2016年1月31日日曜日

進撃(する広告)の巨人に屈せずに


他国に事例があるかどうかは知りません(根拠をしめさずに諸外国では当たり前・・・みたいに書いているブログを見かけますが一旦は無視)
かつて(戦争中)ですが、倭国には「広告税」なる税制度がありました。

広告業者が広告主からの依頼を受けて広告をおこなった場合に広告業者が納税する場合(新聞雑誌広告やTVCM等)
広告主自らが広告を行う場合は広告主が納税(自社ビル屋上のイルミネーションとか)

戦費調達が理由だったようで戦後廃止されました。

商品選択や商品探査のために必要だといえば必要だし、内容が適切であるかぎり有意義な存在で、
課税すべきかどうかには躊躇する。
しかし、独禁法や景表法違反のヤマのようなCMや、街の景観を害する幾多の広告を見るにつけ、
また広告という腕力での不正義の横行も目に余るものがあり、税負担を行うことで間接的に正常化を図るという大義が大きい・・・と勝手に思ってます。
広告主に気を使って、不都合な真実を隠蔽したりとか、事実無根の提灯記事だとか・・・
広告機能は本来そういうために使うものじゃない。


広告の金額規模はいくつも統計があり、よくわからないのですが

いわゆる広告業界の企業規模は8兆円
企業の広告費は6兆円

10%程度の税率だと数千億円の税収。
TPPでセロになるであろう関税額と同等です。
まあ、少額の広告宣伝費には非課税枠とか広告費総額に応じた累進制とか工夫は入りますが、
巨額の広告費を背景とする言論(情報)操作みたいな真似事には、一定の歯止めがかかる。
ステルマのような姑息な真似事をやれば、今時点は不道徳な行為という非難程度ですみますが、
今後は脱税。
両罰規定で、当該法人に法人代表者、更には広告宣伝部長が幇助犯になる可能性もある。


しかしながら、素晴らしい提案ほど実現の道は険しい(笑)
昭和40から50年台には復活の議論がありましたが、やみさた。
この時は、実際に看板を撤去した大企業があまたいたそうです。
その後、アドバルーン的に口にする政治家もいますが、そのたびに「闇勢力」みたいな連中から釘を差され・・・
あまつさえ、広告業者(広告代理店のみならず大マスコミもそのひとり)から手を変え品を変えバッシングを受ける可能性・・・ではなく
実際にそういうことがおきていたそうな。


思えば、広告収入に依存するビジネスモデルって時代遅れで、大衆から嫌われる。
商品情報を欲していないわけではないが、今の提供方法には飽き飽きしているのです。
時代の変革期だ。
新しいビジネスモデルを考えればすむことです。








2016年1月30日土曜日

思想体系(3)






秋山治なる漫画家がいる。
昔のペンネームは、山止たつひこ。
本家の山上たつひこへのオマージュとおもうのですが、何故か不興を買い改名と相成った。


本家は「ガキデカ」で有名だが、これは不本意に違いない。
そもそもは、社会派である。
70年代始め「光る風」が、鮮烈な抵抗の風となり、不吉な時代の陰を払拭しようとしたが、唐突に連載停止。
言論の自由が保障されているはずの先進国に有るまじきこと。
あまつさえ、彼はロボトミー手術を強制され「政治からエロへ」作風の大転換となった。
本当に陰謀があったかどうかは分からないが、当時の愛読者は、かような戯言を好む(笑)



喜劇・新「思想体系」



同じ時期に刊行された、岩波版の日本思想体系をもじったにちがいないが、
内容たるや、エログロナンセンスの乱発。
連載時の原形を留めた状態での単行本化は不可能。
よくぞ連載停止にならなかったとおもうが、これこそ権力の狡猾な配慮・・・と疑り深い愛読者は(笑)



内容説明ははばかりますが、ガキデカの大人版と思えばいい。
いま読み返しても、あの有名な最高裁判決の猥褻の定義に該当しそうです。

しかしつらつら思うに、日本思想なんて、貧弱な三教の世界であり、
自然な心情に飲み込まれてしまったに過ぎず、性の世界もおおらかな自然の姿だと
思えば、やまがみはアカデミアに対して大胆な反証を試みたと考えることも可能である。
ロボトミーで、新たな知性を獲得できるかどうかは知らないが、
愛読者の妄想は、とどまるところを知らない(笑)



2016年1月29日金曜日

思想体系(2)



岩波書店の「日本思想体系」全集(カタログですが・・)を眺めるに、どうも小物(失礼ながら)ばかりで・・・
世界思想史に君臨しそうな偉人は見当たりそうもない。
何をもって「偉人」というかと言われれば・・・
社会常識的には「時間軸を含めた地球規模への影響度」で測定をするのだろう。


あえて申せば・・・

空海
最澄(・・その延長線での日蓮)

聖徳太子は・・よくわかりません(実在性、すくなくとも行跡にも疑問だらけです)
儒学は、多岐多様な訓詁学者ばかりで、あんなものを読むくらいならば、四書五経の原典を読むほうがいい。
神道は・・・あれは思想ってものじゃなく(別に馬鹿にしていませんし、後述)

極東の島国は、地球の吹き溜まりのように、あらゆるものがやってきた。
異化同化しながら、文化の基層として澱のように積み重なってきたのだろうが、
結局のところ、倭国古来の「自然信仰」に収斂し、その自然信仰との親和性の高い「思想」が日本人のこころを支配した。

自然信仰とは、畏怖の心である。
君臨しようとか支配しようとかという不遜なことを考えてはいけない。
自然の禍福をそのまま受け入れる、それに同化するこころってことになる。


仏教者は、なぜ「山に籠る」のか?
歴史を名を成す名刹・・・精神性の高い宗教施設はすべからく山中にある。
酒肴と脂粉の匂いが届きそうとはいえ、比叡山延暦寺は洛外山中にある。
高野山金剛峰寺に至っては、いまでも気軽に足を運べるところではない。

一言では説明しにくい仏教思想ですが、山岳自然信仰との癒着あるいは混合により
倭国に根付いてしまった。
古来の自然信仰とは神道の原点であり、ここんところから本地垂迹が当り前のように受容されていく。
神宮寺なんて意味不明な存在もこれまた当り前
神は仏に、仏が神に比定されることも当り前



同時代に、長嶋・王のような感じで、二大宗教者が並立したことの僥倖を感じ入るべきだ。
どっちが偉いとかってことではなく、両存したことが、日本史にとって共鳴効果として素晴らしかったということだ。
一般的に言えば・・・

延暦寺は教養課程の総合大学であり、あまたの俊英たちが集まり、次の高みを求めて去ってゆく。
いつまでも大学に残り、位が上がるだけでは堕落の代名詞
信長に焼き滅ぼされなくとも、朽ち果てたに違いない。
まあ、大都会がまじかにありますから、受験生を集めやすいお手軽な教育施設である。
やっぱり、僻地の大学は運営がしんどいのですよ。

他方、僻地の偉大な大学が高野山。
永遠に生きながらえる創業者が存在するという触れ込みの凄さで修行者が集まる。
しかし、師を乗り越えてこそ、次の思想が生まれるが、あまりに偉大すぎて・・・
仏教の「儒学化」が起きたようなものだ。


それに教学においても、真言理趣経は難解で危険思想だから、
無知善良な民草が触れるべきものではない。
他方、法華経はわかりやすい。
正しい生活を行えば、人生の苦悩が消えて、現世も死後も利益を得て幸せになれる・・・
そのためには・・・
ひたすら念仏を唱えるもよし、座禅もよし、お布施、機関誌の配達、選挙運動・・・(笑)



ありていに言えば、法華経こそ、日本仏教のセンターである。
最澄の衣鉢をくむものが、日本仏教界を席巻した。

真言理趣経の流れをくむって言いだせば、真言立川流もどきな淫媚邪宗もいいとこだ。

2016年1月28日木曜日

思想体系(1)



1970年代から80年代にかけて「思想体系」なる浩瀚な全集が刊行された。
気負い感たっぷりだし、全巻保有しているなんて、よっぽどの書痴に違いない。
蝸牛庵は当然なから、でも目録だけは、いじらしくも捨てずに(苦笑)
ながむるに、倭国のフィロソフィーの系譜とは、かようなものか!




三教というが、神道に関しては、古事記と中世神道、江戸末期の国学系だけ。
思想としての風景は貧相です。
理性や論理で語るものではないからかもしれません。

仏教は、空海、最澄を頂点に鎌倉仏教で思想体系的には死滅・・・と言わんばかり。
明治以降の法華経の影響は無視できるものではないが、この全集が扱う分野ではない。
つまるところ、最大勢力は、所詮解釈学に過ぎない近世儒学。
今思えば、家永、石母田等傾向的な学者が編纂したから歪んだのかと邪推する。
そういえば、傾向的な学問体系とは、マルクス理論を無謬至上として公式的あてはめ解釈学なんだなあ。

その他、芸論、洋学・・・まあ、あしらいである。




こんな傾向主義者たちに壟断された体系なんか
・・・って、幼かりし蝸牛庵が、浅学菲才ながら毒饅頭だと忌避したのであれば、たいしたものだ(笑)
日本人のこころの歴史は、そんなものではなかろう。


唐木順三さん的に言えば、季節美観の変遷こそが、日本人のこころなのです。
言い換えれば、自然信仰以上でも以下でもなき世界です。
プリミティブだと嘲るのは勝手だが、素直なことが一番。
思弁性の高さには敬服も感銘もあるが、鬱陶しい(笑)





