2022年2月28日月曜日

梅一輪(2)

 


やっぱり「雪月花」を一首の中に一緒に盛り込むのは無理がある。
はやい話がたいした和歌がない。
そして、三種の景物(三景とか三園)を雪月花に比定するに至っては、これはもうこじつけ(^^)






ところで「雪月花」と当たり前のように並べますが、これは白楽天に由来する音読語であり、倭語としては「月雪花」の順番が伝統だとか、、、(根拠や出典は知らない)

しかし、宝塚歌劇団は今は五組ありますが、発足当時は一組。公演数が増えるにつれて、月組、雪組が作られた。つまり建制順のトップは花組。

大衆人気はさておき、宮中席次はそういうことだから伝統的「順番」とやらも疑わしい。


なにごとも欲張りは良くない。

スリーカードもいいが、ツーペアで、、、


きさらぎや 

野辺の梅が枝 折りはへて

袖にうつろふ 春の淡雪(順徳院)


花の色も月の光もおぼろにて 里は

梅津の春のあけぼの(他阿)


順徳院(後鳥羽院の皇子)は定評のある歌人だから兎も角も、、、他阿は知らない。

一遍上人が起こした時宗中興の祖だそうな

そんなことよりも、この和歌は実に素晴らしい


さいごは、、ワンペアなんだが好きな歌。

現代語訳があまりな直訳なんですが、、アルコール度が一首に漲り、爽快感満載だし、雄渾でもある。

乾杯の歌(椿姫)を万葉調にするとこうなるんだ!

大伴坂上郎女の作品。

ちなみに万葉集では「冬の相聞歌」です。

梅ならば春ってな脊髄反射は宜しくない。




2022年2月27日日曜日

白い牛のバラッド

 一体邦貨でいくらなんだ?

それ以前に、舞台はテヘランなんだがイランの通貨はイランリアルだろう?

外務省の「イラン基礎情報」はそう書いているが、通貨改革で昔の通貨単位であるトマンに替えることを決定したとも....

そして、庶民レベルではまだ昔のこの通貨単位が使われているとやら





なんにせよ、このイラン映画では、冤罪で死刑が執行され、賠償金としてこの金額が未亡人に支払われることが決定された。

もっとも決定と実行は別物。

毎年40%近いインフレ率だそうですから、引き伸ばせば引き伸ばすほど、、、と役人は誰でも何処でも考えるはず。

イスラム法では「タリオ原則」だから、歯に歯は....でもなくて、損害別の緻密な賠償金額基準があるらしく(自賠責保険の後遺障害部位別等級表みたいな?)それに準拠したんだろう。



凄く重いイラン映画(当然ながら自国では上映禁止)

邦題は「白い牛のバラッド」

白い牛は旧約聖書やコーランに登場する生け贄のことだとは直ぐに解るが「バラッド」って?

イランとフランスの共同製作だからってバラードを仏語的に表記して気取るなよなあ(^^)


それならば、アタシの「名題」の方が気が利いています、、、と毎度の自画自賛(^^)



補足

あるSNSには邦貨で7600万円に相当するってかいてますが、換算方法は不明だし、、、感覚的にはおかしい。

東京外大のサイトによれば、少し古い情報ですが、イランの平均年収は500万トマン(約40万円)だとか。

ようわからん



肝心の映画批評はまた今度

ただエンディングロールに「死と乙女」、、シューベルトの弦楽四重奏版が流れます。

オリジナルの歌曲の解釈はなかなか難解。

死が間近な乙女に対して死神は....

死は恐怖でも苦痛でもなく、永遠の安息だと悟す。

この曲の正しい理解が無くしては、衝撃的な結末が理解出来ないこと位は....今時点ではかような視座の批評はなかった。







2022年2月26日土曜日

ウクライナよ永遠なれ!

