2015年7月31日金曜日

声だけで登場



オンザハイウェイ
チャイルド44
マッドマックス

主演作品が3本も同時公開とは、稀有の事。
英国人ですが、RSCでも、オックスブリッジ、グラマースクール出身でもないので、
エリート映画・演劇人は無理っぽい。
大スクリーンでの公開作品は、なんとか共演者の力量に支えられていた。
忸怩たるものがあったのか、一人映画に挑戦(笑)

一人芝居は、真っ当な演劇のジャンルとして確立しているが、
一人映画?ネットでくぐれば、アホたらしい(苦笑)
お一人様で映画を観にいくことの是非。
映画は一人で見るものです。
デートに映画鑑賞なんて、最低のコース。


まあ、そんなことはさておき、登場人物が一人だけって映画は探せばあるもの。
しかし、まったくのモロローグだけってさすがにシンドくて、大抵は電話の相手方が登場するという設定です。

主人公の「トムハーディ」は、高層ビル建築の現場監督。
とあるアクシデントが発生し、彼は全てを投げ出して、ロンドンに車を飛ばす羽目となる・・・・

問題の彼女から
現場の部下から
家庭から、妻と子供がかわるがわる・・・

それぞれに、難題やトラブルが降りかかる。
主人公は、BMWで86分間、運転し、モバイルフォンで会話をするだけ。
閉じ込められた密閉空間でのサスペンスという設定は脚本の妙味です。
しかし、フォーンブースから出られなくなったコリンファレル主演の映画が
かつて有りましたなあ。

どっちも、電話が命綱だったり、生死の分かれ目だったり・・・マクガフォンとして巧みな使い方です。
大昔は、宅電だったし、ダイヤルMを回すような暗喩だけだった。
だから、リメイク版はこれ以上もなくつまらなかった。


エンドロールでは、出演者の配役が並ぶのですが、一応「声だけの出演」も。
声だけの出演って、映画人のキャリアとしてどう評価されるんでしょう?




2015年7月30日木曜日

入谷の里の侘び住まい



何故だか箱根の向こうは「谷」を 「や」と発音する。
真っ当な和語の世界だと「たに」に決まっているが、多分に夷の言葉なのだ。
唯一的に例外は「鴬谷」であるが、これには理由がある。本論とは関係ないし、
毎度話題にしていますから、再掲はしない。

入谷という以上、かつては低湿地帯だったにちがいない。
平成の世では、普通の下町で、鬼子母神と朝顔市くらいしか名物はない。
大層な由来でもないが、江戸後期での、下級武士のアルバイトで始まった変わり朝顔の栽培。
いまとなっては、近隣に朝顔栽培農家なんか影も形もなく、江戸川区あたりから持ち込まれるそうだ。
鬼子母神界隈の朝顔市は、なかなかの活況であるが、別に鬼子母神が朝顔との
縁があるわけでもない。
蜀山人に由来する「・・・おそれ入谷の鬼子母神・・・」なる地口でちょっと
名がしれているって程度ですので名刹っていう風情もない。

更に言えば、雑司が谷もそうですが、鬼子母神の「鬼」にツノをつけるのは
仏典の記述に従い、間違いです・・・そういう漢字がないので致し方ないが、
その程度の説明すら正確に書かないウエッブサイトは困りもの(笑)

まあそんなことはいいのですが、この地口が蜀山人に由来するとは
まったく知らなかった。
蜀山人私家集を紐解くに・・・放歌集なる歌集にありましたねえ

いまさらに 恐れ入谷の きしも神 あやうく過ぎし 時を思えば

背景説明がないので、状況がわかりませんが、なんか霊験新たかなことがあり、
鬼子母神様の御利益に恐れ入ったが、いままではそんなことは露知らず、あらためて・・・ということのようです。

ネットの知ったかぶりでは・・・

恐れ入谷の鬼子母神
びっくり下谷の広徳寺
なんだ神田の明神様

とかなんとか親父ギャグが延々と続きますはが、これも蜀山人の作だとか?

多分ですが・・・巷間のダジャレが先で、それを蜀山人が援用したという方が正しいように思えます。
この手の物言いは

あたり前田のクラッカー
その手は桑名のアンルイス
嘘を築地の魚市場
嫌じゃ有馬の金のお湯

いくらでもありますからねえ(笑)





2015年7月29日水曜日

ふるさと納税をやって、田舎議員になろう!



実のところ「ふるさと納税」自体が、奇妙でテクニカルな制度であり、あまりにお気に召さない。
寄付金税制と所得税額控除を組み合わせた奇形児であり、
すんなりと寄付金税制の抜本改革をやるほうが気が利いている。
寄付金を沢山受けたいって思う地方自治体が地元名産品を寄付額に応じて寄付者に贈呈するのは、
それは勝手というものです。


しかし、制度が多少使い勝手が良くなったからか、
プレゼントがマーケットニーズに合致するからか知らないが、
年間150億円近くの寄付金があるらしい。
制度がある程度定着し、疲弊する地方財政に一定の下支え効果があるってことより、
奇天烈な瓦解寸前の地方議会支援策が一部で話題を呼んでいる。

曰く・・・ふるさと納税議員制度

簡単にいえば、ふるさと納税をすれば、その地方自治体での選挙権と被選挙権を与えるという
仕掛けである。

はっきり言えば・・・バカバカしい(笑)
詳細な制度設計は、今後議論されるのかもしれないが、
これまた選挙法制の不備に起因するものであり、そっちを改正するのが王道だろう。
改めて「被選挙権の要件」を眺めていて、ちょっと驚いたのですが・・・

国籍条項
年齢条項
非適格条項(犯罪歴等) 等は公職選挙法に記載されてることは了知しているが、
居住条項の縛り・・・つまり「その選挙区内に住民票が一定期間登録されていること」
までは気が付かなかった。

以下「居住条項」の適用の有無(多分間違っていないはず)

衆議院議員総選挙 :無
参議院議員通常選挙:無
都道府県議会議員 :有
都道府県知事   :無
市区町村議会議員 :有
市区町村長    :無

どうして地方議会の議員だけに「居住条項」が必要なのかよく分かりません。
地方自治の精神からすれば、非居住者が選挙権を行使することは如何と思うが
非居住者であっても居住者がその見識・能力を認めて議員活動をやってもらって何が不都合かと
思うのですよ。
そもそも有為な人材が不足し、人口減の中でなり手がおらず、四苦八苦している現状を見れば
新制度をあれやこれやと今から議論するより、公職選挙法をちょこっと改正するだけでいい。


なにか「反作用」があるだろうか?
なくはないだろうが、瑣末な問題でしかない。

都会から片田舎まで非居住者議員が議会活動をやるための交通費なんかどうする?
議会は土日とか夜しか開催ができなくなる?

この程度は知恵を出せばいい。
過日、東京都の区議会で「筆談議員」が登場したが、
なんとか関係者全員が汗をかき、知恵を出して工夫してやっているようですよ。



そうそう、ふるさと納税制度にからめて「選挙権」を与えるのは憲法上如何かと
思いますよ。

憲法93条2項
地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、
その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。
  ^^^^^^^^^









2015年7月28日火曜日

鎮魂




 
日本の夏は・・・○○の夏じゃなくて、花火の夏。
こまめに探せば、夏の期間中、どこかで必ず「花火大会」
観客の数とか、打ち上げるの火玉の数を競うのもいいが、
なんちゃって歴史と伝統に裏打ちされた「隅田川花火大会」が堂々のグランプリである。

先週開催された大会が第38回。
たかがというなかれ(苦笑)
亨保の時代の大川の川開きに端をなす両国の花火大会の歴史を引き継ぐ由緒ある花火大会。

ものの本的には、亨保の大飢饉の犠牲者の供養を兼ねての花火という触れ込み
さすれば、主催・共催・後援に、回向院やら浅草寺が名を連ねるべきですが、
公式HPには・・・近隣の営利企業群ばかり
市民の方々も「協賛・・・要するに運営費の拠出」できるようになっており、
協力すれば、指定観覧席が確保できるらしい。
東京マラソン並みに大人気で、抽選だとか・・・・
数千円強を支払ってまで、見る価値が有るかどうかは知りませんが、
人出予想は、ざっと百万人。