2016年1月27日水曜日

china 2049 を読む


歴史の波動性を50年単位くらいで評価するのが倭人。
竹村健一だか半藤一利なんかも同様の言い方です。

明治維新
日露戦争
第二次世界大戦の敗北
ジャンパン・アズ・NO1時代  ・・・

しかし、華人は百年単位くらいで考えるそうです。

清朝の隆盛期には世界の過半のGDPを握り、その後のアジア的停滞までが百年
アヘン戦争の屈辱から共産党による権力奪取までが百年
それから百年をかけて世界覇権を目指す!
従って、その目標時期は2050年ころ



シオニストの陰謀論さながらの「論文」がこれ

原題をそのまま訳せば「百年マラソン」


著者は、アメリカの立法府や行政府のインテリジェンスを専門とするドクター号を持つ元中堅官僚だそうです。
見るに胡散臭そうなシロモノですが、なんせ著者の知名度がない(単に無知かも)ので、経歴の信憑性はなんとも言えない。
出版元は、日経BP社
去年の七月に初版で、買ったのは第七版。
結構注釈がついてますし、実証的ですので、まったくの口からでまかせではなさそうです。



長い間疑問以外なにものでもないのが、アングロ・サクソン人の中国に対する過度ともいうべきシンパシーは
一体どこから来るのか?
パール・バックの「大地」なんかがノーベル文学賞に輝くし、
エドガー・スノーの「中国の赤い星」なんか、読んでる方が恥ずかしくなるほどの賛歌
優しく接し、支援すれば、価値観を共有できる友人になれるはずだ・・・
著者は、我々は中国人の本性を見誤ってきた・・・と片付けますが、
今少しはっきり言えば・・・

一流は韓非子を読み
二流は孫子を読み
三流は三国演義を読む  ・・・という習性。

もっと正確に言えば「建前の孔孟、本音の韓非」
善意と誠実さからなる儒教的世界が中国であるという大いなる誤解に起因し、
それが誤解であると、中華的教養に親しんだものはだれでも判る。
その習性を隠蔽し、瞞天過海することも知っていたはずだ。
倭人は当然それを親しんできたはずなのですが、そもそもお人好し人種ですし、
左翼シンパシーと欧米論表崇拝のなかでいつしか忘れてしまった(あるいは忘れようとしてきた)
自由と改革への邁進、民主化、価値観の共有・・・なんて本当は見果てぬ夢なんですよ。
大マスコミの当時(例えば文革の初期)の礼賛記事なんか、今読めば気恥ずかしくなる。
 

笑うセールスマンよろしく・・・ウラミハラサデオクベキカ(笑)

まあ、笑い事ではなく「百年の屈辱を百年かけて復讐する」っていうのが民族的習性。
そんな露骨な言い方はしない。
言い換えると「中国の夢」の実現

韜光養晦という言葉がある(出典は韓非かな?)
野心を隠してその間は力を蓄えるという感じだと思えばいい。
さすがに最近は、衣の下の鎧を露骨に見せだしてきた。
建国百年まであとしばらくですが、一寸先は闇。
歴史は一直線に進むものではなく、野望だって挫折することがある・・・が座して思うとおりになるわけではない。



中華文明には、足を向けて寝られないほどの恩恵を受けてきたが、それはそれ。
侵略の負の歴史があるとはいえ、今の基準で過去の評価をするものではないし、歴史的にはお互い様
相手の嫌がることをことさら露骨にやるような愚を犯す必要はないが、
非難することの多くは彼らにとって非常に嫌な(困る)ことなのだから、非難されたからといってめげる必要もない
内部に「第五列」だって存在するし、人の和を乱す(国論の分裂誘導)ことは、常套手段
互角の体力勝負は不利です。ボクシング的には階級が違う。
でも、戦い方はいくらでもある。


先祖は、幾多の「生きる知恵」を中華文明から学んできました
曰く・・・

面従腹背
馬耳東風
是々非々
敵の敵は味方  とか



2016年1月26日火曜日

オスカーマラソン(3)




作品賞のノミネート作品が決まりました!

10本枠なんですが、8本ノミネートとなった理由は知りません。
順当といえば順当なのですが・・・


マネーショート
ブリッジオブスパイ
ブルックリン
マッドマックス
オデッセイ
レヴェナント
ルーム
スポットライト


面白いくらい横文字タイトルが並びました。
原題を邦訳する際の日本語能力の著しい衰退という理由が垣間見えますが、
オリジナルタイトルのまま上映してほしいという製作者サイドの要請もあるようです。
そして、未公開作品の山
見てもいない映画を評価して予想なんて無理なこと・・・なんですが、あえて

ルームとブルックリンは、オスカー作品賞としては地味
マッドマックスのようなタイプがノミネートされることすら不思議(個人的には是非とも獲って欲しいが)
ブリッジオブスパイは、スピルバーグの「オスカー狙いありあり」で不愉快
メキシコ人監督に二年連続で栄冠というのはありえないのでレヴェナントはなし
アメリカン好みなのは、マネーショートとかオデッセイ
しかし、マネーショートなんて英語ありますかな?(オリジナルは ビッグショート・・・これはちゃんとした英語)
オデッセイは、和製のタイトル。オリジナルは、主人公の名前でベタ。

しかし、去年マイケル・キートンに悪いことをしたからスポットライトを本命にしましょう。
マスコミによる不都合な真実の追求って、個人的も大好きです。
かつて、大統領の陰謀は、作品賞・監督賞ともノミネートのままでしたから、
こっちの罪滅ぼしもある。
最低限、キートンに演技賞を!
 

そんなことよりも、ノミネートされなかったことの分析のほうが面白い
キャロルなんか渋くて良さそうだし、リリーのすべても衝撃的だし・・・
でもどっちも「倒錯」的で、保守的なオスカー会員の好みではない。
同性愛も女装癖も、今や普通になのにねえ




2016年1月25日月曜日

2月8日





仕事そっちのけでTVにかじりつく(たった一度の)午前中なのですよ。
しかし、スタジアムの熱狂・歓声に同調するだけではいけない。
事件は現場で起きている・・・なんてつまらん台詞に相槌しているうちは倭国に明日はない。
事件は「会議室」で起きているのだ。


2014年のNFLの「ドラフトデイ」は、スーパーボウル以上の興奮の一日だった。
主役は、クリーブランド・ブラウンズ。
フットボールの聖地に近く、チーム愛は全米一・・・なんだが、弱小チーム。
スーパーボウル出場はおろか地区優勝からも遠ざかっている。

NFLのリーグ運営理念は「戦力が均衡した32チームが切磋琢磨」し、
あらゆるシーンがショービジ化させることにある。
現場の戦闘は言うに及ばず、ジャッジに対する異議申立て(チャレンジといいます)だって、
優れて戦術的なのです。
したがって、ドラフトでは、その理念にそって・・・(TVでライブ中継も)

下位チームから指名する
チーム間の指名権の取引は可能(来年以降の指名権と今年の指名権の交換とか)
指名権に付随してトレードも可(RBとセットで今年の指名権が欲しいとか)

7巡目までの指名ですので、224人の将来有望な若手の人生が決まるのです。
因みに、戦略均等化のために選手の報酬総額上限も決まっています。
やむなく高報酬の有力選手を放出することもあります。
それに、高順位で指名すると、契約金も報酬も高めに設定されますから、選手選びにもソロバンが必要
下位で指名すれば安上がりなんだが、他のチームにさらわれるかも・・・・

長期的なチーム編成を睨んでのドラフト戦略といえば、そうなんですが、
早い話が会議室での狐と狸の化かし合い。
興行(経営)も大事だし、ファンの声だって無視できない。


クリーブランドのGMは、外野の声に押されて、不本意ながら、将来三年間の指名権と
交換で、下馬評一番のQBの獲得を余儀なくされたんですが・・・
ドラマはここから始まります。


なんだかんだあって・・・・
お目当てのLBを一位指名
監督熱望のRBもゲット
駆け引きでスペシャルチームのKもついてきたし、来年以降の指名権も取り戻した・・・
という夢の様なお話
エースQBも怪我から回復し、今年はっておもったが、結果は、地区最下位(涙)


映画「ドラフトデイ」のように現実はうまくはいかない
すっごく面白いのにどうしてこの映画は話題にもならなかったのか?


現場の白兵戦は確かに面白いが、たかが戦闘局面ではないか。
戦術や戦略の方が上位概念だとは誰もが知っている。
戦術や戦略は、会議室での知的ゲームである。
ド派手な腕力勝負の勝ち負けに一喜一憂し、ロジスティックとインテリジェンスを
無視した結果は・・・・70年前に証明済みだが、歴史や体験に学べない馬鹿は
どこにでもいるが、いささか数が多すぎる・・・という倭のレベルの証明だと思っている。

知力限界まで戦うボードゲームは、最高級の知的格闘技なのだ。
愚かしいボールゲームよりも、東京五輪種目にふさわしい。
さすがにお隣の大国は、凄い。
かのお国の国体種目には「囲碁」がある!
まあ、こういう風にスポーツ素材を調理できる腕前こそが映画大国の底力である。
さりとて、見るスポーツとして最高なのが、アメリカンフットボール
その最高峰がNFLのスーパーボウル。


順調にレギュラーシーズンの好成績チームが勝ち残りました。
本当に強いチームは、長丁場も一発勝負も無関係
今日、リーグチャンピオンが決定し、2月8日がスーパーボウル。






2016年1月24日日曜日

愚の言葉狩り



封建的だとか、差別的だとか、姦しいにも程度問題。
ハラスメントとは、言い手の意識ではなく聞き手の印象に依存するというが、
この考え方は、倭国の刑罰体系論からすれば異端もいいところ。
しかし、他人様の感情を殊更に逆なでするのは大人気ない(笑)
しかし、言うべきことは言っておこう。