 F・フォーサイスはBBC記者を経て作家へ

MI6にも在籍したのか?と錯覚させんばかりの内情肉薄エスピオナージュ系スリラーの大家。しかし、ブリティッシュ伝統の重厚さよりもアメリカンなアクティブ感たっぷりだから、、実に読みやすい。

ドゴール暗殺劇の「ジャッカルの日」や傭兵とロジスティックテーマの「戦争の犬たち」は某国の秘密警察組織のトレーニングブックにも採用されていた。しからば、、かの御仁も訓練生の頃は内容を徹底的に叩き込まれた筈だ。

しかし、御仁が愛書家とは聞いたことがないし、壮大な宮殿のような私邸には柔道場はあるが図書館はなさそうだ。





ならば、フォーサイスの最高作「悪魔の選択」は読んでいないだろうから、老婆心ながら書籍解説をしてみよう。


The Devil’s Altenative


かの世界ではどっちに転んでも悲惨な結果、、というようなニュアンスで使われます。

かなり複雑なプロットなスリラーです。


民族的怨念を晴らすためKGBトップの暗殺を企てるウクライナレジスタンスの策謀

一方で食糧増産策は大失態の果て未曾有の大飢饉を生みかねない危機の中クレムリンの内部は「軍縮を条件に食糧を譲受するか電撃侵攻で欧州を制圧し小麦を捥ぎ取るか」の大抗争

ウクライナテロリストの暗殺は成功したが、ハイジャックによる逃亡は失敗。西ドイツに拘束されるが、テロリストグループは暗殺成功を世界に宣伝する必要性から倭国のスーパータンカーをシージャックし、テロリストの解放を要求

実はクレムリンの内部情報はMI6のエージェントがベルリン時代の昔の恋人を通じて偶然にも把握しており(なんだかあまりにご都合主義だなあって当時も思った)...その情報を知った英米首脳は、、、対応に苦慮する


テロリストを解放すればクレムリンの軍縮和平派は失脚しWW3は目前。解放しなければ、アムステルダムのスーパータンカーは破壊されヨーロッパの海は100万トンのオイルで汚染される、、、




ネタバレはしませんので、興味があれば読んでください。角川文庫にあるはずです。

名題は、、、テロリストの最後の言葉




あの御仁って幼い頃はカルキン坊やみたい(^^)

柔道なんかに志し、、全てのことは柔道から学んだ!と豪語し、なんか迎合本までJOCが1や国営放送記者がよいしょしたようで出版されています。





梅一輪

 


最後を「あたたかさ」と締めれば、誰でも知っていそうな有名句。

芭蕉のお弟子の服部嵐雪の作だが、有名句の割には作者名までのことはない。



俳句に「本句取り」なんてあるかどうかはわからないけど、アタシ的には

梅一輪 一輪ほどは まだ寒う

梅は春の季語とされますが、早梅や寒梅は冬の季語です。
この嵐雪の俳句は、多くの場合「春部」に収録されているはずだが、一夜にして冬から春になる訳でないのはもちろん、在原元方のように「年の内に春は来にける」ことだってあるし、目に見えなくともかぜの音で季節の変わり目を感じたりとか、、、


なんとなく暴論だが、季節と季語は別物の観念的なものだと理解しとくかなあ、、いやいや季節だって観念的です。太陰暦の季節感を皮膚感覚で感じ取るのはいまやかなり困難だが、立春はだいたい二月の始め頃。

春が来ました!と言ってもまだまだ寒いに決まっています。




思えば「衣替え」なるゆかしき風習も、平安期の宮中行事に由来する、暑いのに六月まで冬服で汗だくになり、寒くもないのに十月で冬服に着替える。



やせ我慢 伝統行事の ......


最後の五文字は、シアンチュウ

2022年2月25日金曜日

「日本 戦争経済史」を読む(4)

 直接戦闘行為に関与する国の数を除けば、日露戦争とは内実的には「WW0」だと西洋の史家はいうそうです。




臨時軍事費特別会計だけで17億円(一般会計歳入額の七倍強)大半は内債と外債。つまり借金で危険な博打を行ったわけですから、背景的には侵略というよりも自衛戦争。

国力の差は如何ともし難く、ロジスティックラインが長い為露国の戦費は倭国の五割増だが借入依存は半分にとどまる。はやく講和に持ち込んだのは正解だし、とれた獲物は「鮭の半身.....樺太だけ」に過ぎないが高望みするものではない。

そもそも「戦争に勝った」かどうか判然としない。露国の地を踏んだ訳でも占領した訳でもない。ヒットしたパンチの数が多かっただけ。


この手の話になると景気のいいラッパを吹きまくる無責任な連中が跋扈し、蒙昧な大衆を扇動するのは今と同じ

あの悪名高い「赤門七博士」の主張(正確には一人は学習院教授)というか無鉄砲な暴論。

多くは法学博士ですが、専門外のことに口出しをするものではない

曰く、戦費なんぞは一年間で三億円もあれば充分!

