2015年12月31日木曜日

おおつごもり




昨日といひ
今日と暮らして
明日香(あすか)川
流れてはやき 月日なりけり  (春道列樹)



作者は平安初期の歌人(下級貴族のはしくれみたいです)




特定少数の読者各位へ
来年もよろしくお願いします。連載連続回数は600回を超えました。
駄文でも、継続は力なのです。




2015年12月30日水曜日

当籤金付証票

一等当選額が、十億円と言われればいささか心も揺れる。
買わなきゃ当たらないなんて惹句が背中を押す。
確か税金はかからなかったし・・・

まあ、騙されやすい大衆相手の詐欺とはもうしませんが、有利誤認商品。
いまの原型ができたのは、戦後間なしの頃。
富籤販売は刑法犯ですから、正当行為とする為の立法措置が行われた。

当せん金付証票法

宝くじの正式名は「当せん金付証票」というそうです。

条文数にして19条。
確かに、所得税は課さないと13条に明記しています。
一方で、払い戻し当選金は販売総額の五割までという上限規定もあります。
そもそもの立法趣旨からして

経済の現状に即応
浮動購買力の吸収
地方財政資金の調達

という戦後の苦しい状況を踏まえての資金調達方法であったということが、分かります。
つまり、宝くじを買った時点で、五割の税率で税徴収がなされているという事と同意義であり、
税金が課せられないというのは錯誤にすぎない。
売り上げ総額が一兆円くらいですから、五千億円弱の税収。

しかし、戦後なんて大昔のこと。もはや大義は失われたでしょう。
一方で、現下の財政状態からして、公営ギャンブルをやめるのは難しいというが・・・
一千兆円の借金を抱え、国家財政は、破綻寸前。あらゆる増税を・・・
が、複式簿記的にいえば、負債の部だけにフォーカスを当てずに資産の部もみるべきだし、
さらに言えば、剰余金を貯め込んだ特殊法人なんかは子会社みたいなもんですから、
連結決算をやれば、言われるほど深刻な財政状態でない可能性が高い。

浮動購買力とは、この法律で初めて知った言葉である。
たんす預金だとか一攫千金を夢みる投機資金をいうらしい。
そもそも的に資産運用に長けた富裕層は宝くじなんか買わない。
カラクリを知れば、割の悪い投資でしかない。
つまるところ、庶民の薄いお財布から掠めとるアコギなビジネスであり、吸収すべき浮動購買力の吸収にはなっていない。

背に腹はかえられぬのは致し方なくとも、そういう事態とも言いがたく、
不正パチンコ台がまかり通ることも含め、ギャンブル国家の様相とは如何なものか?
海賊行為や人質ビジネスを生業とするローグネイションを非難する資格すら問われそう。


2015年12月29日火曜日

8%の紙新聞か10%のみすず書房本か




あなたは何方を選びますか?


知に課税は許さない!

これって「お産に課税をするんですか!」という当時の赤い気炎を思いだします。
どう考えても反知性的であり、結果医療費は非課税となり・・・
どっちがより「知」であるかって議論以前の話です


生活必需品である!

言い出せばなんでもそうなるが、みすず書房本は一部のマニアしか読まないから
必需品とは言い難い。
引き換え大新聞は(正確な統計がないようですが)七割から八割の世帯で定期購読しているようです。
しかし、若い世代では歯牙にもかけられずシルバー産業御用達



今年も幾多の愚かしい(将来に禍根を残すという意味で)政策決定が
なされたようですが、これほど馬鹿にした話はない。
花森安治さんは「暮しの手帖」刊行時、一切のCMを掲載しないという方針で
記事の品質を担保したものだ。
スポンサーに弱みを握られるようなことは、その矜持において謝絶するというのが
報道の姿勢ってもんです。
雑誌「選択」・・・これも10%の課税となるようですが、広告のページは
異様なまでに少ない。



どうも、すべての「新聞」が軽減税率の対象ではなく「一定条件」という
制約があるらしい。
その「一定条件」ですが、これが正確にはよくわからない。

紙新聞だけらしい
刊行回数(毎日刊行とか・・)
定期契約に限るとか

つまり・・・

日曜版しかない新聞は対象外(?)
同じ新聞でもキオスクで買うと消費税は軽減されない(?)
政党機関紙でも、定期購読していれば対象となる(?)



税制としての国権の裁量性の範囲と言ってしまえばそれ迄ですが、
対象外とされた新聞社から、今回の「条件」次第では恣意性を問われかねません。
訴訟にまで発展するかどうかは分かりませんが、
ただ言えることは「知は大新聞を忌避」することには間違はない。
税金が安くなると売れるってもんじゃない。
酒税が高くとも、酒呑みは酒を飲むのです。
あれはあれで・・・「文化」ですから(苦笑)






2015年12月28日月曜日

ほんとうでこれで「終わり」です・・・・?



信念だとか信条だか・・・なんとも堅苦しいタイトルが・・・
と思ったが、単に「苗字」かあ(苦笑)
多少のメタファーも込めてんでしょうが・・・


76年のこの「アメリカンドリーム」は、
才能と努力と本人の魅力に加えて運だかつきだけかどうかは知らない。
なんだか闇の力学とか口にするにも憚れるような事があったかどうか・・・誰にもわからない。
なんにしても、しがないアダルトシネマの男優が一躍ヒーローになり、
富と名声を手に入れたってことは間違いない。
国家の責任でフィルムは永久保存されることになった。

たった百万ドルの制作費で興収1億ドルですから、もう一匹泥鰌を狙わないほうがどうかしている。
79年に続編。
制作費は激増しましたが、それなりに美味しいビジネスにもなりました。

三部作って座りがいいものですから、これで終わりのはずだったエピソード3(82年製作)
これまた成功です。
国民的人気の頂点から落ちた偶像へ・・そこからまた這い上がる不屈のってアメリカンは大好きです。


骨の髄までしゃぶるのが美味しいって思ったのか、85年にエピソード4
なんだか政治的な臭さもありますが、今思えば「伏線まみれ」
興行人気は凄かったが、作品的にはどうですかねえ・・・

ところがなんと90年にエピソード5
最後のドラマって触れ込みですが、何度もこれが最後って言い草で騙されてきました。
シカゴの映画館で見ましたが、字幕がないせいでもなく・・・つまんなかった。
作品的にも興行的にも惨敗

16年も立ってから「ファイナル」ってまたまた登場
パンチドランカーになって引退したはずが、またリングに復活するって、ご都合主義の極み
髪の色を黒に染め、顔のシワを化粧でごまかし、まるで斎藤別当実盛みたい(笑)
映画批評的には好評だったらしいが・・・これはお追従ってことでしょう。




あれから十年
まさかと思ったエピソード7
スピンオフ作品ですが、過去の重要なモチーフがてんこ盛り。

あのアポロの愛人の子供のトレーナーをやるって?
無名の若者が最強のチャンプと12ラウンドの激闘をやるって?
星条旗模様のトランクスが登場するって?
名セリフ「エイドリアン!」はないが、代わりに・・・ビアンカ!!
フィラの街を激走する主人公を追いかける子供たち・・じゃなくてバイク群



主演は、マイケル・ジョーダン・・・(笑)
当然同姓同名です。

批評家からは好評らしい。

2015年12月27日日曜日

目覚めたかしら?

値段は需給で決まるのは、経済原則だし、モノそれ自体あるいは役務の品質で差異があるのもけだし当然。
一部のシネコンでは、2千円の価格設定らしいが、おかしいと思う方が逆におかしい。価格差の理由が商品それ自体の価値に起因すると言う釈明だが、スクリーンのよしあしで差をつけてもいいとおもうのですが、何だか不思議な価格カルテルがまかり通っている。
136分間の陶酔と享楽の対価として妥当かどうか???
そうそう、パンフレットがなんと千円!オペラなみです。
シネマイクポップコーンも同じくらいかかりましたし、予告編を19分も観させられたし(笑)
こうなれば、映画も大衆娯楽とも言い難い。

満を持してのエピソード7
三作単位でテーマなりエピソードが完結するしつらえですから、今時点の評価は避ける方がいい。
もっとも、まづは良質な鑑賞環境で、拍手や歓声で騒がしくもなく、コスプレおバカもいませんでした。

さて、物語は・・・・とネタバレをやるのは、まだはやいそうですが、早々にお話を進めてしまって大丈夫かなあって心配はラストを見る限り杞憂かな?
はっきり言って冴えない役者でしたが、歳月は風貌も貫禄も変えてしまった。
でも、エピソード4-6の焼き直し風なので・・・つまるところ、〇〇〇な葛藤の展開
みたいです。


でも、謎はまだまだ残ってますから、エピソード8は再来年だったか来年だか。
ちなみに、各作品のオリジナルポスターの暗喩って、改めて全作品を見れば、神話の真髄が見えてきます。

2015年12月26日土曜日

知ったかぶり・・・の危険(笑)




