2023年7月31日月曜日

真説 坂の上の雲

2023年7月30日日曜日

国語改造計画

 



馬鹿な事をやるもんだと呆れるしかないが、やってのけたのが、


中共
コリアン

正統的な漢字を捨てて簡体文字なる「符号」を国字化してしまったのが中共。中華文明の精粋はもはや中華民国と倭國に部分的に残るだけ。

コリアンは愚かにもハングル文字だけを国字にしてしまい、、、過去の文化を捨て去った(歴史的にロクな文字文化がなかったからだろうか?)


他人のことを嘲笑うのはさておき、倭人とて「文化文明的ショック」を受ければ、驚天動地な政策提言も出てくる。


明治の始め

屈指の知識人であった森有礼の漢字廃止論

はやい話がローマ字化

戦後まなしに志賀直哉が提唱した国語フランス語化論よりはまだマシ、、、というかリアリティがあります。



確かに倭語は難しいのだろう

表記方法が、漢字、平仮名、片仮名、ローマ字と多様だし、文法だって厄介。

なにぶんにも効率的ではない、、、って、そりゃまあそうかも知れないが、文化とは本来は不合理不規則なもの。

完全に規則的なるものが至上ならば、エスペラント語が世界を席巻しているはずだし、ダイバーシティ尊重の昨今、、かような発想は危険極まりない。

民族的に愚かではなかったことが幸いした。




中共とは歴史的にも体質的も難儀な国だ。

◯◯ファーストはことさら口に出さなくてもどこだってそう考えている。

たまたま、怒鳴る度が見境なしに「アメリカンファースト」と言っただけ。

しかし、中共は口にしない、、、が、それは彼等の視野にはセカンド以下がないから(^^)

中華の外は東夷南蛮西戎北狄、、、すべて人偏にも値しない虫けらやケダモノなんかの蛮族の世界。

そう思えば「倭」と呼ばれた我々の祖先はまだ人間扱いされていたのだと安心しますし、たいそうな文明国家だからそれなりに目利きもできたのだ。

ともあれ、対等な国際的な付き合いって皆目わからない国なんだろうと思いますよ。

そんな国に支配されれば、その先の暗い予測は誰だってわかるはずなんだが、、、、すでに新疆や内蒙古で起きています。

世の中いっちゃなんだが、、、メクラ千人目あきも、、、



改めて、ニーメラー牧師の警句


彼らが共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが何もしなかった。
彼らは社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが何もしなかった。
彼らによって学校、新聞、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
彼らはついに教会を攻撃した。私は行動した・・・・しかし、それは遅すぎた。



ええ加減に目を覚まして、OタイムズやR新報なんか読むのをやめなさい。Y日報がまだまともだと言われています。


他山の石としてリンクを貼ります






2023年7月29日土曜日

日比谷焼き討ち事件

 井沢元彦氏の著作を拾い読みしていますと、

かの「坂の上の雲 第七巻」に、原作者は斯様に書いているそうだ(記憶にはないが、その指摘には激しく同意する)


日本においては新聞は必ずしも叡智と良心を代表しない
むしろ流行を代表するものであり.....


司馬遼太郎さんはサンケイの記者だったはずだ。

身内にここまで批判されても恥ずかしくはないのかなあ。それはいまがそうだということではなく50年前でも。

さらにこの文章の割愛した部分では、「戦勝を煽り、煽られた国民から逆に煽られ、、、、」



パブリックセンシティブに迎合すればメディアはそうなる。あるいは権力に阿るともそうなる

当時は新聞発行は規制業種だった。

かといってもねえ、、、矜持ってなかったのっていいたいが、煽った読者を更に煽れば発行部数はさらに増えるし、、、はやい話が売文ビジネスなんだというのが結論。


東スポさんみたいにイエロージャーナリズムなんだと開き直ってくれると、それはそれで納得もしますが、社会の木鐸だなんていわれますと、、、確かに昔は社会全体の平均からすれば記者はインテリだったが、、、