実際は宣戦布告から講和まで一年半かかりましたし、実額は先に書いた通りです。

賠償金は30億円とれ!とかバイカル湖以東を占領せよ!とか....正直に国力レベルを国民に説明していない政府を責める声はその通りだが、こんな暴論を新聞誌面に書き立てたのは、あのふたつの「反」日新聞社というのが象徴的です。


たった七千億円でできるはずの東京五輪が三兆円の浪費となったようなものだが、負けた戦争の後始末は凄惨を極める。

伊藤や陸奥の回顧談義なんかをみれば、、、

北海道、対馬、台湾は割譲あるいは租借は覚悟。

賠償金の言及は記憶にないが、仮に要求されれば清国のように借款で支払うしかない。担保なくしては誰も引き受けないから徴税権を差し出したり、港湾使用権や鉄道敷設権をつけたり......

今風だと綺麗に「債務の罠」という。

中共の手口を擁護はしないが、過去にやられたやりかたを踏襲しているだけだということです。


ともあれ負けなくて良かった。

二度の外征がそれなりの結果だったから帝国主義的侵略の道まっしぐら....だが、負けていれば、ウクライナのようにロシア同化策やホロドモールで「ヤマトミンゾクハホロビタ」かもしれない。



2022年2月24日木曜日

活弁(2)

 映画創世記の徒花、、、とまでは言わないが、文士や弁士になるくらいならば893の方がまだマシと当時のオヤゴさんは嘆いていたそうなってなんかで読んだわ。


多少デフォルメすれば、弁士は文士ほども教養がなく(無学文盲が多数)行状かんばしからず風紀紊乱にして暴飲荒淫破滅型。
無声映画の解説よりもナンパに精だす色魔だったようですから、内務省(警察当局)も業を煮やし、、、、弁士登録制に乗り出した。
自動車の運転と同じで試験に受からないと弁士稼業が出来ない。

最盛期には七千人強の弁士が登録されていた(女性弁士はそのうち5パーセント程度)がマトモに採点をやればニュービジネスは死滅しかねない惨状。

今と違い案外融通がきくのが当時の官憲でしたから、かなり手ごころを加えたのかな






以下片岡一郎氏の労作「活動写真弁史・映画に魂を吹き込む人びと」からの引用


試験は小論文と口頭試問の併用のようでさまざまな珍回答があったらしい(第一回試験は1926年)


問 単刀直入の意味は

答 短刀をもって強盗に押し入ること


問 小春日和の意味は

答 春雨降る気持ちの良い日


問 良妻賢母の意味は

答 女性の受験生は全員答えられなかった(^^)


問 総理大臣の名前は

答 コロコロ変わるからいちいち覚えていません(^^)


今時のアイドルクイズ大会のレベルもこんなものらしいから、そう馬鹿にするものでもないが、、、良妻賢母が答えられないようなタイプが弁士志望とは(^^)

最後の質問への答なんかは座布団一枚だろうし、アタシが試験官ならば黙って合格!


素行不良な稼業は他にもさまざまあり、上級国民の貴婦人淑女の不貞相手はダンス教師であり、活動写真なんかはすぐれて大衆的だったということ。


2022年2月23日水曜日

ミンスミート

 アメリカンのスパムミートに似たコンビーフみたいなものかな?と食痴なアタシ

全く肉片は入っていない英国の伝統的な保存食らしい

かのヒトラーは、酒も煙草もやらないし、オンナには礼儀正しいだけでセクハラとは無煙。それにベジタリアン系だと言われれば、、、品行方正な統治者ほど当てにならないものはないが、このミンスミートを好んだかどうかまでは、、、




WW2の欧州戦線での連合国の反攻

誰が考えても地中海サイドはシチリアを足掛かりに....