交ぜ書きは嫌いです。
理由は簡単。
見た目、名詞の漢字とかなの混在は美しくない。
美しくない斯様な習慣がはびこるのは、常用漢字の縛りにある。
大修館漢和には、五万字の漢字が掲載されているが、その一割でも使いこなせれば大したものだ。
日常使用する漢字の目安程度に提示されるならば、それでもいいが、
過度に拘束するのは間違いだし、ある種の文化破壊に近しい。
輿論と世論は明らかに違うし、違いの差には、重要な問題をはらむ。
委細は、蝸牛庵なる御仁の過去の日記に詳しい。

さて、障害者なる表記は差別らしい。
従って、障がい者が正しい、、、そうです。
反知性的としか思えない人権派が騒ぎ立てたんだろうが、多くの行政機関はそれに従い、汚い交ぜ書きを行っている。

正しい表記は、障碍である。
チャンと原典引用しますよ(笑)


「障碍」の字の由来について、故丸山一郎先生(元埼玉県立大学教授)がいうには「碍の本字は礙であり、
大きな岩を前に人が思案し悩んでいる様を示す。
つまり自分の意思が通じない困った状態。
意思が通らない、妨げられているという同じ意味の障と碍を重ねた障碍は
人が困難に直面していることを示す言葉であった」


ところが、常用漢字制約からやむなく類字の害を当てたというのが、歴史的な背景と考えられます。
悪意とか差別意識の成せることではないはずだが、
害の語義は総じてよろしくなく、差し障りがあるに近しい「そこなう」という語義は少数勢力。
名詞は漢字をあてるもの。交ぜ書きのような愚なやり方なんか思いもつかない中で
最善の選択を行ったのである。



さて、解決策?
簡単です。障碍と表記すればいい。
手続が必要なら、常用漢字表を改訂すれば済む話。
交ぜ書きで、お茶を濁す、あるいは本当の解決策を回避するような愚を犯すのが一番馬鹿馬鹿しい。



しかし、本当に正しい事が通用しないのが、今の社会ですので、
障害を障碍と書かずに、障がいということで正義やってると勘違いがその辺を闊歩します。
もっとも、障碍ではなく、障がいをみるたびに、愚な言葉狩りを忘れないという学習ができるか(笑)

2016年1月23日土曜日

ボクが鯨について知っていること


ボクが鯨について知っていることは・・・


はりはり鍋って美味しいよねえって食い意地の張ったこと
芥川賞に輝いたらしい「鯨神」なる作品(当然読んでません)の作者は、その後官能系に転向したとか
メルビルの傑作「白鯨」は、小説としてのストーリー部分より鯨にまつわるエッセイのほうが多くて
面白いとか
コーヒーなんか皆目登場しないのに、一等航海士の名前が世界的なコーヒーチェーンの名称になったとか
傑作だと思うのですが、ジョン・ヒューストンで映画化されたが、なにかと不評で、関係者全員が
不幸な目にあったし、脚本をレイ・ブラッドベリが書いたんですが、おかげで二度とハリウッドに
出入りしなくなったとか・・・

まあ、ろくでもないことばかりなんですが、実のところこの小説には実話モデルがあったことは知らなかった。
板子一枚下は地獄とはよくいったもの
鯨取りって命をかけた漁法だったんですねえ。

大型捕鯨船に多くのキャッチャーボートを搭載して機械化された銛打ち機じゃあ、そんな悲壮感はでない。
ただただ、鯨油欲しさのために太平洋の鯨を殺しまくった毛唐どもに、鯨保護なんて言われたくない!って
思うのですが、動力源は帆が受ける風力で、己の腕力だけで銛を打ち、巨鯨と対峙する姿と近代漁法との非対称性を
見るに、いささか信念も揺らぐ。
だとするならば、太地町の古漁法なんて、非難される筋合いもない。
ヒトザルにとっての「白鯨」とは、ダークサイドのメタファというのが、普通の解釈なんですが、
モームだかがいいだしたのが、ダークサイドはエイハブ船長サイドにある。
たしかにねえ・・・おぞましいばかりな、出来れば伏せておきたい、知られなくない狂気的な妄執だ


モントリオール映画祭で上映された「Behind the Cove」
反捕鯨反証ドキュメンタリーですが、おおかたの西洋人の共感を呼んだらしい。
日本上映はこれからのことで、今のところ未定のようです。

西洋人が大々的に鯨とりをやっていたと言う実話(あんまり知られたくはないだろうが)の映画も公開されるし、
反「反捕鯨」の機運も高まるだろう。
あの「21世紀の海賊ども」たちがこの地球上から駆逐される日も遠くないって思いたい。




2016年1月22日金曜日

いまどきの「ゴシックホラー」




雲が重苦しく空に低くかかったもの憂い暗い寂寞とした秋の日を一日じゅう、
私はただ一人馬にまたがって、妙にもの淋しい地方を通りすぎて行った。
そして黄昏の影があたりに迫ってくるころ、
ようやく憂鬱なアッシャー家の見えるところへまで来たのであった。

ポーの「アッシャー家の崩壊」の冒頭の部分である。
今どき「ゴシックホラー」なんかに共鳴するファンも少ないと思うが、
19世紀には人気ジャンルだった。
まずもって舞台装置が大事だ(舞台装置そのものが主役といってもいい)


荒涼たる大地の一軒家
ウサギ小屋じゃなくて、陋屋化した塔のある石造りの洋館(古城)
天候は陰鬱な曇り空の日々
ホラーが似つかわしい季節は「冬」というセオリー通り
広大な屋敷なのに、住人は少ない(一人あるいは兄妹・姉弟)

一体誰が家事をやるんだ・・?というような愚問を持ってはいけない
非日常空間においては生活感は不要。

当然に超常現象が付き物
19世紀は、心霊写真とか今以上にオカルトブームだった。

日本建築ではゴシックホラーには向かない。
開放的で閉塞感がない・・・
従って、和風ゴシックホラーは悉くまがい物っぽい



ゴシックホラーに必要な因子をすべて盛り込んだ「クリムゾンピーク」
あまりに定番すぎて、飽き飽きとする。
今風なのは、すべからく「強い女性」の登場とひ弱なオトコ

ヒロインは「ミア・ワシコウスカ」薬物を盛られて瀕死のはずなんですが、す
スコップを振りかざし、殺人鬼と渡り合う
姉役は「ジェシカ・チャステイン」
ゼロ・ダーク・サーティでアルカイダテロリストを追い詰めたCIAの分析官
没落貴族の末裔らしい雰囲気はさすがさすが・・・
弟役の「トム・ヒドルストン」とは近親相姦関係ですが、ひ弱な弟は悪に徹しきれない・・・
狂言回しは眼科医「チャーリー・ハナム」
どうやらミステリーファンみたいで、心霊写真ファンだし・・・そういえば
コナン・ドイルも眼科医で趣味を同じくするので、多少は化体しているようだが、
ホーズムのように格闘技に秀でているわけではない。


まあ予定調和風な展開で・・・・興行的も苦戦でしょう。
カネ目当てに次々と色仕掛けでオンナをせしめては・・・では耽美な世界が薄汚れる。












2016年1月21日木曜日

六曜




迷信を信じるものは差別主義者である。

この命題について可否を論評せよと言う課題にどう答えますか?

そんな馬鹿な・・・というようでは「糾弾」されるようです(笑)
六曜を記載したカレンダーだかなんだかが、槍玉にあげられ、行政サイドは一旦回収したのですが、
改めて経緯説明付きで再配布したそうな。
どういう説明内容か気にはなるのですが、言われっぱなしで廃棄しなかった事には評価しましょう。
槍玉にあげた連中はまあ想像かつきます。


六曜は、東洋古来の暦法だか暦注のひとつである。
それぞれの呼称に意味合いを持たせてなんだかんだというのは、理性的でも論理的でもない。
迷信だと言えばそれまでであるが、廃除抹殺に到れば、それは文化破壊に等しい、

十干十二支、二十四節気、七十二候もまたしかり。

これまた舶来信仰かしら?
さりとて、血液型性格判断や、星占いに科学性があるかしら。
数秘術に到れば、論じるも馬鹿馬鹿しい。
13や666のどこが不吉なんですか?


さりながら、迷信と思いつつも、生活の規範もどきにするのが、ヒトザルという存在ではないか。
ある種の遊びの精神。なんとなくココロが静まる。大事なことではないか。

 
だっから、かような愚かしい踏み絵擬きで善良な市民を攻め立て啓蒙してやろうと言う
連中は、真底信頼も信用もされないのですよ。
予定表やメモ、電話帳、住所録は、タブレットなりスマホで充分なので、しばらく前から手帳なんかもちません。
ネチズンは、古来の暦法や暦注に無関心だと思われているのであれば、残念です。
そういうようなフリーのカレンダーアプリがないかねえ?
探せばあるだろうし、偏狭な連中もそこまで監視はしていないだろう。



おかげさまで、今日は、大安かあ、、、って気分が味わえない。毎日が乾燥風なのはそのせいか(笑)

2016年1月20日水曜日

源氏みざるは・・・遺恨のこと



俊成をしてかくも喝破せしめたことに比する文芸はほかにあらず・・・
もっとも、源氏の影響下に非ざる文芸もどきが横行する末世の文壇ですから、いまさら「遺恨」もへったくれもない。
源氏物語を読んだこともなく(まさか聞いたこともない・・・はないと思うが)とも芥川賞や直木賞はゲットできるが、
その程度の賞作家だろうと思っている。

いったい何がすごいのか?
無人島に持ってゆくなら、この小説に如かずって思うのですが、上記の賞作家はどうなんでしょうか?
まあ、時間だけはたっぷりあるので「大部」にこしたことはない。
しかし、分厚ければなんでもいいってわけじゃなく、構成するエレメントの華麗さや荘重さがものをいう。