我が寓居は、浅草のハズレですが、
方角的にちょっとベランダからの観覧は・・・ちょっとしんどい。
どうせ、協賛メディアの某局が中継をやってくれる。



亨保の大飢饉(1732年)は、江戸四大飢饉の一つであり、不順な天候が西日本全体を襲い、
お米の収穫高は、平年比70%減という悲惨な事になった。
餓死者の数は・・・よくわかりませんが、藩から幕府への報告は過少報告ですので、
公式記録はあてにならない。
推計百万人とされる。
その結果、翌年には米価暴騰を理由にコメ一揆が相次ぎ、
吉宗は、いわゆる「享保の改革」を推進し、米価対策に腐心することになる。
しかし、世の中メクラ(あえて差別用語使いますが・・)ばかりでもない。
飢饉対策としてサツマイモ栽培を推進していた藩もあったらしく、
その後、日本中に栽培が広まることになった。

にもかかわらず、飢饉と一揆の繰り返しが江戸時代の風物詩
天候不順を含め天変地異は「政治の不徳」のいたすところというのが東洋的統治観

無辜の霊にぬかずき、
徳のいたらなさを詫び、
明日への誓い      ・・・をおこなってこそが「有徳政治」というものである。
宗教者も、こういう時に働くためにいつもは無為徒食でいてもいいのです。
単に観光資源だけとソロバンをはじいたり、嬌声を上げるだけであればバチが当たる。




2015年7月27日月曜日

白鳥の歌なんか見たくもない。




この世のものは、堅牢な大伽藍だって精緻なシステムだっていつかは・・・
その終末を美しく表現すれば・・・「神々の黄昏」

 
ワーグナーの楽劇
ヴィスコンティの「ゲルマン三部作の最終盤」
ゴルゴ13のある作品名

 
いずれもが、荘重・壮大な崩壊劇であり、その先に廃墟美の幻視を見る。
言葉の出典は北欧神話に由来する。
満を持しての登場が、ロシア人巨匠(らしい)監督の遺作・・・「神々のたそがれ」

 
原作は、ロシアのSF小説  HARD TO BE A GOD
語感からすれば「神様稼業ってつらいわ」かな?
人類と宇宙人との交流譚というのは、ありげなストーリーですが、ちょっとヒネリがきつくって
800年程度進化したヒトザルが、暗黒中世のような地球人そっくりな時空を訪れるって設定。
焚書坑儒に明け暮れる未開の「そっくり地球」で、神の振る舞いをする「ホンモノ地球人」
その交流の果てにあるものは・・って展開が、残忍・猥雑・不潔なモノクロ画面一杯に三時間弱
カラーでなくてよかった(苦笑)

 
高名な極私的映画愛好家は、こぞって「絶賛」しますが、
あのキューブリックの「2001年宇宙の旅」の時のように
 
なんだかよくわからないけど褒めとこう・・・って感じです。


監督は過去は共産主義政権から映画製作を許されず、
結果、寡作であり、この作品は15年の歳月をかけた遺作という触れ込み。
死者に鞭打たないのが倭人の美徳。
死ねばブスでも「美人なんとか」って大衆週刊誌の見出し


製作国がロシアですから、ロシアのアカデミー賞(そんなものがあったのか?!)で
主要な賞を複数獲得しています・・・が、西側の映画祭では見向きもされない。
各地の単館を転々と上映行脚中ですが、怖いもの見たさのマニアがそれなりに押しかけているようです。



目覚めない愚昧な連中を啓蒙し指導してやるって感じの上から目線風は、
一時期の左翼運動家にありがちな風景。
最近は、市民運動家を標榜するが、手口ですが、本質はプロ活動家です。
エリートが大衆を指導するのが革命であり、
大衆だけでは暴動一揆に過ぎないって豪語したのはレーニンでした。
確かに、歴史は有象無象の民衆だけでは動かないが、
動かないことを承知のうえで、歴史は人民のあくなく闘争でありなんって態度が気に食わない。

 
この映画にもそんな臭いがするところあり、気に召さない。
もう一度じっくり見れば、多少印象が変わるかもしれないが、あらためては見たくはない。




2015年7月26日日曜日

元寇あるいは蒙古タンメン「不食」運動






最近の歴史教科書はもとより、歴史学術書でも使わない歴史表現となってしまった。
「蒙古襲来」というのが一般的のようです。

でも、襲来とは、単に襲ってきたって雰囲気だし、蒙古にいたっては、モンゴル高原に居住する遊牧民に対する漢民族的蔑称です。
言わば、野蛮人が野荒らしにやってきたというニュアンス。
実際は、元と言う史上最大規模の国家の意思による戦争或いは侵略行為以外の何物でもない。
「元寇」とは、元と言う国家による侵略行為という適語表現そのものです。
しかし、いささかこれでも不正確でして、元とその属国である高麗連合軍による渡海侵略というのが正しい姿。
朝鮮族は渋々嫌々加担させられたって、ことになってますが、身勝手な自己弁護。
十三世紀に中韓連合軍が倭国を侵略して大失敗したというのが正しい歴史認識です。
侵略軍のとりわけ朝鮮族の蛮行は、壱岐対馬をジェノサイト化するほどの残虐なものであったと史書には記載されています。
同じことを越南でも後世やったらしい。
その後の倭寇とは、当初はその報復もあったとされますし、最盛期はむしろ中国人をリーダーとする海賊行為というのが正鵠を得ています。

所詮戦争とはそんなものであり、無辜の民草が被害を受けるのはどっちこっちない。
倭軍は、中国でひどい事を・・・多分やったんでしょうが、戦争で外国軍にひどい目にあったのは、歴史上沖縄だけじゃない。
文禄慶長の役だって、立場を逆にする倭国対中韓連合軍との戦いである。
ナンチャラ倭乱なんて、認識のズレがひどすぎる。

報復の連鎖を声高に罵ることは未来思考とは程遠い。
歴史に無知であってはいけないが、正しく理解することですよね。
古人曰く・・・

因果はめぐる水車。禍福は糾える縄の如し

そういうことで、支那同様に差別的な蒙古という表現を使わないって運動があるようですが、
歴史認識がこの程度ですので関係者の努力は当面実りそうもない。
支那そばがダメで、蒙古タンメンが問題ないって思っているうちは論外(笑)

2015年7月25日土曜日

法悦の一夜に、浄化せよ。




Amendment II

A well regulated Militia, being necessary to the security of a free State, the right of the people to keep and bear Arms, shall not be infringed.

古風な英語というのは、解釈も多岐多様なのか、合衆国憲法修正第二条。
銃規制を阻む最強の砦とされる。
これらの権利章典とも言うべきアメンドメントが批准されたのは、発議された1798年から三年後。折しも、大革命の頃。なんらかの歴史的な符号がないと思う方がどうかしている。

銃規制に関して、全くのフリーを主張する向きは少数派だといわれるが、市民の
武装権そのものを否定する立場の者も少ない。
これは、建国の理念の一部であり、否定することは、建国の父たちの理念そのものの否定につながる。
市民の武装権と言えば、剣呑であるが、言い換えれば人民の抵抗権の担保である。規律ある武装する民間人は、自由な国家の安全のために不可欠・・・とは、
けだしそういうことである。過度な銃規制に慣れてしまえば、それが当然視されるが、その一方において国家の暴力に市民が対抗できないというリスクすら忘れる。

さりとて、年間三万人以上が銃の犠牲者である。
交通事故死をうわまわる数らしいが、半分強は自殺、銃殺人は四割程度に過ぎない。銃が手元になかったら、自殺も人殺しもしないのかって・・・?
これはなんとも言えない。
なんにしても、稀ではあるが、銃による大量殺人事件は国論を揺るがし、バイアスのかかった論調で国際的にも非難されることは統治者にとって面白いことではない。
そこで、未来の新しい建国の父は、奇妙でおぞましい法律を成立させることで
犯罪率と失業率を一挙に、そして劇的に改善することに成功した。


ヒトザルは、動機と機会と・・・・自己正当化の三要素のなかで行動する。
年にたった一度、十二時間だけ全ての殺人が違法でなくなる・・・
年に一度の殺戮の祝典。
楽しい、村祭りや歌垣があれば、ヒトザルの獣性はその時だけ解き放たれ、
後は、理性と慎みの中で平穏に生きてゆく・・・

それらを担保するのが、合衆国憲法修正第十一条。
追加された人民の権利。

THE PURGE




こんなエクストリームスリラーに熱狂する人種には、銃規制なんてそもそも
無理だわねえ。
R15+が興行一位なんかになるって稀有のこと。
翻って、東洋の平和な島国。
少数のシネコンで上映中ですが・・・客足はまばら、いまんとこ。

みなさん、戦争促進法案反対のデモに忙しいのかねえ。






2015年7月24日金曜日

朝焼けの色はいつから「茶色」になったのか?




