2018年7月31日火曜日

BSTORNG



あのボストンマラソンテロ事件を舞台とする映画二本
例の「パトリオットデイ」は過去ネタ。
タイトルとおりに優れて愛国的でした。
しかし、多少時間が経つと冷静に事象を見つめられるようになる。

ボストンストロング

頑張ろうKOBE! という感覚かな。

主人公は、ゴール辺りで仲が怪しくなっている恋人を待っている際に
テロに遭遇。
膝の上から両脚を失う悲劇。
しかし、テロ犯人目撃者という事で、彼の情報から逮捕へ、
一躍中途半端なダメ男がヒーローへ...
そしてここから物語が始まる。


車椅子に乗ったことがないもんで、皮膚感覚では理解出来てません。
しかし、大型ダンプの運転席に座った時の感じ...上から見下ろす自分が
人様よりも偉くなったような錯覚の逆なんだろう。

生涯車椅子の目線でしか世間を見る事が出来ないかもしれない
苦悩やらなにやらで、屈曲した心中は、

殊更に丸めた背中
上目遣いの怯えた眼差し に現れる。

若くして怪優と言われるジェイクギレンホールでなくしては
出来ない演技。
まあ、愛国映画ですから、恋人にまでふられ
絶望感からヤク中死...なんてことにはならないから安心して
最後まで観れます。
エンディングは...嫌いだなあ、こんなあざとさ(^^)

明らかに褒め殺してしまった!



誰が言い出したのか?と調べていたが、
彼女のデヴュー作の監督だか製作者のようだ。
その後は、誰も言わないが、上手く虚言を利用して
オスカーまでゲットしてしまったのはスタジオの謀略だろう。
あの年は、ゼロ・ダーク30の女優さんに与えられるべきだった。

しかし「メリル・ストリープのデヴューに匹敵する...」とはなあ
たまたまの時分の花に目が曇ったのだ。

アクトレスとしてのトレーニング
フィルムグラフィー

をどれを比較してもまだまだ論外ですよ。
興業サイドも分かってきたとみえて、主演作をなんとも
粗末に扱ってます。


セリーナ 炎の女


製作から四年も経って「未体験ゾーンの映画祭」の一作として公開
早い話がバルクセール(^^)
監督がスサンネビア、共演がブラッドリークーパーなのに...
娯楽アトラクション大作女優だけじゃないんだからってつまらん見栄はるって
肩に力いれるからよ。
身の丈以上にはならないの
いつまでも若くはないんだから、身の振り方は今から考えておく方がいい。


ちなみに、メリルはそんなに粗末にされた事がない。
マンマミーアの続編もシネコンで大公開だし、
次回作はメリーポピンズの続編



メリルは絶対音感の持ち主ですから、歌もお上手
まさか、タイトルロールを演じはしませんがね。

2018年7月30日月曜日

パーマネントはやめませう


イスラエル建国の闇の部分はよく解らない。
委任統治者たる英国は責任を放棄し、発足間なしのUNが
大役を引き受ける事となった。
すったもんだの勧告案(分割建国案➕聖地)が、事前の票読みに反して番狂わせの採択。
そして、48年にイスラエルの建国となった。
イスラエルの存在を全否定するアラブ(エジプト、ヨルダン)は、
幾度もの中東戦争を仕掛けるが、利あらず今に至る...
要するに、歴史的に自国領土だと思ってますから、イスラエルはもとより
パレスチナ国すら認めたくないという偏狭なナショナリズムの結果もつれた糸はさらに...

今になってよく読めば、当時のパレスチナ地域は
イスラムとキリスト教徒(所謂二大宗派外)の住処で、ユダヤ人は超少数派
順次グロリアスバスターズの手で次々と難民が到着するが、
本来は多勢に無勢のはずが...

本当にシオニスト運動の力は凄い。
某超大国の指導者は、ユダヤは票になるがアラブは
なんの役にも立たん...
ソ連が賛成票を投じた理由もそんなところもあったのかも
表面的には厄介なロシア国内のユダヤ人の移住先確保だとされます。
気の毒なのは、パレスチナ人。
周辺アラブ国まで冷たい仕打ち
過激な行動な走るのも当然とは言わないが、止むを得ずって一定の理解。


ガザ地区は、パレスチナ自治区の飛び地です。
海とイスラエルに囲まれたなんとも不安定で悲惨な有様。
住民の多くは難民であり、ヒトザルが住む環境としては最悪の部類。

そんななかでも日常生活はあるわけで、
ロシア移民の女性が経営する美容室での順番待ちの間の井戸端会議が
唯一のくつろぎ場所。
ビジャブをとり、髪を染め、マニキュアをして...
しかし、外は騒乱と暴力の世界。
ビジャブをかぶらないと女性が生きていけない世界。

面白い舞台設定ですが、どうも映画的にはごちゃごちゃし過ぎる。
それでもどっこいオンナ生きてます!
主題はそれだけなんだから、
苛酷な映画制作環境だとは思うが、だからこそ残念なのです。

2018年7月29日日曜日

絵をかく奴が一番のワル



中華の人文科学の精華は、詩文に如くはなく
小説や戯曲のたぐい、つまり怪力乱神を語るような作り物は
マトモな文学者があつかうものではない。
倭国でも、文士になると孫子がいいだそうものなら、
勘当するとか...大変な騒ぎになったものです。

しかしながら、堅苦しい詩文の傍らでアイドリングタイムも
必要だし、マトモな中国文学者は手掛けないから、
認知度はひくいものの、

三国志演義
水滸伝
紅楼夢
孫悟空

以外にも抱腹絶倒なフィクション・ノンフィクションは、
あまたある。

醜聞愚行腐敗堕落乱脈紊乱淫靡強欲奇癖無頼愚昧....

もう疲れた(^^)
孔孟が理想とする人間像なんて有り得ないってよく解ります。
世の中には奇特な先生がおられますから、
緑陰の拾い読みには最適。
例えば....

ご落胤騒動

地位や名誉、更には財的魅力満載。
世間を騒がす事にかけてはこれに如かず。
しかしながら、倭国は天一坊事件以外にさしたるものはない。
戦後の熊沢天皇戯話なんかは占領政策における天皇処遇策の混乱により
生じた戯画であり、話題にもならない
だいたいにおいて、体制変革期の歪みから生じるのが常

ならば、中国史上最大の混乱は北宋の瓦解
徽宗皇帝以下宮中がまるごと北方異民族の手に落ちるという惨状
かろうじて残党は南下逃避の果てに南宋を建てるが....

北方から着の身着のまま逃げてきた皇子や皇女と
称する連中たち。
どういうわけか、偽者とはとんでもない!本人に相違なく...
とまことしやかに証言する宮中関係者もでてくる。

どうせ真贋は藪の中
うまく取り入れば栄耀栄華は思うがまま
実際に相当期間甘い汁をしゃぶる尽くした例もあります。


流石に皇帝に化ける奴はいないが、皇族なんかは次から次へと....
血統がカネになった時代の詐欺話です。
いまでも、有栖川家ご落胤詐欺のウワサを聞きますから
それなりに効能はすたれてはいない。

2018年7月28日土曜日

右の頬を打たれたら..




昔懐かしの体育会的風景にみえますが、
右の頬を打たれたら、左の頬を差し出すのも良く似て見えます。
この有名な言葉をもって、愛と許しの宗教だとの評価を得ましたが、
その後の歴史事実をしっていれば、無条件にそうだとは思わない。
つまり、当たり前のように思われている解釈になにか間違いがあり
誤解を招いてしまったと考えられる。


ところで、右の頬はどのように打たれたんでしょうか?
右利きだとしてですが、

右手の甲で叩く
左手の平で叩く

古今東西、左手は不浄とされ、あまり使われない事とされる。
実際に往復ビンタの場合も、

左手で胸倉を掴み、
右手の甲で右頰
右手の掌(平)で左頬...以下インターバル

が経験則的には当たり前。
しかし、器用にも両手使いの往復ビンタも無いではない。

次に、右手一本だと仮定して掌と甲の使い分け
拍手(はくしゅあるいはかしわで)は、掌を打つものと決まっていますが
オカルトチックには、裏拍手(手の甲で打つ)があり、
誠に不吉な所業であり、やってはならないとされます。


甲と甲を打ちあわせるものではないので、許容範囲ではあるのですが、
西洋的には、侮蔑的意味合いを込める時には手の甲で相手を引っ叩く....らしい。
初見の事であり、論評できませんが、
次に左頬を叩こうとすれば、右手の掌を使う事になりますから、
叩く方は侮蔑的な態度を改めるということになり、
一転叩かれる方の立場が強くなる狡猾な外交的な戦術だと理解されます。
無抵抗主義の本質とはこういうのでしょうか


まあなんとも(^^)
ちなみに、演奏会場で中学生を往復ビンタを食らわした
日野皓正氏ですが、映像をよく見れば...
右頰左頬とも右手の掌で叩いています。
なるほどねえ、世界的とはこういう事なんですなあ。

グロリアスバスターズ(2)