であれば、ノブレスとしての社会的責任もありますよねえ。



これらの記述は日露戦争講和に関する部分ですが、当時も今もあんまりかわらないんじゃないの?ってことはさておき、、、

講和条約の内容に不満をもつ民衆の抗議が騒乱事件にまで発展した。いわゆる「日比谷焼き討ち事件」

臥薪嘗胆、辛苦に耐えた割に「獲物」が少なかった不満が爆発したわけですが、油を撒いたのはメディア。

負けなかったから良しとしようなんて良識ある論調の新聞社はとんでもない目に遭ったらしい。


普通に考えて、適切な情報が与えられないままアジられた愚昧な民衆の軽挙妄動にしか見えないのですが、講学上の評価は「大正デモクラシー」につながる民衆の政治意識の高揚だと、、、多分レフト系史家の評価なんだろう。

仮にそれが正しいとすれば、大正デモクラシーはその程度のものだったということだ。

これはこれで大いに納得(^^)

2023年7月28日金曜日

さすが!

 俵万智さんの投稿句





あとの方は本歌というよりも「狂歌」にちかい。

ツィッターとは「鳥の囀り」であり、公式説明だと、、、


....

高い空の上から広大な景色を見渡すにしても、他の鳥たちと同じ目的に向かって進むにしても、空高く飛び立っていく青い鳥は、自由と希望と無限の可能性を持っている

....


ということだったらしい。

アタシはさしたる思い入れがあるわけでもないから、ロゴが変われば変わったと思うだけだが、万感の思いのある方が多数おられることは理解します。



こんな新しいロゴにかわるそうです。

ロゴ変えるだけで「スレッド」に勝てるなら、、、そんなもんでもないだろうって。


異論マスク氏のこのツィートだけでは、その先はよく見えません


And soon we shall bid adieu to the twitter brand and, gradually, all the birds

2023年7月27日木曜日

うなぎのフルコース

 ある種のお魚や素材をセンターにあれこれと調理しフルコースで提供するって、ままあること。


長岡錦水亭ならばたけのこづくし

根岸の笹の雪ならば豆腐づくし


この時期だから、うなぎのフルコース(我が家のケメ子様が食べてみたいって言うから、、、)




お品書きはこんな感じです。

お料理写真も折角撮りましたから.....









特上の鰻重と同じくらいお値段かしら?

ならば、、、意見の分かれるところだが、同等のお値段ならばアタシは、根が即物的ですから料理人さんの匠の技のオンパレードも捨て難いが、ガッチリと鰻重の方が(^^)




2023年7月26日水曜日

炎暑には茶粥

 



お米の調理方法は「蒸す・炊く」の二種類だが、今時では「蒸す」のは酒米か餅米。
普通に「炊く」のが当たり前で、それが昔風に言えば「固粥」のこと。
汁粥は病人食の定番で、我が家のケメコ様もポンポンの具合が悪い時は梅白粥を所望します。


京の白粥 大和の茶粥 
ヤクザ河内は 下衆のドロ食い




南禅寺門前の瓢亭の朝粥は白粥でした。
二度と行かへんわ!と毒づいたのはお値段が法外ということもあるが、やはり近畿の扇風機の裏側チベットあたりの「茶粥」でないと朝は始まらない。
河内のドロ食いは何たるかはよく知りませんし、ヤクザとかゲスは、定型にするためや音韻を整える為の修辞であり、一般的に斯様に言われてはいない。

江戸時代は都会では白米の固粥を当たり前のように食べていたが、地方や田舎は、米、麦、稗粟のヒエラルヒー。百姓がまともに米の汁粥を毎度食べていたとは信じ難く、麦や稗の汁粥だったように思えます。


米の汁粥レシピはさまざま。
アタシは研いだ自家米をその十倍の井戸水に入れ一晩つけ置き翌朝に番茶を入れた茶袋と一緒にひとつまみ強の塩を入れ一気に炊く。
十倍の水とはかなり多めの部類ですが、辻留さんの料理本の茶粥の水の量もその位です。



思い出すに悪気はないのだが子供は残酷。
貧しい同級生を囃すに「オンシャ(お前)とこのおかえさん(お粥さん)には顔が映るとか箸が倒れる」とか...つまり貧富が水の量に現れるということ。
あまりな水腹だと根菜系を入れて粥を炊く...
でもアタシは単にサラリとした方が好きだから、箸は簡単に倒れました。