茶色が連想させる抽象的イメージとは・・・

安心感
安定
頑固
堅実
重厚
素朴
地味
伝統


一言で言えば「保守」のイメージ。
一部にグレン・ミラーの「茶色の小瓶」なんかを思い浮かべるだろうが、
それは潜在的なアルコール依存症の傾向を表す。
民族的にも、ラテンやノルマンよりゲルマンとかスラブのイメージ

倭人には馴染みの少ないカラーであるが、
EU諸国(とりわけ仏蘭西国)ではあの「ナチスの褐色の制服」を連想させるらしい。
ネット(日本語版)であちこちクグッテみても、そういう記述には皆目見当たらない。
従って「茶色の朝」っていわれても、その寓意性を感じ取るのは難しい。
仏蘭西ではベストセラーになり、倭国でも翻訳が出たようであるが、社会現象にはならなかった。
お節介にも「倭国の朝も段々に茶色に染まりつつ・・・」なんて書き散らす
某国の国粋的サウスポー新聞もあるようだが、社会の木鐸たる大新聞の多くは「黙殺」したようである。


そもそも的には、原作者のフランス人は、国民戦線(フランス民族主義極右政党)の躍進への
強い懸念を示すためにこの短編寓話を書いた。
1998年のことである。
各国で出版されたが、EU諸国での保守(右派)の台頭に歯止めはかかったわけではない。
一本のペンの力で歴史を動かすことは可能だが、
それはそういうような「時代の要請」が潜在化している場合に限られる。
識者の「強い懸念」にもかかわらず、時代はそのような「危惧」を共有してはいないのだ。

識者は「上から目線」で言うのですよ。
自己保身・他者への無関心等の事なかれ主義的な惰性の日々の積み重ねが
ファシズムを拡散するって・・・
別に大義は「革新や左派」にだけあるってもんでもない。
労働者・市民の祖国だか、地上の楽土だっけ・・・幻想は破綻している。
グリーンゾーンにいながら「啓蒙」してやるって態度だから、最後の最後で共感を呼ばないのだ。

あの暗い時代は二度とゴメンだ・・・って、迎合した後知恵めいた物言いにも困る。
むしろ戦争の時代を積極的に礼賛し、加担すらしたでしょう。
識者って言われる方々って、基本的に信用も信頼もされていないのですよ。
信じて用い、頼った結果があのざまですから・・・



しかし、寓意に満ちたこの短編は実によく出来ています。
全文と言っても、この程度

http://www.tunnel-company.com/data/matinbrun.pdf

啓蒙された誰かさんが苦労してPDFファイル化したんでしょう。
その点には感謝します。
また、インスパイヤーされた12分間のアニメも素晴らしい。
予感させることは「茶色の朝」のつぎには「水晶の夜」・・・・だろうか?
あるいはシベリア送り

ただただ言えることは、空気や風に流されず思考停止状態には陥らないことです。
自分の頭で考えて・・・それが正しい答えだったかどうかは歴史が教えてくれますって
サイレントマイノリティは思うわけです。





2015年7月23日木曜日

悪いチャレンジ 良いチャレンジ


三百ページにも及ぶ「正式報告書」を精読することは大儀だし、
まずもって知りたいことは・・・

何が起こったのか?
何故起こったのか?
誰が起こしたんだ?
だったらこれからどうするんだ?   ということに尽きるのですが、

予想通り、隔靴掻痒の感があり、真相は明らかになったとも言い難い。

実際に何が起きたのか。「粉飾」ですか?「不正」処理ですか?「不適切」処理ですか?
報告書的には「不適切」という表現で統一されていますが、メディア的には「不正」表現が
散見されますし、はっきりと「粉飾」とも・・


そもそも的にはこの「調査委員会」なるものは何なんでしょうか?
日弁連の公表資料によれば・・

--
企業等が調査の精度や信憑性を高めようとするため、
弁護士に対し内部調査への参加を依頼する「内部調査委員会」

経営者等自身のためではなく、すべてのステーク・ホルダーのために調査を実施し、
それを対外公表することで、最終的には企業等の信頼と持続可能性を回復することを目的とする、
企業等から独立した委員のみをもって構成され・・必要に応じて具体的な再発防止策等を提言する
タイプの「第三者委員会」
--

という2つのタイプがあるようですが、実際上は白黒がきっちりとつくものではない。

--
・・日本弁護士会の定めるガイドラインに準拠した、東芝と利害関係を有しない・・専門家から
構成される第三者委員会を設置・・
--

報告書にはこのように記載されています。
素直に読めば「日弁連のガイドラインに準拠した第三者委員会の設置」ということになるのですが
後段の方では・・・

東芝からの委嘱を受け、東芝のためにだけに行われ・・・
第三者に依拠されることを予定せず、第三者に対して責任を負わない。
日本語により作成され・・英語版につき何らの責任も負わない


形式・手順だけは第三者委員会を標榜しながらも、結果部分は内向きの報告書ということになります。
それに今後予想される海外も含めた訴訟対応に相当神経を使っています。


何が起きたのかは克明です。
しかし、これ以外に何も問題になることがなかったということを表明するものではない。
あくまで「委嘱された調査対象の中で起きた」ことという限定付きです。


発生理由は・・・チャンレンジですか(苦笑)
一般的な前向き表現が一夜にしてネガティブ用語になったのはお気の毒としか言い様が無い。
利益追求は企業の本能ですから、報告書ではそれを咎めてはいない。
その方法論を咎めているのですが、
記者会見では「誰が・・」ということも含め質疑が咬み合わないっていうか、お座なりです。
サクラ質問とまでは申しませんが、事前の答弁練習の範囲内に終始したようです。
本当にメディアは勉強不足です。


だからこれからどうするんですかって部分も「一般的」
眼から鱗って提言はありませんでした。


別にエキセントリックな提言でなくともいいのですよ。
今回の「提言」に限らずですが、心底理由なり責任なりを自覚しないと真に血肉にならない。
今日の東京市場は、全体の地合いも悪いのですが、この社の株価もピリッとしません。
チャレンジが足らないって、市場は感じています。

2015年7月22日水曜日

アメリカ版AKB商法





ニッケルオデオン
パルプマガジン
アメコミ


英語が拙く教養がなくてオカネに困っている移民階級相手の「低俗」文化の極みには
アメリカ発祥が多い・・・のがけだし歴史的にそういうことなのですよ
別に下流文化だって、時代の空気に合致し、支持者が増えれば段々に洗練もされてくる。
今となっては、これらの潮流を抜きにしてアメリカンは語れない。

ハリウッド映画は、いまや一本あたりの直接原価(制作費)は軽く1億ドル
投資の経済性評価なんて観点から言えば、極めてリスキーな投資。
なもんで、なにかとリスクヘッジをかけまくる・・いまや最先端の投資ビジネスの戦場

カストリ雑誌まがいの通俗月刊誌がパルプマガジン。
しかし、アメリカ文学史に登場する有名作家連中で、ご縁のなかった人物は極めて限定的・・・
彼らだけだと文学史にならないくらい真相な風景。
さすがにノーベル賞作家はご縁がなさそうだが、そもそもノーベル賞作家は文学史的に
意義のある人物はいないというのが我が暴論「苦笑)


さて、漫画といえば・・・マガジンにサンデー(女の子向きにはフレンドにマーガレット)
っていうのはちょっと世代が古いが、
アメコミならば、未だにツインピークス状態で、DCコミックとマーベル。
 
スーパーマン
バットマン    がこれまたツインピークスですが、いずれもDCコミックのヒーローたち

ダークサイドヒーローな部分を持っているところがウリであり、
倭風では、漫画の世界ではあまり見当たらないところが、読者層の違いだろう。
そのような読者は大衆文学とかトーキーの世界に行ってしまうので
眠狂四郎とか机龍之介という雰囲気であり、更には任侠の世界につながる。


雑多な二線級のヒーローを特徴とするのが、マーベル・コミック

スパイダーマン
キャプテン・アメリカ
X-メン
デアデビル
ハルク
ファンタスティック・フォー
アイアンマン
マイティ・ソー
ゴーストライダー
トランスフォーマー

映画されたヒーローだけでもこれだけ
さすがに全部は見ていませんねえ
単品でセンターが張れるのは「スパイダーマン」だけでして、どうもあとは線が細い、
なもんで・・・セット販売で何とか商品になれるってたぐいですから・・・

アヴェンジャーズ(最新作)