ユダヤ旅団からなるグロリアスバスターズのナチス狩り
虚しい所業だと悟るのに時間はかからない。
復讐をしても死んだユダヤ教徒が蘇るわけではない。
今風に言えば、未来志向に路線転換。
ユダヤ教徒難民をパレスチナに移送する活動を開始した。
しかし、複雑な政治問題が絡み、委任統治主体であった英国は責任放棄し、
関係国はいずれも及び腰
どういう裏工作があったか知らないが、移送は大成功。
イスラエル建国が認められて今に至るが、パレスチナ問題は未だ未解決。


書けばこれだけの話なのですが、ヨーロッパ各地から難民をイスラエルまで
移送するプロジェクトは、現代の難民救済問題同様に大変なものであったようです。
モーゼの出エジプト記に暗喩されたような出来事が数多あったことは
容易に想像できます。

ユダヤ旅団がイスラエル建国に果たした役割は
決して小さいものではない。
ユダヤ旅団のドキュメンタリーを読みながら、
格好の映画素材ではないか!と思ったが、既にどこかのスタジオが
つばをつけているようです。
昨今の難民問題を投影すれば、なんとか映画賞は確実だが....
政治リスクの前にはたじろぐらしく、本プロジェクトの進捗は
聞こえてこない。

迫害されるストーリーには因縁をつけ難いが、
以降の難民化から建国となれば、相当に微妙です。

2018年7月27日金曜日

グロリアスバスターズ



上手く化けたつもりでも、身体に染み付いた習慣でボロが出る。
指を立てて三を示すには、ゲルマン系とアングロサクソン系では
やり方が違うのです...って以前のネタだが、確証映像を
やっと見つけました。

イングロリアスバスターズの酒場のシーン
マイケルファスビンダーはナチスの将校に上手く化けたのだが...


まああまり意味のないマクラ(^^)
この映画は、ナチス狩だけに情熱を燃やす軍組織の話
一番怨みを感じ復讐の念に燃えるべきユダヤ教徒は何をしていたのか
やられっ放しってオトコとして恥ずかしくはないのかね!

私的報復めいたやり方は感心しないなんて
綺麗事を言うものではない。
戦後の軍事裁判も似たようなものだ。


あまり知られてはいませんが、パレスチナに住むユダヤ教徒により
編成された旅団がイタリア戦線でイギリス軍に所属して
戦っています。
戦争末期の事でもあり、華々しい活躍の場に恵まれませんでした。
しかし、彼等は生き残ったユダヤ難民からおぞましい収容所の
実態やら手を下した将校や看守の現状を知ってしまったのです。


エホバは妬みの神なれば
復讐するは我にあり


ここにユダヤ教徒による「グロリアスバスターズ」誕生!
数百万人とも言われる犠牲者への復讐にしてはささやかですが、
千人くらいは血祭りにあげたらしい。
アメリカンならば、コルトのグリップに撃墜マークを
刻むのだろうが、ユダヤ教徒にはそんな趣味はないようです。
その後のエピソードも興味深いが、またにしよう。

2018年7月26日木曜日

おフランスの至宝


ジャンヌ・モロー
シモーニュ・シニョーレ
カトリーヌ・ドヌーブ
イザベル・アジャーニ

をさしおいての「称号」は、イザベル・ユペールへ
褒め殺しですよ....しかし、御歳65才
だんだん良くなる法華の太鼓
それが尊敬を得られるということか!
能楽的に言えば、時分の花ではなくまことの花があったのだ。
アクトレスとして満開になったのは還暦くらいから。
大好きなイザベル・アジャーニは、デヴュー作が最高で、あとは大作だが大味な
コスチュームプレイばかり...


EVA

職業としてのハンドルネーム
夫は詐欺で捕まったらしい美術商
食い扶持を稼ぐ為に始めた高級娼婦

絡め取られたのが若いオトコ
老人相手のジゴロが、頓死した客の戯曲の作者を名乗り
新進気鋭の人気作家へ
しかし、次回作がかけない。
カジノで偶然出会ったエヴァとの交流を新作のモチーフに
仕立てあげようと危険な遊戯にのめり込む。


良いオンナは怖いオンナ
怖いオンナはオトコを滅ぼす


ありきたりの教訓話ですが、為になります(^^)
ちなみに、エデンの園に住まいしたアダムとイブ
エバと訳する場合もある。
アダムはヒト
エバは命の意味らしいので、原始女性は太陽というのは
間違いではないが、諸刃の剣でもある




ちなみにリメイクです。
ジャンヌ・モローでロージーが映画化しています。
名作らしい。

2018年7月25日水曜日

徒然草の知恵



辛気くさいし、したり顔が目に浮かび、
兼好法師なんかお友達にしたくないが、この段だけは然りです。
が、彼独自の見解でもなく、倭人の長い生活の知恵を引用しただけ。


家の作りやうは、夏をむねとすべし
冬は、いかなる所にも住まる
暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり。


先人の知恵に違背したような構造物に住まいすれば
酷暑でなくとも堪え難いのが当たり前。
反自然な住環境の改善のためには、エアコンに依存した不自然な自然環境
しかし熱力学第一法則によれば、
涼しくした分だけどこかが暑くなる....だよねえ


かといっても、狭い国土に自然派環境で皆んなが暮らすには
個体数が多すぎる。
もう少し言えば....
住コストがあまりにもエクスペンシブ

毎日の庭の散水
夏建具への入れ替え
二尺から三尺の床下の高さ
十尺の天井高
四方からの通風
分厚く土盛りをした二重屋根

それを考えるとエアコンの電気代なんかしれてます(^^)
根拠なく確信的に言えば、人口減少は自然の摂理であり、
ある種好ましい現象なのです。


現状のGDPのレベルを堅持なんかしなくても、GNIを向上させることを
考えるほうがいい。
倭国は、四万ドル弱でランキングは20位あたり。
上位国は、その倍程度あり、一般的に豊かなイメージのある
北欧とか欧米国が並びます。
ちなみに、人口が40万人に満たないアイスランドが第4位!







この手の統計値はごまんとありますので、外務省のデータを使用

https://www.mofa.go.jp/mofaj/kids/ranking/gnp_2.html

2018年7月24日火曜日

ジャック・ウェルチは晩節を汚したか?



ダウ銘柄からGEが外れた...違います! 外された。
つい先日のこと
二十年足らずで時価総額が数分の一にまで劣化
エジソンをファウンダーとする名門企業
二十世紀末では超エクセレントカンパニーと言われたが、
メッキだったのかねえ。
世紀末の二十年間、CEOとしてGEの繁栄を演出したのが、
ジャック・ウェルチ
二十世紀最高の経営者だとまで言われましたが....
まだご存命のようですが、この惨状へのコメントが聞きたいものだ。


GE凋落の元凶は、ジャックの後任CEOの経営判断の失敗だと
されます。
しかし、後継者指名にジャックがどの程度影響力を行使したのかは
判りませんが、社長の最大のお仕事が「後任の選択」だと言われますから
ジャックは最後の最後に大失敗をやらかしたのです。


ジャックの手法として絶賛されたのが

リストラクチャリング
ストレッチゴール

世界で一番か二番になれる事業だけを残すために
事業の絶えざる入れ替え
つまり、事業ごと売り飛ばされるあまたの社員になるか
一番か二番になる為に苛烈な目標達成を強いられる社員になるか

社員を大事にしない風潮の濫觴みたいな会社だったと
言うことでしょうか?
しかし、ジャックの名言集をみるに社員愛の塊です。
信じたくはないが、偽善者でもあったのかもしれません。
倭国にもウェルチ教徒が大量発生し、表面だけをなぞった
経営で会社も社員の幸せになった例は聞き及ばない。
不幸な例は....かつて「東京芝浦電機」と呼ばれた会社。


確からしく言える事は「一将功なり万卒枯る」ということ。
鶏口となるも牛後となるなかれ...という語義の本質とは
そういうことなのよ
下っ端の手柄は上がさらっていくのは世間の常。

勝ち逃げってことも大事です。
適当なタイミングで逃げないと老醜を晒します。

2018年7月23日月曜日

古酒は新しい皮袋へ




ねぇってばあ
糸屑が背中に付いてましたよ

古式豊かなガールハントの手口だが、今では笑止
当時でも効果のほどは疑問...だと個人的には思う。
だって、知性を感じないわ


しかし、二千年前のこの手口は、いまでも素晴らしい。
クラシックローマの独裁官のトーガから一本の糸を取り...
婉然と若い女が

頂いても構わないでしょう
貴方の恵まれ過ぎた幸運の細やかな切れっぱしくらい
あやからしてください(^^)

彼女は、かの独裁官の五番目の妻になったそうです。
若さだけしか取り柄がないと、ロクなオトコしか捕まえられない
やはり、センスですよ。
彼女が美人だとはどこに書いてあるのか知らないが、
アタマが良かったことは確かだ。

ルキウス・コルネリアス・スッラ が男の名前。
オンナの名前は...忘れました。
地中海の覇者となったローマですが、身体の成長に内蔵の働きが
ついて行かない。
その後内紛という病気に悩まされます。
取り敢えず、元老院機能を強化することで寡頭的共和体制を
再建したのが彼の功績とされます。