それを逆張りしてギリシャ上陸のガセ情報で事を上手く事を運ぼうとする謀略(名付けてミンスミート作戦)を企んだのが英国のMI5


ミッションインポシブルではなくて、ミニタリーインテリジェンス第五セクションの略称がMI5

罠を仕掛けたチームメンバーのひとりが、かのイアンフレミング(彼が海軍情報部に在籍した事は事実ですがこの謀略に加わってかどうかは、、?)だと思うのだが、、、あまり仕事をせずにやたらとタイプ打ちばかり。

怪訝そうな上司には、、、スパイものを書いてますって(^^)

よい職場だ


英国のエスピオナージュ系って誰がやってもル・カレ風になり、プロットが複雑で重厚感満載。

もう少し軽快感があると爆睡せずにすむが、、、

多分ですが、興行は苦しいかも

テーマの割にハリウッドと違い大衆迎合性とは無縁。





監督さんが、素晴らしいセンスのジョンマッデンなんですが、地味すぎなマニア好みな作品


2022年2月22日火曜日

ウクライナ

 クリミア半島でやった手口をまたウクライナでも....それもオリンピック期間中を目眩しにして虎視眈々というところまで同じ。



新しい国家を作ることは難しくはない。

領土と人民を支配する統治システムさえあればいい。

しかしこれだけでは「国家が成立」したに過ぎず、国際社会の一員として認められるには国連に加盟することが必要だし(安保理勧告に基づく総会決議)

他国と国交を結ばないと「国家として承認」された訳ではない。


ここら辺りは過度な形式論理に近いのですが、国際政治とはそんなもの

台湾は国家としてまぎれもなく成立していますが、国際社会の一員とは認められていません。倭国と価値観を共有していながら、、、残念ですが国交もない。

あの半島国はローグネーション以外の何者でもないものの国際社会の一員だし、でも倭国は国交を結ぶつもりはない。

国連に加盟することと同じ程度に除名のハードルも高いので、あの悪党の追放は不可能に近いが、これらのプーチンの傀儡国家が国際社会の一員になる事もまた然り。

しかし、クリミア自治共和国がそうであるようにロシア領に編入されてしまえばことは簡単。

如何に理不尽な振る舞いでも、ロシアを国連から追放するとか国交断絶なんて現実的ではない。

強固な経済制裁が関の山だが、それすらEUは腰が引けている。


なし崩し的にクリミア半島の大半がロシア領になり、またぞろウクライナの領土が簒奪されようとしています。クリミア自治共和国は(正当な形で行われたらしいが)住民投票の結果がそうであったのですが、今回は「平和的な独立の意思が多数を占める」のかどうかはよく分かりません。


倭国の刑法典では、暴力的な独立運動は内乱罪を構成するといわれますが、、、、

そう言えば、沖縄には「独立」を主張する政治団体があり、選挙に立候補して注目を集めようとしていますし、かつては国会質疑で独立の法的問題をしつこく質問した野党議員もいました。


ウクライナ問題は台湾問題とも関係するとはよく言われますが、悪き影響下にある分離独立派が国内に蠢いているのもまた事実。


活弁

 たかだか30年あまり

単なる歴史の残照に過ぎないが、、、
活動大写真の「語り部」が活動弁士




こんな奇妙な存在は倭国系だけ。
識者によれば、話芸の伝統らしい。人形浄瑠璃や講談、落語、語り芸の発展系と言われればそれらしい。

ヒトザルの外部情報の認識の八割は視覚だそうな。

にも関わらず、弁士とやらの聴覚情報に有意差があるのかってプチビックリ。


活弁の奮闘ぶりは、よく目にはしますが、短い期間ながら結構紆余曲折。

一般的に認識している、、舞台左袖に正装して鎮座し美辞麗句の口上ばかりが有名だが、あれは後年の一例

アニメの吹き替えみたいなザル芸やら色々あったらしいし、それをひっさげて植民地や移民先まで出張ったいったとかや。

普通は、少人数のオーケストラ(あるいはレコードによる音楽再生)がついて、動画の合間にテキストショット。加えての弁士の美辞麗句


東山三十六峰草木も眠る丑三つ時、、、


春や春 春南方のローマンス


書いているだけで気恥ずかしくなるが、「これにて一巻の終わりと相成りまし....」は未だに来歴は忘れられても生き残った弁士の口舌の最後の決め台詞




さて、、、心ひそかに懸念するのが、字幕スーパーの未来

一体誰が字幕スーパー情報を作るのだ?