苦肉の策も、結果としては卓越したマーケッティング
3億ドル近い制作費でオフィスボックスの値は15億ドル
内容はといえば・・・入れ替わり立ち代わり「吾こそは主役」って感じで暴れまわるんですが
半分近く爆睡状態でよく覚えていません(苦笑)
チーム結成以来のメンバーの一部は「卒業」しますが、キャラクターは無尽蔵なもんで
新しいユニットであと二作までの計画があるそうな・・・
死にそうなくらい暇ならば、足を運んでもいいようなたぐいですなあ。














2015年7月21日火曜日

保険金目当ての・・・さまざま





今となっては廃止された商法の懐かしい規定

第六百八十条 
左ノ場合ニ於テハ保険者ハ保険金額ヲ支払フ責ニ任セス

被保険者カ自殺
決闘其他ノ犯罪
死刑ノ執行         ニ因リテ死亡シタルトキ


現在では保険法51条にその趣旨は移行されていますが・・・微妙に違うなあ

第51条
死亡保険契約の保険者は、次に掲げる場合には、保険給付を行う責任を負わない。

1)被保険者が自殺をしたとき。
2)保険契約者が被保険者を故意に死亡させたとき・・
3)保険金受取人が被保険者を故意に死亡させたとき・・
4)戦争その他の変乱によって被保険者が死亡したとき。



実際上は各保険会社の約款の定めによりますので、なんとも言えないのですが・・・
ざっと見た限り「死刑の執行により死亡した場合を保険金支払いの免責」にしている例はない。
4項の「変乱」に該当するか?って思うに、噴火・地震・津波なんかを想定しているようです。

いささか釈然としないのですが、自殺をする勇気もない卑劣な輩が保険金目当てに重犯罪を犯し、
動機の説明もせず(大抵は心の闇ってことになる)公判では
早く死刑にしてほしいって裁判官に訴える・・・
実際上は、確定判決以降刑の執行までの時間が長く、被保険者あるいは保険金受取人が
その間保険料を払い続けるって奇妙なことが起こりえないし、
起こり得たとしても「その他保険金を支払わない事情」に相当するってことかもしれません。

また、極めて稀ですが、SITとかSATに射殺されても保険金は支払ってもらえるみたいです。
犯罪発生の背景次第ですが、死刑狙いよりこっちのほうが「確実」かも・・・・?


自殺をした場合でも、保険契約時期・期間により保険金が支払われる。
しかし、大昔は法律の規定通りの約款であったが、保険金が遺族の生計の柱になるとか
自殺行為自体がある種の「病苦」だという理由で、時期は不明ですが改定された経緯がある。
某保険会社によれば

平成12年以前の契約は責任開始期以降「1年」
平成16年 同上          「2年」
平成16年以降の契約は       「3年」 とされる。

つまり「武士の情け」みたいなもので、保険金支払条件を緩和したものの、
どの程度かよくわからないし、情報開示もしていないが、「不都合な事態」が生じ、
期間の延長を度々行ったということみたいです。
この「不都合な事態」について、深く言及はしませんが、いささか暗澹たる気持ちになる。
期間延長と自殺件数との因果関係は・・・よくわかりません。

日本の自殺者の数は先進国水準的に極めて高いとされる。
理由は、病苦、精神疾患、生活苦・・・の順番らしい。
時系列的には、成長期とか、平均寿命の短い間も自殺件数は少ない・・・かどうかはしらない。

しかし、自殺者は圧倒的に「男性」である。
世間の荒波に対峙するプレッシャーだか、過剰な自意識だか、立場上の責任感か・・・
様々のようですが、ダイバーシティとの関係を表す適当な統計はなかったなあ。


大昔には、哲学的苦悩からの自殺って結構あったのですが・・・今どき流行らない。
なんにしても「命と引き換えにするようなもの」が今のこの世にあるとは思えない。
と思いつつも、若い世代の悲惨な事件が相次ぐ。

この手の世界では「ウエルテル効果」なるものがあり、連鎖自殺が横行するそうな・・・
WHOによれば、報道の仕方で「自殺防止」が図れるとのことで、曰く

■すべきこと

事実の公表に際して保険の専門家と密接に連動する
自殺は自殺成功とではなく自殺既遂と呼ぶ
関連する情報だけを中面記事として公表する
自殺に代わる手段を強調する
電話相談や地域の支援機関に関する情報を提供する
危険指標や危険信号について周知させる

■すべきではないこと

写真や遺書を公開しない
具体的で詳細な自殺手段を報告しない
単純化した理由付けをしない
自殺を美化したり、扇情的に扱わない
宗教的な固定観念や文化的固定観点を用いない
悪人探しをしない


一見するに、若者の死亡原因の第一位で半分近くが「自殺」らしいが、
けだしそういうことらしい。
かつて、マンションから投身自殺をしたアイドル歌手
事務所は、そのあと、遺作と称して・・・「さよならのバルコニー」
当時は、眉をひそめる程度でしたが、いまだと、さすがにそこまでは・・・










2015年7月20日月曜日

何度も帰ってこなくてもいいから(苦笑)





今回でシリーズ五作目。
サーガ(神話)としてのフレームが元々脆弱だったようで、苦し紛れの「ひねり」が
シリーズ展開を複雑怪奇にしすぎて、観客はついて行けない。
大衆娯楽にうつつを抜かすような輩のIQは高い部類とも思えないが、嗅覚は鋭い
オフィスボックスの成績は・・・

第一作: 78M$
第二作:519
第三作:433
第四作:372
第五作:174(今時点の数字ですが、これ以上伸びないと思います・・)

観客はちゃんと評価してますよ(笑)
第一作の興収は慎ましいものですが、制作費がたった6M$!
リターンのレシオは最高です。
第二作は、最高の興収ですが、制作費は100M$。このレシオならば大ヒット!
以降は、2億ドル程度はかかってますから、総コストの回収からすれば大失敗作。
製作権は、雲散霧消し・・・どっかのヘッジファンドが買い取り、今回の第五作となった・・・


今回の第五作「ジェネシス」

ツカレル
話がようわからん

なまじっか、過去の作品をよく知っているとよけいに混乱する。

主役のおっさんも、もう60歳代半ば
政治家としても引退したし、私生活のスキャンダルも程度は低いし・・・
役者としては、元々英語が下手なもんで、寡黙に肉体美だけを誇示することで売ってきた。


あの名台詞・・・  I'll be back.  もう結構です。

2015年7月19日日曜日

よろん・せろん



今更ながら、汗顔の至りとはこういうことを言う。
ちゃんとした字引きを引かずに、安物のPCの漢字辞書なんかで
代替してきた罪科だろう。

iPadの漢字変換だと・・・

よろん・・・・世論 輿論
せろん・・・・世論

微妙な違いがそれなりの見識を暗示するところがAppleらしい。
与論・・というものもありますが、これは島の名前(苦笑)

文明の精華たる漢字文化において「世論」というような熟語はない。
正確には「輿論」である。
唐代に始めて登場するらしいが、本来の意味はさておき、
明治の賢人たちは「パブリック・オピニオン」という外来語にこの熟語をあてた。
そして、賢人の賢人たる所以は、同時に「世論」という熟語も作り出したことにある。
メデイア論に詳しい先生によれば「パブリック・センシティブ」の意義らしい。

なるほど・・・・民意を国政に反映せんがために、生命身体の危険も顧みなかった
明治の人々は、建設的な民意とその場の空気に流される風の違いをよくわかっていたのである。
戦前のマスメディアも、輿論を背景に記事を書いたのは贔屓目に見ても大正デモクラシーまでのこと。
一方で、世論を背景に無責任な論を書き散らす赤新聞もどきは明治の後半にはすでに登場しており、
昭和以降は世論新聞ばかりって有様。
したがって「社会の木鐸」なんてさすがに恥ずかしく、
久しくも、目にすることも耳にすることも少なくなった。

 
さて、輿論は「よろん」。
世論は「せろん」と読むのが正しいようです。
思えば、昔は「セロンチョウサ」と言っていたような記憶がある。
いつからか・・・須らく「よろん」といわれるようになり、
民意とやらが当てにならなくなった・・・というかなにが民意か分からなくなった。