端正な器に盛り付けたお刺身ですが「あしらい」があってこその風景。
生魚を切っただけで、どこが料理だ?って言ってるうちは、
その辺のジャンクフードでも喰らっていればいい。
たかがあしらい(添え物)って一言で片付けては、板前が泣く。
泣くって意味は・・・塩まいて追い返したいくらいヒデェ客ってことです(笑)


イヌもくわない薀蓄を言えば・・・正確には

けん
つま
からみ   って区分する。

殺菌効果
盛り付けの演出
盛り付けの台
生臭さを中和し消化補助
味の引き締め
口直し          ・・・とかなんとかの効能があるとされるが、

最初の三点だけだと、口にするのは世間知らずってことになるが、
後者の三点の効用を思えば、むしろ食べるべきであり、マニアックに言えば
効能に応じて、食べるもの・たべないものの識別をするのが食のプロ
実際上は、両方の効果を狙っていますから、識別は困難である。
気取って、貧乏臭いって箸を付けない輩が反知性的で一番貧相なのです


けんとは「尖った」という意味の「けん」のこと
大根なんかは全国区ですが、人参、胡瓜、茗荷なんかも使われるらしい。
キャベツ、玉葱もあるらしいが、遭遇したことがない。
胡瓜だって、関西風の刺し身じゃ使わない。
江戸前を標榜するお店でしかない見かけないところをみれば、江戸前風味らしい。
たいていは、お刺身の敷台になっている。

つまとは「妻・褄」のこと。
端やふちということだから、刺身の横や手前に寄り添うように置かれる。
大葉、菊花、海藻類、花穂・・・なんか
これがあるとないとでは、風景が段違いに違ってくる・・・のは言わずもがな。

からみ(辛み)は、説明するほうが野暮だ(苦笑)
単に味を引き締める以外に殺菌効果もあるらしい。



というのが王道の説明ですが、NET記事は諸説紛々で、知ったかぶりの講釈で
笑っちゃいますなあ・・・って、
こんな御託が言えるのも、先日、上野の某店の店主のご高説を伺ったがゆえ。
ちゃんと授業料・・・じゃなくてお料理相当のお代をお支払いし、
合わせて、ご教授を頂いたということです。


ご馳走様でした。
ちなみに「馳走」とは、おもてなしのために八方手を尽くし足を運び
準備に手間をかけるってことだそうです。



















2015年12月25日金曜日

物語詩なるもの



1927年が初版。きっと星ひとつの値段だったろう。
1999年に改版が発行され、いまや第20版

岩波書店がどうして「にごりえ・たけくらべ」のカップリングで出版したのかは
だれにでもわかる単純な理由でしかない
広義の意味での廓の相似形。菊の井のりきと大黒屋の美登利は、双子の姉妹なのだ


物語唄というジャンルがある。
詞藻にストーリーがあるって特徴ですが、おしなべて定番化されたメロディがない。
例えば・・・

兄妹心中

一部に熱狂的なファンがいる。
歌詞自体にも異同があるが、メロディラインはもっとバリエーションに富む。




有名ドコロでは「厄介節」
タイトルは知らなくとも・・・


十六七になるまでも、
蝶よ花よと育てられ・・・・  なんかは耳に残っている。
一体何がいいたいのだ(笑)




この高名な二つの短編は、一葉の困窮生活の近風景(円山福山町、新吉原)を切り取ったものと
されるが、実のところ別の想像も成り立つ。
この「厄介節」には、二つのバリエーションが有るとされる。
一葉の「たけくらべ」にも、厄介節という言葉が登場するし、
廓界隈では馴染みのある俗謡であったに違いない。

娼婦の末路に幸いはない(・・・お大尽に身請けって例もあるが)
浄閑寺(吉原界隈)のような投込寺で無縁仏となるか
入れあげた客との無理心中で命を落とすか


それぞれの厄介節の詞藻は、けだしりきと美登利の人生そのもの。
一葉は、この詞藻を念頭にこの短編を書いたに違いない


・・・以下途中を端折りますが・・・

 
幼い時分に世を去られ、それから他人に育てられ、
十四の春から店に出て、お客の登楼(あがる)を待つけれど・・
早く女郎を廃業し、
堅気の丸髷(まげ)に繻(しゆ)子(す)の帯、眉毛落して主の側、
・・・
もしも添ひ遂げられぬなら、末は二人で心中か


十六七になるまでも、蝶よ花よと育てられ、
それが曲(くる)輪(わ)に身を売られ、
・・・
今では勤めも馴れまして、金のあるお方に使わする、
一度来るとこ二度も来る、二度来るところは三度来る、
さうして親方しくじって、つかひ果たして止(とめ)の客、
空虚(から)の財布を頸に掛け、破片(かけ)たお椀を手に持つて、
剰食物(おあまり)やないかと門に立つ、
その時や知つても知らぬ振り、それが女郎衆のならひなら、
つらくも高見の見物だ


私娼窟に墜ちるようなりきは幼い頃から辛酸を嘗めたに違いない。
にごりえの第七節は、涙無くしては読めない・・・
幼馴染のふとん屋(当時はステイタスの高い職業)を馴染みなったのいいが、
入れ上げすぎて没落し、とどのつまりは無理心中
堅気に戻れるとひととき夢見ただろうりきは哀れ・・・
それなりに葬式を出してもらえたのが唯一の救いである。

他方 美登利は姉が大黒屋の大籬(高級女郎)なもんで、
ちやほやと育てられ、性格もおきゃんである。
寺の跡取りの信如とは、磁力の関係みたいなもんで、ひかれ合うも反撥する。
ある日・・・何があったのか一葉は具体的には語らないが、一歩踏み出した日
先々玉の輿に乗れるって予感はかいもく感じ得なく、この物語はおわる。



2015年12月24日木曜日

早々ですが・・・「次」を論じる


第一回主演作: 6億ドル
第二回   : 同上  (初回をほんのすこし下回る)
第三回   :10億ドル
第四回   : ?

制作費が1から3億ドルくらいと言われていますので、ビジネスとしてはほんとうに美味しい。
主役男優がいくらもらったのか、歩合契約なのか・・よく分かりません。
巷の噂では、もう一本契約が残っているそうです。
男優さんは、やるともやらないとも・・・まあ、今時点で明らかにすることでもない。

荒唐無稽なスパイアクションとはいいながらも、一貫したストーリー性なり
バックグラウンドが徐々に明かされるとか、アクション以外の部分の印影が作品に深みを与えており
そういう観点でもう少し評価されていいと思うのですよ。
オスカーの作品賞は無理かって?
今年からノミネート作品が10作となりましたから、多少の門戸開放。


なんちゃって「エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド」が登場するのが嬉しいですねえ
スペクターのボスなんですが、おなじみの

獰猛そうな白いペルシア猫
詰め襟風な上着
右目を切り裂くような傷跡  なんかが登場し、名優クリストファヴァルツが演じる。
ストリー的には「振り出しに戻る」ってことで、次回作は、この悪の組織が世界を覆い尽くすような
展開になるに違いない。
なんちゃって、ホームズとモリアーティ教授みたいな関係だったって衝撃の過去が
すんなりと・・・(苦笑)

決して美人ではないが、黒木華さん風でレア・セドゥって本当にいいですねえ。
MI6を中途退職して、アストンマーチンで二人で旅立ってしまうのですが、これじゃ次回作にならない。
あの「女王陛下の007」では、ボンドはラストで結婚するのですが、
新婚旅行中、ブロフェルドに襲撃され、新妻が哀れ・・・・


なんか、次回作の冒頭シーンは決まったって気もしますが、さあどうなるか?







2015年12月23日水曜日

日本と共謀したオトコ


あまり興味もないもので読んでいなかったが、ウィキペディアの一節(一部削除)
よくぞ、投稿荒らしの手でグチャグチャにされなかったことだ。

--
日中戦争では抗日戦線を展開、国民党軍とともに、連合国から得た軍事援助を元に日本軍と対峙する。
しかし、日中戦争において日本軍と交戦したのは主に国民党軍であった。
ゲリラ戦を行う以外は日本軍と国民党軍の交戦を傍観し、
戦力を温存して、支配地域の拡大に傾注したのである。
日本軍が南京を陥落させたニュースを聞いて大喜びし、祝杯をあげ大酒を飲んだ。
裏で日本軍と手を結び、蒋介石と日本を戦わせて漁夫の利を得ていた。
アヘンの販売で日本軍と結託していた。
また積極的に占領区内の日本軍と商売を行い、晋西北の各県は日本製品であふれていた。
--

所謂「抗日戦争」の実態ってこういうものだったのですねえ。
そもそも「兵は凶器だし、道徳からも解放」されている。
敵の敵は味方って、けだし歴史の真理だし、勝てば官軍なのだ。



一方で、蒋介石の「怨みに報いるに徳を以って・・」も知る人は少なくなった。
もっとも、孔子の言葉を出典とするとされるが・・・ちょっと違う。


或曰、以徳報怨、何如、子曰、何以報徳、以直報怨、以徳報徳(論語 憲問編)


文意からすれば、孔子はむしろ恨みに徳で報いることには否定的である。
しかし「以暴報怨」とまでは言ってませんので、抑制的ではある。
怨に暴で以って対峙すれば、それは報復の連鎖を生む・・・というのは今更ながらのこと
直で対抗すべきところを暴で強圧すれば、結果はおのずと分かる・・・が、じゃあどうすればいいって
居直られるとちょっと困るが・・・


しかし、蒋介石の行為は、多くの倭人に感銘を与え短期に帰還しえたという功績はあるものの
ある種「宋襄の仁」であったようだ。
持てる力を「徳で報いる」ために投じて、傍観者を利を与え、権力奪取に後れを取った。
天命が彼に降らなかったのか、本来的に政略の才に劣っていたのかは知らない。
が、中華人民にとっては、不幸なことだった(・・・って今時点はそう思います)
現代史における「三大殺戮者」を権力の頂点に立たしめたわけで、
推計される死者の数はヒトラーやスターリンを凌駕する(・・と思います)


時代が変わり「不都合な真実」が語られる日がきっと来る・・とは思いますが、
その時期には自信がない。


遠藤誉さんの「日本軍と共謀した男」を読みながら、こんなことを考えていました。
本当に不都合なことは黙殺するに如かず・・ですので、
このブログは炎上もしなければヒット率も高くはならない・・・という確信だけはある(笑)







2015年12月22日火曜日

「生きがい」ってなんだ?