あれだけの長編小説をたった一人のプレーボーイをセンターにすえてもつわけがない
ストーリーテラーの巧みさは「複眼視座からの展開」による。
ある意味で、ヒカル源氏は狂言回しであって、ヒロインが主人公で中盤まではお話は展開する。
学者いうところの「藤壺・紫の上系」と「夕顔・玉鬘」の並び展開という見立てである。
なんとも比較しにくい二人であるが、質の違う波乱万丈人生には違いない。
世間的にはヒカルのおかげで。世人からうらやましがられる人生とはいえ・・・
その辺、明石のおんなも、よくわからない花散里もよく似ている。


まあ、ここんところまではある意味で通俗王朝小説である。
アーサー王伝説だって、ランスロットとアーサー王妃の不倫から初めてお話は面白くなる。
源氏だって、三ノ宮降嫁による均衡感が崩れた不安の中で、柏木との不倫・・・懐胎なんかでがぜん面白くなるのですよ。

思えば、父の妻を寝取って、子まで為したのは、誰の所業だった?
あまつさえ、登極まで・・・・
逆に寝取られても文句が言えまい。
つまるところ「因果話」である。

セクハラを繰り返した養女らしき玉鬘も、無骨な黒髭大将に拐われた。
内侍としての将来が決まっていたのに・・・
これって、ある部分非対称的ですが、皇妃内定の朧月夜が、ヒカルとのアバンチュールで、泣く泣く辞退し、内侍に就任した
エピソードに似ている。

そんなこんなで、この大河小説はいわく言いがたく面白い。


毎度のオススメは、窯変源氏
内面告白的独白が多少煩わしいが、慣れれば橋本治流儀なリズムになる。

2016年1月19日火曜日

コールドケースふたたび


GYAOでシーズン3が始まりましたので、毎週2本欠かさず・・・(苦笑)
自前のスマホは7GBの通信容量契約ですが、こんなことだとあっとという間に使い果たすもんで、
度々・・・WIFIの電波を求めて通信キャリアのショップへ


五月蝿いことに、待合席の「隅の老人」をつかまえては毎回・・・「お客様、今日はどのようなご用件で?」


CBCの番組「コールドケース」は大層よく出来ている。
以前にネタにしましたので、そこんところの再説は避けて・・・・


http://ueda8823khj.blogspot.jp/2015/08/blog-post_7.html


アメリカでは、日本と少し「刑事上の公訴時効制度」が異なるのですが、超簡単にいえば
殺人罪に関しては、大昔より時効はなかった。
倭国は、いろんな理由があるのですが、公訴時効制度の一部が「廃止」されました。
被害者感情だとか科学捜査技術の進化が理由の背景にあります。
安直なTV番組は制度の理解がエエカゲンですが、あくまでも被疑者の逮捕ではなく
公訴の提起までの期間です。
公訴時効完了の数時間前に起訴なんて事例もありますから、とりあえずのやっつけ仕事でしょう。


2010年の法改正で「人を死亡させた罪であって死刑に当たる場合」には「公訴時効なし」と
されました。
但し、すでに時効が完成している犯罪に対しては遡及しないことになっていますから、
これからドンドン(・・だと困るのですが)コールドケースが発生することになります。
従って、事例が少ないので、アメリカのように創作のモチーフにするだけの蓄積に乏しく
唸るような小説には事欠く・・・というか出会わないのが現状。
しかし「三丁目の夕日」風なテーマですので、映像化して、視覚と聴覚に訴えるほうが
心揺さぶるようなものがある。


アメリカのこの制度は建国以来そうなっているのかどうかまでは知りませんが、
この前見た番組では、ジャッキー・ロビンソンが大リーガーになる前のニグロリーグの名選手の
殺人事件がテーマ。
そんな半世紀以上前の事件が、いかにご都合主義とはいえ「解決」できたものだ(笑)

忌まわしいニグロ差別のような「黒歴史」をうまく(ある意味で時代批判的に)モチーフに
できるというのは、製作者たちの骨太の創作精神であり、倭国ではあまり期待できない。





2016年1月18日月曜日

神の涎(笑)

スノブな辺りは住み飽きたもんで、矢吹丈の丹下ジム、一葉の小間物屋の御近所、そうそう、新吉原も遠からぬ辺りに越してきたのは二年ばかり前。
鬼怒川決壊もどきの惨事が起きればただじゃすまない界隈ですが、一応危機管理の専門家なので、対応はそれなり(^ ^)
特段リスクを楽しんでいるわけで無く、東博に近い場所というのが最大理由。
しかし、近くて遠いのがなんとやら。
ここしばらく、脚を運んだ事はない。
いくらなんでも怠慢だし、文化系IT技術者の端くれとして、国科博にいったことがないのは、あんまりだ。
おりしも、、、、

ワイン展

酒は五感で味わうもので、講釈垂れるものではない。
しかし、知の大伽藍には、まだまだ空部屋もあるし、無知を公言するのも、大人気ない(笑)
なもんで、お隣の学士院に野暮用もあり、脚を運んだのは、先日の事。
この程度の展示物にこの値段はないだろうし、シニア料金がない!、、、と拝見する前から不満が先立つ。


結論と印象
リタイアしたら、ワイナリーやるのはヤメ!
フランシスフォードコッポラのように、映画製作やめて、シャトーを買い取り、コッポラブランドの高級ワインを物惜しみ風に売り出す方がいい。
あんな重労働を一年通じてやれば、確実な過労死。
しかし、マトモなワイナリーを買収するには、コッポラと違い、少しばかり口座残高が足りない。
乱降下する相場こそ、荒稼ぎの源泉。逆にイッキに下流老人に転じる可能性も高い。

思案のしどころだ。
ミュージアムショップで買い込んだワイン舐めながら、考えるか
買ってきたのは、特別限定品の、、、

神の涎

ネーミングセンスからして、、、本当に美味いのかねえ(笑)


まあ、冗談さておき、馬鹿にしたものでなく、なかなか勉強になりましたよ。
カタログも買いましたし、復習します。
なんちゃって、国立科学博物館!!



2016年1月17日日曜日

天才は何故スタジオを好むのか?

ビーチボーイズって、軽薄の代名詞みたいなって(笑)
ウエストコーストロックといえば、陽光に碧海、サーフィンのノリなサウンドって
相場がきまり・・・あのビーチボーイズの登場。

しかしながら、薄っぺらそうな人生だって、生きていく以上はドラマツルギーがある。
グループ活動にありがちなカネの分配のトラブル、音楽観の相違、オンナの取り合い、酒と薬への逃避・・・・
かのリーダーであったブライアンウイルソンって、かくも天才だったのか。
もっとも、最初から万人に認められる天才なんかはいない。
紆余曲折を経てっていう波瀾万丈人生を映画にすればこうなるのか。
別にアリーナでの大観衆の喝采を浴びるエンディングって作りでもないが、60年代と80年代を二人一役で演じさせるって構造とか、
この監督さんは意欲的。意余ってチカラって・・・というような破綻もなく、見せる・聞かせる映画に仕上がっている。

しかし、天才音楽家というのはライブよりスタジオ録音を好むのですねえ。
大観衆の絶叫を受けることが生き甲斐と思ううちは、大衆的なのですよ。



でも、やっぱりこれが一番好きですねえ(笑)





2016年1月16日土曜日

ボクの名前を知っていますか?


にわかに信じがたいが・・・・ネットの統計数値
各国別日刊紙の成人人口千人当たりの部数らしいが、出典が明らかでなく眉唾もいいところ
主要国だけを明示しますが・・・

1.アイスランド 1,028.8  
3.デンマーク 766.1
5.日本 631.7
6.スウェーデン 624.1
8.コロンビア 587.8
10.スイス 554.9
11.香港 542.3
15.韓国 485.6
16.アラブ首長国連邦 461.1
18.オーストリア 435.9
19.シンガポール 434.9
20.イギリス 385.3
22.オランダ 357.2
24.ギリシャ 334.8
28.ドイツ 300.2
33.朝鮮民主主義人民共和国 255.4
35.台湾 243.5

アイスランドは(実のところよく知らない国なんですが)全員が新聞を読んでいる(あるいは購入している)し、
倭国は、世帯数が5千万強ですから、宅配システムという奇妙な制度があり、
ほぼ大半の世帯で新聞を購入している模様。
成人だけをとれば、四割が新聞を読まない・・・って、それっぽちかねえ?
朝の通勤電車内って、新聞なんか読んでるのが絶命危惧種


人口統計に嘘があるのは中国以外は低開発国くらいだが、
新聞の「部数」はいかがわしい。
輪転機からアウトプットされた部数と実際に読者が手にする部数が同じかどうか定かではない・・・ってことは
公然の秘密として大方のところ認識されている
世界中津々浦々かどうかまでは知りませんが、極東の島国ではそうらしい。


一般に「インテリが作り893が売る」と嘲笑されるらしい。
営業が893かどうかは知らないが、制作がインテリでないことは記事を読めばわかる。
何度も言いますが、報道と広報は違う!
不都合な真実を伝えなければ、新聞の名に値しない。

そんなことはどうでもいいのですが・・・
いわゆる「全国紙」等の売上(収入)合計は18千億円くらいのようです。
そのうち、新聞販売店等に支払われる販売手数料等が8千億円。
異常なまでに高額な流通経費負担を余儀なくされる産業である。
普通だと、メスを入れようって気にもなるんでしょうが・・・なんだか伏魔殿みたいで(笑)

それを思えば、某政党発行の新聞(機関紙というべか?)は、購読料が3500円(月)
政党の各支部が新聞販売店みたいなもので、党員さんが「手弁当」で配達しているそうです。
折込広告や紙面上のCMをあまり期待できない新聞ですが、流通経費が激安でしょうから
十分にやっていける。
今一つの政党機関紙は1900円。
はるかにお安いが・・・問題はコンテンツ
まれに電車のなかで隣のおっさんが読んでいるのをかいま見るに、ページ数も少なく
・・・とても新聞の名に値しない。