安保法制に日本中から違憲や疑問の声
当初予算の二倍もかかるスタジアムの建設に非難の・・


本当に民意はどこにあるのでしょうかねえ?
騒がしいマイノリティだかマジョリティは、あちこちでデモやってますが、
同時に人気低迷なプロ野球球場にすら、その以上の民草の群れ
ギリシアにようにシンプルな国民投票でもしてみないとわからないのでしょうか?
しかし、その本当の民意が正しい判断かどうかも分からない。
そして、中身は不明ですが「民意」にかかわらず、緊縮財政案をEUに報告したらしい
かの民主主義発祥の国の国民投票はなんだったのか?
あれって、たんなる「セロン」と読み切ったのであれば、
さすが、ペリクレイトスを生んだ国民の末裔だけのことはある。
狼狽えたラテン系やゲルマン系の技量が知れるってもんです(笑)



老成したサイレントマイノリティは、ただただ駄日記を書くだけですなあ・・・







2015年7月18日土曜日

オープニング(2)







これは出色のオムニバス画像です。
不親切ですから、出典の説明はしませんが、エンドロールに登場作品の一覧が出てきます。




---折角ですので、プロ映画鑑賞家のコメント


この壮大な宇宙のシーンはあれしかない

熱帯のジャングルにヘリが飛ぶ。ナパームの煙かな?・・・ワルキューレが聞こえてくれば

デ・ニーロが額の上の髪の毛を抜いてまで役作りを

映画的にはどうしからとおもうのですが(リメイクの方です)

タイトルが表示されちゃってます(苦笑)

同上

50年代ころなんでしょうか?わかりません

言わずと知れた・・・山場が最初から

わかりません

都会の夜に黄色いクルマって・・・NYでしょう

馬車です。19世紀が舞台?

この「窓越しの風景」はあまりに有名

これも有名。インディアンじゃなくて野武士です

この頃はヨハンセンも体型が崩れていなかった

あとで気がついた


この辺りから・・・よくわからない映画が続きますねえ(苦笑)


これは知っている!「國民の創生」だ

星条旗をこういう扱いをするのは大抵がハリウッド戦争映画

SFぽいです

これは有名でしょう(あんまり共感はしませんでしたが)

氷の世界かあ

ヒロインの名前が出てきますからヒント満載

わかりません

これは引っ掛け問題です!ブラピは主役じゃない

あまりに有名な俯瞰シーン

シェーンかなって思ったんですがねえ

ケン・ローチの「麦の穂を・・・」と思ったが間違いだった

記憶にはあるんですが思い出せない。



最後に「一覧」で「答え合わせ」が楽しめます。
しかし、映検ホルダーもこの程度の回答率だと失格ですねえ





2015年7月17日金曜日

オープニング




これは出色のオムニバス画像です。
不親切ですから、出典の説明はしませんが・・・・(笑)



https://www.youtube.com/watch?v=y1lMnbvf5eM&hd=1

2015年7月16日木曜日

先日の岩瀬大輔氏のブログを拝見していて「眼から鱗」って思った事



あの砂川判決において展開された「統治行為論」
半世紀前のことなのでリアルに当時識者がどのように反応したのかは知らない。
が、だいたいは想像がつく。

 
田中判決に曰く・・・・
--
安保条約の如き、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものが、
違憲であるか否の法的判断は、純司法的機能を使命とする司法裁判所の審査に
原則としてなじまない性質のものであり、それが一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、
裁判所の司法審査権の範囲外にあると解するを相当とする。
--


ところで、合衆国の国論を二分しかねない合衆国連邦裁判所の「同性婚」裁判。
僅差の反対意見は、同性婚が合衆国憲法に定める基本的人権に該当するかどうかではなく、
司法府が本来立法府の権限と考えられる事項について、
いわば強権を発動したことに対して警鐘を鳴らしているというのが岩瀬氏の解説です。


ある判事の反対意見
--
選挙によって選ばれていない5人の最高裁判事が、みずからの自由に関する見解を
すべてのアメリカ国民に押し付けることができないよう、
最高裁判例ではデュー・プロセス条項の自由がこの国の歴史と伝統に深く根ざした権利のみを保障する
と理解すべきとされている。
そして、同性婚の権利がこのような歴史と伝統に深く根ざした権利とまではいえないことは明白である。
--

ある種の「統治行為論」とも言えます。


連邦最高裁の判事は、大統領が指名し上院の同意を必要とする政治任命である。
任期は特になく、死去ないし自らの引退により辞任する。
倭国の最高裁判事のように国民審査の「試練」にあうこともなく、
その意味で「選挙により選ばれていない」という表現はまさに正鵠を得ている。

翻って、倭国の判事は選挙ではないが「国民の審判」を受けていることになっているが
制度の有効性に乏しく最初から形骸化しているといわれており、
更に裁判所自体がこの制度に内心反対だとつぶやかれてる。

しかし「司法権の真の確立」のためには、司法に関する憲法条文を改正すべきと考えます。
その意図は異なるにせよ、自民党の憲法改正案には一定の理解を示しており
更に「国民審査制度の一層の強化」を提言しているのが、昨年末ころの我が愚日記

http://ueda8823khj.blogspot.jp/2014/12/blog-post_89.html

愚だの駄だのって形容詞は「謙遜」です(笑)
かなり本気で真面目なんです。
三権のあいだの適度な緊張感が国家運営に不可欠であると思う立場からすれば・・・














2015年7月15日水曜日

お江戸の華は・・・


命を張って活躍する職業は尊い(別に職業に貴賎はありません)もんで
映画のセンターにもなりやすい。

かつては・・・

タワリングインフェルノ
バックドラフト
炎のメモリアム

911では、多くのファイヤーマンが犠牲にもなりました。



しかし、消防団ドラマとは・・・これは実に珍しい(笑)
そもそも「消防団」なんて、生き残っていることは知っていますが、
実態的に機能しているとはとても思えない・・・



お話は江戸時代にさかのぼりますが、火事と喧嘩は江戸の華
この時代の消防組織こそ、現代に至るまでの倭国の消防の原風景である。
どういうわけだか、様々な消防組織が林立する


定火消

幕府直属の近衛軍ともいうべき国家公務員で構成される消防組織
年々組織縮小の憂き目にあってますのでどの程度活躍したかはよくわかりません。
お役人のくせに、なかなか威勢がよくて、倶利伽羅紋々を誇示して・・・って
文献にもありますから、そういうような目立ち方だったんですなあ(苦笑)


大名火消(方角火消)

自警消防組織の編成を幕府から指示されていたお大名様がおり、担当地域(方角)が
決まっていたようです。
赤穂の浪人たちが火事場装束でテロに及んだかどうかは定かではないが、
あの刃傷に及んだバカ殿の祖父は、大名火消の頭としては出色の出来だったらしく
赤穂の火消といえば、江戸の評判
そういう連想からのファッションだった・・というのが丸谷才一の説
しかし、人気だったのは赤穂の浅野ではなく本家の浅野って記述もあり、諸説紛々
なんにしも、浅野=火消 には変わりがない。


町火消

質量からしても、消防の要というべきであり、総数は一万人に及んだそうである。
東京消防庁の定員が二万人弱くらいですから、その規模たるや刮目すべき存在
あの新門辰五郎も町火消の棟梁であった。
お上の防火組織は、町家まで助けてくれなかったというのが実情で、いわば自衛組織。
民間活力の最大利用という幕府の統治政策にも合致していた。
この組織が紆余曲折はあったものの・・・現在の「消防団」のルーツである。



消防団員とは、法的に認められた非常勤の地方公務員である。
有事には命を的にして活躍することを期待されているわけに、根っこの部分はボランティア。
働きの割に高禄を食むなんとか議員と比較した場合、釈然としない部分が多い
全国の市町村単位に設置され、その数ざっと八十万人。
職務範囲は、条例により定められるので、消火活動以外に精を出すことも多々あるらしい。


そもそも的に、消防団って若者の役割だよね。大抵は青年団と二足の草鞋
しかし、田舎は少子高齢化。
青年団も壮年団ならまだましで、いまや老人クラブと大差ない。
加えて、職業の俸給生活者化。
土佐の一領具足ならば、有事ともなれば、鍬鎌をほり投げて現場に駆けつけるが、
となり町のクーラーの効いたオフィス労働者なんかが、いざって時に駆けつけられるはずもない。
それに・・・こういうのって多くの企業では想定外ですので
就業規則上認められるような建付けになってないと思いますよ。
ピーク時の半分以下の団員数とも言われていますので、いまや絶滅危惧種
社会の紐帯が切れかかっている証明の一つでもある。