陸軍 ARMY
海軍 NAVY
空軍 AIR FORCE


ってどうして言うのか?って話題です。
古代ローマ以来のラテン語から古フランス語に転じ・・・と言われますが、
真偽はよく分かりません(NETの講釈には嘘が多いもんで・・・)
空軍は、後世にできた編成ですので、けだし英語表記の通り。

しかし、最近の「空軍」をこう呼ぶのはすこし違和感が出てきた。
早晩、陸軍もそうなるだろうって予感があります。

今や空軍を「AIR FORCE」とは言わずこう呼ぶのです(笑)

 
CHAIR FORCE



第一次世界大戦の頃、独逸のマンフレート・フォン・リヒトホーフェンの時代は
騎士道の復権ともいうべき華麗な空戦を繰り広げ、レッドバロンとも称された。
しかし、今やドローンの時代。
装甲の馬に槍と盾なんて流行りはしない。
お互いの顔を見ながらの激闘って、一体いつの頃の話なんだ?


ラスベガス郊外の空軍基地
主人公は、モニターに映るアフガンの赤茶けた大地を眺める。
走行する一台のトヨタ車にミサイル一撃!
今日のお仕事はおしまい。
フリーウエイをしばらく走れば、妻の待つ我が家・・・・

音速で飛翔する戦闘機を苦もなく操縦できる腕前を持ちながらも
いまやゲームセンターのマシンに乗るような日々
逆説的にストレスを感じないとどうかしている。
早晩、ARMYもそうなる予感
軍隊とは、IT産業以上にメンタルヘルスで悩む産業になる。




労働安全衛生法が改正されて50人以上の事業所では「ストレスチェック」が
義務化されました。
所定の質問に回答すれば、専門医があなたのストレス度を評価してくれるすです。
法定の義務ですから、やらんわけにはいかないが・・・

こう回答すればどういう結果が出るってわかっているアンケートって、
本来的に無意味である。
ストレスが高いって結果から鬱病まであと一歩。
自分の病歴は会社に知られたくないって本能が働く奴がいる。
性格的に頑張り屋さんはより頑張ってしまう(結果、どうしようもない状態で心が折れる)
できない奴に限って(・・と言えば偏見がありますが)すぐに泣き言を言う。


LABORとはそもそもは「苦役」だ。
自由をもたらすもの・・・でなかったことはアウシュビッツが証明している。
倭の流儀の「仕事は生きがい」もおかしくなりつつあるっていうか
元々おかしいんですよ。「生きがい」ってそんなに大層なもんじゃない。


お医者様と幸せな結婚をしていたはずの鳳蘭の離婚の弁

仕事は生きがい
子供はいのち

生きがいよりも命のほうが上に決まっている。
しからば「捨てられた」旦那はなんなんだ?





2015年12月21日月曜日

汝に休息なし



生涯現役って「美しげ」に聞こるのですが、
言いかえれば「死ぬまで働かないと下流老人」って木霊が帰ってきそうです。
若いうちに起業なり博打なりで巨万を稼ぎ、アーリーリタイアメントというのは
ある種の理想型ですが、事例は限られる。
アスリートとして、一億ドル稼いでも、

投資の失敗
薬物あるいは浪費
離婚の慰謝料

なんかで、過半以上は身を持ち崩す(・・・ということは七月頃の衝撃のブログ内容)
持ちなれないものを持つとろくなことにならないらしい。

なんだか、年金破綻だとか破綻しなくとも年金だけだと下流だとか
世の中のムードは「汝には休息がないのだよ」って耳元で囁き、中高年を不安に陥れる。
ある種の「世論(輿論ではなくて)誘導」としか思えません。


多くの(大)企業では、年金支給年齢引上に即応して「定年再雇用」制度を導入しています。
定年延長でなく、あくまで雇用するかしないかは使用者の裁量。
もっとも、雇用しないって決定はそう簡単にはできないが・・・
しかし、雇用条件は会社の提示。
文句があれば・・・そうです「職業選択の自由」ってことで自らが雇用開拓!
厳しい時代ですねえ。
今まで値札の半分以下でスキルが買えるわけですから、ある意味で企業にとっては美味しい。
新入社員の値段で熟練工が買えるのですよ。
職場文化さえ上手くコントロールできれば、潜在能力不明で顕在能力劣悪な倭の若者を
コストをかけて採用なんかするのがバカバカしい。
世の中ダイバーシティなのです。
世界中から「人財」を集めることのできる企業は、人手不足なんか歯牙にもかけない。
しかし、人財が払拭すれば、のこりは「人罪」
ますます企業間格差が激しくなる。
長い目で見れば、社会秩序の緩慢な土崩瓦解かも・・・



思えば・・・休息は棺桶の中で退屈するほどできるのです。
文句を言わずに働けるうちは働くのが自然の摂理ですかねえ(苦笑)






2015年12月20日日曜日

現実の悪意の法理





広報と報道とは基本的に違う。
いずれにおいても「嘘」をついてはならないが、都合の良い真実を流布させることと
不都合な真実を広宣すること程度の違い(相当な違いですが・・)はあるのです。

公人にとっては(私人だってそうですが)、不都合なことを隠蔽するためには様々な策を弄するのですが、
一番手っ取り早いのが「高額賠償請求訴訟」
もっぱら脅迫的意味合いでの「高額賠償」は、民事の世界では信義則違反だと思うのですが、
一方で、名誉毀損だとか侮辱だといって刑事告発する方法もある。
私人ならばともかく、公人ともなれば「晒しものされてナンボ」って思うくらいの気概がないと
本来その立場にあってはならない。
批判されて当たり前。評価は棺桶の蓋を覆い、朽ち果てた頃に定まる・・・

情熱・責任感・判断力というような権力感情は、政治家にかぎらず公人としての基本的な資質である。
が・・・あえてそういう論考があるということは、その名に値しない「公人」が多く、
不都合な真実を圧殺しようとすることへの警鐘だと思います。


法律の専門家とは面白いこと(圧殺への対抗手段)を考えだすのです。
60年台の合衆国最高裁判所の判決


健全なデモクラシーを担保するためには「自由の言論」を守ることであり、
公人にとっての人権(名誉権だとか・・)を過度に振りかざすことに一定の制限を与えることに
合理性があるという考え方である。
報道といっても無謬ではありえないことを前提に、そうであっても「自由な言論」を窒息させるべきではないって考え方は
そのような報道人を持ち得た国家においては、ダイヤモンドのような輝きを感じる。

具体的に言えば、「被害者」が被害を立証し、勝訴するためには・・・

・報道サイドが嘘と知りつつ公表した
・報道サイドが嘘かどうかも考えずに発表した

ことを原告サイドが立証しなければならないと断じたのです。



女性大統領の動静話をめぐる裁判が、報道サイドの勝訴となりましたが、
一部の法律家が言うように、この「現実的悪意の法理」をよるものでしょうかねえ?