もっと好きなのは朝行商人から買い求めた落鮎を生けのままぶち込んだ香り茶粥


一時期茶粥は胃癌の元とか井戸水でピロリ菌とか....
アホらしい!
少なくともアタシには無関係だ。


炊き立て熱々の茶粥も香ばしいが、暑い夏には冷茶粥だ。添えるのは漬け物が一番。梅干、沢庵、野沢菜も悪くはないが、最高なのは水茄子の一夜漬け❣️

2023年7月25日火曜日

スパイ巨大作戦

 




今から思えばCIAのチマチマした特殊工作協賛宣伝テレビ番組なんですが、これがまあそれなりに面白くて(^^)



五拍子のメインテーマ曲は、すでにスタンダード化しましたし、ストーリーの構成も定型化。

ミッションを指示した後の決め台詞も、未だに忘れない。


例によって君もしくは君のメンバーが.....当局は一切関知、、、、なおこのテープは自動的に消滅する


その後映画版がシリーズ化

累積興収35億ドルのメガヒット。

段々とお話は地球規模の巨大な陰謀論となり、尺も長くなり、、、最新版は二部構成になり合計で5時間強になりそう。


このシリーズは女優さんの質が高くてねえ


なんせ、今をときめくレアセドゥさまを贅沢にも冷酷な女殺し屋に起用しますし、、、

怒鳴る度の大統領就任式への出席を打診された「レベッカファーガソン」もシリーズで登場します。

なんせ彼女は、ビリーボリディの「奇妙な果実」を歌わしてくれますか?って言ってのけた(まるで嫌がらせめいたお断り 笑)


ストーリーが荒唐無稽すぎて付いてけないのですが、極私的プロ映画鑑賞家としては見てませんとは言えなくて(^^)


二時間半の長尺の前編ですが、それなりに面白い女優大活躍編。

大半が任務途上で殉職するのは、次回の後編でこのシリーズが終了するからだ。

でも、お気に入りのレベッカも死んじゃいましたし、、、😓


最終作では、、、ドバイのホテルで死んだ筈のレアセドゥが、実は死んでいなかった!って再登場しないかなあ(^^)

2023年7月24日月曜日

土用のうなぎ

 


鰻も寿司も蕎麦も好きだ。

饂飩もって言いたいが、あれは「匹夫馬丁の喰らうもの」

とんでもない差別言辞だが、迷亭氏の発言のまま。アタシの真意じゃない(^^)



何を食べるかはお財布と相談だが、粋なお連れさんを口説くには鰻屋と相場が決まっている。
上方とは違い江戸っ子のはなしだが、為永春水の「春色梅暦」では主人公の丹次郎(江戸前の色男の代表なんだが、昨今は忘れ去られた)が幼馴染を深川高橋の鰻屋に誘うシーンがある。
今時でもマトモな鰻屋は、注文を受けてから鰻を裂き、火を起こし、焼いて蒸して.....
じっくりと待つ間のポン酒(高価なギンギンに冷えた吟醸)と付き出しの半助豆腐の時間が勝負。

事をし損じたら、、、高い鰻重の値打ちがない。




これが、蕎麦屋や寿司屋ならば、蕎麦は伸びるしトロはどす黒くなる。
客の顔見てからやおら調理にかかるって真意はそういう事なのです。

けだし、鰻屋の主人は月下氷人なのだ。




2023年7月23日日曜日

人間国宝

 今年も、、、倭國の伝統芸を次世代に継承する責務をお前に課したんだから、身の程を弁えて更に精進と研鑽を、、、、


栄誉には違いないが、その対価は年間たった二百万円。文化功労者だと功労年金はお小遣いですが(三百五十万円で長らく据え置き)こちらは次世代育英資金。政党交付金と違い、目的外支出は没収になりえます。


今年、栄誉に輝いたのは、、、12名(だっけ?)

人選基準は開示されてませんから、思惑、忖度、駆け引き、、、色々ありそうです、、、


倭國最古の文化遺産の「能楽」はやはり威力を示します。能楽協会は千人程度の能楽師、狂言師が会員ですが、茂山家と金剛家そして宝生家から認定をされました。あとは予定調和的に、落語、文楽、歌舞伎。

伝統工芸の世界はよくわかりませんし、浅学菲才ですから、この落語家さんは存じ上げなかった。





過去事例からしても、文化勲章もそうなんだろうが、不道徳は対象に在らず、、、らしい。

だから、市川家(三枡屋)は誰もなれない。


不行跡と言えば、狂言師の家系の中で、名門の和泉流はどうなった?