クラシックローマが政治学のお手本とされるのは

王政
共和制
帝政

と、環境と己の身の丈に合わしてトランスフォームして来た
ことにある。
スッラが、精魂かけて作り上げた共和制は、
ポンペイウスにより瓦解してしまうが、
それは歴史的必然なのです。


冒頭のローリングストーンズの名曲に意味はありません。
ただこの映画で、あの若いオンナの台詞が
そのまま出てくるって聞いたもんで...
未確認ですから、プライムで確認しときます。


まあ、そんなことはどうでも良くて、
システムなんて道具なんだから、都度都度リフォームするのが
当たり前。
金科玉条だかなんだか知りませんが、不磨の大典みたいに
崇め奉り、改廃の議論すら認めないっておかしいとは思わない
ことがおかしい。
変えてはならないこともあるが、
変えてはならない理由くらいは論議しても良い。
しかし議論すると論破されるからテーブルにもつかない。

2018年7月22日日曜日

かちがらす



パンダ模様の鴉とは珍奇と思ったが、鵲の倭名らしい。
朝鮮では国鳥扱いらしいが、佐賀の県鳥でもある。
非常に頭のいい鳥だそうです。

縁も所縁もない僻地県だが、焼き物は素晴らしい。
もっとも、伊万里や有田はお好みではない。
葉隠は...読み方が皮相だからか、そんな生き方もあるだろうが、
理や知が先立つものですから、受け入れがたい。
薩長土肥というものの、幕末史における鍋島藩の存在感は希薄だし、
維新政府においても然り。
佐賀の乱で、徒党は瓦解しあるいは在野となり、誰もいなくなった。




かちがらす


鍋島閑叟の伝記小説である。
鷗外の渋江抽斎のレベルまでは期待はしなかったが、
史伝的な堅牢さにも小説的なエンタメ性にもかける。
地元では、閑叟がセンターのはじめての小説だし、大偉人ですから、
それなりに読まれはするだろうが、せっかくの素材なのに
勿体ないはなしではある。

幕末期の大名の中で希少種のような名君
藩士をテロルに暴発させず、中立武装国家を作り上げて
第三極としての不気味な存在感をあらわにした。
けだし、佐賀の妖怪と言われるだけのことはあります。

閑叟は、明治四年に逝去
あと三年元気で居てくれたら、征韓論の行方が変わっていただろうことは
確かだとおもうし、佐賀の乱だって....

2018年7月21日土曜日

アンデッドあるいは負けるが勝ち





chttps://mainichi.jp/sportsspecial/articles/20180719/dde/007/050/031000c


つくづくとサッカーWCのリーグ・トーナメント方式は
よく出来ている。
にも関わらず、欲目かららしいが参加チームの数を増やして
めちゃくちゃにしようっというのだから....


一方で東京五輪の野球決勝トーナメント
かのクライマックスシリーズですら腹を抱えて笑いそう。
苦肉の産物で考えついた関係者の努力には敬服します(お世辞じゃなく)
委細は、リンクをじっくりと見てください。

予選リーグは2つのブロックから三チームが決勝トーナメントに
勝ち上がるのはまあまあ
最初からそれぞれの同順位チーム同士が対戦する!
負けても負けても敗者復活戦で勝ちあがれる!
まるで、あしたのジョーか星飛雄馬。
いやいや、ゾンビです(^^)

七転び八起き
武士は斃れてもまえのめりで...

倭人が考えそうなシステムなのか?
予選リーグ三位通過は敗者復活の権利がありません。
一位と二位の差は試合数の差。
暑い盛りだから、体力温存メリットはなくはない。
しかし、勝ち倒した相手とまた戦ぞろうのはなあ....


絶対音感とダイタイ音感



今でもこの手の話になると..思い出すのは義務教育時代の忌まわしい音楽の授業
人跡稀な寒村の音楽教師なんて、音大は出たのだろうが、
成績のレベルは想像がつく。
名曲鑑賞と称して、ハイドンの94番の第一楽章

あんまり「びっくり」せんかったなあ
昔の人やとびっくりしたんやろ

とんでもない錯覚に誰も異論を唱えず納得って更に怖い風景。
今ならば、
第二楽章冒頭の緩静部から一転しての大和音に「驚愕」って
腐女幼童でも知ってます!と毒づくところ(^^)


絶対音感なるもの、才能か努力か?
いまでは結論は出たのだろうか。
感覚的に言えば、甲論乙駁の議論とは、どっちも正しいか
間違っているのかのどちらかだ。
最近は多少熱が冷めたのか...倭国の幼児音楽教育の熱狂さ。
IQも高くなるって言われれば、教室に行列が出来て
ネコも杓子も絶対音感教育
オムツの頃から始めれば、大抵は身につく....らしい。
そしてどうなるといえば、音大受験には圧倒的なアドバンテージだが、
それからは....人生って色々。


才能は多分なかっただろうし、努力は嫌いだし、
音楽のレッスンは、付け台の前での音符を肴に与太話
まあ、身につくのはダイタイ音感くらいだ。


しかし、身についたらしい絶対音感なるものは、本当の絶対音感だろうか?
街中で耳にする雑音ですら、

これは、Cのシャープ
あれは、ドミソの和音
少し音がズレて気持ち悪いわあ...

一般的には、基準音は、A440とされる。
摂氏20度の440Hzが、Aの音だということ
しかし、一世紀くらい前の基準であり、昨今は、多少ピッチが高め。
BPOだとA445だそうな。
しかし、アマデウスは、A422くらいの基準音で作曲をやっていたらしい。
つまり、ドイツで演奏されるモーツァルトさまは、
半音程度、作曲家の意図に反している!

絶対とは言いながら、相対である。
千住真理子さんが、言ってます。
オーケストラと合わす時と無伴奏では、ピッチを変える。
弦楽器だから出来ることではあるが、
協奏曲を弾く際には、オーケストラの基準音よりも高めに
弾くと華やかに音が映える。

実のところ、斯様に音階を自由自在にコントロールしちゃうと
絶対音感とバッティングして気持ち悪くなるんじゃないのか?
キモくなるのは、その程度の音感だということか?

所詮は、ダイタイ音感の世界だと理解できないってことだ。

2018年7月20日金曜日

素朴派、自然派、野獣派



まずもって、ジャン・ジャック・ルソーが頭に浮かぶ。
アンリ・ルソーは...かなりあとから。
ジョルジュ・ルオーと混ぜご飯になる。
世紀末の巴里は、油絵よりも詩歌なもんで不案内。


本屋大賞なんて、作品の目利きに関してまったく信用していない。
商人が取り扱い商品にあれほど愛情も評価能力にも乏しいことは信じがたい。
無論例外もあるだろうが、多くの店員さんはそんなものだ。
そもそも、カルチャーをトッピングにしたエンターテイメントばかりが
ランクインする。


楽園のカンヴァス


原田マハさんの作品
出来が良すぎて、つまらない駄作が上に来て、銅メダルしかならなかった。
まあ、ルソーなんてマイナー画家ですから...
キューレーターの知見を最大限に活かした快作
しかし、斯様な傾向ばかりだと作家としての明日はない。


世紀末絵画は、洋画の閉塞感をブレイクスルーしたとされる。
ルソーは、税関の小役人の傍ら日曜画家的に絵を描き散らかした。
まともに画業の基礎トレーニングを積んでいない絵画は稚拙の塊で、
展覧会のゴミとまで嘲笑されたらしい。
一番有名な作品がこの「夢」
最晩年の作品。

実は同じ作品がもう一枚存在する。
その真贋を巡る知的バトルがこの小説のキモ
結構面白いが、肝心の真贋は....
ピカソの青の時代の知られざる作品のカンヴァス上に描かれたルソーの
絵が「夢」という衝撃の仮説も真相は明らかではない。

唯一確からしいのは美術の世界は魑魅魍魎が巣食う
伏魔殿だということ。

2018年7月19日木曜日

いのちと暮らしは誰が守るのか



受煙喫煙防止法が難産の末に成立。
正確には健康増進法の改正です。
この法律の建て付けからして、そのカラクリを知っていれば、
ザル法だとか妥協の産物とか批判すること自体がおかしい。


まずもって、健康の増進の責務は誰にある?
国民一人一人の自己責任であり、政府や自治体は側面支援をするだけ。
自分の命や暮らしは自分で護らないとって思いますが、
露骨に自己責任だと言われると忸怩たるものがある。

当然ながら、煙草は危険な嗜好品です。
他人の煙草の煙も危険です。
公共施設や大多数が集まる場所の「危険」を除去するのは
支援という責務の範囲ですが、特定少数に関しては
自己責任でお願いします....建て付けからすれば当然のこと。
そんなマニアックな処に行く奴が悪い...これも必然。

ヘビースモーカーやベビードランカーが健康を害しても
クラスアクションで提訴も出来なくなります。
コレがキモなんでしょう(^^)


いち早く禁煙ファミレスや居酒屋が出来ました。
家族連れやらで来店者数は増えたそうですが、
客単価は下がったらしい?
ジガーバーやクラシックハードリカを飲ませるバーは
禁煙は節酒につながるのは分かる。
しかし、その辺の居酒屋でも相関関係があるのかねえ
よく分からない。