判決要旨の要約版によれば・・・


・公人の動静に関する記事である。
・公務か私事かを峻別することは公人(大統領ともなれば)にとっては難しい
・公人を誹謗する意図はない
・言論の自由として保護される範囲程度の内容である。
・記事は虚偽である


街角の「噂話」を裏とりをせずに伝聞的に報じただけであって、
当然ながら公人を専ら誹謗中傷する意図はなく、
それに過剰反応しただけのお馬鹿裁判としか思えず、
先進的な法理を展開したとはまったく思えないのですよ(笑)


裁判の初期の段階で、裁判所は「虚偽」と断じてしまった。
これは、事実審理究明の放棄であり、なんだかそうする必要があったのでしょうねえ
本当にそうだったのか、究明することが憚られるのかはわかりません。
虚偽の報道ですから、むしろ「有罪」のほうがすっきりする

不都合な真実ではないとなれば・・・
報道の意図性(悪質性)とか加罰性の有無だとかという技術論だけが残る。
そんなものは、原告が悪意が有りましたと陳述するわけがなく、
裁判官のさじ加減(国家意志も含めて)でなんとでもなる。

要するに「密会の事実の究明」という局面に展開することが不都合であり
早々にフタをして、あとは作為的に作文をすればいいっていう裁判ショーだっということです。
政治や外交が「訴外乱闘」をやりまして・・・って、舞台裏まで打ち明けたってお笑い草


報道が虚偽であり、本来は微罪とはいえ有罪なんだか、外交ルートで媚を売ってきたので
無罪にしてやったんだから、わかってるよねって・・・・


判決文の裏側をあぶり出すとそう書いているに違いない。
まあ、検察が控訴を断念するまでは「不都合な真実」を暴露して相手のメンツを潰しても
得にはならないから、適当に「評価」しておくのが、オトナの対応です。
被告の立場としては「当然の判決」っていうのが当然でしょうが、
外野は「予想外に評価できる先端法理を駆使した斬新な判決」であるって
持ち上げておけばいいのですよ。


冒頭の「一部の法律家」って、結構知恵者ですかな(笑)








2015年12月19日土曜日

今回の「合憲判決」の正しい読み方

予想された最高裁判決である。
星取表からすれば、五勝十敗。惜しいというようなレベルではない。
しかし、15人の判事の判断を仔細に見れば・・・・

女性判事は三人いるが、全員が違憲の肩を持った。
在野、つまり弁護士や学者系は四勝一敗

要するに、マジョリティであるオスの司法官僚系の保守的な意見で合憲となったに
等しい。
立論にも説得性がなく、この物言いならば、社会の基本たる健全な家族制度の「敵」ともいうべき妾の子の相続取り分が半分であることは違憲という立論は出て来くるはずがない。
原告とはどんな方か存じ上げないが、悔しいとかなんとか月並みなことを言うんじゃない。
欠陥選挙制度のお陰で座布団バッジをつけている選良が牛耳る立法府同様に、最高裁判所も、その判事任命において公平性に欠け、国民の期待する判決が出せない構造的病理を抱えているという点に声をあげるべきである。

ネット社会のお陰で、これはこれでほんとうに有難いが、翌日には判決主文が読める。
多数意見ではたやらと、国会における議論を期待しているが、これまた笑止千万。

在野の良識派は「違憲状態」なんだから早く制度変革の議論に結論を出さないと違憲判断をし、不作為による国家賠償を命じますよ!という程度は言うべきでしょうって思うのですよ。


別姓でなければならないと言う意見には必ずも与しないが、法律上事実婚を法律婚と
同様に扱うのは技術的にも困難だろうし、事実婚であることの法的認定制度なんかを導入・・・渋谷区の同性婚証明制度が例ですが、こんな面倒なことをするくらいなら
現行の法律婚制度の中で、別姓も認めれば済む話だとシンプルに考えますが・・・
まあ、サイレントマイノリティーの愚見です(笑)

2015年12月18日金曜日

聖職者の陰謀



神はただしかるべきであり、盲てはならないが・・・
組織の存続に関わる問題だとも思えるのですが、対応は未熟としか思えません。
ワシントン・ポストの二人のジャーナリストは、
最高権力者をもペンの力で葬り去ったのですが、それは「大統領の陰謀」に詳しい。
ボストン・グローブの記者たちの偉業もそれに等しい。
しかし、アメリカ合衆国大統領といっても世俗の権力者。
報道以来十年余りで世界的規模で醜聞が白日のもとにさらされていますが、
神の代理人は、なかなかしぶとい(苦笑)
異例ながら退位しましたが、このスキャンダルの責任をとったということにはなっていない。
今の法王は・・・・改革派とされますが、事態の抜本改革ができるのでしょうか?
組織の強固な体質は簡単には変わらない。
金権体質とか同性愛問題とか妻帯者の問題。いずれもが複雑に絡み合うのでしょうし、
事柄によっては教義の基本にもかかわる。


かような児童性虐待がどうして教会内で起きるのかって・・・諸説紛々

聖職者が独身であること(上座部仏教だってそうですがねえ・・)
告悔室の存在(世界で一番淫靡な場所ってことはそのとおりだ)
国家を超越した宗教世界(国家とは別のルールの働く閉鎖社会です)
宗教とは程度の差こそあれカルト(とりわけ「ダークサイド」の力が強いのかも)


このような重大事に神はどうして沈黙をし給うのか・・・
やはり「FORCE」のちからしか解決につながるものはありません。


覚醒せよ!!

May the FORCE be with You

とは、

May the GOD be with You

のモジリってことは有名ですが、単なる洒落ごとではなく、案外真相をついているのかも・・・


今日から世界同時公開ですねえ・・・






2015年12月17日木曜日

オスカーマラソン(1)



倭国のベストテンに期待感がないものですから、
評価材料にとぼしいのですが、オスカーレースの大胆予想でも(笑)
序盤戦の評価なんか長丁場でどうなるかわかりますんが、ダントツの先行馬


spotlight


ボストンの新聞人が教会の醜聞(長年の幼児性虐待)のスクープを追うってお話し。
大統領の陰謀以来の新聞人の悲願がかなうか?
この年はノミネートは沢山だったんですがねえ。
昨年、カンバックを遂げたマイケルキートンも登場。助演にまわりましたが、
同情票もあり助演男優賞期待。
大統領の陰謀では、ジェイソンロバーツが、編集部門の幹部役で助演男優賞に輝きました。

しかし、ベストアクターをさらっていった英国人は、世界初の性転換者の役でまたも立ちはだかる。
今時点は圏外ですが、ダイバーシティな時代ですから、ハリウッド人種向けで、差し足が凄いかも。


しかし、たかが娯楽じゃないか。
小難しい映画よりも、一時の享楽と陶酔
さすれば、これしかない。


マッドマックス


作品賞がダメなら、あの輝く美貌を封印したシャリーズセロンにベストアクトレスを!



そうそう、長寿なシリーズ大作は、テクニカル関連の賞のノミネートに限られそうです。
主要部門にノミネートなんかすれば、選考委員に非難の嵐で、やっぱり躊躇します。
スピルバークは、娯楽作品とオスカー狙いのシリアス作品の作り分けって
器用なことをしますが、ルーカスは、オスカーには興味が無いみたいです。




2015年12月16日水曜日

今日ですが、多分こんな「最高裁判決」がでます!




女性の再婚禁止期間
夫婦同姓

について、今日最高裁は憲法判断を行う予定です。
英国ならば、ブックメーカーが賭け率なんかを・・・どういうふうにハンディをつけるのでしょうか?
大方の予想は「違憲」のようにも思えますが・・・


元企業法務戦士としましては「違憲状態」という判決が妥当だと考えます(苦笑)


違憲と違憲状態は異なります。
ある種「統治行為論」と同様に司法としての半自殺行為かも知れませんが、
これはこれで一定の合理性があるのですよ。


法理論的に正しいものが正しい訳ではない。
正しいことと良いことはそもそも別物だ。
正しくなくても、それは悪ではなく良いことだってある(・・・と思い込めばそうなる)
三人市に虎を成すことだってあるし、馬が鹿にもなる。
戦国時代の楚の屈原の悲劇とはそういうものだ。
清き白河よりも田沼の濁りが住みやすい(笑)



国家の形とはとどのつまり家族の形なり個人の生き様なりに規定される。
その意味で家族法には理論・理屈だけの乾燥した論理は通用しない。
国民がそれが良いと思えば良いのであって正しいとかなんとかが介在する余地はない。
他国の価値観でそれを断罪される覚えもないし、内政干渉ともいうべき失礼なことだ。
国民の思いは民意という形で国会審議に反映される。
国会審議が正しく行われるためには、正当な手続きで選ばれた選良達によることが前提である。
その意味で「一票格差問題」に関しては、違憲状態という判断は好ましくないが・・・
それはさておき

国民の実質的な審判を得たことのない(国民審査制度が無意味って意味です)たった十数名の裁判官が
家族制度の骨幹をなす事項について合憲・違憲をのたまうのは僭越である。
数が多ければ民意を反映しているってことでもないし、欠陥選挙制度のにより選ばれた欠陥議員もいるが
全員ってことでもない。

選挙制度同様にこれ以上立法府の怠慢を許さず、早く国民的議論を行い、党議拘束を外し
正しい・・・ではなくて「良い制度」を作り上げればいい。
現行の家族法の規定は、どうみても時代錯誤だと思えますから「違憲」でもおかしくない。
かと言っても、国民各層で様々な意見があるのですから、侃々諤々やってくれればいいのですよ。
その時間をかけて議論することが喫緊の課題であるって意味で「違憲状態」という
判断が・・・いいと思うのですがねえ。