小説「新聞販売局」



昨年の九月ころの販売ですが、およそ新聞下段の書籍広告欄に掲載されることなく
書店でもあまり見かけず(・・まさか「買い占め」があったってことはないのでしょうが)
あまり売れてもおらず(・・ブックオフでも見かけず、アマゾンの中古市場の出品も少なく)
仕方がないので、ワンクリックで購入しちゃいました。


結論というか印象・・・・最近のほんまもんの893世界では暴力的なのは流行らず、
少しは知的(ワイズではなくクレバーってことですが)だと思っています。
新聞を売っているのは893以下の集団かも・・・
社会部から販売部に「左遷」された、恨み辛み満載です。
小説仕立てということで、リスク回避をやってますが、内情をしりえた元記者の筆になりますので
真実っぽい。



思えば、長閑にも、健気な配達少年にエールを送り・・・・その陰では、良からぬことが起きていたんだ。
世界に類を見ない宅配制度って、どうしたもんでしょうか?
もはや、新聞少年の脚力に頼る時代じゃないんですがねえ



















2016年1月15日金曜日

強いヒロインがセンターという虚妄

映画「リ・ライフ」で、落ちぶれたオスカー脚本家が愚痴るのですよ。

情弱たる女性像のシナリオは敬遠される。
強いヒロインが求められる

ある意味でちゃんちゃらおかしい発言なんですがねえ・・・
このダイバーシティな時代で、ハリウッドほど男尊女卑な社会はない。
そんなあんたらに「女性の社会進出の劣等生国家」なんていわれる筋合いはないし、
めげるつもりもない。
女優という職業はさすがに確立されているが、その地位は不安定らしい。
ストリープですら「不安」を感じるという。
女性にフォーカスが当たる映画はあるにはあるが、女性映画というジャンルは
脆弱である。そもそも男性映画とは・・・・そんな言い方はしない。

80年代にストライサンド監督作品の「イエントル」に対する冷ややかな評価を見ればわかる。
素材的にも冷ややかに遇したくおもうだろうし、あまつさえオンナが監督をやるなんて・・・
それを思えば、ビグローが有史以来初めてオスカー監督賞に輝いたのは、2009年の「ハートロッカー」。
しかし、2012年の「ゼロダークサーティ」も当然栄誉に輝くべきだったが・・・・ノミネートすら、
この辺りが、アメリカンの偏狭さ。

SWのエピソード7を女性がセンターだとか言って持ち上げるのは、
あまりに世間知らずってことです。
素性不明のレイなるヒロインが(・・実はマークの隠し子ですが)センターを張っていくことには間違いはないが、
同じくらいの重さでハンソロとレイアの長男であるカイロレンが仁王立つ。
帝国の残党のキャプテンファズマをグゥエンドリークリスティが演じていますが、
顔出しをしてくれませんので、女性のリーダーとは気付かない観客が多い。




ある方のブログを引用しますが(その方もなにかの引用のようですがね)ハリウッド映画で女性が主役なのは15%で、
登場人物のセリフの七割は男性が喋る。
所詮は、映画という様式の特徴かもしれません。



でも、文壇とか小説の世界はどうなんだろう?
男流作家という言葉はないが、女流作家という以上、似たり寄ったりかも(笑)

2016年1月14日木曜日

贋作師の「欲望」

芸術的願望って・・・自己顕示欲の言い換えでしょうって。
自己顕示欲をさらに因数分解すれば、物欲と自己実現欲

特段、金銭欲があるわけじゃない。
あってもいいが、それは二流のなせる技。
金は唸るほどあってもいいが、札束でホッペ引っ叩かなくとも、
ギラギラした自己実現欲だけでもオンナなんかが擦り寄るって、これぞ、芸術的願望。

オランダだったかベルギーだかのメーヘレンのエピソードは、かつてネタにしました。
生涯で、贋作で数十億円は稼いだらしい。
意地汚い犯罪者に過ぎないが、ゲーリングにフェルメールの贋作を売りつけたことで一躍英雄になってしまった。
贋作者とは言え、芸術家の端くれ。
歪んだ形とは言え、芸術的願望はある。

しかし・・・・マークランディスの場合はどうなのか?
世の中、メクラ千人って良くわかりますなあ。
彼は30年あまりの間、全米の数十箇所の美術館に自家製造の贋作を寄贈し続けた。

さもしいものですねえ
篤志家の寄贈品と思えば、ろくに鑑定評価もしない。
キューレーターだか、アートアナリストの技量たるや、おはこが知れます。
でも、いったいどこで贋作の技術を身につけたのか・・・疑問まみれ。
単に素描の模倣ならば、ある程度訓練すれば誰でもできそうだ。
贋作となれば、その当時のキャンバス、絵の具なんかをかきあつめ・・・
これって大変な労力であり、画力以上のものが求められる。

マークのやったことは犯罪なのか・・・すこし微妙。
美術館を詐惘したことは事実だが、寄贈ですから、不当に金銭を詐取した訳ではない。
美術館の権威を毀損するような・・・・偽計業務妨害(かなあ)
検察が、やれるものならば、やってみればいい
でも、立件は難しいし、可罰性があるとも思えない。

リュパンシリーズの「奇巌城」では、人知れず窃取した数多の美術品が登場しますが、
美術館サイドは盗難に気付かない。
オチは、美術館には模倣品が掛かっており、観衆は贋作を堪能している(笑)

贋作師とは、物欲だけで自己実現欲を喪失した存在
その物欲まで喪失した、マークなる老人はいかなる存在なのか?


2016年1月13日水曜日

追悼


多彩(多才)な音楽人ですから、なんとも講釈しようがないが、
ムービーアクターとしては、あの美形!

地球に落ちてきた男 ・・・とは初期の代表作ですが、なんとも思わせぶりなタイトル。
戦場のメリークリスマスで更に有名になりましたが、本当はこれが一番。

追悼にはふさわしい「最高のシーン」。
まあ、こんな野辺送りするのは、蝸牛庵くらいか(笑)








ハンガーとは、吸血鬼のこと
数千年生きながらえてきたのが、ドヌーヴ。
その時代時代でパートナーが選ばれるが、生命な悠久ではない。
20世紀のパートナーが、ボウイ。

スタイリッシュな映像・・・はこれに如くはない。
また、音楽が素晴らしい。
まあ、主役がドヌーヴなんでご容赦。


蝸牛庵の野辺送りには、ゴルトベルクの間奏に、
このシューベルトをお願い致します。

合掌


2016年1月12日火曜日

梅一輪の箙かな


梅一輪ほどの暖かさ・・・・とは、エレガントなものいい。
江戸時代の俳人、嵐雪の一句。
春告花といえば、梅に如かず。
ファッションの世界でも「梅春もの」ってあるのです。
デザイナーの教養が問われるのですが、先程の名句にちなめば、これは冬もので
なければならない。
微かにはるのかほりを漂わすのが正しい。
しかし、多くは春ものファッションのしつらえ・・・なもんだから、あまり売れない。
昨年のように、夏から一足飛びに冬になる気象の揺らぎが原因でもあるが・・・
典雅に梅を愛でる一刻なんか、今年はあるだろうか?


漫画喫茶で前田慶次のコミックを見るともなくながめていると・・・
皆々晴れやかな装いの殿の御前。
地味な黒装束な慶次郎。
眉をひそめる一同の中、泰然と殿に対峙し、平伏
さすれば、衿肩にさしたる一輪の白い花

憎いですねえ(笑)
何の花だかまでは記憶にないが、さくらよりも梅の方が似つかわしい。
奇をてらった茶人好みの振る舞いですから、決して主君からは
心底褒められはしない。
小憎らしいとか内心馬鹿にしよって・・・って心におりがたまる。
実話かどうか定かではないし、誰かの真似をしたってありあり。
まあ、適宜適切な本歌取りというのは、知性主義の表れですから、怒る方が、そのレベルが
わかるってものです。


多分ですが、梅一輪をその場の機転で身にまとう・・・というのは、
源平生田の戦いでの、梶原源太景季のエピソードに因む。
戦闘の過程で自分の旗印を失い、さて、如何なるものかってさいに・・・


所は生田なりけり
時も昔の春の
梅の花盛りなり
ひと枝手折りて箙にさせば
もとよりみやびたる若武者に あいおう若木の花かずら
かくれば箙の花も源太も 我先駆かけん先駆かけんとの
心の花も梅も 散りかかって面白や


箙・・・矢を入れる道具に梅一輪をさし、奮戦し、味方敵とも感嘆したと、
戦記本には書かれている。





2016年1月11日月曜日

Last will and testament



妾の子だって正式な婚姻からの嫡出子だって「法定相続分は同じ」という不可解判決が
出ちゃったもんだからってことでもないのですが、すっこしばかり法律的に遺言について考えてみよう。
まず「ゆいごん」とは言わない・・・・はず。「いごん」が法律用語としては正しい。
まあどうでもいいことだが、英訳すると、本ブログタイトルになる。

本人の最終意思
神聖なる契約・・あるいは約束

なんだか粛然としますねえ。
日本国民法だと、死後の法律関係を定めるための最終の意思表示なる法制度ということである。従って、財産分与の指定を記述した文書って思っているうちは、それは欲目だけという。死後の法律関係を定めるといえば

祭祀財産の継承
負の遺産・・負債の負担 なんかについても意思表示をしなければならない。

自己居住の住宅は嫡出の次男に与えるが、そのローンは、私生児の長女が負担するって
理屈上あり得ることだから、そう書くと面白いですよねえ(笑)