宗家の和泉元彌氏は大河ドラマのセンターまで張ったが、、、いまキャスティングをみると、羽賀とか宮迫まて(^^)



能楽協会から追放されてますし、復帰の可能性が無いわけではないが、、、、いまさら居場所はありませんよ。

2023年7月22日土曜日

綺麗な映画タイトル

 夏の嵐、、、散文的ですが、きれいな言葉

夕立なんてものじゃない昨今

しかし、夏の嵐というほど官能的でもない

ただただ異常気象なる、、、床下浸水の危険も




ルキノヴィスコンティは、ミラノの高貴な一族の末裔であるが青年期は共産主義に傾倒。

しかし代々積み重ねた貴族趣味とは比べものにならない貧相な世界からはさっさと退散

耽美
倒錯
頽廃 
官能 な趣味的世界に浸りきった。

その萌芽がこれ・・・・「夏の嵐」
原題は「官能」と言うそうだが、ストレートに映画のタイトルに使うのはいささか躊躇う。


冒頭に登場するのが、ベネチアの劇場でのオペラの上演シーン
演目はベルディの「イル・トロヴァトーレ」である。
典型的なイタリアオペラであり、

邪恋
ジプシーの呪いと因果話
決闘あるいは反乱
ヒロインないしヒーローの処刑やら自殺

不思議と不倫や姦通が出てこないオペラですが、、、良くできてますなあ、映画の方は、貞淑な伯爵夫人がジゴロでイカサマ賭博師であるオーストリア士官の手練手管に弄ばれ、身も心もお財布も巻き上げられるドロドロ劇。
背景に、イタリアとオーストリアとの戦争が絡み、波瀾万丈のゴージャスな悲劇。
ブルックナー七番を効果的に使うところなんかも、日頃の贅沢な趣味が偲ばれます。

YouTubeで探すと「夏の嵐」なるトレンディドラマばかりがヒットします(貧相な風景ですから、リンクも張らない)

日本では55年の公開。
評価的には悲惨なもので、キネ旬ベストテンでは全くの無視。
当時の選者は、傾向的な映画鑑賞のプロがゴロゴロいたのですが、彼らですらマトモに評価出来るようになるのは60年代以降。
それはそうでしょう。
日本がやっとGATTに加盟でき、二大政党制なる55年体制のスタートの年です。
この年が戦後の分水嶺で、もはや戦後ではないと喝破されたが、生活実感としては、貴族的趣味に共感するまでも財布も心も豊かになっていなかった。

ルキノヴィスコンティ映画が大衆的人気を高めたのは70年代。
一流品を素直に素晴らしいとみんなが評価できるしあわせなナンバーワンジャパンがやっとやってきたその時代
以降、再発見や再評価上映がまったく企画されないということは、、、、残酷なまでに倭國の衰亡を見る想い。

生きているうちに、、また日は昇るかな

2023年7月21日金曜日

まだ名前がない

 



過日の前日譚
我が家のペットの名前のこと
ワンコは代々「モク」なる由来不詳の名前がありました。
しかし、ニャンコは、、、名無しなんです。
これには深遠な理由があるようなないような(^^)



名無しのワンコはそれこそ稀なんだが、ニャンコの場合は、、、有名どころは大抵が名無しだ。

この五番街の早朝に宝飾品をオカズに朝ごはんのホリー嬢の飼い猫もまたしかり。

彼女は名前をつけない理由を.....

....

彼女はまだ猫を抱きかかえていた。
かわいそうな猫ちゃんと彼女は猫の頭を掻きながら言った。
かわいそうに名前だってないんだから。
名前がないのってけっこう不便なのよね。
でも、私にはこの子に名前をつける権利はない。
ほんとに誰かにちゃんと飼われるまで、名前をもらうのは待ってもらうことになる。
この子とはある日、川べりで巡り会ったの。
私たちはお互い誰のものでもない、独立した人格なわけ。
私もこの子も。
自分といろんなものごとがひとつになれる場所を見つけたとわかるまで、
私はなんにも所有したくないの。
そういう場所がどこにあるのか、今のところまだわからない。
でもそれがどんなところだかはちゃんとわかっている。
彼女は微笑んで、猫を床に下ろした。

....