そんな背景もあってか、消防団員が活躍するドラマがオンエアー
消防庁のバックアップもあるようで・・・
でも、TV見ませんから、興味もここまで。












2015年7月14日火曜日

ユネスコ脱退の奨め



遠い昔、銀河共和国の政治は腐敗し、無為無策の極みにあった。
ナブーへの武力侵攻を訴えるアミダラは、汚職と密約により機能不全となった議会に失望し・・・

聞いたような話ですが、スターウォーズ・エピソード1のことです。
しかし、どこにでも有りげな話で・・・お題目が立派なほどお里が知れる(笑)



人の心の中に平和の砦を築くことにより心のなかに戦争の芽を産まないって
立派な理念はどうしたのでしょうか?
ありもしない歴史認識の横車を押し、反発と憎悪の種をまく偏狭さにはついていけないが
屈する方がよっぽどどうかしているとしか思えない
玉虫色の言辞は後世に悔いを残す結果と必ずなる。

世界遺産ってそんなに凄いことなんですかねえ
遺産登録されるとなんかいいことがあるのですか
認知度が上がることは間違いはないが、自然遺産であればヒトが押し寄せると劣化が進むし
文化遺産であれば、知ってるヒトは遺産登録なんかされなくとも知っている。
要するに「観光遺産」ですから、その程度に思っておけばいいわけで、
登録の可否で一喜一憂するようなものとは思えない。


世界遺産に登録された古典芸能を趣味とする者の立場からすれば
だからどってことはないのですよ(苦笑)


故人となった最初の師匠曰く・・・

生きている芸だよ!「遺産」って言われて喜ぶのはバカだけ


ユニセフの「役割」って、観光産業の露払いだとは知らんかったなあ。
重点推進目標である「万人のための基礎教育」は、遅々として進まず、
イスラム出身の若輩ノーべリストの命を的にした活動のほうがインパクトが有り、
今一つの「遺産登録」があのテイタラク・・・

フロントで文化資産保護に勤しむ職員はあまたおいでになるのでしょうが、
組織的にやっていることは、国際政治の駆け引きと同じ。
教育や文化の振興を通じて、戦争の悲劇を繰り返さないという理念が、逆回転している。
かつて、米国や英国は「報道の自由への侵害の懸念」より、一時脱退したことがある。
米国は今でも、パレスチナの参加を巡って分担金の支払いを停止しているはずです。

倭国は全体の10%の分担金を拠出する立場(第一位が米国で20%)
理不尽であれば、それらしく毅然と振る舞うってこともある種の国際外交儀礼
暫く分担金の支払いを停止してみればよかったのに・・・
特段、すぐに除名されたり投票権がなくなったりしないようです。
国際社会における名誉ある地位とは、唯々諾々と会費を支払うことではなく、
言うべきことをきっちりと行動で表すことでしょう。


2015年7月13日月曜日

脂肪「妖怪」



減量
痩身
ダイエット

・・・・歴史的には、プチぽっちゃりが美の古典とされると思うのですが、
どういうわけだか「痩せ」が美の基準値となってしまった。
デブは、宜しくないが、一番健康なのはプチぽっちゃりだと医学者の多くも
口を揃える。

痩せるための様々な「技法」ほどいかがわしく胡散臭いものはない。
努力をせずに痩せます・・・とは有り得ない話で虚偽表示以外の何物でもない。
これ見よがしな使用前と使用後の写真比較(笑)

まあ、こういうのに関心を持ち飛び付くのは一定の美意識の持主であり、
本当に必要だろうと思われる向きは、最初からヒトザルであることを
放棄している。


最近面白いって思ったのが、脂肪妖怪・・じゃなくて脂肪溶解
溶解させたい部位に妖怪・・・じゃなかった溶解液を注射するって
方法。一見科学的なんですが、ある種危険そう・・・
脂肪吸引よりは安全そうですが、良心的な美容外科医は、安全性の確立において
まだ未完成だといいます。
お値段も一回当たりの注射代がそこそこ。
話題のRの過酷な筋トレと食事制限をミックスしたトレーニングよりは
はるかに安上がりですが・・・

ところが、もっと簡単な方法があるらしい。
石鹸の中でちょっと特殊なんですが、pHが異常に高いものと低いものがある。
pHが高いと角質層障害が起き、逆だと、同様に浸透して皮下脂肪溶解を
引き起こす。従って、普通に売っている石鹸はpHが10前後だとされる。

この特質に目をつけたのが「脂肪妖怪石鹸」・・・・(笑)
CM動画によれば、白い石鹸の泡が段々に黄土色化してゆくグロテスクな有様。
例の妖怪注射だと、体内で分解し尿となって排泄されるようだが、
この妖怪石鹸だと浸透効果で、溶解した脂肪が毛根から流れ出すそうな。
何となしに、排泄プロセスより単純ですから安全そうだが・・・

セルライトという特殊な皮下脂肪質がある・・・と言い散らかすのは
エステ業界人で、医学者は懐疑的である。
普通の脂肪と違って固形化した為に運動やダイエットでも解消しないと
エステ業界は、脅迫的言辞を弄し、特殊な技術を売りつけようとする。
この妖怪石鹸ではたして溶解するものか?
医学者を信じれば普通の皮下脂肪同様に溶解するはず。

皮膚障害を起こさないかって疑念があるが、かような報告は見当たらない。
あんまり売れてないかと思いきや・・通販市場では在庫切れ
きっと、飢餓商法に違いない。

興味があれば実践を・・・
一応の科学的裏付けによる作用は認められます。が反作用もきっと(笑)
そんなことよりも、毎日適度に「妖怪体操」をすることですよ。



2015年7月12日日曜日

大躍進政策あるいはホロドモール



生まれてこのかた「ひもじい」思いをしたことがないと、
飢餓の恐怖は分からない。
ヒトザルの歴史では天変地異等により、幾多の大飢饉が生じたが
政治の失態としかいいようのない「意図的な・・・悪意あるいは重過失」は、これらに尽きる。
毛沢東の愚行失態とかスターリンの悪業は、人類史上最悪の時代だと歴史の審判が下るだろうと思っている。


ひもじくてのガリバニズムは、一定の許容範囲だと弁明の余地はあるが、
一方で趣味・性癖の類のガリバニズムも後を絶たない。
誤解を恐れずに言えば、肉食文化に由来する根源的なものと考えざるを得ない。
ウクライナのチカチーロは、52人の女子供を惨殺し・・・・と言われる史上最悪のシリアルキラー。
あのデュセルドルフの吸血鬼・・・ことペーターキュルテンですら、十名弱。
エゲレス国の斬り裂きジャックに至っては、たった五名程度に過ぎない。

しかしながら、最悪すぎて素材としてはハードすぎるのか、スリラーのテーマとなったのはやっと2008年。
被害者の数も44人と慎ましく(笑)

 
チャイルド44

 
刊行と同時に・・・正確には刊行前から映画化権が争奪され、やっとこさ映画化され、上映の運びとなった。
原作は、ロシアでは発禁らしいので、映画もスクリーンにかかることはないと思われます。
原作では、ホロドモールと称される飢餓のウクライナでの子供の失踪に始まり、
スターリニズムに翻弄される崖っぷち元エリート警察官がシリアルキラーを追い詰めるってストーリー。
これだけの連続殺人が表沙汰にならないのは不思議としか言いようがないが、
労働者の理想郷であり地上の楽土には「事故はあっても事件はない」・・・という不文律。

そう言えば、東洋の島国は、絶望的なまでに刑事手続に定められた検視制度がお粗末とされ、
年間約14万人もの不審死のうち専門の検視官が検視しているのは1割強に過ぎない。
これじゃ、本当に安全平和国家か本当のどうかよくわからない。
とりわけ火葬だと、あとからってどうしようもありません。

相撲部屋のリンチ殺人
後妻ビジネスの毒婦   ・・・なんかも際どいところでお縄にできたのです。


まあ、そんなことはともかくとして・・・
このミステリーは、刊行と同時にベストミステリーなんかに選ばれたもので、
一応は目を通しましたが、冒頭の陰鬱な息遣い以外さしたる印象はない。
言うほどの傑作かねえ・・・って今回再読しましたが、感想は変わらない。
作者の技量も一発屋なのか、後が続かない(苦笑)

スターリンの時代という状況設定がもの珍しく話題になっただけ。
あんな理不尽な時代に筋を通そうとすれば、いろんなドラマが生まれるのが当たり前
893稼業も人非人の所業だが、女子供までは殺さない。
しかし、政治のダークサイドとはなにもかも根こそぎ奪ってゆくし、
永遠の勝ち組なんかありはしないって教訓的に映画は終わるのですよ。


次なる世界的なベストセラーミステリーは、大躍進時代か文化大革命時代が舞台設定・・・
ですが、どうして誰も手がけないのかねえ?
実際の事件がフィクション以上の驚天動地な世界ですので、作家の出る幕ではないのかもしれません。

2015年7月11日土曜日

もはや「リンカーンの名言」は時代錯誤になった。



You can fool some of the people all of the time,
and all of the people some of the time,
but you can not fool all of the people all of the time.