遺言制度は、なかなか面倒ちっくで、要式行為である。法律の定める要件に該当しないと無効とされる。
たいそうな額でもないのに親族間で血を流さんばかりの争いってみっともないとしか言いようがない。統計的に巨額遺産よりも少額遺産の方が紛争が多いらしい。
べつに金持ち喧嘩せず・・・ではなく、遺言制度を正しく活用していないことによるみたいです。
通常の方式は、自筆証書遺言ですが、自筆手書、署名、捺印、作成年月日が必須なんて常識だと思うのですが、結構紛争になるらしい。もっとも、偽造、変造、紛失の危険があるので、公正証書遺言の方が、死後の紛争になりにくい。
遺言状無効の事由には、意思能力の欠如とか民法90条違反なんかも含まれますし、解釈に疑義を招くような表現も紛争を誘発しますから、公証人役場で作成してもらうのが一番。
相続財産の額と相続の内容で、手数料は多岐多様になるが、死後の紛争解決費用に比べると安いものです。
もっとも、公正証書遺言の場合、相続利害のない証人2名が必要ですから、機密が保持されるかどうかは保証できない。


遺産相続をめぐるドラマほど面白いものはない・・・・部外者にとってですが。
殺し合いをするほどのものかどうかは分かりません。
十億の単位で貰えるか貰えないかって事になれば、多少は考えるかもしれません。


百億ドルの資産を有する大富豪には、ロクデナシの複数の離婚妻とその子供達がいる。
鵜の目鷹の目で、遺産を狙っており、それぞれに専門の代理人が手数料目当てに控えている。均等分割でも十億ドル。代理人手数料が20%だとしても・・・・
弁護士はグリードでないとやってけない。
死期が迫った大金持ちの唯一の趣味は頻繁な遺言状の書き換え。
その度に大仰な儀式。

正常な精神状態であることを複数の医学者が表明保証した上で、法律文書として遺漏なきように専門弁護士が書き上げる。
その度に・・・・一喜一憂。
そして、最後に大富豪は、未知の私生児たる辺境で布教活動を行う女性に全額を
遺贈してしまった。

そもそも、そのような女性は存在するのか?
存在するとしても被相続人よりも長く生存しているのか?
生存しているとしても、相続の意思はあるのか?
ところで、その女性はこの地球上のどこにいるのか?

良くありげな相続人の連続殺人事件なんかよりもはるかにスリリングです。
さすがにジョングリシャム。
法廷シーンも見せ場ありですが、欲目の全くない宣教師に百億ドルを受け取らせようって
いうネゴシエイトが見せ場・・・・かな。
違うなあ・・・彼女って相続の意思表示前にマラリアに罹患しちゃうんですよ。

最近の作品は映画化権の対象になっていないわけでもないのでしょうが、とんと
スクリーンにかかりません。
このリーガルミステリーもアマゾンの大湿地帯の風景だけだと
ちょっと苦しいですねえ。




2016年1月10日日曜日

オスカーマラソン(2)


今年からノミネート作品が倍増しましたから、目がないわけじゃないが・・・
あちこち下馬評を見れば(アルファベット順ですので、英語版専門誌です)

"Bridge of Spies"
"Brooklyn"

"The Hateful Eight"

"Joy"

"Inside Out"

"The Martian"
"The Revenant"
"Room"
"Spotlight"
"Steve Jobs"

Just Behind:

"Carol"
"The Danish Girl"
"The Big Short"

ある「予想」ですので、信憑性はない。当然日本未公開作品ばかりで、予告編だって、
上記のうちで、二、三本。
別に映画作品として不朽なものが選ばれるわけじゃなく、製作会社がどんだけ後押しするかとか、時代の空気の流れとか、ちょっとしたイベントでなんとでもなる。どっかの音楽賞みたいに、たらい回しは以前はともかくも今では考えがたい。

今一つの予想によれば・・・・(ランキング順)

スポットライト 世紀のスクープ
マッドマックス 怒りのデス・ロード
キャロル
ROOM
オデッセイ
マネー・ショート 華麗なる大逆転
レヴェナント:蘇えりし者
インサイド・ヘッド
ストレイト・アウタ・コンプトン
ブリッジ・オブ・スパイ

結構かぶってはいますが、注目すべきは「マッドマックス」
この手の作品がオスカー作品賞に輝いたことはない。
そもそも候補作品になったことすら思い浮かばない。

シリーズ4作目ですが、核戦争後の荒廃した世界という舞台設定は同じですが、
争いの元はオイルではなく・・・・ってところは目新しい。
ノンストップムービーとはこういうものだって言いたげである。

候補作品や受賞作品を選ぶのは、AMPASの六千人の会員たち。
正確に言えば、賞の特質に応じて、その分野の会員がノミネートを選び、
全員が受賞作品あるいは受賞者を選ぶ。
俳優のみならず映画業界人として相応の業績をあげれば誰でも会員になれる。
会員名簿は公開されていないが、大体は想像がつく。ある種の名誉職のようなもので、
新進気鋭のただいま売り出し中というのは無理みたいです。
退会ルールはよくわかりません。名誉職みたいなものですから終身かも・・・
以前読んだ業界誌によれば、引退同様の会員が投票のマジョリティを握っており、
選び方がコンサーバティブだと・・・・なんとも言えませんがねえ。

二つの予想を見比べるに・・・・ノミネートだけなら

ブリッジオブスパイ
オデッセイ
スポットライト
レヴェナント ・・・・は確実だ。

しかし、極私傾向的にノミネートして欲しいということとは一致しないのが残念。

マッドマックス
キャロル
ブルックリン
リリーのすべて





仮にノミネートされても、受賞はまずあり得ないが・・・・って、予告編見ても分かるよねえ(笑)








2016年1月9日土曜日

喜びは半分くらいかな?


恒例のキネ旬のベストテンが開示されましたが、コンテンツに「権威」があったのは
過去のはなし。
オスカーよりも「古い」という歴史にすがっているだけで、恒例というより「高齢」のほう・・・
なもんで、論評する気にもならないが(とりわけ邦画)、毎日のブログネタに困ってますので
いささか雑文(・・・という割にはしっかりと書きますよ!)

邦画ベストテンはコメントしません(・・というか見ていないので出来ません)
年間公開本数は、低迷期の二倍。映画黄金期の本数を上回る600本強
興行収入は1200億円ですので・・・まあそんなものか。
かつては、893稼業なみに取り扱われ、映画を作るなんて言えば、女房を質に入れて・・
って言われたものですが、デジタル化を含め製作技術の進化(低廉化)は、参入障壁を下げてしまった。
これはこれで、慶賀の至りで、底辺の広さが頂点の高さを規定するというセオリーからすれば
OZU、NARUSE、KINOSITA、KUROSAWAの全盛期に匹敵する作品が
あまた輩出してもいいのですが・・・
参入が容易になっても、有能の人材が市場参加しているわけじゃないようです。

頭ごなしに揶揄しても、如何かと思いますので・・・黒木華さんの助演賞は嬉しい。
どうしようもない「部活映画」でしたが、彼女の登場シーンだけは、オーラが・・・


洋画のベストテンですが、こんなもんかって・・・

昨年度のオスカーレースの話題作が順当に並び、
世界最高齢だった映画監督に追悼の意を捧げ
600本弱の公開本数のなかで単館ロードショーでこれは!って探しだすのは結構な目利きが必要なですが
ちゃんと2本はゲット。
結果、7本まではちゃんと見てました。
残り三本は侯孝賢作品以外は嗜好が合わないから見なかっただろう。

でぇ・・・ベストワンは「マッドマックス」
蝸牛庵があちこちで持ちあげているようですが、それだけのことはありますし、
倭国の映画評論家のレベルがやっと追いついてようです(笑)




しかし、闇雲に数百本の中で選べ!って方式そのものに限界が来ています。
たまたま、選者が見ていればノミネート候補になるってことは不公平。
オスカーのように、ノミネートリストを作成し(誰がどう作成するのかって大きな問題ですが)
その中から選ぶとかしないと・・・




2016年1月8日金曜日

「もしイノ」より「もしマキャ」



劣勢甚だしい組織のリーダーである西住まほが、戦車道で勝ち得たのは、別にドラッカーを愛読したわけではない。
変革力や、組織運営力は天性の部分が多く、教科書の知識で得られる事ではない。
当たり前のように振る舞える天分なり才能を後付け的に美しく説明してくれる程度の効能は否定しないが、それ以上ではないと思っている。
文句があるなら、自分でやってみて、成果を見せて欲しい(笑)

前田敦子版映画は大コケ。
製作スタッフたちは、ドラッカーからなにも学ばなかったのかしら?所詮学ぶに値しないのか、ミズ商売にはむかないのか?
もっとも、版元は大ベストセラーをゲットした以上、二匹目のドジョウねらい。オリジナルも売らんとの魂胆らしく、今度は、、、、

イノベーションと企業家精神

ヒロインは、相も変わらず野球部マネージャー。
どんな大根でも演じられる便利なキャラクターですが、お好みの素材ではないので、枕の話題としてはここまで。

どうせなら・・・

もしも、大洗女子学園戦車道隊長の西住ミホが、ドラッカー・・・じゃなくて

もしも、生徒会長の椅子を狙うクラス委員が、マキャベリの君主論を読んだら

企画としては、こちらの方がエレガント。
ドラッカーが、五百年後も生き残るとはおもえないが、マキャベリの命脈は永遠。
生き長らえるとは、綺麗事を言わない事だ。






よいこの君主論は、小学生の覇権争いがテーマですが、女子高を舞台にしても・・・・まあ絵にならないか(笑)
オンナは、権力のような形而上学相手には争うようには出来ていない。

2016年1月7日木曜日

実は「不真面目」な日記なのです。



これが一番わかり易いので、日本共産党中央委員会監修のネット記事を
引用します。

--

原子爆弾(原爆)は原子核の核分裂エネルギーを利用する核兵器、
水素爆弾(水爆)は核融合エネルギーを利用する核兵器です。
原爆はウラン235、プルトニウム239などの核分裂連鎖反応を利用しますが、
水爆は重水素や三重水素(トリチウム)の核融合を利用します。