AIが絶滅させる職業のなかに字幕スーパー翻訳があったかどうかは記憶にない。

しかし、一定の制約下での翻訳業務。

出来ないはずはないが、文藝の芳醇な香りは期待してもいいのだろうか?


かの「カサブランカ」の名台詞


君の瞳に乾杯


非常識なまでの意訳だが、名台詞ってみんなこんなものです。映画タイトルもまた然り。

2022年2月21日月曜日

ナターシャロマノフ

 

マーベルの世界は苦手系なんだが、


キャロルロンバート(キャプテンマーベル)

この名題の女性(ブラックウィドウ)


だけはお好み。

ヒロインの生い立ちの秘密なりが明かされるっていうし、その二代目を襲名しそうな「妹」も登場しますから、動画配信サイトで再鑑賞



密かに家族を装いアメリカの機密情報を窃取しようとする東側から潜入した秘密工作員。

家族の一員になりすましたナターシャとエレーナはその後秘密工作員養成所(レッドルーム)に強制的に送り込まれ、過酷なトレーニングの日々。孤児や拉致されてきたらしい仲間の子供達はその過程でどんどん潰れていく。

薬物投与で洗脳され、身体能力を限界まで高め、、、組織と組織の命令に忠実な強靭なエージェントが出来上がり、国家の威信を高めんがため....

指導者は獅子吼します。


お前たちの活躍は百の政治スローガンに優ると


まあお子様ランチムービーですから勧善懲悪なハッピーエンド。虎の穴じゃなかったレッドルームは殲滅され、エージェント達は洗脳から解放される


母親役を演じたレイチェルワイズは呟く(これからがペレストロイカよ......ホンマかなあ😃)



なんだかきいたようなはなしですが、あくまで「娯楽映画評論」です。


雪月花ふたたび

 


美の極致なんだと言われるが、、、好みはさまざま。
一般的には、白楽天の詩歌に始まるってのは不正確
美の発見は中華の特権ではない。



たしかに素晴らしいとは思うが、初出らしいながら、ただのレトリック。

しかし「雪月花の時」って、、、少し考え込みます。


中華の「花」は、梅、、、あるいは牡丹

月は年中ありますから、雪に花なれば、牡丹はもとより桜もあり得ないが、季節を無視して形而上学的に歌論をのべればあんまり引用したくないが、



生まれた時から人生投げたような最高の貴種の藤原良経にいわれとうはないが、この場合の花はさくら

三十一文字に凝縮された美の極致であり、散文詩的に置き換えると....読むに耐えないわ

 


まだまださむいのですが、梅も咲き始め、、、この手のはなしは先どりにしかず。



戯れ唄。オトコばかりで酌婦のいない宴会だったのかな?

だからお前は良経のように摂政関白にはなれなかったのよ。無論家柄もあり斜陽の大伴一族じゃ無理。


多少写実性ある美の世界を詠うならば、、、


梅の花

にほひをうつす雪のうへに

軒もる月の 影ぞあらそふ(定家 新古今 春部)


実に素晴らしいが.....アタシがむりやり「雪月花」になぞらえただけ。

オリジナルは「袖」であり、袖ににほひがうつすのは修辞として素晴らしいが、、、

でも天才定家には悪いがアタシの改作も悪くはないと自画自賛(^^)



2022年2月20日日曜日

CODA

 知らない言葉というか略語。音楽用語ではなく


Children of Deaf Adults. のことだそうです。

今年のオスカー作品賞ノミネート作品ですが、2024年からノミネート条件に「ダイバーシティとインクルージョン」が加味されますが、既に先取りしたのかな?って



東海岸に暮らすヒロインは素晴らしい音楽の隠れた才能の持主だが、家族はそれを理解するすべも無い。

家族と健常者の間の手話通訳として生きていくしかないと人生を諦めかけたが....