ハルキ氏の名訳だとこういうことなんですよ。

しかし、苦沙味先生は単に面倒くさいってことだけのようです。

しからば、、、アタシは


ニャンコに人格云々なんて皆目思わないし、面倒だとは考えない。

しかし、ワンコは命名された自分の名前に自覚と自尊を持つが、ニャンコははっきり言うと身勝手。自分の名前の自覚は疑わしいし、名前を呼ばれても自分の都合しだいで擦り寄りもするが見向きもしないこともある。

つまり、命名自体が「無駄」なんだとおもうのよ。

他人様から名前を聞かれた時にありませんっていうのも、、、理由を説明するのが面倒だから、その時のため用のなまえが、、、ズバリウケ狙い(^^)


ある時は、ジンだし、テキーラのときもある。





2023年7月20日木曜日

一般教養問題

 司法試験の一般常識問題が話題になるのは稀有のこと。

出題内容に賛否の声だが、分析批評は、的外れだし(^^)




名古屋で事務所をおもちの弁護士のブログをカトペしました。

実際は、作者名が出題には記載があるのだが、この先生は「カット」しています。細かい話だが、出題の意図からして引用のやり方としては適切ではない。


一見して、高校の古文の授業内容の知識と推論能力さえあれば難問でもない、、、と鼻であしらうつもりが、こりゃ意地悪なトリック問題である(^^)


まず、作者の明示



問題ではかようになっています。不親切極まりないが、読み人知らずならば出典の和歌集を書くべきだ(多分古今和歌集だと思います)

最後の孝善なんて、初めて知ったわ(平安前期頃の下級貴族らしく勅撰集にパラパラ採用レベル)

あとは、それなりの知名度だし、小町の和歌はかなり有名です。


当時は夜具は十二単を適宜被って掛け布団かわり。恋しいあの人に夢の中で逢いたいと思えば裏返しに羽織ったらしい。

ここらあたりで「ぬばたまの」の枕詞問題だと推論できますし、小町の和歌はズバリ「ぬばたまの夜の衣」


ぬばたまはなんとかという黒い実からの連想で「黒、夜、髪、闇....」の枕詞だと高校教師が(よっぽどのボンクラでも)教えたはずだ。

あとは、組み合わせ問題。「夜」だと文意がおかしい和歌が解答になるのだが、、、どの和歌もそれなりに意味が通じる

つまり、、、「解なし」が正解!じゃないのよ(^^)

昔の国家試験では、解なしという正解があったし、いまでもあってもいいと思うが、非難が多くなったので、闇沙汰になった筈だ。


さて、枕詞のレアな使い方に「夢」がある(らしい)

ぬばたまの一般的な、黒、闇、夜、、、から夢という連想らしい。「ぬばたまの夜の夢」の省略形で「ぬばたまの夢」という万葉集にも微かにしかない用例。

そんな微かな用例を設問にするようでは試験官の矜持にかかわる。

そこで、鍵は、、、「うつつ」をさりげなく指し示すのよ。

よくある対句的な慣用表現

百人一首だと、、夜は燃え昼は消えつつ、、、なんて

同じように「うつつ」の相方は「夢」も常識。

さらにヒントで一番目の和歌で夢をだす、、、


清少納言の御先祖らしい和歌なんだろうが、あたしならば、倒置表現を元に戻したい気分


そんなに高度な王朝美學の知的水準を要求しているわけでもない。

むしろさまざまな「証拠からの理知的な推理」を要求されており、それが判らないようではなあ

もはや左団扇の優雅な職業とも言えなくなったから、別の道を探す方がいい。

間違うようだと法曹界には本来は向かない


かなりにくい出題です。座布団三枚!




2023年7月19日水曜日

未必のマクベス

 早川書房が版元の、、、あまり売れなかった十年前の作品が文庫版になった。


タイトルからして、シェイクスピア悲劇をモチーフにした、、、ようなそうでないようなミステリーとも恋愛小説みたいな企業ドラマ。



何処が「マクベス」なのか?って

主人公が澳門だか香港だかて女占い師から、、、


貴方は王になる.....