受動喫煙絶対反対派喫煙者からすれば、多少の前進かもしれないが、
しかし、永らく喫煙からとおざかっていますから
どうでもいい(^^)

嗚呼 花の応援団


地名なんかが一番使われやすいが、流石に「河内」を名乗る大学は....
単に知らないだけなのかも知れないが

南河内大学

75年頃の一部に人気の下品ではちゃめちゃな漫画。
書庫の奥から出てきた。
アナクロニズムやバンカリズムへの郷愁からか、
映画にまでなりました。
偏差値がたかそうに見えない大学の応援団の物語。
授業や勉強以外の学生さんの生態は全て登場します(^^)


今や絶滅危惧種としての応援団。
なんともしぶとく生き残っていますが、時代の変革はここにも



女子大ならいざ知らず、名門総合大学に女性団長とは!
オトコの最後の砦も陥落したらしい。
本人の力量だろうが、よくぞここまで変革できたし、
英断でもある。




だいたいにおいて、応援団は、ブラバン、チァダン、応援指導の三部からなり、
その頂点が団長。
しかし、この大学は、二部一班(応援指導班)からなる。
十年前の忌まわしい黒歴史のため、応援指導部は廃部。
暫くは公式のスポーツの試合でも両校エール交換が出来なかった。
検証調査の結論が二転三転したり、裁判沙汰になったり、
今時なら学長のクビが飛んだに違いない。
首謀者どもは刑事被告人にはならなかったようで....
のうのうと生きて老後やっているのだろうか?
裁判の経過資料を拾いみるに、闇は深そうだが済んだ話。


有史以来初めての女性団長には、OBからクレームがついたらしいが
誰かが

団員を苛め殺した歴史を忘れたのか
連帯して責任を負うべき君達には意見する資格なんかない!

と一喝したに違いない

しかし、調べたら結構女性団長さんはいます。
浮世や穢土から隔絶した暮らしが長いと世の中の動きに
ついていけていないなあ

刺青奇偶



毎度予定稿を作り、アップ前日に誤植チェックなんかをやるのですが...

奇遇
奇偶

は明らかに違います(紛らわしいがよくぞ気がついた!)
前者は「たまたま(偶然)の出会い」のことですが、
後者は「きぐう」ではなく「ちょうはん」とよむ。
いささかおかしいのですが、慣用だから致し方ない。

奇数=半(奇数は半端)
偶数=丁(偶数は丁度)

昔からどっちが丁だが半だかよく間違えたが、こう覚えると良いらしい。
多分に、奇遇との掛詞だろうが、外題としての出来は悪い。


勘三郎
玉三郎
仁左衛門

と役者は豪華だが、歌舞伎演目にしては、お手軽感
新作歌舞伎ではないし、古典とも言い難い。
新派か新国劇だなあ...って、けだし、原作は長谷川伸。
馬鹿にしているわけではなくて、倭風涙腺刺激性演目が
苦手なんです。
ストーリーもわかっているくせに、毎度同じところで泣く(^^)


貨幣経済にギャンブルは付き物ですが、
江戸時代は、丁半、花札、富籤(宝くじ)とギャンブルの揃い踏み
どうも、ギャンブル依存症もこのころからあったようだ。

ヤクザの勘三郎は、身投げした玉三郎を助けた縁で
足を洗ったものの、博奕の縁だけは切れない。
赤貧洗うが如き暮らし向きは玉三郎を不治の病へ
明日のない女房のため、最後の大勝負と
仁左衛門の賭場に乗り込むが...


まるで、番場の忠太郎か駒形茂兵衛(^^)
外連味たっぷりな様式美を超越した舞台形式を
目指したのが新国劇だが、いまや胡散霧消。
歌舞伎=旧国劇にとりこまれて今に至るということ。
大衆演劇の伝統なるブラックホールはなんでも呑み込み、
自家籠中のものとする。

2018年7月18日水曜日

この国は滅ぶべし



グラディエーター(クラシックローマの剣闘士)でオスカーの栄誉に
輝いたリドリー・スコットにきた次回作のオファーが

ハンニバル

ローマものを続けてやる気はないが...
まあ、勘違いなのですが、
欧米人には、ポエニ戦役を連想するのが当たり前なのだ。
人喰いハンニバルなんか....(^^)


地中海の覇権を巡ってのローマとカルタゴの百年に及ぶ
争いは古代史の白眉である。
川中島合戦みたいだが、此方は歴史への影響は限定的。
蝸牛角上の争い程度
むしろ、現代に比定するならば、東アジア海域の覇権争いに匹敵する。

このビッグイベントを鳥瞰的に記述したのが

ある通商国家の興亡(森本哲郎)

いまだに精読に耐える労作であるが、
なんとまあ絶版らしいってところが、今時の倭の風景
書庫のどこかにあるはずだが.....
探すのは大変だから、先日から再読中の塩野女史の著作を
思い浮かべてみよう。
女史にとっては、ローマ史のエピソードのひとつにしか過ぎないし、
カルタゴへの強い想いがある訳ではない。
しかし、森本さんは「通商だけ国家」へのある種の思い入れなのか
いささか湿度高く滅びの背景を語るのです。

有史以来はじめてのエコノミックアニマルであったカルタゴ
富の追求が悪だとは言わないが、
富だけの追求は善ではあるまい。
盛者必衰なのだから、永遠の繁栄なんかある訳がない。

ギリシアは滅びた。が、文化を残した。
ローマは滅びた。しかし、統治のインフラ(ローマ法と土木構築物)を
後世に伝えた。
でも、カルタゴも「教訓」を残してくれました。

歴史(我々に)に学べ!

しかしながら、世の中盲ばかりで、
目あきはサイレントマイノリティだという事も....
目に見えるカタチのあるものはお手本になりやすいが、
教訓なんてねえ

親父の小言とか冷酒に似ていて、後から効いてくるし、
その時は手遅れ(^^)


労作が出て来ました!

89年9月 第一版第7刷(初刷は同年六月)
PHP出版社刊行
定価1300円

2018年7月17日火曜日

ヴェスパーは、甘美で危険



生涯でいかほどとまでは言わないが、観た映画のなかで一番寒気がした怖い映画はこれ!
ヒロインは御約束通りオスカーのベストアクトレスに輝く。
交通事故に遭遇した人気作家は「幸いにも」ファンのオバさんに助けられて...
しかし人気作の続編が彼女の意に染まない展開だと知ると豹変
監禁状態となった作家は、奴隷的な執筆を余儀なくされる...
舞台は冬の山間部ですが、ブランケットがいくらあっても
体の心底からの恐怖の冷気が身体中を動きまわる。



多分そのモチーフを参考にしているはず
かつての鬼才、ポランスキーのミステリアスでサスペンスフルな心理劇
作家と編集者あるいは秘書との葛藤はさまざまネタになります。
秘書がゴーストライターってありげな設定
とどのつまりは、作家を支配し翻弄するお話なのです。

しかし、ポーランド派らしい不条理劇に仕上がりました。
お話についていけません(^^)
人気作家の心の隙に忍び込む不可解でエキセントリックな女性が
エヴァグリーン...あのカジノロワイアルのヴェスパー!
今回は職業、ゴーストライターという触れ込み
本当に甘美で恐ろしい夜叉みたい。
JBのお気に入りのカクテルでもあるのですが、まことに危険な飲み物

作家の秘められた過去を私小説として書くように誘導しますが、
作家は逆にヴェスパーの過去(事実性は疑問)を小説にしようとする
化かしあい。
結局、新作ベストセラーは刊行されるのですが、一体

誰の過去?
誰が書いたの?

さっぱり判らないのがカタルシス。
この宙ぶらりん感が堪らない。




2018年7月16日月曜日

山谷なみだばし




特段山も谷もあるわけではない。
住所表記としても既にありません(玉の井、飛田と同じような理由で抹殺されたか?)
付近のなみだばし...
不作法な箸の使い方の一例だが、それとは無関係
昔は橋が架かっていたのだろうが、いまは道路標識に名をとどめるだけ。
この橋の下にボクシングジムがあったとは隔世の感がある。


ちょっとだけ読み返したくなり、漫画カフェに出かけた。
社会病理的ななルンペン若者がたむろする場所と脅かされたもんで
防犯スプレーなんかを隠し持って....(^-^)

古典的な漫画を揃えているカフェは少なくて、
やっと見つけました!
全巻で12冊
最近の超長編型に比べると当時の長尺はコンパクトに
凝縮されてます。
完成度の高さなのでしょう。
長けりゃ良いってもんじゃない。
あの小説大菩薩峠のつまらないことよ(^-^)


あしたのジョー


今読み返しても鮮度が高い。
昨今の漫画家の劣化だわ。
そもそもデッサン力のない輩に誌面を提供するなよなあ
劣化したのは版元のほうだ。


いったい矢吹ジョーの戦績や如何?
ペンをもって数え出したが、アホたらしいからヤメ
お手軽にヤフー知恵袋によれば...