でも、じゃあ、銀座のフレンチ賭けますかっていわれてもねえ(笑)
正しいことも良いことも通用しない末世ですから、負け戦はしません。









2015年12月15日火曜日

無知の美徳



英語やドイツ語がお好みなくせに「ウイルス」とどうしてラテン語読みをするのかは知らない。
ヒポクラテス以来の用語だそうで「病気を引き起こす毒」という意味で使われていたらしい。
けだし「コンピュータウイルス」も、公式な定義は

--
自分自身の複写、又は自分自身を変更した複写を
他のプログラムに組み込むことによって繁殖し、
感染したプログラムを起動すると実行されるプログラム
--

ということだから、医学上のウイルスに類似している。
しかし、これだけでは犯罪性を必ずしも意味しないし、医学上も善意のウイルスが存在する。
従って、最近は「マルウエア」っていう言い方がプロ風である。
プロ風ってことは、素人さんはよくわからないということである(笑)
平明に解説すれば・・・


malicious+software の混成語であり malware。つまり「悪意あるソフトウエア」



このマルウエアには様々な分類があって

ウイルス(感染・増殖性がありが単体のプログラムではない)
ワーム (伝染性はあるが感染性がなく増殖性のある単体プログラム)
トロイ (伝染・感染・増殖性のないが、発病すれば猛威をふるうプログラム)  

実のところセキュリティ専門家と称する輩もよくわかっていない(苦笑)
機能構造性や犯意の意図性という異なる分類概念を混同した分類表も多々あり、
善良なシステムユーザーを混乱させている。
少なくとも、なんでもかんでもコンピュータウイルスというのは間違い。
テクニカルな分類は、感染性、伝染性、増殖性、単体のプログラムか否かのよるのだ正しい。

ランサムウェアってマルウエアがありますが、
これはシステム上の身代金誘拐犯罪を意図するマルウエアである。
このマルウエアに感染したコンピュータはシステムへのアクセスを制限され、
この制限を解除するための身代金の支払いが要求される・・・
マルウエアの効果による区分ということでテクニカルな分類ではない。


まさしく「クライムウエア」ですが、刑法第168条の2・3では
不正指令電磁的記録作成・取得等の行為が軒並み処罰の対象となっていますから
正当な理由のないマルウエアの「作成・保管・提供・実行」することは犯罪である。
従って多くの場合、マルウエア=クライムウエアである。
つまるところ、進化に分類が追いつかない典型的な事例だということです。


ところで社会的に甚大な影響をあたえる犯罪の割に罰は軽微です。
しかし、ここから端を発して適用される犯罪類型は多々あり、
併合罪として結構厳しいことになります。
さきほどのランサムウェアだと誘拐罪の適用は無理ですが、強盗罪は適用できそう
脅迫等で抵抗のできない状態に貶めて金品を奪取しようとすれば、それは強盗
銃刀類を振り回すだけが強盗じゃない。
これだと、5年以上の有期懲役。
初犯でも執行猶予はつきません。


当然民事上の責任(損害賠償)も追求されます。
マルウエアのいやらしいところは、被害者が次の被害者の加害者になりうるってことでして
知りながら漫然と放置し、被害を拡大させると・・・これは「不法行為責任」に該当しかねません。
幸か不幸か、判例事例は寡聞にして知らないのですが、
それなりにコンピュータセキュリティの知見があると思われると・・・怖いことになります。


今の世の中・・・無知ほど安心できるものはない(笑)




2015年12月14日月曜日

ムラおこしには映画が一番

イヌは可愛いが、ヒトが悪いと揶揄される彼の地だって、世界に誇れる偉業がある。
一隅を照らす無垢の振る舞いほど尊いものはない。

天神崎の環境保護
稲むらの炎
遭難船の救出


いずれも広く語られることはなかったが、知らしむべき事はいつしか語られる事になる。


三番目の事例は、ちょっとした話題映画になりそうですが、いささか国際政治が垣間見えます。
時空を超越する信頼なり友情。
まあそうなんですが、ミズをさしちゃ悪いが、
三百人の在外邦人救出のために、輸送機一機飛ばせない国家や ナショナルエアーのだらしなさ。
今思っても、腹立たしくて情けなくて涙も出ない。
身を捨つる事のできない祖国が、ここにある。


そういう問題提起の為の映画ではなく、ある種の故郷おこし。
映画の企画が、苦難を乗り越えスクリーンにかかる確率は、パーセントではなく、パーミルの世界。
映画の出来不出来はさておき、関係者の苦闘には脱帽です。



長いマクラだなあ(笑)
英国美青年映画で一斉を風靡した彼もおちぶれ、「リライト」という売れなくなったオスカー脚本家に扮した映画を語ろうと
おもったのですが、またにします。
どこが共通項かって疑念もあるのでしょうが、牽強付会とはそういうものです。





2015年12月13日日曜日

人生やり直せます


英国美青年映画なるジャンルがあり、一世を風靡したのが80年代後半。
当時の美青年も、いまや・・・(苦笑)
しかし、崩れかけた美貌を「武器」にいまだに活躍するのは、ヒュー・グラント
もうすぐ還暦のはず。


彼はオスカー脚本家・・・ということで売れっ子だったのは15年も前。
プライドの高い失業映画人ほど役立たずはない。
そもそも、、ハリウッドで最大規模で企画が立てられたのは「風と共に去りぬ」のパート2
たいていは、企画書止まりで、脚本になるまでのことはない。
なったとしてもリライトの繰り返しで最後は原型を止めなくなるし、
最終段階までいけば、セリフはダイアローグ屋の手で気の利いた警句まみれになる。
まあ、脚本家なんてなるもんじゃないが・・・売れなくなればもっと悲惨。

彼がありついたのは、東部の大学のシナリオ作成カリキュラムの講師の職
やる気のないことおびただしく、

受講者は顔で選ぶ
早々に休講一ヶ月
気の有りげな女学生には早速手を出す・・・

しかし、オスカー受賞の才能は伊達ではない。
真面目な学生の脚本が、彼の心に火をつける・・・ってまあ予定調和な物語

Re-write
Re-life

脚本が書き直せるのであれば、人生だって・・・



ちなみに「風と共に去りぬ」の小説版の続編はあります。
森瑤子さんの名訳(っていうか識者によれば彼女の思い込みたっぷりな意訳まみれ)にも


かかわらず、小説的にはベストセラーですが、通俗的だし映画化狙いもありあり。
TV版の原作にはなったが、映画化は・・・ちょっとねえ。
そもそも誰が、スカーレットやバトラーを演じるだ?



ところで、映画では、主人公の15年前のオスカー作品のパート2が
映画化されそうな雰囲気なのです。
慶賀のいたりといえばそうなんですが、
そんな脚本よりも、大学の堅物なオースティンの研究家の女性は、
自伝本の映画化を願っており、それに骨折るほうがストーリー的には面白い。
彼女の願望は、メリル・ストリープに演じてもらうこと(・・・って、マジ顔で言われると抱腹絶倒)







2015年12月12日土曜日

一葉 丸山福山町




石川さゆりさんの演歌なんですが、タイトルは「一葉恋歌」。
しかし、樋口一葉には、生身の色恋の匂いがしない。
半井桃水との恋愛もどきとかなんとかオトコの影はないではないが、
色恋でなく生活苦で命を削り落としたたった四半世紀の生涯。
毎度の言い方だと、天命を全うするに、無駄に永く生きる必要はない。
晩年の明治二十七年から二十九年にかけての奇跡の一年余で十分だった。


無聊のまま「にごりえ」を・・・実のところ結構真面目に精読しました。
岩波文庫で45ページ。しかし、句点はたくさんありますが、読点は22箇所だけ。
雅俗混合擬古文というらしいが、サナダムシのような長ったらしい文章は、
ええ加減に寝ころんでの斜め読みだと読み間違う。


舞台は、本郷丸山福山町。
こんな辺りに私娼窟があったのか?(現在の文京区西片あたり)
大名屋敷跡で中流階級の新興住宅地だし、
根岸の根津神社界隈の遊郭が赤門大学の風紀を乱すという理由で州崎に追いやられたのはそのしばらく前。
しかし、日当たりの悪い谷下なんかには、一葉家族のような貧窮家庭や銘酒屋なる売春窟が折り重なるように佇む淀んだ世界。
原作には、新開地というだけで具体的な地名は登場しない。
新吉原界隈というのは誤解だったみたいです。
新開地の銘酒屋は、新吉原よりはるかに下流なのです。
下流なればこそしぶとく生きていたらしい。


つまるところ、一葉の恋歌ではなく、にごりえのヒロイン、菊の井のりきの哀しい生涯唄なんですよ。
困窮家庭から堕ちるところまで堕ちてしまえば、後がない。
羽振りのいい布団屋のオヤジも娼婦に入れ込み、妻子にまで逃げられれば、あとは堕ちるだけ。
馴染み同士の無理心中。
道行なんて言うほど美しくはない。


