初期投資額は一兆三千億円
売上高は5200億円の計画なんだが、その八割はカジノのあがり

投資と売上を切り刻んでみてはいないが、少ない投資の割に過大に儲かるカジノとカジノ隠しみたいな諸施設(会議場、ホテル、展示場とか)って構図が透けて見えます。

カジノ事業の収益は、賭博部分以外のホテル、レストランなんかもふくまれますが、即物的にオンラインカジノシステムの方が絶対的に収益率が高い筈だ。


4月13日に華々しく大阪関西万博が開催されたのは誰でも知っていますが、そのあとの24日に大阪IRの起工式が行われたことは、、、ニュースにならなかったのは、やっぱり、なんか後ろめたいのでしょうか、関係者だけでこっそりやった?



話題なのは、むしろオンラインカジノ違法キャンペーン




そのスジからお達しの伝言ゲームですが、本気でやる奴が直ぐにバレるようなアクセスや送金をやったりはしないから、単なる免罪符

悪貨は良貨を駆逐する、、、というが、アドバンテージの設定次第で客が儲けやすいようにすれば客はどんどんやってくる。

それは、人気のあるノミ屋ではいまでも普通にやっていることです。


しかし、いまさら巨大な箱物が要らないオンラインカジノ解禁なんか無理だし、ホンマに計画通りに寺銭が稼げるのか、、、アタシは「タヌキの皮算用」だと思うがなあ。



そんなことよりも、カジノで勝てば、一時所得として課税されます。

競馬の払い戻し金が、事業所得として認められた判例はありますが、大阪IRの場合は常習的に賭ける事(継続的行為)を認めないので、まことに残念ですが、、、、


それに、非常に不都合な事も起きそうです。

例として、、、

一千万円の資金で、ルーレットに10回均等に賭けたが、九回目までは全て負け

最後にストレートアップの36倍の馬鹿当たり❣️

意気揚々と、、、これがそうはならないんだなあ(^^)


元金は一千万円

当たり金合計は三千六百万円

都合、ギャンブルの収益は、二千六百万円


と税務署は一時所得の計算をしてくれれば良いのですが、ゲーム一回毎に収益計算をする。

百万円賭けて三千六百万円儲けた(ハズレ馬券代は経費でないのと同じ理屈)から、収益は三千五百万円


控除額や税額計算の細部は略しますが、結構シリアスって思うか、、、でも、税金の心配をするほどカジノでは儲かりはしないと思いますよ(^^)





2025年8月6日水曜日

酷暑日

 




夏日
真夏日
猛暑日

低気温日を別にすれば、正式な気象用語の暑さの温度区分はこれだけ。
40度以上を「酷暑日」というのは、気象協会が気象予報士の意見から、単に提唱しているだけです。


しかし、かくも40度超えが連発するなら、そろそろですが、あとはネーミングセンスとして如何か?というはなし


炎暑日

烈暑

極暑

苛暑

厳暑

焼暑

炙暑

焦暑

痛暑

枯暑


それっぽい形容になる漢字をサーチすれば、幾らでも案は出てきます。

眺めているだけで、暑さがつのります

後は、ゴロとか、更に区分が必要になった時の用語体系の整合性とか、、、


アタシのイチオシもありますが、、「酷暑日」でも構わないかな

2025年8月5日火曜日

新しい「歴史認識」

 



主として右派からの批判が激しいが、良識派のパール判事(東京裁判の弁護人)ですら、疑問を持たれているヒロシマの原爆碑の銘文


主として「主語は誰か?」という論争だが、アタシは当然に「日本国民」が正しいと考えます。
むしろ「過ち」とはなにか?について、深く想いを巡らすべきであると考えます。


かの「原爆碑」の存在意義にも関わることだが、単に原爆の悲劇に止まらず「惨敗による全国民的な塗炭の苦しみ」と考えるならば、過ちとは「理性的に考えれば勝てる可能性の低い戦争を選択した政府指導部、追従した議会、国民を煽動したメディア、それらを妄信した国民が行った戦争そのもの」である。