鵜呑みにするほど脇甘くないので、
原典と見比べながら、まあ正しそうと確信しましたから

エキシビションマッチを含めて、24戦の戦歴
19勝ですべてKO!とは凄い。
従って敗戦は、差し引き5敗のはずですが、
カルロスリベロとのマッチは、無効試合でしょう。
しかし、ネット記事だと

19勝
5敗
1引き分け

ネチズンは簡単な足し算も出来ないらしい。
正しくは、4敗!
これがまた間違えて孫引きで拡散しています。
更に言えば、引き分けと無効では扱いが違います。

どうでもいいが、エンディング。
真っ白に燃え尽きた....死んだとは明言してません。
だから寺山さんは力石のリング葬は主催したが、
矢吹の葬儀委員はやらなかった。
何処人跡稀な寒村のサナトリウムで余生を送っている....かも

2018年7月15日日曜日

今時、親の為に子は死ぬかなあ



不正な競争の類型のなかに、
外国公務員(等)への贈賄禁止規定がある。
結構困った構成要件であり、気にしだすと際限がない。

営業上の利益を得る目的で
実質的に公的権限をもつ外国人に
利益(含む便宜)供与をすれば、
個人も法人も処罰します!

ということ。
細部は忘れましたが、属地主義と属人主義を兼ね合わせたみたいで
誰でも何処でもしょっぴけるし、
スモールファシリティペイメントも例外ではない。


内心は誰でもワイロ無くして新興国で商売ができるわけがない。
政府だって国益の為と称して同じようなマネをやっている...
とかなんとか本音は口にしてはならない。
大昔作ったマニュアルは、たいそうな出来栄えだと自画自賛しているが、
キモは、書いてある事と実際の説明が違うということ(^^)


よく知らないが、本罪で大手企業がしょっ引かれた。
何故ばれたのかはさておき
司法取引により、法人処罰を免れた....らしい。
つまり、会社のために泥水を飲んだシャインを売った....のか?

企業の法務行動としては間違ってはいない。
大物ヤメ検弁護士と地検トップの談合で決まったんでしょう。
どうせ両方処罰されるのだから、捜査に協力して
被害を社員だけにとどめる...合理的です。
法人に前科がつくとなにかと面倒なんですから


がしかし、社員の心情は安らかではない。
有罪となれば、普通は懲戒解雇。
一気にエリートから下流中年の仲間入り
老後は悲惨だろうなあ

なんか見返りを出したんだろうか?
会社のために手を汚したんですよ
冷徹な法務担当は、冷ややかに....

そうかもしれませんが、
会社はそんなことまで頼んだ覚えはありません。


ますます、自分と家族の命と暮らしは自分で
守りませんとねえ....
今回のケースで、社員が司法取引に応じて刑事免責になれば
面白かったが(^^)
司法取引に応じて会社を売った事が懲戒事由に該当しますかなあ?
所詮冷や飯を食わされ、会社にはおれなくなりますが、
前科者にはならずに済む。
明らかに合理的な選択で、囚人のジレンマなんて余地はない。

ここ四半世紀のあいだ、散々に従業員を粗末にしてきた。
反逆する従業員に核兵器やらサリンを与えたようなものです。
気の利いた大企業は、就業規則なんかに
防御策を書き加えたのだろうが....さあどうするのかなあ

「難民」映画祭



国連難民高等弁務官事務所は、毎年難民映画祭を催し、
難民問題の啓発に勤めています。
確か無料上映のはずです。
世界的には一億人とも言われる難民が存在すると
言われるが、支援資金不足に悩まされており、寄付金集めの一助でもあり、
会場のあちこちにカンパ箱が....
茶化すつもりはないが、時価のピンサロよりも正札のソープの方が
明解でわかりやすいと思うが....考え方次第。


商業的な催しではないので、慰安や娯楽を期待する向きは
足を運ぶわけがない。
しかし、その辺りを上手く折り合いをつけた
商業的な映像作家の手になる作品はポツポツと上映はされます。
大抵は、欧州の映画祭の受賞作という触れ込み
場所的に他人事ではないし、悩ましい日常問題だから
直視せざるを得ない....ということ。


素材の調理方法は多岐多様に見えて、実のところステロタイプ化している。
単純な因数分解をすれば、

善意以外何者でもない難民救済支援者
ゼノフォビアに凝り固まった難民追放派
両者の葛藤あるいは衝突
結末は、商業映画には悲惨な結末はむかないが、
手放しなハッピーエンドはあまりに現実から遊離という自覚はあるから、
まあ...ブレてますというか苦渋感満載。


場末の弐番館では難民テーマ二本立て。
フィンランドとドイツの作品。
前者は世界的には著名なフィンランド人監督
ぎこちない映像表現のどこがウケるのかは知りません。
主人公はシリア人難民。
はぐれた妹探してはるばる...という設定。
暗いハッピーエンドですが、邦題は「希望のかなた」
オリジナルタイトルは、グーグル翻訳だと

私はそれを超えて願う


一方で後者はアイロニカル
ボコハラムに一家皆殺しにあったナイジェリア人。
彼をホームステイさせたハウトマン一家は、
偽善だけで家族が結びついているブルジョワジー
予期しない闖入者により、家族は崩壊し...コメディですから
再生という明るくハッピーエンド。
優れて寓意的
人類普遍の価値観だと豪語していたものが揺らぐドイツが舞台というのがキモ
EUに明るい明日が本当に来るかなあ?

まあ、一時の慰安と享楽ですから、
考え込む事もないのですがね.....

2018年7月14日土曜日

扇動家はメディアが育てる



メディアの本流は....

新聞
ラジオ
テレビ
ネット

と変化してきたのは周知の通りです。
その時代の本流メディアとの適合性の高さが人気の高さなり
リーダーの適性らしさを演出する。


あの大統領選挙。
JFKの圧勝みたいに錯覚されてますが、薄氷の勝利だったのが事実。
彼の親父がマフィアに票の取りまとめを懇願した事が勝因とも...
まあウワサでして、実際はテレビ写りの差だと言われます。
今見ても、そうだねえって。

かの悪名たかいマッカーシーのデマゴーグ(赤狩り)にしても、
ラジオ時代だったから、民度の低い大衆が騙されたようなもの
テレビに登場してからは、憑き物が落ちたように冷静さを
取り戻したと池内紀さんは言います。
事実関係がわかりませんので論評しません。
単に多数を長期間騙すことは出来ないだけではなかったと
思いますが、あの品性下劣風な面だと、
テレビでは、少数を短時間誑かすのも難しそう(^^)

という事で、ネット時代に社会に迎合できるリーダー像とは
どんなものなんでしょうか。
積極的にSNSを活用して受発信するのは今や当たり前。
しかし、積極的に情報をとりにいこうって気になるサイトは稀。
要するにコンテンツが貧相なのです。
あえて嫌いな表現をすれば、等身大の貴方が見えない!

唯一フォローしているのは、怒鳴る度さんのツイッターだけ
よくまあ、あれ程下品でスカスカに描き散らかせるものです。
しかし、地が出てわかりやすい(本音を探る楽しみもあります)

要するに、
綸言汗の如しとか発言に責任を取る...なんて流行らない。
公人として失言はマズイが暴言は限度までは許容範囲。
一昔前ならば、数回は辞職していてしかるべきな
財務大臣がのうのうとしていられるのはそういう事なの。

国会質疑でうすら笑いを浮かべる答弁者たち
テレビ全盛時代ならば、あり得ない光景です。

2018年7月13日金曜日

パークからワールドへ



骨からDNAを採取することも至難の技なのに、
採取したDNAから個体を再生するなんて荒唐無稽、似非科学のたぐい。
ネアンデルタール人の遺骨からDNAを採取し...
よく判らないが、どの程度のゲノムが採取できたのか?
半減期みたいなものがあるらしくて、時間の経過と共にDNAは毀損するはずだが、

恐竜の滅亡は数千年前
化石は見つかるが、DNAの採取成功なんて聞いたことがない。
理屈の上での毀損の半減期からすれば、あり得ないらしい。
でも、採取出来たとして....生物再生に繋がったとして
豊かなクリエイターの才能だと褒めておきましょう。


賞賛は興収に現れます。
第一作は未曾有の大ヒット。
ワンクール三部作のお約束、更に次の三部作。

主役陣が一新しましたが、プロットは変わらない。
このバカどもが...と罵倒するのは早すぎた。
生きた恐竜を見せるのは、パークでもいいが、ワールドというのなら
後からよくなる法華の太鼓だ(^^)

テーマパークは閉ざされた非日常空間の非常識な危険なイベント
しかし、それがワールドとなれば、日常空間が非常時になる。
その橋渡しがこの作品。
単体で評価するものではない。
二年後の作品に期待しよう。

恐竜の絶滅の理由はさまざまに語られるが、
最有力説は、隕石の激突。
ヒトザルの進化の過程は未だによくわからない。
なんだか、恐竜とヒトザルのハルマゲドンみたいな展開が予想されます。

マタイの福音書...譚






...群衆の前で手を洗って言った。
「この人の血について、わたしには責任がない。おまえたちが自分で始末をするがよい」
すると、民衆全体が答えて言った。
「その血の責任は、われわれとわれわれの子孫の上にかかってもよい」
そこで、ピラトは....