無論この手のおはなしはハッピーエンド


エンドクレジットを眺めていたら、ヒロインの母親役はマーリンマトリンだった!(いまんところ唯一の聴覚障碍をもつオスカーベストアクトレス受賞者)

第59回のアカデミー賞ですから、結構昔のことなのです(トップガンの公開された頃)


典型的な、Coming of Age Movie 

大抵はハズレがなく、そこんところに上手くマイノリティを絡めていますから、、、まあ佳作。

ノミネート基準がどうあれノミネートされてもおかしくはない....のですがね


発表されたアカデミーに対する「基準」に声高にオブジェクションと拳を振り上げるのはかなり勇気がいります。余りな白人男性優位作品ばかりが横行した歴史を踏まえれば、時代の流れかって。

しかし人種の坩堝のようなアメリカンだから成り立つはなしであり、熱烈な歓迎派の某女史曰く

......

提示された4つの条件のうち、一番分かり易いのは、作品の内容や演者にマイノリティ要素を取り入れることですが、これは思うほど難しいことではありません。それは、映画の筋書きにおいてほとんどの場合、性別や人種を置き換えても、物語は通用するからです。実際に製作現場では、実在の人物を演じるなど特別な場合を除いて、開発段階の候補俳優の名前には、様々な人種が混在しています。白人の男性二人で想定していたサスペンスドラマを、異人種、異性の組み合わせにしたり、女性同士にするだけで、今回の条件の一つはクリアされます。作品の本質を傷つけず、マイノリティに役を与える方法はいくらでもあるのです。

.....

本気でこんな事を考えているのかね?

シテとワキの組み合わせは、性別や肌の色やなんかで多岐多様にはできるがある必然があってそうなっているってことよ。

なんにでもマイノリティを嵌め込めるかどうかは過去の名コンビ映画を思い浮かべればわかる事なんだが。


たしかベルリン映画祭は役者さんの賞から性区分をやめたはずです。主演俳優賞と助演俳優賞だけ....

またノーベル財団はアファーマティブなんか全く視野にないそうです。

曰く

それは女性の受賞者の卓絶な功績を毀損する事だ

2022年2月19日土曜日

大河ドラマ

 アタシだってテレビっ子だった頃はある。

国営放送の「大河ドラマ」だって欠かさず....
しかし、ワンパターンだと感じ始めた頃がテレビ離れのころ
番組一覧をながめるに、、、(かなり面倒な手間だったが、数字は複数回センターになった事)

井伊直弼
大石内蔵助 3
秀吉
義経
幕臣三人姉妹
龍馬
謙信
原田甲斐
柳生宗矩
清盛 2
道三・信長 2
海舟
吉保
将門
大村益次郎
某堺の貿易商人
頼朝・政子
某会津藩士
北政所
家康(秀忠・家光) 3
某日系二世
マダム貞
某女医
政宗
信玄
春日局
隆盛・利通 2
尊氏
琉球話
奥州藤原氏
日野富子
吉宗
元就
慶喜

時宗

利家・まつ

武蔵

山本勘助

天璋院

兼続

浅井三姉妹

新島八重

官兵衛

杉文

真田一族

井伊直虎

金栗・田畑

光秀

渋沢栄一

義時


要するにセンターは手を替え品を替えても


忠臣蔵系

源平時代

戦国時代

幕末から明治


神武以来二千六百年あまりというのに、主に描かれる時代は累計してもニ百年程度(^^)

後の二千四百年はドラマにならない時代かね?