政治における「誠実性」を喝破した名言とされますが、いまや時代が変わった。
情報化社会とは「少数をほんの少しの間騙せば」事が足りる世界なのです。




流行の「標的型アタック」
手口はある意味で単純ですが、相手は場当たりの愉快犯ではない。
最近の手口を解説するWEBの記事はなかなか読ませます・・・


攻撃対象とした企業の従業員にウイルス添付メールを送信する。
うっかり開封すると、企業内のPCがウイルスを感染する。
ウイルス感染PCをリモートで操り・・・

有意差のある情報を盗み出す
大切な情報をロックする
時限爆弾(ウイルス)をこっそり仕掛ける


不審者からのメールは開封しない・・のが鉄則ですが
メールアカウントが明らかに不知あるいは怪しげってそんな単純な手口は素人のやること
常時やりとりしている相手さんのメールを盗んでから・・やりすます位のことは平気でやります。

メールのタイトルやコンテンツも興味ある(自分の業務に関係する)もの。
送信者を偽るくらいですと、この程度は当たり前

昔よくあった注意に・・・「exeファイル」は開かない!
これも、いまさらの単純な手口
ちょっと腕がいいと・・・

二重拡張子
二重拡張子間に空白挿入
RLO(制御文字)による本来の拡張子の隠秘





名を騙る
内容を偽る
添付ファイルの属性を誤魔化す・・・

こうなると、騙されないほうがどうかしている。




アンチウイルスワクチンは基本的に無力です。
愉快犯だと場当たり的に不特定多数に送信しますが、
標的型は「予めウイルスソフトの効能を調べた」上での送信ですから・・・
防御にならないと悲観的に考えておくことが大事である。


最強のオフェンスには、ディフェンスの効果は限定的。
せめてはタッチダウンでなくフリーキックの失点程度にどう抑えこむかが大切。
絶対に「情報漏洩の発生を防ぐ」なんて出来もしないことを口走るもんじゃない。
最低限のダメージで終わるように最善の努力をしますっていうのが真摯なシステム技術者ってもんです。


効果は限定的ですが「現場教育」もやらないってわけには行かない。
情報の暗号化はもはやまったなし(多少の利便性の低下はやむをえない)
トラフィックの監視体制の強化(金はかかりますが・・・セキュリティホールが大きくなる前に手が打てます)














2015年7月10日金曜日

セカンドキャリアプラン


映画「ロッキー」の伝説的な成功はあちこちで書き散らかされており、
シリーズ全体でオフィスボックスの数字は6億ドル。
なんだかんだと、スタローンはどんだけ儲けたんでしょうねえ・・・

しかし、映画の中ではロッキー自身巨額の富を得たと思われますが、
にもかかわらず、理由はよく覚えていませんが(義兄の投資の失敗かな?)で無産となってしまうって
エピソードが出てきます。
ありげな話ですが・・・ってことでスポイラのバックナンバーに

How and Why Athletes go Groke?

厳密な統計処理を行った数字ではないので、なんとも言えないが、
アメリカンプロスポーツで1億ドル以上も稼いだのに、

投資の失敗
薬物あるいは浪費
離婚の慰謝料

なんかの理由で無産となり、身を持ち崩す例が「過半以上」だとかという記事です(一部のサイトで話題沸騰かな?)
映画なんかでも、マフィアの用心棒にはたいてい元NFLのタックルなんかが登場する。
倭国だと、さしずめボクシングの元チャンプかな(苦笑)


こんだけ稼げば、タックスヘイブンの地で利子だけで遊んで暮らせるだろうって思うのですが
やはり「稼ぐより使うほうが難しい」という法則が当てはまるようです。
アメリカは「スポーツビジネス」が学として成立しているのに、
選手の「セカンドキャリアプラン形成」なんかは教えない・・・のでしょうねえ。

しかし、ビッグネームとなれば、オカネがありすぎて、なにをやってもうまくいく(あるいは
少々の損失は他の投資でカバーできる)
超一流とは何事においても一流なのかもしれません。
つまり、早々に挫折すれば転身も楽だが、
スポーツセレブにとっては「中途半端な稼ぎ」が一番危険だということのようです。



物事を単純化すれば


お金を稼ぐ期間と稼いだお金を使う期間のバランス問題


世間一般の俸給生活者は、40年間程度お金を稼ぎ、20年間程度で使い果たすが、
スポーツセレブは、その逆(あるいは稼ぐ期間がもっと短い)
何もせずにいるのが一番安全だと思うのですが、武家の商法でたいていは「飲食店」に手を出す。
ロッキーも亡き妻の名前をつけたおしゃれで豪華ともいいにくいケンチなイタリアンレストランのオーナーやってました。
会社の寿命は一般に30年と言われるが、これはある意味で「代替わりリスク」
飲食系はそんなもんじゃないと言われるが、まっとうな統計すらない世界

開業 1年=60%(が閉店)
5年=85
10年=94

平均寿命が3年とも5年ともいわれるが、皮膚感覚的にはそんなものだろうが、
僕の行きつけのお店は結構「長寿」です(笑)
結構奥の深い産業だし、素人がお手軽に手が出せるものじゃない。
そこんところを錯覚して「デモシカ店主」だと・・・まあ一年でしょうねえ
一番簡単お手軽が「ラーメン屋」


出汁
チャーシュー   ・・・だけ

それにレシピは、NETで検索可能
居抜きで店構えれば・・・百万でもできる(ちゃんとしたお店だと一桁上がるらしいが・・)

なんてな横着な気持ちだと120%失敗でしょうなあ。


2015年7月9日木曜日

今日は何の日 気になる日


何かと便利なもんで「セブン銀行」のATMを贔屓にしています。
全国に二万台程度のATMがあり、これとゆうちょのATMをうまく併用すれば、まずます
津々浦々どこでも困らない。
しかし「セブン」銀行とは(苦笑)・・・世が世ならまず忌避されるネーミング。
質屋営業の衰退と新形態銀行の勃興とは、これぞ自由主義経済の新陳代謝である。


質屋業の黎明はよくわかりませんが、有体物を担保(質草)に金銭を利子付きで
貸し出すというのはありげな話である。
しかし、さしたる財を持たない庶民だと質草にも困るだろうから、
ある程度の動産を持てるようになってから蔓延りだした営業形態のようである。

江戸時代には、鑑札の交付とか組合の結成があったと記録にありますし
江戸には二千軒程度の質屋が組合に加盟していた。
質草をとっての金銭貸付(有担保貸付)の割に年利がアバウト30%程度
担保評価が適切であれば、リスクのない取引となり、
火付け強盗の餌食にならない限り、家産は増える一方だったと思います。
かつては、街なかでも質屋さんといえばふとん屋さんとならび小金持ちの代名詞だった。
しつらえも、通りに面して堂々とお店を構えるでなく、
横丁の狭い通りのワキからこっそりと出入りするって風情もなかなかゆかしい。


イチロク銀行とかセブン屋と言われながら(蔑称ではなく愛称ですなあ)庶民金融の柱だったが、
無担保無店舗なサラ金(当時は団地金融とも言われた)に駆逐されたのが1970年台。
いまや組合連合会加盟の質屋さんは4000店に満たないらしい。
一方でサラ金稼業も無体な取り立てと暴利の追求の結果、敗残の憂き目・・・

ということで・・・コンビニ銀行の話に戻るのですが、さておき


貧乏学生だった割には、質屋さん通いの経験がない。
当時の学生だから、蔵書(大月書店のマルエン全集なんか・・)を質に入れてって
ことなんでしょうが、質屋さんよりも古書店で売り飛ばすほうが多かった。

なもんで、改めて質屋営業法を紐解くに・・・

物品を質に取り、流質期限(通常三ヶ月)までに当該質物で担保される債権の弁済を受けないときは、
当該質物をもつてその弁済に充てる約款を附して、金銭を貸し付ける営業
が質屋さんであり、公安委員会の許可事業だとか。