貧しさにあけくれ泣いて身を削り
この世を生きる塵の中
賑わい哀し花街の
本郷丸山福山町


作詞家さんは、相当にこの小説を読み込み、一葉にりきを、りきに一葉を被せ描いたようです。

2015年12月11日金曜日

なんでも(?)美酒乱の時代


天下の一大事とも思えないが、千円札でおつりがくる「料理」に星が一つ!
ラーメンが「料理」なのか?
盛り切り丼が「料理」かって疑問もあるが。一般には好意的である。

だれがどういう基準で選んだのか知るすべもないが、二時間とも三時間ともって並んで食べたのでしょうか?
ミシュラン審査員には「特別待遇」を提供するお店が多々あるらしいが・・・


料理の定義は定かではない・・がいわゆる「食事」を提供するプロセスあるいは食事の「目的物」そのもの。
同じようなものだっても、間食ともなればそれは菓子系であり、料理とは言わない。
一番簡素な食事とは「一腕一汁一菜」ではなかったのか?
丼だけの一腕の食事とは、仏さまだけのお供え物のはず。
ヒトザルであれば、まともな食事というのであれば、丼だけでなく、
汁物と香の物をそろえて三点セットで食するのが、作法にかなう。
そういう意味で「ラーメンだけ」で料理って・・・いかがなものでしょうか(笑)


しかし、この意見には有力な反論があり、以前にそのような趣旨のことを口走ったものだから、多少分が悪い。
ラーメンとは、そもそも「一腕一汁一菜」を一つの丼の中に小宇宙的に凝縮した点で画期的であるという見解
ラーメンとは単純な・・・その気になれば誰でもできる料理であるが・・・
宇宙秩序の形成に成功できるかどうかがポイント




トッピング(チャーシュー・煮卵その他メンマとか・・)  の三点セット


ある主な倭人的な世界観です。
和庭園や盆栽なんか・・・に似ています。




ラーメンが先鞭をつけたということで、B級グルメ産業が姦しいが、
上記のプリンシプルに照らして料理という概念に合致するかどうかがポイントである。

粉もの・・をミシュランにって悲願はわかるが、あれは食事ではなく、間食だ。
蕎麦には、小宇宙が広がるって雰囲気はないし、あれはポン酒の肴
饂飩は・・・匹夫馬丁の食い物(・・・・って美学者の迷亭君がいうとります)


2015年12月10日木曜日

放浪のアデーレ



経済価値一億ユーロ!!(ビックリマークが二つでは足りないが・・)
所有権を主張した裁判。
訴額はその金額になるんでしょうねえ。
アメリカ人の代理人がつきましたから、成功報酬だって凄いだろうなってゲスは思ってしまいます。
原告は、どうやって弁護士報酬を支払ったんでしょうか?



ヒロインを演じた老女は、亡命ロシア人貴族の末裔。
オーストラリア政府相手に、家族の歴史と人生を彩る名画の返還を求める亡命ユダヤ人の
役柄にふさわしい。
当然ながらデイムの称号をお持ちである御年・・・古希くらいだそうです。



お話は「感動」実話そのもの。
しかし、浮き沈み流転する人生ストーリーは、切り口によってなんとでもなる。
蟷螂の斧のような無謀な裁判は、首尾よく勝利した。
海を渡り、アメリカに移り住む「名画」は、ほどなく大手化粧品会社の手に落ちる。
貧しいことは悲しいことだ。
その経済価値でオーストラリア政府なりが買い取れば、かの「黄金のモナリザ」は
クリムトの生まれ育った安住の地で悠久の時を過ごせたものを・・・
哀れ・・・かどうかは見解の相違であるが、資本主義の広告塔となってしまった。

有償での永久貸与って選択もあったのでしょうが、
多分ですが(勝手な憶測です)、原告老女は、裁判費用の捻出するために
売り飛ばしたんでしょう。
映画で描かれるような美しい物語だけでもない・・・って思えてきました。



なまじっか、名画の裏話を知っていると、この佳作もいささか薄汚く見えてくる。
知らないと・・・エンドマークのあとはスタンディングオベーションをしたくなる。
ゲスの妄想は、更に続くわけで、制作費は11ミリオン。
興収は、その英語版ウィキペディアでは、その五倍程度ですから、ビジネスとしても大成功
確証はまったくありませんが、きっとエスティローダー社(オークションで落札した化粧品会社)が
資本を出したに決まっている。


但し後日談には触れない条件で・・・
今回は、理性と論理裏打ちしてるつもりですが、事実と証拠は・・・危ないですよ(笑)

2015年12月9日水曜日

名作「七人の侍」を萌え系戦車戦アニメにすれば・・・・








味方でも親友でもないが、義を見てせざるは勇なきなり・・・ってことで
半ば負け戦に立ち上がったのは


黒森峰女学園     :西住まほ
聖グロリアーナ女学院 :ダージリン
サンダース大学付属高校:ケイ
アンツィオ高校    :アンチョビ
プラウド高校     :カチューシャ
知波単学園      :西絹代
継続高校       :ミカ


なんだか「七人の戦車道乙女」みたいです(苦笑)


文科省がどうしてあそこまで大洗女子学園を廃校にしたいのか?理由が定かではありません。
大人の「口約束」を信じた乙女たちが馬鹿だったってことで、哀れ・・・
しかし、決死の願いは、たった八両の元大洗戦車道チームの戦車隊が、大学センバツの三十両の
戦車群と殲滅戦(最後の一両まで戦いぬく・・)で勝利すればって、
駱駝が針の穴をくぐるような可能性にかけるのですが・・・多勢に無勢

そこへ、かつてのライバルたちが予定調和的に結集し、格上の相手に死闘を繰り広げるって
ファンにはたまらないしつらえ・・・(笑)
別に萌え系高校生が好きってわけでもないが、戦車は嫌いではない。
戦争アクションは、戦車が登場するに如くはない。

まあ、お話ですので結末は見えています。
勝ったのは、百姓ではなくて・・・高校生チーム
最後の一両は、黒森峰のパンターF。
大学チームのセンチュリオンを最後の最後に撃破するんですよ。

アニメ版では、大洗と黒森峰の決勝戦での姉妹対決で妹が勝つのですが、
ここはそれ、オネエチャンに花を持たせるって・・・まあニクイですねえ。
こんなアヴェンジャーズみたいな映画版を作ってしまえば、今後の展開はどうしようもないのですが
二年後に、ジャパンで世界大会が開催されるってことになっています。

2015年12月8日火曜日

どう呼ぶのが「正当」なのか・・・・




12月8日を起算日とするのが一般的である。
その意味で「太平洋戦争」・・・つまり真珠湾攻撃をもって開戦とする。
しかし、同日付けの開戦の詔勅では「大東亜戦争」という名称が使われている。

別に太平洋海域だけで戦闘行為が行われたわけではなく、東アジア全体が戦闘区域であった以上
後者のほうが正鵠を得ている。
しかし、敗者のネーミングは、勝者が嘉納するところにならず、とりわけ「大」なんて
戦争目的を正当化していると思われる表現である以上、
GHQ(要は占領軍)により禁止用語だとされ、
かような表現を使えば右翼のレッテルが貼られ、真っ当な歴史書であっても胡散臭く思われる。

一方で、満州事変以降終戦(敗戦)に至る期間をもって「15年戦争」という向きもある。
大東亜戦争という用語の対極にある表現であって、ある種の政治性臭さがある。
特段宣戦布告を行ったわけでなく(当方も相手側も)戦火が連続したことでもないので
不正確極まりない。
中華民国が、日独伊に宣戦布告を行ったのも12月9日であった。
お互いが宣戦布告もせずに局地的な紛争を繰り返せば、それは「事変」という。
開戦の詔勅では、戦争の相手方が「英米」だけであったが、中華民国が宣戦布告を行ったので
事後的に大東亜戦争の対象に追加したっていうのが歴史的事実。
しかし、宣戦布告がなかったから戦争ではないというのはあまりに意固地でもある。
実態面からすれば、やっぱり戦闘行為はあったわけである。

その他、様々な言い方があり、無難なところでは「第二次世界大戦」といっておくのが
一番マシかもしれない。


ところで、戦争という以上、絵になるような華々しい戦闘があってしかるべきであるが、

従前日本軍が一方的に惨敗したとされてきたノモンハン事件(相手はソ連)
有無も規模も定かではない南京事件

くらいしか思い浮かばない。
あちらこちらでゲリラ戦はあったようだし、
日本軍が前に出ると中華民国サイドは後ろに下がる。
乾坤一擲な赤壁の戦いのような大会戦で、日本軍兵士数十万人が殲滅したって寡聞にして聞き及ばない。

長征なるビッグイベントがあったようであるが、これは内輪もめに敗残した共産党が
一万キロ強を逃げまわった事象であって、兵力の九割が失われたって言いますから
とても英雄叙事詩には見えない。
結果、国民党政府と戦う力を喪失し、共同戦線を組むに至っただけでしかない。
当時の共産党は、国家として承認された存在でもなく、
コミンテルンだけが支援と指導する「イスラム国」みたいな存在であったと思えばいい。
今風に言えば「ローグネーション」である。


抗日戦争70周年勝利!!って言われても・・・
歴史を捏造・改竄することが伝統だし、そもそも「歴史」って学問ではなく政治だと
思っている民族ですので、物言いに対して真摯に批評する気になれないが、
ただ、センターはおろかベンチ入りすらしていなかったってことだけは覚えておこう。