新機軸を打ち出してはみるが、たいていはつまらないようだ。

そういうのは朝の連ドラの守備範囲

一年間ダラダラと観るには知ったマンネリ話しが一番って事、、、つまるところ映像芸術としての進歩や進化革新なんかどうでも良いのですよ。

そもそも今時ひとつのテーマで一年間(ざっと三十数時間)もお客様を惹きつけるのは大変な事。





一貫したストーリー性のある連作映画でも、、、

SWで九部作

GFで三部作

仁義なきで五部作、、、それぞれの合計時間は知れてますし、とりあえず「一気観」の気力、体力の限界。

大河ドラマなんか、そんな気はサラサラ。三時間程度の総集編で充分です。

他にもシリーズ作品はありますが、一貫したストーリーと言えば、先ず頭に浮かぶのはこの程度。


国営放送局としては、スクランブル放送には断固反対らしいが、それはそうだろう。

真っ先に大河ドラマという看板番組がなくなる。


実は、もしも「後醍醐崩御以降嘉吉の乱の後始末」の時代を佐々木道誉なり足利義教をセンターに大河ドラマにするなら、、、ってネタで駄文を書くつもりだったが、その気は無くなった。











2022年2月18日金曜日

日本 戦争経済史(3)

 西洋の帝国主義国の食い物にされないように、清国の憂き目を見ないように富国強兵(今どきは分かりやすく近代化という)の道をまっしぐら。





同じような意識は中韓にもなくはないが、、、なんせ牝鶏晨する夜郎自大化した両国。知性あるマトモな人材とうまく連帯した大アジア主義の実現.....残念ながら夢に終わり絶望だけが残った。
ダメだ!もはやどうしようもない、、、と諦観したのが明治の知識人






日清戦争の戦費は二億円を超えました。

原資は一般会計のやりくりと国内向けの公債。まだ外債が起債できるほどの基盤も信用もなかった
当時の一般会計の歳入額は一億円強ですから、戦争って巨大な公共投資。
おかげさまで(倭国の近代化努力やら清国の牝鶏の愚行)大勝利し、多額の賠償金を手に入れることができた。なんだかんだ合わせて三億六千万円

当時の清国は人口こそ倭国の十倍ですが、一人当たりのGDPは、倭国の半分しかない張子の虎。賠償金は帝国主義国からの借款だったようです。さらに食い物にされたことは歴史に詳しい。




倭国の当時の指導者たちは「戦争はカネになる」とまでは思わず、賠償金原資で国家財政基盤の充実(金本位制への移行準備)と軍備増強に努めて.....言わば「勝って兜の緒を締めた」のですよ。

バブル時代のあぶく銭は、、、それに引き換え何処に消えたのだ

知る限りは「ゴッホのひまわり」だけしか残っていない


注記

明治の初めから金本位制を採用した事になっていますが、現実には銀本位制

2022年2月17日木曜日

巨人の星異聞

 日本中を感動させた涙腺刺激漫画だし、形を変えたアニメはインドでも大人気(野球がクリケットに置換)

しかし、今ならばナンチャラのゲン以上にバッシングを受けそうだ。

幼児虐待あるいは児童搾取

父親は見果てぬ自分の夢の実現のためにただただ乳児の頃から野球漬けの子供を育てる、、、彼は、、洗脳の結果としか思えない。

プロ野球選手にはなりましたが、利き腕の腱だかを損傷し....その後の人生はどうなったのかなあ?




スポーツ年齢の低下がとまらない。

幼い頃からスポーツに親しむ事が悪いことではないが何事も程度問題。競技の性格にもよるが大会参加資格に一定の年齢制限を設ける事には一定の合理性があるのだが、事は簡単ではなく最高のパフォーマンスは低年齢に依存するスポーツもあり、それがまた今大人気だから話をややこしくする。


加えて今やスポーツはビジネス。

五段階全ての欲求を一挙に実現してくれるのだから、運動能力向上のために許されない方法に手を出す、あるいは出させる「周り」が群れていてもおかしくはない。

別に今に始まった事でもなく、19世紀末には既にドーピングが始まっていたらしい。

スポーツの価値が毀損し、アスリートの健康を害し、公平でないやり方であっても勝てばよいと言う事は近代スポーツと共に生まれたようなもの。


だが、意思能力が充分でないとされる低年齢アスリートを汚染されるとなれば....これはそんなレベルではなくて犯罪である。

厳しいアンチドーピングを講じてもこの有様だし、そのレギュレーションの穴が「低年齢」にあったというならば、絶句しかない。


だが、、、、ルールブックを読んでもよくわからないが「低年齢の場合ドーピング検査には親権者同意」が必要とされるらしい。しかしそれ以上なんの「保護」があるんだ?



To be continued