本福音書の山場であるキリスト裁判。
検事の起訴状がありませんから、罪状はよく分かりませんが、
反体制派思想犯だとされたようです。
あの懐かしい全共闘の議長みたいなものでしょう。
パゾリーニの「奇跡の丘」の解釈はしかり

所詮はイエス一派はマイノリティですが、ローマ属州の悲しさ。
司法権は総督の手にある。
ピラトの出自は、有産ローマ市民ですから、ユダヤ人ではない。
ユダヤ人内部の内ゲバに関与したくはないし、
有罪とは思ってもいなかった...ように書いてます。


このピラトの態度は許されない。
裁判官が「黒白つけ難い・つけたくないから判決を出さない」と言わんがばかり。
訴の利益がない、原告適格がない、管轄違い...
まあ、逃げ口上は色々用意されていますが、早い話が
私刑に委ねるというか職務放棄を行なったのです。


しかし、この記述は歴史的な事実なのかなあ?
だとすれば...いやそう後世のヒトザル達がそう信じたからこそ
神の子殺しの民族だと長く(今でも)迫害をされてきたし、
迫害する側の錦の御旗でもある。
迫害の累積値からすれば、イスラム難民や植民地被害の比ではない。


作者は本当にマルコかどうかは知りません。
誰でもいいのですが、ローマ人を免罪したが故に、
これが正典とされたことは確か。
禁教から外れて国教化の果実を得るためには、なんでもありって
考えるのは罪かなあ。
宗教が清廉無垢である事は知っていますが、
そうでない黒歴史があった事も知っています。

2018年7月12日木曜日

双脚羊(2)



双脚羊の地球上への登場は、進化のなせる事だというのが科学の常識。
しかし、科学的である事で全ての辻褄があうわけでも無い。
簡単に言えば、余りに進化の過程の時間が短かすぎる。

科学のたらずまいは、宗教が補ってくれます。
なんとも蠱惑的な響き......創造論
天才的なクリエイター達は、進化論で映像化はしない。
すべからく、創造論である。
そういえば、創造主=クリエイター
奇妙な符号でもある。


2001年宇宙の旅


歴代ベストを選ぶ際に除外する映画評論家はまずいない。
シカトすれば、ケンカを売るようなものだし、業界から干され、
メシが食えなくなる。
本当に凄いのか....と言われれば、本当に凄い(^^)
ヒトザルは何処から来て何処に行くのか?を
二時間半余りで映像化してくれました。

何処からともなく「ツァラトゥストラかく語りき」の主題旋律にのり
不思議な長方体がやってきた。
そのモノリスとの遭遇により、サルは道具を使う事を覚え
食物連鎖の頂点に君臨するようになった。
時空を一気にハイパードライブした双脚羊たちは、
ご先祖さまの原点を探るべく...
宇宙ステーションは「美しき青きドナウ」の旋律に舞う。




道具を使うことは双脚羊を残酷な生き物にも変えてしまった。
蝸牛はハンティングの経験はない。
プリンセスダイアナ同様に残酷な娯楽だと思うから..
しかし、銃で撃つのでなく、ナイフで切り刻んだり、
我が手で絞め殺す事でしか狩が出来ないのならば、
狐狩りなんかとうの昔に終わっている。


獲物との距離感があればあるほど、双脚羊は残酷になれる。
目の前で引き金を弾くことは躊躇しても
ICBMの発射ボタンを押すのは簡単。

2018年7月11日水曜日

ヤコブの原福音書



歴史的な史料性が高くとも、外典と決めつけられればそれまで。
しかし、あくまで宗教の話です。
正典は世界的なベストセラーですが、外典を読むのは大変
廉価に出回っていません。
講談社の文芸文庫が唯一だが、なんとも読みにくい。
スピンオフ版だという事で誰にも平明に手にふれるように
すべきだし、そうすれば信者が増えるとは言わないが理解は深まる。

ヤコブの原福音書

コンテンツを大胆に言い切れば「聖母マリア記」
初めて知った(僕だけでないと確信がある)衝撃の事実の数々

マリアの両親は誰?
裕福だが無学のヨアキムと聡明だが不妊症のアンナ(ハンナ)だって

今と違い子無きは大変な問題で、ヨアキムは40日間
荒野を彷徨い子授かりの願掛け(聞いたようなエピソード)

帰宅すると...
アナタ!お粥じゃなくて子供ができたわ(^^)
やっぱり精霊で身ごもったのでしょうか?

マリアはスクスク成長中で、アンナから
学問と裁縫の厳しい指導を受けます...のはいいけど
本来なら学問の方はヨアキムの担当だよなあ

適齢期になったマリアのお婿さんを決める日
なんと歳とった男やもめの中から大工のヨセフが選ばれた。
若い子だと処女性保護に不安があると解釈されています。

ヨセフはハネムーンもそっちのけに大工の出稼ぎ単身赴任
マリアは、義理の息子達と留守を守りながら針仕事に精を出します。
義理の息子達の年齢が不明ですが.....(当然間違いなんかおきません!)


以降の受胎告知からのエピソードは正典に詳しい。
なんともさまざまな示唆にとむのですが、
かの民族は母系だったのですかねえ。
父親は二代続けてなんとも役立たず...
まあ、オンナはオトコの代わりができますが、
逆は難しい。
今も昔も変わらない真実のようです。

2018年7月10日火曜日

法螺吹き伯爵シンドローム







なんでも病理になる昨今
代理ミュンヒハウゼン(法螺吹き伯爵の名前)症候群なる虚偽障害がある。
家族を病気とかに仕立て上げ献身的介護を見せつけて称賛されたい
なんて...
面倒なことを

この病気を患っているとされるニルス・ヘーゲル
デルメンホルストとやらの街の病院の看護師だった。
仕事が退屈なので、患者に患者に一服盛り、
緊急処置を施しては...
上手く助かり周囲の評価が上がるよりもバタバタと死んでゆき、不審が増す。
その数、二百人とも....

しばらく前に数名に対する殺人容疑で、無期懲役の判決が出た。
先日100名近い殺人容疑で追加起訴。
しかし、一人一人の事実認定をドイツ的厳格さで論議してゆけば
いつ結審するのか?
警察は、残りの百人あまりの立件もやめたわけではなかろう。

チャップリンならば、一人二人をバラすのは殺人者だが、
多数となれば...

コリン・ウィルソンは名著「殺人の哲学」で、
貧困からの犯罪から退屈からの犯罪へ、を論じる。
いまや、犯罪の実行者ではなく社会が病んでいると....


久保木愛弓なる被疑者
誤解を招くような物言いをあえてすれば、
歴史に残るシリアルキラーを数多生み出したドイツに比べると
倭国はまだまだこころ優しい...訳ではなくなって来た。
疑惑の死亡患者の合計は数十人に及ぶらしい。
報道だと、彼女はこのなんとか症候群ではなくて、さらに先を行く。

面倒から来る犯罪

全くと言って信用も信頼もしない精神病理学者たちは
如何なる病気に仕立て上げるのだろう。
さらに、正義がカネになる事を信じるジンケンハたちは
抱腹絶倒なファンタジーをでっち上げるだろう。


予防し難いのが内部の犯行
言い訳は聞きたくないが、雇い主だった医療機関は、
釈明記者会見はおろかプレスリリースすら出していない。
こっそりに名称だけ変更して営業再開。

逃げまくるN大の理事長を罵倒するならば、この医療法人の理事長だって
同じだろうとおもうのだが。
さらに上をいく卑怯さ!


全く予防できない訳ではない。
やれることをやらないから...

いまの倭国で、定期的にストレスチェックをやり、
病理的傾向の見られる関係者を職場から排除するシステムの導入が
できるかどうかは知らない。
ジンケン問題だと大騒ぎになる。
でも、ちゃんとやっている組織がある事も知っている。


ウィンチェスターハウスは事故物件?



不動産取引での重説(重要事項説明)は、宅建取引事業者の必須の責務であり
物理的瑕疵に加えて心理的瑕疵も含まれる。
しかし、心理的瑕疵の定義は曖昧で、裁判実務上確定したものも
なさげである。
個人差のある事項であり、やむを得ないとは思うが、
「心霊現象の有無」も含まれるのだろうか?
倭人は森羅万象に仏性があり神宿ると考えて来た民族なんだから、
霊魂とシェアハウスしてもむしろ望むところの筈だ。
英国ではホーンテッドハウスの方が自慢で高価格取引物件だと
言われる。
微妙ながら重説の対象だとの見解も有力だが、
司法はどう判断するだろうか....
実際のところ、建物の寿命もあってか、欧米と違い
これぞ!という幽霊屋敷がない。

洋画のあるジャンルがホーンテッドハウスもの
しかしながら、一番有名なウィンチェスターハウスが舞台になるのは
知る限り始めて。
場所はカリフォルニアのサンノゼ
あの一世を風靡したウィンチェスターライフル製造会社の
当主夫人が建設した風変わりな大邸宅。
別にゴーストが出るわけではないが、
製造したライフルが数多の人命を奪ったことへの贖罪意識からの
妄執的な建造である。
ノーベルのノーベル賞制定に動機は似ている。
が、歴史建造物に登録されてはいるが、全くの非建設的な所業である。
怨霊鎮魂というならば、法隆寺や出雲大社も然りである。

せっかくヘレンミレンなる大女優に登場願う以上
あれこれゾンビめいたものが悪さをしないと映画にならない。
お陰様でとんでもない駄作とあいなった。


ディムの称号が泣きます
こげな映画観るくらいならば、現地ツアーがまだまし。
しかし...13日の金曜日スペシャルナイトツアーが$49は高い!