固体・液体・気体などの状態にある物質を構成する「原子」の中心には、
プラス(正)の電荷をもつ陽子と、電荷をもたない中性子が結びついた「原子核」があります。
ウラン235やプルトニウム239の原子核に中性子をあてると、
より小さな原子核に分裂し、そのさい複数の中性子とエネルギーを放出します。
放出された中性子が他の原子核にあたると、同様の過程がくり返されます。
このようにして核分裂反応を連鎖的に進行させ、短時間に巨大なエネルギーを放出させるのが原子爆弾です。
水爆は重水素や三重水素の原子核どうしを融合させ、
ヘリウムの原子核ができるときに発生するエネルギーを利用します。
太陽のエネルギーも核融合反応によるものです。
核融合反応をおこさせるには数千万度の高温が必要で、
その高温を発生させるために核分裂爆弾を利用します。
放出エネルギーは原子爆弾よりはるかに巨大です。

--

さすがですねえ(苦笑)
高学歴人の多い政党らしく、論理的でもあり簡素平明でもあります。
有り体に言えば、原爆を作れないと水爆も作れないが、
水爆を作るには原爆の開発能力があれば可能ということで・・・・
しかし「真偽は定かではない」のですが、恐ろしいことになりました。
今回が仮に「ブラフ」であっても、近未来は・・・
最貧国ですから「貧者の核兵器」に手を染めればって思うのですが(当然に保有している可能性があります)
分不相応なものを持ちたがっています。
口先だけで「断固たる決意」って非難するだけでは、事態は(過去から見ても)だんだん悪化してきました。
イスラエルのように「空爆破壊」とまで一気にやるかどうかはともかくも、
フィジカルなプレッシャーを真剣に考えないと・・・・
すでに「デススター」なみの危険度です。
ルークスカイウォーカーよ!
絶海の孤島で、隠遁している時代じゃないですよ。
レイが迎えにいったから、早く悪の帝国に怒りの鉄槌を‼︎


ところで(ここからは一挙に「不真面目」になりますが・・・(笑))
かの国と国境を隔てる某国にも「原爆と水爆」が・・・実は保有しているのですよ!


原爆:アイスペールに並々と麦酒、その中にグラス一杯のウイスキー
水爆:アイスペールに並々とウイスキー、その中にグラス一杯の麦酒


どちらも宴席でイッキ呑み!!
急性アルコール中毒くらいに済めば、めっけもの・・・と言われています。





2016年1月6日水曜日

政治は「天才」までも殺す

ボードゲームそれ自体は映像にならないが、刺身のつまとしては知的にもエレガントにも見える。
チェスが添え物の映画は数多いが、チェスそのものに迫った作品は・・・まあ成功しない。
その辺は、囲碁映画や将棋映画もしかり。
高度に知的格闘技ですから、カードゲームのようにスリル満点な映像展開ができそうなものですが、所詮映画監督レベルの知性では天才の世界は描ききれないのかもしれない。

チェスは門外漢ですのでよく知りませんが、ボビーフィッシャーの名前くらいは知っているし、ボリススパスキーとの激闘の話も聞いたことがある。
狂気的な天才だったらしく、トラブルと失踪を繰り返した。
この72年の世界王座を賭けた対決を映像で描こうなんて大それたことをやってのけたものである。なんとかって監督ですが、一流どころってわけじゃない。
一流は、そんな無謀なことはしない(笑)

まあ、かれも馬鹿じゃないので、時代背景もあって東西冷戦の代理戦争って建て付けにした。東西の天才たちも、政治の目線から見れば「使い捨てのポーン」に過ぎないっていう
原題が皮肉に聞こえます。
勝ったボビーはもとより、負けて世界王座から陥落したスパスキーは、帰国後冷たくされたんでしょうねえ・・・・しばらくしてフランスに亡命。
別にKGBに暗殺されることもなく、フランス女性と結婚し、まだ存命のようです。


因みに、倭国のチェス業界は、囲碁将棋に比べて競技人口も含め貧相な世界です。
将棋界の超天才である羽生さんがチェスランキング1位。
かの天才でも世界水準からすれば、遠く及ばないらしい。
どちらもインド起源のボードゲームであるが、とにかく全く違うゲーム。

羽生さんって、ここ二十年間のタイトルの半分をゲットしてんですよ。
いかに勝ち過ぎかよく分かりますし、超天才たる所以。




将棋の方は、多少手抜きをされて、チェスを力を入れて、二冠制覇って・・・初夢を見た!!

2016年1月5日火曜日

楽屋裏をそろそろ見せてもいいか・・・・






所詮全く新しいストーリーは作れないし、製作元がディズニーですから、
愛と勇気と感動って少年ジャンプスタイルだし、
エピソード(E)4-6をモチーフに、対称性を見せます。


冒頭のシーンはE-4と同じ
デススターの設計図面が、最後のジュダイの騎士の隠棲場所の地図になりました。
レイア姫が捕まって拷問を受けたように、レジスタンスの戦士も無残なことになりますが
予定調和的に「ストームトルーパー」の手で救出されます。
もっとも、E-4ではストームトルーパーに扮したルークだったが・・・
フィンなる人物は幼いころにかどわかされてストームトルーパーに仕立てあげられたって
説明ですので、アルカイダに拐かされた少年兵みたいです。
あるいはイェニチュリの改心かも・・・
彼の過去の委細は明かされませんので、先々の重要な「鍵」・・・ではなさそうです。


砂漠の星で鬱々と暮らすヒロイン
ルークも砂漠の星のお百姓でしたが、ヒロインは廃品回収業
重要な情報を隠し持つロボットと二人三脚って、よく似た展開だし、
悪の帝国の末裔・・・ローグネーションですなあ・・・しつこく追跡してくるのです。
うまい具合に、あのミレニアム・ファルコン号で脱出。
あのポンコツがよく飛翔したものですが・・・うまい具合に「船長とその相棒」の登場
相変わらず借金まみれの密輸業者。
帝国を殲滅したあと、レイア姫と結婚して幸せな老後・・・じゃなかったらしい。
お互い、気が強いと破綻もしますわなあ

ダースベイダーもシスの暗黒卿も死に絶えたはずですが、悪の滅びた試しはなく
ローグネーションの指導者とその片腕が登場します。
祖父の衣鉢を継いて・・・なんて「その片腕」の決意表明が早々と・・
これじゃ人物関係が分かりすぎます。
E-6では、ダースベイダーのあのヘルメットが行方不明になったと思っていましたが
どういうわけか回収できたようです。
愛用のライトセーバーは、祖父の愛用品ではなく新型です。

レジスタンスの惑星を破壊しようとするデススターの殲滅って、同じ展開ですが、
今回ははるかに規模拡大。
ネーミングも「キラースター」
潜入した主人公たちの活躍のおかげもあって、レジスタンスの戦闘機群が間一髪に殲滅。
祖父の衣鉢をつぐカイロレンもは無事逃げおおせます・・でないとE-8が作れない。

ルークのライトセーバーを受け継いだヒロインとカイロレンの激闘って、
E-6のアナキンとルークの親子対決を思わせますし、
むしろ、E-3のアナキンとオビ=ワンとの戦いに比するべきかも・・・
そうそう、E-4では、オビ=ワンはダースベイダー(アナキン)に倒されるのですが、
当然その対称系も登場します。
ちょっとあっけなく・・・でも奈落に落ちてゆくのは父親ってしつらえはけだしその通り。

E-4の段階では、九部作の構想はあったが、実現可能性に懸念があったのか
大円団って終わり方で、続編があるともないとも・・・
しかし、今回は明らかに期待値あり。
絶海の孤島に隠棲する最後のジュダイの騎士を訪ねて三千里
E-8では、ヒロインのジュダイ修行が見られますが、これってE-5とか6と同じです。
しかし、ヒロインのもつフォースの力ってどこから来たんでしょうか?
言わずとも、答えが見えてるってところが脚本の甘さですかねえって、ひっかけ問題(笑)
実は、ルークの隠し子なのです!!





その他エイリアンたちの酒場も登場しますし、
見ようによっては、過去の6作分を一気に凝縮したってことです。





2016年1月4日月曜日

次なる飯のタネ

ここしばらく・・・というか数十年間は足を踏み入れたことがない。
まれにトイレをお借りするくらいで、遊興に金員を投じたのは、はるかはるか昔
欧米では、タマの大小でそのゲームの品位を図るらしい。
曰く、ゴルフは高級だが、サッカーは大衆向け。
しからば、パチンコはどうなんだ?ってことでまったく信ぴょう性のない議論に過ぎない。


なんせ、精出してパチンコ屋通いをやっていたのは、学生時代。
手打ちの時代である。
景品はもっぱら大月書店刊行の某全集
全巻踏破まであと僅か・・・・だったねえ。
金銭と交換するという習慣がなかったから、賭博性の匂いは薄い。
一時期のような隆盛ではなかった長閑な時代。
当時読んでいた週間漫画誌には、パチンコ漫画が連載されていたから、

パチプロ
釘師

なんかもそれなりの「職業」認知をされていたようだ。
いまも釘師という職業はあるみたいで、要するに、盤上の釘の傾きや幅調整を行い
出玉のコントロールをすることである。
いまや、CPU制御でなんとでもなりそうなものだが、レトロな世界観。
閉店後の釘師の仕事振りを当然のように見ていたが・・・・
あれって、ある種の違法行為らしい。

パチンコという遊興そのものには賭博性はないが、特殊景品を介在させた換金システムには賭博の匂いがする。
特殊景品とは、盆で使われるコマみたいなものである。
三店方式とやらであれば、賭博にあたらないと監督官庁は言うが・・・
一度でいいから司法の判断って(笑)


まあ、監督官庁は、賭博性希薄化のための制度構築を躍起になってやっています。
ありていに言えば、射倖心の排除・・・・バカあたりしないような構造でないと台は許可されないし、店内での改造も御法度