2015年12月7日月曜日

その季節がやってきた(2)


極私傾向的2014年のベストはこれだって、以前に書きました(あえて順位はつけてません)

リスボンに誘われて
大いなる沈黙へ
ブルージャスミン
八月の家族たち
LIFE
ダラスバイヤーズクラブ
ゴーンガール
誰よりも狙われた男
ストックホルムでワルツを
インターステラー


今思えばってこともあるのですが、なかなかのラインアップです。
ところが今年は・・・(以下過去ブログから印象を思い出そうとしています)
年初に見た映画は

ストックホルムでワルツを
毛皮のヴィーナス
マップトウザスター
96時間
ビッグアイズ

多くはろくでもない(苦笑)
二月はよく言われるように・・・不作(だからかしら?珍しく邦画を見てますねえ)

特記すべきは「アメリカンスナイパー」くらい
個人的には「ドラフトデイズ」が好きなんですが・・・一般的には駄作扱い

3月、4月ともなれば、オスカーノミネート群がスクリーンに登場し、多少は華やかなになるが、
そんなんよりも、ずっしりと重いポーランドやウクライナの映画

イーダ
パブーシャの黒い瞳
トライブ

・・・ここまで書いて、疲れた。
この後で、更に重い「神々のたそがれ、雪の轍」って続くのです。

エスプリの利いたフレンチ系は・・・・

パリ燃ゆ
ボヴァリー夫人とパン屋

そんなことよりも今年は、テッパンのシリーズ物の登場目白押しのほうが話題的だ。

SW
マッドマックス
007
ターミネーター

まだ、今年って終わったわけじゃないし、年明けて気分が変われば評価も変わるかも(笑)






2015年12月6日日曜日

その季節がやってきた(1)

そろそろ、今年の回顧・・・

後世に伝えうるような芸術作品をヒトザルは生み出したのでしょうか?
時分の花はそれなりでしょうが・・・・こういうのがベストセラーとか興収ナンバーワンになります。
まことの花や如何?

まず、陋屋の書棚を見る。
年初と変わりませんねえ・・・・相当数の書籍を読んだはずですが、古典的な蔵書を押しのけるようなものは
なかったらしい。
例えばですが・・・

二十世紀の資本(これはオフィスの机に鎮座してますが、来客に対するこけおどし用)
茶色の朝(作者の危惧する「世界」って・・・現実になりつつあるのですよ)
21世紀懇話会報告書(力作のわりに話題にされなくて残念・・・是非を含めてよく議論してほしい)
東芝「不正会計」第三者委員会報告書(その後の報告書もしかりですが、負の意味で歴史に残る)

その他「乱読本系」はあまたですが、書き留めるほどでもない
古典も相応によみましたが・・・懸念は岩波文庫版「太平記」
六巻本ですが、遅れ遅れでやっと第四冊まで・・・・
角川文庫版は、校正者(岡見正雄先生)ご逝去により中断。
今回はなんとか完了するまで頑張ってください!


次に「絵画系」ですが・・・・これはもう「永青文庫での春画展」につきます。
画集も、通常の展覧会の図録に比べるとちょっと高価でしたが、買い求めました。
R18って注意書き付きですので、書棚のセンターに構えるわけにはいかず・・困ったことです(苦笑)



--- ということで「映画編」は次回でも


2015年12月5日土曜日

伊拉克叙利亜水滸伝



頃は北宋徽宗帝の頃。
暗愚としかいいのようのない皇帝であるが、天は何を思ったか画人の才能を与えてしまった。
この点にかけては中国史上の天才といえるのでしょうが、経世的には余計にまずかったようである。
徳のない治世者を持てば、国土は土崩瓦解し、跳梁跋扈するのは犯罪者か反乱群


山東省あたりの海抜ゼロメーターの大沼沢にあったのが梁山泊
犯罪者が巣食うカスバみたいな場所である。
今や有志の巣窟ってことでネガテイブ感は払拭されたが
そもそも的には良い子が立ち入る場所ではない。
法治国家の網が及ばず・・・言ってみれば「ローグネーション」
ある程度の規模感ともなれば、上九一色村のサティアンみたいなもので、
相応の統治のメカニズムが働き出す。
組織を支えるのは、ロジスティクスである。
フロントで勇ましく銃刀を振り回すだけが能ではない。
まずもって先議事項は「カネ」
組織経済を支え、医務・工務・物流・・・一隅を照らす様々な専門技術者こそが組織の宝
北方水滸伝では、塩の密売が経済を支えていました。
伊拉克叙利亜の水滸伝の世界では・・・・オイルに人質ビジネス


輜重輸卒が 兵隊ならば、
蝶々トンボも 鳥のうち、
電信柱に 花が咲く


・・・なんて言ってるから、我が皇軍は、敗退したのですよ。



さて、梁山泊の水滸のあたりの百八人の国家モドキ集団ですが、実質支配地域を拡大しつつ
軟弱な政府軍を翻弄し・・・ってことで物語はすすむのです。
中華の最高の知性は、まずは韓非子を読み、第二集団は孫呉、三国志なんかを有難がるのは
養い難い婦女子のたぐい。いわんや水滸伝のような小説は稗史以下

なもんで、様々なバリエーションが作られます。
権力者に阿るように、帝に投降し、北狄防衛で玉砕していったりとか・・・
何時の時代でも、帷幄に謀を巡らす陰謀屋はいるわけで、策謀にひっかり、
歴史的には「革命の裏切り者」として消え果てていく。



いまや世界的には乱世の時代(・・なんでしょうか)
強大であるはずの国家が手を焼く梁山泊モドキの反乱軍があちこちに群雄割拠する。
テロなき世界を目指して、連衡合従とでもいうのでしょうか「宣戦布告のない戦争」が繰り広げられる。
戦争なき世界はいつ到来するのだ?
テロなき世界が終わるとは思えず・・・戦争なき世界も幻想でしかない・・・のかねえ。
敵の敵は味方って考える向きがある以上、いかにローグネーションであっても利用価値がある。
けだし、国際政治は道徳から解放された存在である。

連衡合従ともいうべき国際政治の策動は「ゴルティアデスの結び目」よりも難問。
手を握りながら足を蹴飛ばすのは当たり前。
右手で握手し、左手には匕首を隠し持つ
なんとか中心外交なんて空理空論に浸っている余裕はない。
命と暮らしは自分で守るって当り前じゃないか


アレキサンダー大王のように、一刀両断しか解法はないというのがオチなんですが・・・・
英雄が活躍する時代が民草にとってシアワセな時代かどうかは知らないが、
英雄が必要とされる時代に英雄が得難い時代は不幸でしかない。



そろそろ007の新作のロードショー
あの「スペクター」って、元祖ローグネーション
ちょっと前にナポレオン・ソロとイリヤ・クリヤキンが活躍するリメイクが登場して
絶句しましたが、これまた「スラッシュ」というローグネーションが登場する。
やっぱり、今はそういう時代なんですよ。



2015年12月4日金曜日

なまいき



本当に「生意気」なお店です。
 
予約の電話がつながらない(・・らしい)
ろくに看板が出ていない
開店時間まで鉄扉が閉まったまま

それでも、17時の開店前には長蛇の列・・・そんなに人気店なのか?
青山の某焼肉店の系列で、青山品質が秋葉原価格だって・・・(苦笑)
場所だって、大阪王将のあるビルの二階ですから、推して知るべし、


そもそも「焼き肉」って料理じゃない!
料理とは、お店が精魂込めて

素材を吟味
調理
盛り付け   の3点セットが整ったものという。

自分で焼いて、勝手にタレなんかつけるんだから、モドキもいいところだ。
毎度のお呼ばれなのに、文句たらたら・・・ですが、まあ満足度合格
お姉さんが焼いてくれましたし、希少部位がそこそこ出てきました。
しゃぶしゃぶ肉をブルーかレアで焼きあげるようなものですから、
客に焼かせるとろくなものにもならない。
厚めに切れば、原価に響く。

ご苦労されているようですが、素材より人件費のほうが安いって計算らしい。
ブラック企業の片鱗ですかねえ
とりあえず、合格点(でももう一度自分で行こうとは思わない)

帰りに目についたのですが、対面にこれまた行列。
牛カツ屋さんみたいです。
ここって、ちょっと前まで「神戸らんぷ亭」ってダイエー系のどんぶり屋さんで
女郎の身売りよろしくオーナーが転々とし、今回はオーナーは変わりませんが
またまた看板の掛け替えをやったみたい。
風俗で言えば、JKやってたがうれないもんでCAに化けたようなもの。
この外食チェーンって、ろくでもないお店が多いので、基本的には信用していない。


今アキバは、ラーメン戦争なんか古くって、牛カツ戦争で人気店が行列を競い合う。
半年もつかねえ・・・(笑)







2015年12月3日木曜日

シンギュラリティ(その2)