2018年7月9日月曜日

軍娼あるいは軍中楽園



台湾映画が好きです。
多少面はゆいいい方ですが、キヨキヨしくてピュアなのです。
過去の日本の古風景めいたものに心安らぐ。
と同時に、心理の機微も時代感、生きる事の様までちゃんと描きます。
アジア系の良質な映像藝術に共通する初々しい大人感覚。
残念ながら倭製映画では最近はとんとお目にかかることは無い。

時代は五十年代始め
場所は台灣金門島
冷戦の最前線にある軍直営従軍慰安婦施設

特段、軍隊と性や強制連行とやらに興味を持つ映画ではない。
何処にでもあるヒトザルが生きていく上での取り返しのつかない紆余曲折が
いくつかのエピソードを折り重ねて描かれる。
台灣映画が避けて通れない本省人と外省人の葛藤も
重くもさりげなく....




挿入歌は耳の記憶に間違いがなければこれです。
54年の映画ですから時代的にはフィットするし、内容的にも。

金槌の為、精鋭部隊から軍娼管理に左遷された主人公の上司は
馴染みの娼婦と所帯を持ち餃子屋を開業

主人公の同期兵は苛めに耐えかね、馴染みの娼婦と
泳いで大陸へ(たった二キロあまり)天安門の前で二人にっこり

刑期を短縮するために娼婦稼業を務めるオンナは
晴れて恩赦で家族三人幸せに...


いずれも帰らざる川に帰れたらって夢想の世界の出来事。
現実は悲劇であることは容易に想像できる。
エンディングのかくありせば...ってシーンに涙腺はゆるむ。

2018年7月8日日曜日

双脚羊は美味らしい



ヒトザルは最後のお食事に何を食べる(食べたがる)のか?
死刑囚の最後の晩餐を見ても、その形而下学性に唖然とする。
こげなつまらないものを人生の最後に所望するとはなあ...
食い物で人格がわかるとは、確かに分かります。

馴染みの食べ物
懐かしい母親なり故郷の味
いわゆる手の出ない高級珍味
禁忌に触れる食材

思い浮かべるにこんなものだろうが、問題は最後。
容易に想像できるのはアレだろうが、果たして美味なのか?
斯様なものを食するのは禁忌であるとされるが...
つまり歴史的には常習的にヒトザルは喰っていた。
ある種の儀式性があったとも言われるが、よくわかりません。


二本足の羊さん嗜食テーマの藝術はあまたあります。
絶望的飢餓なんて有り気な背景であり、さして哲学的なテーマでもない。
しかし、実際に生じれば、三面記事話題になるだろうが、
カルネアデスの舟板理論の通り法律上の問題ではない。


格好の史実があります。
斉の桓公は五覇の一人に数えられる英雄でしたが、
グルメでもあったようです。
連日連夜の美食に飽きが来た桓公に、お抱えシェフの易牙が
とっておきの一品!

後世、この料理人は宰相にまで登りつめました。
後世の儒学者や史家はボロクソに難じますが、
一体何を非難したのでしょうか?

反倫理的な食材を堪能した桓公は非難されてません。
反倫理的な食材を提供したシェフは非難の的ですが、
非難の一点はその食材の出自のことだけで、
食材そのものは非難の対象ではない。

水滸伝にも、二本足マトン饅頭を提供する場面がありますから、
グルメな王侯貴族だけのものでもなかったようです。
何れにせよ日常性は見えても宗教・儀式性は全く見えません。
以外にも、調理のやり方とか部位の良し悪しとか
悍ましげな解説書があまたあるらしいが、
幸いにして目にしたことがない。
こうなれば、人類普遍の原理かどうかも疑わしくなる。

ここにおいても価値観の衝突は見られるのです。

2018年7月7日土曜日

阿漕ヶ浦に引く網も



77年
80年
83年

99年
02年
05年

15年
17年
19年(予定)

シリーズ9部作は、三作単位に概ね三年おきに
公開上映されてきたが、ディズニーに製作権が移ってからは
期間が短縮され、あまつさえ非公開年にはスピンオフ版が...

楽しい事、美味しいお料理も、阿漕ヶ浦の引く網のように
「度重なれば....」よろしくないのですよ。
日本円で七兆にも及ぶ巨額で買い取ったコンテンツ
休む間もなく稼がせたい気持ちはわかるが
そういうのを「アコギ」と言います。


出典により多少の異同がありますが、
何度も何度も度重なれば人様の知るところとなります...という趣旨の和歌

身分違いの高貴な方とお知り合いになれたもんで舞い上がり
毎日のLINE攻勢やらデートの催促
ウンザリしたら、さりげなく「一言」

阿漕ヶ浦に引く網も(度重なれば 人も知るらん)

意味のわからんのはアホ
同じ空気を吸う必要がない。
悟り距離を置くようだとすぐれもの
昼顔三昧の相手に不足はない。
蝸牛としては、この人生でせっかくの知見を駆使する場面がなかったのは残念(^^)


スターウォーズストーリー第二作に話戻して
第一作は全体のSW神話のミッシングリンクにうまくはまり、
フェリシティジョーンズも可憐で
スピンオフの成功例。
最後に全員が玉砕するから、後々の辻褄合わせが簡単でもある。
ところで、話題のハンソロ.....

二億五千万ドルの製作費とは思えないチープ感
SW神話全体への寄与度の少なさ
新しい役者さんへの感情移入が難しい

とかなんとか「カネ返せ映画」ですねえ。
時代的には、エピソード4よりはるかに昔です。
ダースモールが登場しますから、エピソード1の頃。
おなじみの呪文は全く、テーマソングもほんの少ししか登場しません。

FORCEの守りなくして興行の世界で勝てる訳はない!

2018年7月6日金曜日

メディアの勲章




広報と報道は違います。

しかし、これらは期待値であり、原初的に期待されない場合もあり得ます。
虚偽報道による名誉毀損を理由とする損害賠償請求訴訟。
その東京地裁の名判決の一節

---

被告◯◯のリポート記事の類は、
社会的事象を専ら読者の世俗的関心を引くように
おもしろおかしく書き立てるものであり
...本件記事欄もそのような記事を掲載するものであるとの
世人の評価が定着しているものであって、
読者は右欄の記事を真実であるかどうかなどには関心がなく、
専ら通俗的な興味をそそる娯楽記事として一読しているのが衆人の認めるところである。
そして、真摯な社会生活の営みによって得られる人の社会的評価は、
このような新聞記事の類によってはいささかも揺らぐものでないことも、
また経験則のよく教えるところである。
したがって、このような評価の記事欄に前記のような内容の記事が掲載されたからといって...

---

本当にお名前を存じ上げないのが申し訳なく
いったいどちらの裁判官さまがお書きになったのでしょか?
憶測のみで書けば、被告のレポーターと新聞社はかように主張し、
裁判官も密かに愛読しており、下情に通じていたのだ。
とりわけ後段の部分(そして以降の三行)は秀逸!

しかしながら、この当時からも権威主義的なヒエラルヒーのなかで
このような「名判決」は控訴審で覆されてしまった。
残念な事です。

ちなみに、レポーターは梨元某
新聞社は、東京スポーツ
原告はロス疑惑の三浦某


東京スポーツを報道と思っている向きはまずいない。
自らが、日付以外は虚報だと自負しています。
多少信憑性がありそうなのは競馬の予想くらい
なんちゃって、かの奇抜な一面見出し
実のなさは丸わかりである...
因みに

「マドンナ痔だった」
「聖子輪姦」
「フセインインキン大作戦」
「ダイアナ大胆乳」
「前田敦子ヌード」
「今井絵理子議員ノーパン疑惑」など

これ以上の引用は、品性の崩壊になりかねない(^^)
ネットのヨタ記事も同類であり、アホさ加減を嘲笑っていれば
いいのですが、最近の司法の判断は厳格なまでにマジメで困ったものだ。
品位の無さを通り越した罵詈雑言のたぐいであり、
法の保護を受けるに値しないトイレの落書き程度なんだが....