簡潔に言えば「負ける戦争をやらかしたこと」が過ちである。

観念的には戦争は絶対悪かも知れないが、現実的には争いは無くならない。やらない方が良いが、仮にも血を流す争いをやるならば負けることはあっては決してならない、、、事こそが「絶対悪」ある。


昭和16年の敗戦(猪瀬直樹著)にも書かれている事だが、政官學の俊英を集めてのシュミレーションの結果は、原爆投下以外は全て史実は想定通りだったとされる。

彼ら俊英たちがそこまで想定したかどうかはしらないが、報告書に対しての東條英機のコメントは次のとおり


必勝の信念は合理的な計算を凌駕克服する


東アジア文化圏に於いては「文尊軍卑」の良き伝統があるし、これは真っ当な国ではどこでも似たようなものだ。チャーチルだって「戦争のような大事は軍人には任せられない」と言い切ったそうな


だっから、言っちゃうか(^^)

この碑文は書かれていないことを読まなくてはいけない。眼光紙背に照らせば、見えてきます。


安らかにお眠りください。

過ちはくり返しません

仮にも次があれば、次は負けませんから.......!


保守だか右派だかとか称する連中の大言壮語が馬鹿馬鹿しいのはともかく、最近は危惧の念すら


鬼畜鮮露

暴支膺懲、、、、拳を振り上げ挑発や煽動をするのは勝手だが、勝てる(少なくとも負けない)計算もなく、率先して戦火にまみえる覚悟も胆力もない輩ほど騒がしい。


今年の815で、その時の宰相が誰かはさておき、どんな談話を口にするのだろうか?、、、まあ、秘事本音は口にするものではない。



2025年8月4日月曜日

「戦後」80年

 



敗戦でも終戦でも、、、言葉遊びには与しませんが、あまり語られない歴史的事実だけはしっかりと認識しておきたい。

この「戦いのあと」とは、、、倭國が主権を剝奪されたという事の意味のようです。
知る限り有史以来初めて、東アジア圏の中華の近隣国の中でも冊封体制に組み込まれなかった唯一の完全独立国家であった訳ですから、その「剝奪された日」は国恥の日なんだが、、、いったいいつなんだ?



20年8月15日は単にポツダム宣言受諾日であり、正確には21年9月2日の降伏文書締結日に間接統治とは言え独立国家としての地位を正式に失ったわけである。

であれば、主権を回復したのはいつだったのか?

結構難問でして、27年4月28日のSF講和条約発効により再独立を果たしました(条約締結は26年9月8日)

同日にGHQが解体され、ある意味では「戦いが本当に終わった」という意味での「戦後」ならば、この日付をしっかりと覚えておくべきです。


この臥薪嘗胆的な6年間に憲法制定(法的な正確性は改正じゃない)をはじめ、新しい国つくりをさまざまやったわけですが、、、決して平坦円滑ではなかった。

独立を果たして、たった三日めには大騒擾事件が発生。かの皇居広場前での血のメーデー事件です。

自然偶発的な騒乱かしら?とコンスピラシーに与したくなるようなタイミング(日共が武装革命闘争路線を正式に放棄したとされるのはかなり先の時代)

更に、、、多少風聞にすぎないのですが、その二日後の記念式典(講和条約発効と憲法施行五周年)に、警察予備隊が参列の名目で「武装出動」していたと言われています。


警察予備隊の発足は、25年8月(北鮮の侵攻開始の二ヶ月後)



キナ臭いはなしは、いまに始まったことではなく、


.......平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において......


憲法前文の崇高な平和の理念が絵空事である事を早々と思い知らされた我々は、再軍備を「逆コース」なんて言われても困るし、単なる政治的プロパガンダな非難には狼狽えないって冷静におもうだけ。


そう、憲法の平和主義の大義のライフは、たった三年足らずだったって事実も重要です。ただただ「理念」として生きながらえているだけであり、決して良いとは思わないが、冷徹な現実。