確かに、大手企業の子会社の董事長の内示を受けることになった。

上司を謀殺もしたし、でも最後に叛乱で没落した訳じゃない。

どう読んでも「悲劇」には見えない。


そもそも「四大悲劇」

ハムレット

オセロ

リア王、、、まではよいとしても、あとは「ロミジュリ」ではなくてマクベス

悲劇の定義からしても、かなりマクベスは逸脱しています。つまり、良かれと思った事が裏目にでる不幸の連鎖なんかではない。

むしろ、マクベスにはない恋愛の要素(女性との心の交情)の方が重きをなす。

でも、レディマクベスとは味わいが違いますし





作者のプロフィールはよくわかりません。一橋卒らしいから、企業人の傍ら趣味的に小説を書いていたのかな?

いまでも書いているようなアマチュアリズムが垣間見えます。

2023年7月18日火曜日

怪物

 層が薄くて数も少なければ、、、蝙蝠だって鳥の仲間。かと言って彼を蝙蝠呼ばわりはしないし、あきらかに鳥の部類だ。しかし、鴻鵠かと言われれば燕雀かも(^^)

個人的な趣味嗜好もありますが、数少ない作品のなかでは、海街なんとかは好きだし、三度目の殺人も動画配信サイトならば再見する。
しかし、世評の高い作品群は、、、アタシの美學感には馴染まない。



とりわけ、餓鬼と犬畜生が登場するのは、、、誰が監督であろうとなあ



カンヌでなにやら賞をもらったらしくて、、、日本映画としてはまず水準以上だとは思います。

理解と解釈の振幅が大きいので、的はずれな批評も散見されます。

文芸技法的には、ひとつのイベントを多眼的に肉薄するというありきたりな(でも成功事例は少ない)展開だし、それぞれの視座から怪物(事態を困惑させる元凶、、、理不尽とか不合理やら不条理だと思えば)が炙り出される。

その怪物は視座の数だけあるという鑑賞難度の高い作品だから、前述の通り批評は難しいが、、、逆になんとでも書けます。

エンディングの解釈が難しい。

疎外された少年二人が全てを止揚し、天国への階段を朗らかに疾走してゆく(.....とアタシは思った)


かの黒澤の「羅生門」がそうだったが、製作会社首脳は、こんな訳のわからん映画をつくりおって、、、と激怒したらしいが、ベネチアとアカデミーと賞に輝くや(^^)

まあ、、、勝てば官軍。

是枝氏は、既に官軍ですから、批判めいた批評も封じられたみたいな.....


辛気臭い映画です。

しかし、、、役者がいい


安藤サクラはいうに及ばす

永山瑛太は兄弟の汚名挽回

田中裕子は、、、なんで沢田研二なんかと結婚なんかしたんだろう?

永山の恋人役の女優さんって良いなあと思い、、、あとからキャスティングをみたら。高畑充希だった。


2023年7月17日月曜日

猫か犬

 ヒトザルに一番近い動物。

歴史的には、友達歴はイヌの方がはるかに古い。
しかし、昨今のSNSでは可愛いネコ写真が氾濫せんばかりで、イヌ写真は少数派。



ペットフード協会の資料でも飼育個体数は、犬が七百万、猫が九百万、、、やっぱり猫優位なのだ。

小さい方が餌代が安いし、お散歩も要らないし、、、

こまめな餌やりも面倒ならば、爬虫類が一番なんだがなあ(^^)

そんなことより、15歳以下人口合計よりも多いって、、、末世かも?


我が家は過去には犬だったが、いつの頃からか猫に代わった。他意はないが、、、ネズミ対策。

寒村あたりは田畑で餌が確保出来ない時期になればネズミは民家に棲みつく。

今ならば、ネズミの嫌う超音波装置って方法もあるが効果は限定的みたいだし、やはりネコが一番。しかし、獰猛さを喪失した高級ペットはお呼びではない。代々野良の子猫に決まっている、、、というか、事情に詳しい近所のおばちゃんが良さげな捨て猫の養子先を探してくる。

今の老猫は町はずれのお堂の軒下で泣き叫んでいたらしい、、、とかなんとか売り込みトーク


一樹の陰一河の流れも多生の縁


これも御仏の思し召し、、、と思えば、幸運な子猫だわ。さほど丁重に扱われてはいないが、雨露を凌いで三度の食事にはありつける。


今は天寿全う中



この猫の先代は菩提寺の道端で餓死寸前のところ、、

墓参の帰りに見かけたもので、輪廻転生、ご先祖の生まれ変わりかも、、、とかなんとか、

我が家で傍若無人に生を全うした。