羽生さんの語録を読んでますと(適当に加筆修正しますよ)・・・・


将棋は一手ずつ駒を動かしていきますね。
最初はなにもそろっていない形をしています。
でも40手も指せば、王様もしっかり囲えるし、攻めの好形もできます。
それはなにをしているかといえば、一番いい位置に駒を持っていこうとしているわけです。
するとここからはルール上は手が増えますけど、実際にはやる手が少なくなっています。
最善の手は決まっているわけで、それ以外の手をやれば全部「悪手」です。
だんだん手がなくなっているでしょう。
適当に駒を進めて、なんの目的もなくただ動かしていれば、いくらでもいい手はありますよ。
直していけばいいわけですから。
でも、最初からちゃんと動かしていけば、だんだん選択肢が少なくなってきます・・・・


天才の語録って、常軌を逸している事が多い(凡人の通念・常識を凌駕するってこと)
つまり・・・・「将棋の手はほとんどが悪手である」


要するに、手数の多い、言ってみれば「乱打戦」って名棋譜じゃないってことです。
最近の名人戦では60手で投了ってありました。
プロ棋士の棋譜は、平均80手程度らしい。


一体何がいいたいって・・・(苦笑)
先日、将棋ソフト同士の選手権があり、なんとかって有名なソフトが優勝した。
ソフト名はどうでもよくて、このソフトは、近日中にプロ棋士と対局を行う。
過去、ヒトザルのほうが負け越しており・・・
だっから、人工知能黎明期だと、シンギュラリティ夜明け前なんて騒ぎ立てる。
どの将棋ソフトが強いかってあんまり興味がなくて、
誰もどうしてそうなのかって解説してくれないもんですから、
あたっているかどうか分かりませんが・・・

この大会は三局勝負です。
決勝戦は、二勝一敗でしたが、夫々の手数は、124 145 173
3位決定戦では、121 133 もう一試合の手数は不明
5位決定戦は・・・163手という棋譜がある。

つまり、コンピュータ将棋って、どうも手数が多いように思えます(投了がないからかも・・・)
これって、羽生流に言えば「悪手の繰り返し」ってことです。
かつて、升田(かつての天才棋士)だった誰か曰く・・・

大山くんが、悪手ばっかり指すもんだから、負けちゃったよ


将棋ソフトと対戦するのは、一流棋士ではない中堅どころ(良く言えば新進気鋭)
どうも羽生さんのような超天才とは、失礼ながらレベルが違うのではないかと・・・
手合の本質を羽生さんのように理解すれば、真っ当な指し手の出来ないコンピューソフトに
プロ棋士が負けるはずがないって思えてきた。


やっぱり、まだまだ夜明け前でも黎明期でもないって思えてきませんか?(笑)










2015年12月2日水曜日

FOUJITA

パリが愛した日本人
あなたはフジタを知っていますか?


惹句の通り・・・浅学非才の身が知るわけがない。
ツグジだと思っていたが、本名はツグハルだそうだ。
陸軍人脈の周辺の家系らしい。
東北出身かと勘違いしたが、都会っ子である。

あの時代、祝祭空間としてのパリの寵児だったらしいが、表現するその映像は退屈である。
ある種の捨て駒かしら・・・
パリは彼を愛したかもしれないが、彼はそうでもなさそうだし、
愛はうつろうもので、必ずしも永遠でもない。

だからこそ、帰国後の倭の風景の圧倒感。
キャッチコピー的には「静謐ある世界観」というらしいが、どうでもいい。
オダギリジョー、中谷美紀、その他達者な役者連の抑制の効いた演技・・・っていうか自然な立ち姿が、
失語症的に「素晴らしい」ってしか言葉にならない。
千葉なんだろうか(?)疎開した江戸時代さながらの農村風景は遠野物語的でもあり、
これが、よわい古希を越えた佳作な天才映像作家のたどり着いた境地か。
失われた、そして忘れてしまった倭の風景に、パリ人のフジタが似合うのは皮肉である。
その倭国から指弾されたフジタの苦悩は、察するに余りある。
一部の軍歌がそうであるように、戦争画だって、戦意高揚・戦争賛美画というわけでもない。
再びのパリは、冷たかったようである。
洗礼を受け、礼拝堂の壁画を残したのも、けだし必然と言える。


実のところ、ホッとしてます。
小栗さんのこの作品がなかったら、今年の日本映画は総崩れ。

日本の一番長い日
杉原千畝
海難1890

なんか虚仮威し的な大作もどきだけで、映画賞を山分けする不毛の事態でした。
そうそう・・・中谷美紀さん主演の「繕い裁つ人」があった!








2015年12月1日火曜日

師走の「違憲判決」?





家族法に関する最高裁の「憲法」判断には首をかしげることが多く、
一部・・・だと思うのですが、偏狭な提訴なんかする方も税金の無駄使いだし、
にまじめに対応するのもいかがかねえって思う次第


まずは民法900条4号の但書が違憲だそうです。
不倫の子供の法定相続割合が正式な婚姻で生まれた子供の半分だということが違憲だとされました。
平等原則に反するらしいのですが、あくまで「法定相続割合」の話で、遺言状の上では
メカケの子供を優遇しても遺留分さえ留保できれば問題は生じない。
そもそもちゃんとした相続計画を立案すれば「争続」なんかおきないわけで、
そのためのサーモスタットみたいなものですから、あまりとやかくいうことではない。

この裁判だって、嫡出な子供がこの提訴した不倫の子に対して「同じ子供なんだから、借金も
同等に負担してよ!」って逆提訴したときにどんな反応をしたか誠に興味深い(笑)
だっから、キレイ事じゃなくて「欲目」でしょうって・・見えるのは薄汚れた風景でしかない。
別にこの問題は相続だけじゃなくて、様々な「差別問題」に派生し、ソッチのほうが問題が大きいが
これが解決したのかどうかは・・・よく分かりません


16日の最高裁判決の対象は・・・

女性の婚姻禁止期間
夫婦同姓

前者は「親子関係を早期且つ正確に明確化する目的」さえ達成できれば判決に興味はない。
極論をいえば「出産の都度DNA鑑定」をやれば済む話ではないかって切って捨てます(笑)
削除したって構わないし、要はどうでもいい。
本当の親が知りたければ、科学の力を使えばいいこと。
でも、知ることがシアワセかどうかは・・・知りませんよ。
親子の絆は、血脈だけとは限らない。実の親でも鬼畜はごまんといます。


しかし、後者は突っ込みどころ満載・・・だと言われますが、
そもそも的には「審議放棄した国会の怠慢」でしかない。
バカバカしい与党大臣のアゲアシトリ質疑で国会審議を空転させている暇があれば
他にやるべきことはヤマとある。
世論も賛否相半ばし、国会で法案採決ともなれば党議拘束を外すでしょうからどう転ぶか・・・
世界的には夫婦別姓が主流であり、倭国の歴史も夫婦別姓が伝統的(これって勘違いしている人が多い)
長い歴史で明治民法の制度だけが「異常値」なのだ。

有り体に言えば・・・これまた「好きに選んだら・・・」というだけ。
人格権だと大仰に言いますが、姓名って所詮「符号」でしょう
婚姻届を出す際に、男の方の姓を選んでも女の方でも別々でもって・・・
お墓はどうするんだ!?って批判もあるようですが、墓苑にいけば、いまでも「ご両家の墓」って結構あります。
生まれてきた子供の姓はどうすんだ?って、これも簡単で夫婦が協議してどっちかにすればいい。
成人した時に子供に再選択権は与えてあげるほうが親切だし、
そうしないと先々また同様の問題が起きる。

多くの正式婚をしておられる女流議員は、多くの場合通称名として旧姓をお使いのようです。

高市
丸川
小渕  ・・・みなさん旧姓をお使いです。

それのほうが選挙対策用で有利との判断に違いありません。
野田某のように、腕力で妻の姓を戸籍上使っている事例のほうが珍しい。
夫婦別性を主張する議員は、まあたいていその程度(の思惑)・・・だと思います。
同姓問題で、事実婚と称する同棲野合の類が横行しているのであれば、まっとうな結婚制度が
堅持できる分だけは進化と言えます。

今回の提訴をされた方の性別とか婚姻の際にどちらの姓を使ったのかは全く知りませんが
まあ想像がつきます。
その方が女性で婚姻の際に自分の姓を使っているとしたら、夫の人格権が毀損しているって
提訴なんかするはずがない。

ちょっとアタマを悩ましているのは・・・社用の電子メールアドレス体系をどうしようかって
ことだけ
基本的には「採番時点の戸籍上の姓+名前の一部+乱数符号」の体系なんですが、
仮に違憲判決となって、旧姓に戻った方々が、メルアド変更なんて要求されると厄介。
今だって、婚姻で姓が変わってもメルアドは変更しないルールですが、
これを人格権の毀損なんて騒ぐなよなあ・・・


こんな瑣末なことよりも「同性婚」を法律上どうするかのほうが大事でしょう。
憲法24条は、どう読んでも同性婚を容認しているとは思えない・・・同性婚を認めないって、まあそうなんですが
時代はかわりつつある。