・・・・・だとすれば、釘師のやっていることはなんなんだ?
つまるところ、太古の昔から出玉調整という射倖心の掻き立て行為をやってきたし、
ここにきて、メーカー出荷時点での不正・・・検査用の台と出荷用の台のすり替えまで発覚してしまった。
所詮あの程度の業界、真っ当と思われていた業種ですら不正がまかり通る御時世。
なにがあってもおかしくない。


蝸牛庵には原告適格がないのが残念ですが、大手パチンコチェーン相手に集団訴訟は
如何でしょうか?
不正な台で遊興料を巻き上げられたって、十分戦えそうですよ。
合わせて、不正な台ならば賭博性が排除されていない以上、これは賭博の場の提供である。
知らずのうちに賭博をさせられた精神的苦痛はいかほどのものか
遊興に興じたお客は不正に騙され、不当に金員を巻き上げられたんだから、詐欺罪でもある。
刑事で揺さぶりながら、不法原因給付ってことで・・・・・

案件にあぶれた弁護士の方々へ
貸金過払返還訴訟の山も超えたし、次なる訴訟の宝山にどうでしょう。
相手は20兆円産業。



やりがいありますし、今がチャンス。
あさっぱらから、生活保護受給者がパチンコに興じていると給付金を取り上げようとする自治体すら・・・・
共闘の可能性だって(笑)

2016年1月3日日曜日

住民票は転々と・・・・

企業法務屋としては、契約書に陪審裁判排除条項を入れるのが常識とされる。
慣れないゲームのルールで戦うのは不利に決まっているし、
アウェイの地で東洋人の原告でも被告でもいいが、心情的共感者がマジョリティなはずがない。
観客の声援で微妙な勝敗が決まるとするなら、反知性的な観客がシロクロをつけるようなルールは排除するに如かずであり、排除できないのであれば、心情的に共感してくれそうな候補者を陪審員に選び、逆を忌避するしかない。

三十前半の知的でグラマスクな美女が被告の夫殺し裁判の場合・・・・
おばちゃん系はギルティと言いそうだが、中年男性は被告に同情するかもって
様々な科学的要素や経験則を駆使して、陪審員選定コンサルタントというアメリカらしい
職業があるらしい。

例えばですが「十二人の怒れる男、十二人の優しい日本人、陪審員」を始め、陪審裁判を舞台にした作品にハズレなし。しかし、陪審裁判ではなく陪審裁判コンサルタントをフォーカスを当てるって、これは目の付け所がいい(笑)
ところで、倭国の裁判員裁判だとどうなる・・・・?
一定の刑事事件しか扱わないので、おもしろ味半減ですが、民事を対象としなかったのは、某国の策謀というウワサありますが、さておき・・・


まず、毎年選挙人名簿から裁判員候補予定者リストが選挙管理委員会でつくられる。
選び方は「阿弥陀籤」らしい。
アミダくじってバカにしてはいけない。神仏の選択だということだから一定の権威がある。
人知以上の「神慮」により選ばれるのである。
しかし、公職選挙法が改正されたから、18そこそこのガキが法廷で厳かに死刑だ!って言うのかね

候補者リストの中から絞り込んでいくのですが、
まず「欠格事由」該当者がはねられる。義務教育未了とか、前科者とか、禁治産者って言い方をあえてしますが、そういう方々が該当します。
次が「特定職業排除」法曹系、国会議員、自衛官、犯罪の被疑者なんかが該当する。
さらに、原告・被告関係者は当然ながら「不適格」となる。
なお「辞退事由」ってありましてね・・・高齢、病弱、就学中、期日出頭不能
仕事が忙しいという理由が甚大であれば認められそうです。


ここからが、やっぱり検察なり、被告代理人の意向をうけて裁判所が様々質問もして、裁判員と補充裁判員を決めるのですが、双方が一定人数まで「忌避」できるらしいです。
理由を明確にする必要がない排除ですから、傾向的に歪んでいるって思われると忌避されるに違いない。
こういうところまでは、裁判員法を読めばわかるのですが、実際上あの黒の法服の下ではどんな陰謀がうずまいているのでしょうか?
厳しい守秘義務で縛られているからなのか、内情が聞こえてこない。
せいぜい、おぞましい証拠書類を見せられたもんで、ASDになったから、制度の違憲と損害賠償・・・・しょうもない裁判ですねえ(笑)


一説には、毎年三百から四百人の幅で裁判員候補予定者になるらしいが、かいもくお声がかからない。欠格事由に該当しませんので、首を長くして待っているのですが・・・・
要するに、地裁レベルで管轄する選挙管理委員会に対して候補予定者リストの要請をするということですから、
有権者数が少ないが、裁判員裁判の数の多い地域が狙い目である。
投票格差同様に統計数値があってもいいのですが・・・・
そのうち、探し出して、住民票を移すことにしよう。


2016年1月2日土曜日

殿中ではござらぬがゆえに・・・・





いまどき、ユニフォームとして紋付袴姿なんかは、棋士の世界か・・・
能楽師、くらいです。
しかし、能を演じる際には、演じる曲目や会の位置づけで、格式が高くなる。
その際には、その格式に従い、裃(かもしも)をつける。
この漢字自体が「国字」ですから、漢字元祖の国には存在しないファッションである。

簡単にいえば・・・

長裃
半裃
紋付袴  が格式の順番

説明的に言えば(以下NET引用)
裃は、和服における男子正装の一種。通常は肩衣と袴を共布で作り、小袖の上から着る。
肩衣は背と両乳、袴の腰板の四所に紋を入れて用いる。
江戸時代には無官の武士の最礼装とされ・・・・

半裃は、普通の長さの袴であるが、長裃だと、ウエディングドレスのベールのように長く引っ張る。
当然、見場だけを言えば、長いほうがよさそうだが、立ち振舞が面倒。
実際上、長裃を使う演目や場は極めて限定的である。
他方、普通の裃は、ちょっと改まった場合にはかっこよさもあって、一度は使ってみたい。
個人で自己所有する例は稀なので、大抵は仮衣装。
従って「共布」というわけにはいかないので「継裃」という若干略式もあるが、これは
あんまり流行らない。
要するに、裃をまとうという際には、小袖(要は紋付き着物)は自前で
袴とセットをお借りするってことになる。


さて・・・4月の舞台では「勧進帳」をやることになった。
当然に弁慶の役。
誤解してもらうと困るが、ぼくらの世界では檜板の上で演じるので「安宅」というのが正しい名称
勧進帳とは(失礼ながら)河原の小屋かけ役者の末裔が演じる歌舞伎の演目
その気位だけはたかい能役者が「勧進帳」という場合は、
安宅の一部のシーンだけを言う。


安宅の関所で、富樫某にとどめられた弁慶一行は
我々は、東大寺再建の勧請のための山伏一行であり、
ほれこのとおりと白紙の勧進帳を朗々と読み上げる
その勢いに押されて、関所を通り抜けようとするが・・・


この場面を独吟(アカペラのソロ)で、
天も裂け、地も崩れよとばかりに謳いあげるって趣向である。
せっかくの大舞台。
ここで半裃でもつけないと男がすたる。


まあ、団十郎か海老蔵かってくらいに演じれるかどうかは、見てのお楽しみ
大衆演劇じゃございませんので、見所(観客席)からおひねりは投げないようにお願いします。
楽屋裏では・・・いかほどでも頂戴します(笑)

時は、卯月十日あまり七日
場所は、渋谷のセルリアン

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・・・もとより勧進帳はあらばこそ。
笈の中より往来の巻物一巻取り出だし、
勧進帳と名づけつつ、高らかにこそ読み上げけれ。
それつらつら惟れば大恩教主の秋の月は、
涅槃の雲に隠れ生死長夜の長き夢、驚かすべき人もなし。
ここに中頃帝おわします。
御名をば聖武皇帝と、名づけ奉り
最愛の夫人に別れ、恋慕やみ難く、涕泣眼に荒く、
涙玉を貫く思いを、善途に翻して廬遮那仏を建立す。
かほどの霊場の、絶えなんことを悲しみて、
俊乗坊重源、諸国を勧進す。
一紙半銭の、奉財の、輩は、
この世にては無比の楽に誇り当来にては、数千蓮華の上に坐せん。
帰命稽首 敬って白すと天も、響けと読み上げたり・・・・

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2016年1月1日金曜日

元日述懐





筮仕無中秩(筮仕するも中秩無く)
帰耕有外臣(帰耕して外臣有り)

人歌小歳酒(人は歌う小歳の酒)
花舞大唐春(花は舞う大唐の春)
草色迷三径(草色三径を迷わせ)
風光動四隣(風光四隣を動かす)

願得長如此(願くば長えに此の如く)
年年物候新(年年物候の新たなるを得ん)   盧照隣(唐代の詩人)


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凄まじい宮仕よりも帰去来
人々は祝酒に楽しみ 花々は乱舞する


こ緑草は隠居を覆い 風光は眩しく一面に揺れる
願わくば、毎年の瑞々しく風物の訪れ



ブルームバーグが発表した2016年の「最悪」なるもの


1.原油価格が1バレル=100ドルまで上昇
2.イギリスがEUを離脱

3.米銀行に対するサイバー攻撃
4.EU崩壊
5.中国経済が低迷し、軍事費が増加

6.イスラエルがイランの核施設を攻撃

7.ロシアが国際舞台で成功

8.気候変動の悪化

9.ラテンアメリカの無秩序

10.トランプが大統領に


ありそうでなさそうで・・・・(笑)
ともあれ、倭国を中心に世界は回っていかないことは確からしいが、ロクでもないことしか起きないようです。
幾つかは!たしかにありえます。
波瀾万丈そうですが、本年も宜しくお願い申し上げます。