違うなあ...そういう事ではなく

読み手の知力が落ちたから、
虚実の判別がつかなくなったからと思い知るべきなのか。

また、虚報の類によっていささかも揺らぐものでないような
真摯な社会生活の営みからの社会評価を持ち得ないヒトザルが
多くなったからなのか

司法の判断(厳格には事実審)とは、社会の鑑であることだけは
今も昔も変わらない。



2018年7月5日木曜日

暴利をむさぼる映画「祭」



もう一度スクリーンで観てみたい!なんて惹句で善男善女から
使い回しのコンテンツで金員を巻き上げようなんて不届きだ。
学生料金の水準はいいとしても、シニアに対する敬老心がないのはきわめて不当!
それにラインナップにフィロソフィーがなく、TSUTAYAの今週のお奨め程度
本当に観たい(観るべき)映画の祭じゃない。

がしかし...なんという僥倖なのか!
若き頃のアンジェワイダ監督の伝説的大傑作が登場する。


灰とダイヤモンド


ももクロとかの楽曲だと思われると心外なので、リンク映像...がない。
とりあえずの代用品(^-^)



廃墟化しキリスト像が逆さ吊りになった教会シーンを背景に
モロローグされる詩歌を観賞し、夢想を逞しくしよう。
舞台は戦後のポーランド
主人公は、原作とは違い若きテロリスト


松明のごとく、汝の身より火花の飛び散るとき
汝知らずや、
わが身を焦がしつつ自由の身となれるを
持てるものは失われるべきさだめにあるを
残るはただ灰と、嵐のごとく深遠に落ちゆく混迷のみなるを
永遠の勝利の暁に、灰の底深く
燦然たるダイヤモンドの残らんことを




あと、チョット気になる作品は

裸の島
ソフィーの選択

2018年7月4日水曜日

いまどきの目安箱



行政の後押しも本格化しており、
とうとう内部通報制度の認証制度まで出来るらしい。
制度設計検討を行った有識者の報告書を拾い読むに...
URLからするにどっかの行政組織からの委託のようです。
民間企業に言う前に「隗より始めよ」ってご存知なのかな?


言ってみれば、吉宗の目安箱である。
どの程度効果的であったかは分からない。
実際に具体化された制度提案もあったらしいが、
行政組織が立案稟議し制度化すれば済む話でもある。

コミュニケーションツールの複線化を一概に否定するものではないが、
フォーマルな組織の風通しさえ良ければ、
不要なツールである。
つくっても機能しないシステムとは、そもそも無駄な場合、不味い制度設計
或いは使わなくても済むように組織全体が機能しているケースと両方ある。


いまどき、そこそこの大企業で内部通報制度のない会社のほうが稀。
横並び意識と何かあったら制度もないのか!と指弾される。
しかし、内部通報制度があっても不祥事が長年続く。
なければ明るみになることもなかったとも...
◯芝はCSR先進企業と言われたが、あのていたらく。
制度の素晴らしさとパフォーマンスがバランスするとは限らない。


コーポレートガバナンスコードは、企業統治の透明度向上効果が
あったとされる。
少し違うなあ(^^)
向上期待効果だ。
今回はそれらを下支えする効能も狙っているのかな?


そんな胡乱なやり方よりも、
不正には天文学的課徴金の負荷が手っ取り早い。
この辺りは、アメリカンを見習う方がいい。
公取委や消費者庁は、プロフィットセンターを目指すべきだ。
なんなら成功報酬型民営化でもいい。

独禁法違反の最高で売上高の一割。
欧米基準は倭国の十倍以上。
懲罰的ですが、リニエンシーがあるのだから
平仄を合わせることは不合理ではない。

2018年7月3日火曜日

コレクターあれこれ


倒錯は好きだが、猟奇は嫌いじゃない(^^)
言葉遊び風ですが、趣味の世界ではかなり広くて深い川があるのです。

1965年版 The Collector
1997 Kiss the Girls
2012 The Factory
2017 The Body Collector

コレクターなんてタイトルはなんかそそるものがあると
プロモーション屋さんは考えるみたいで、
英語タイトルそっちのけで何度も使い回し。
嚆矢となったワイラーの映画的倒錯に及ぶものはなく、
あとは優れて猟奇派である。

次は女子大生の連続誘拐殺人
三番目は娼婦の監禁殺人
どっちもほとんど記憶がない。


さて、最後だけは.....ナチス告発実録映画
ピーターメンテン事件をドキュメンタリータッチで描いたオランダ映画。
大衆受けするエレメントにかけますから、
悲しくなるような興行だったようです。
オリジナルは、オランダ語で「メンテン裁判」
Zaak なる単語は、Case みたいなもの

英語圏でもこれじゃ受けないと思われたようです(^^)

オランダ人大富豪のメンテンは戦争中にポーランドで
ナチスの片棒を担ぎ、美術品の簒奪やら大量虐殺で手を汚した。
戦後三十年が経過し、ユダヤ系ジャーナリストの執念で
最高裁で実刑判決が下った。


お話の展開はかなり映画的なので信用が置けないが、
悪業の割には処罰は軽いし、
権力とカネさえ有れば判決だって買えるといわんばかりで
オランダの司法制度って後進国レベルなのですかねえ?
被告代理人は、物証の捏造や偽証やらなんでもありがまかり通る。


リーガルサスペンスとしては極めて良質です。
正義は実現しましたが、カタルシスには程遠いというエンディングが
プロ仕様...

2018年7月2日月曜日

足はなくとも下駄の音



因果応報と言えば湿度高めな感じがする。
中華的な表現だと...人間万事塞翁が馬
怪力乱神を好まないとされるチャイニーズらしいが、
怪異譚の説話を持たない民族があろうはずがない。
怖いもの見たさはヒトザルの本性
しかしながら、しつらえ方に差異がでるのは当たり前だ。


怪談牡丹灯籠


原作は明代の説話集に由来し、明治の名人噺家円朝師匠の
作品である。
実際のところ、幽霊のお露さんに浪人新三郎が取り憑かれる
処は怪談噺だが、
糾える禍福のように因果がめぐるおはなしの部分には
怪異性は乏しい。
新三郎が天涯孤独の設定だから、相関図の中心部に
なり得ないが、主人公というまずい設定。
オリジナルは幽霊話だけだったが、因果話の枝葉をつけすぎたのだ。
それを思えば、同じ円朝師匠の真景累ヶ淵の出来栄えは実に素晴らしい。


流し目に狂気の宿る白石加代子さんの百物語の
アンコール公演
梅雨の最中に涼を求めてなのか....補助席まででる活況
加代子さんの一人語り芝居
あまり客筋はよくなくて、右のオッチャンは原作の粗筋に無知のようで
話の展開について行けない。
単なる幽霊話だと思っていたのだろう。
左のおばちゃんは生来のファンなのはいいけど、
加代子さんの語りにいちいち相づちを打つ。

なんや、知らなんだわ
そんなこともあったんやなあ
ほんまに半端ないわ

無知さらけ出すなら人様の居ないところでやってよねえ


三大怪談噺と言われるが、怖さにかけてはお岩さんには
叶わない。
あと一つは...なんだろう?良く知りませんから話は飛ばして^_^
怪談噺というよりも因果人情話。
改めて原作に目を通したが...これがハッピーエンドだとは!


日本の幽霊には足がない。
理由は知りませんが、円山応挙の幽霊画を嚆矢に
そういう約束事になっている。
カランコロンと下駄の音を立ててお露さんが忍んでくる不可解さ
原作では....やはり幽霊には腰から下がないと円朝師匠は書いてます。
しかしカランコロンと下駄の音。
なんともこのあたりが一番不思議的に怖い。



2018年7月1日日曜日

本当は恐ろしい三十一文字



家元制度の頸城とは恐ろしいもので、奥義や秘儀は
和歌の心に化体される。
詩歌が生活の一部だからなんだろうが、今となっては
いささか勿体ぶった...としか思えない。


蝸牛の習い事には譜面台(見台)が不可欠
台の左右に文様がありまして、

左が八分の月
右が瓢箪

になるようにセットするのが正しい。
逆にしようものなら破門されても文句は言えない。
其処にはある奥義がある...とされます。

宗家9代目の辞世の句

わが宿は 
菊を籬(まかぎ)に露敷きて 
月にうたふる瓢箪の声

謡を謡うときには「瓢箪のようにお腹を膨らませ、
口を締めて八分目に謡え」という教えが込められているとの事
凡俗の弟子としては「なるほど!」と感じ入るだけ。


先程まで、茶本をパラパラと拾い読みしていましたが、
ふと気になり...
なんだい!南方録って偽書なんだって。
真剣に読む気がなくなった。
それらしく、茶道の真髄なんて難解だなあと
思いつつも、内心はもったいのつけすぎだよ。

見渡せば
花も紅葉もなかりける
浦の苫屋の 秋の夕暮れ

武野紹鴎いうところの茶の真髄だって。
侘び茶のこころと言われればそういう気もするが、
この歌って元来シュールなのよ。

季節は秋なんだから、花は桜のはずがない。
秋の七草と理解するのが常識的なのだが、そんな解釈をする
解説書は皆無だ。
秋に桜はないのが当たり前...
ではなくて、実は秋桜(コスモス)のこと
室町期にコスモスがあったのだ!
きっと南蛮人が伝えたのですよ。
しかし、この和歌は定家の大傑作だとされます。
しからば、日宋貿易に由来するはずだ。
熱帯アメリカから、後のルートは分からんが、中国伝来
通説では、明治の頃に輸入されたとされるが、
そもそも通説なんてあてにはならない(^-^)