ちょっと驚くのが金利。
利息制限法の適用に関しては下級審の判断がまちまちでなんとも言えないのですが
日歩30銭(年利だと10割を超えます!)
利息制限法だと二割(但し元本10万円までの場合)と比べると・・・実に凄い。
有担保取引だと通常は金利は低くなるんですがねえ・・・
 
金利水準の妥当性の論拠はちょっと苦しいのですが、

短期・小額金融であること
質草の鑑定、保管の手数、盗犯防止の管理コスト
盗犯品捜査協力等の費用(報償)

を加味した結果だとされます。
悪しく言えば、公安のイヌの餌代が高利ということか・・・苦笑


つらつら思うに・・・
質屋営業とは、貨幣が商品に恋をする時代の産物であって、
モノが溢れかえれば流質特約付有体物担保金銭貸付に客は押しかけない。
反面、有体物の担保価値の範囲でしか金銭借入ができないという節度の働く
システムでもある。
借金なんかはしなくてもすむものならば、しないに越したことはない。
しかし「足るを知る借り方」ってこともあり、清貧な倭の原風景を支えてきた
仕組みの一つでもあったって、いまさらながら思いを致すのです。


7月8日は・・・・知りませんでしたが「質屋の日」だったそうです。


2015年7月8日水曜日

大義は我に在り・・・って傲慢さ



1960年の在京大手全国紙連名の「共同宣言」は有名ですが・・・

--
6月15日の・・事件は・・議会主義を危機に陥れる痛恨事であった。
・・民主主義は言論をもって争わるべきものである。・・暴力を是認するが如き
社会的風潮が一般化すれば、民主主義は死滅し、日本の国家的存立を危うくする重大事態になる・・  
・・目下の混乱せる事態の一半の原因が国会機能の停止にもあることに思いを致し、
・・政府与党と野党が・・議会主義を守るという一点に一致し・・憂慮を除き去ることを
心から訴えるものである。
--

いったい何が言いたかったのでしょうか?
耳障りはいいのですが、それ以上でも以下でもない。
そもそも「共同して」マスメデイアがモノ申すって正常じゃない。
しかし、結果として「安保闘争」なるものは潮を引くように衰退霧消し、
某週刊誌の見出しに曰く・・・デモは終わった!就活だ!!


こんな異常なことが、これだけとおもいきや・・・
あまり話題にならないのですが(したくない・・という「不都合な真実」なのでしょう)1932年にも
共同宣言が出されているのです。
それも、全国津々浦々の地方紙とか通信社までも、メデイア総動員。
筆頭に明記されるのが・・・日本電報通信社。
いまの「進撃(する広告)の巨人」のことです。
この社がプロモートしたのかねえ??

--
満州の政治的安定は、極東の平和を維持する絶対の条件である・・満州国の独立とその健全なる発達とは、
同地域を安定せしむる唯一最善の途・・
日本が、国民を挙げて満州国を支援する・・まことに理の当然
・・満州国の厳然たる存立を危うするが如き解決策は・・
断じて受諾すべきものに非ざる・・・
--

時代背景は、

1931年9月に満州事変勃発
1932年3月に満州国独立
1932年9月にリットン調査団報告(同年12月にこの「共同」宣言)
1933年3月に国際連盟脱退


改めて「調査団報告書」を拾い読みするに、そう目くじらたてるようなものでもない。
誰が見ても、あれは横車であるが、実際に出来てしまえばこっちのもの(南沙諸島の砂の長城と同じ)
しかし、リアリズムに徹した国際外交で鍛えられた英国貴族のレポート。
日中双方の主張を退けた上で、中国には名を、倭国には実を・・って現実解を提示します。
最終的な総会決議はより厳しくなりましたが、それは報告書開示以降の言動が加盟国の神経を
逆撫でしてしまった・・・言わば自業自得。


好戦的に侵略を擁護・鼓舞することがマスコミの総意なのか、
誰かが糸を引いたのか・・・よくわかりませんが、これが当時の「世論」なるものです。
思えば、個別局面の戦闘に勝つたびに、号外を出し、発行部数が増える。
戦争協賛=マスメデイアの成長って構図は、今も変わらず、戦争がなでしことかマー君に
置き換わっただけ。

この程度の存在で、義に貢献することもなく、それこそ「潰れてくれる方が・・・」
潰そうってつもりはありませんが、このままじゃ「自壊」しますよ。
世界遺産登録って煽り立てて・・・真の歴史認識とどっちが大事ですかねえ














                

2015年7月7日火曜日

集団的自衛権を行使するためには、まずほにゃらか対策(笑)



安保法制により「安易に戦争のできる日本」になるわけがない・・・って、さあどうかしら?
論拠をいえば、少子化社会では子供の数が少なく「貴重資源」として危ないことはさせられない。
出生率の低い国には、倭国に限らず、仮想敵国(・・・かどうか知らないが)
近隣の反日半島国も傲慢大陸大国も同様であり、東シナ海は近未来的にも天気晴朗にして波静かなのです。
従って「戦争のできる日本」となるためには、産めよ増やせよ・・・ってことがより重要。
先日の某全国紙(安保法制推進派の立場)のコラムでは、

第三子以降にドカンと一千万円の出産祝い金支給・・・って

かような記事の背景って、実のところはこういうことなのですし、
成長戦略に柱である「ロボの活用」もまあそんなこと(苦笑)


最近脚光を浴びてる某社の(・・・平均年俸が日本一だって)某氏が、
以前にヒットラーの少子化対策をご紹介しておられまして、これが実に面白い。
これも後々の歴史を考えるに「ヒットラー」ってことがキーワードになります。


http://blog.livedoor.jp/archon_x/archives/1232007.html


だからといって平和ニッポンは少子化により実現するというのは論理矛盾であり、
日本国と国民の維持再生産のためには、少子化対策は焦眉の急であることには違いない。

同じオカネを使うにも効果的に使う必要がある。
児童手当は、月額にすれば大した金額とも思えないが、累積額にすれば結構まとまった金額になります。
ソフトバンクグループの出産祝い金制度

第一子:  5万円
第二子: 10万円
第三子:100万円
第四子:300万円
第五子:500万円

ドカンって振る舞う・・さすがに孫さんって・・・座布団三枚!
実際にCSRレポートを読むと、支給額がどんどん増えているという慶賀の事実。

その意味で、毎月の煩雑な事務処理コストをかけてチマチマ支給するよりも
出生時にポンとママに差し上げる方がいい。
しかし、小役人的には「そんなことをすれば良からぬことを考える・・」って心配もある。
確かに、過去かような手当をめぐる陰惨な犯罪があったことは事実だが、ワルはどこにでもいる。

そうそう、ヒットラーは現金ではなく、使途限定商品券(地域振興券)で支給しています。
消費活性化という一石二鳥も狙っていたのですよ。




安保法制の違憲合憲論というようなテクニカルな神学論争で時間を費やさずに、
まずは、効果的な少子化対策をきっちりと議論して進めることが近道ということに
気がついてほしいものです。
自衛隊は今でこそ志願兵でなんとか兵力を維持していますが、
危険職場ということになれば若者は就職先に選ぶはずがない。


















2015年7月6日月曜日

戦争の犬たちを解き放て




お手軽なポリティカルミステリーと切って捨てればそれまでであるが、
スパイ養成組織の教則本にも採用されているやに聞けば、さもありなん。

戦争に限らず(とりわけ戦争はそうらしい)が、プロジェクトの成否は、

戦闘(行動)
情報
作戦
兵站     の要素で決まるとは言い古されたこと

そして、話は旧皇軍の過度の戦闘重視(情報と兵站の軽視)とつながり、
自衛隊においても、兵站は三日分しかない・・・って都市伝説に展開するのだが、
そんなことはどうでもいい。

情報・作戦・兵站は文章力が巧みであることによりそれなりの質を担保できるが、
映像にはならない。
したがって、小説も映像化されれば、戦闘シーンばかりとなり、原作と似てもにつかぬものになる。

フレデリック・フォーサイスの魅力は、ロジスティックスにある。
人気作家なのでそれなりに映画化されるが、かようなことなので、愚作の山。
とりわけ「戦争の犬」はひどかった。
当然脚本もチェックし、それなりの注文もつけたと思うが・・・

真偽は定かではないが、
印税と映画化権は、ビアフラクーデターの資金に提供される予定であったらしいので
とやかく言わなかった。
しかし、現実は、小説のごとくうまく行かず、官憲に察知され失敗に終わった。

フレッドジンネマンが監督した「ジャッカルの日」は、ある程度原作に忠実なので
ロジスティクスが堪能できる。




その後は、舞台がワールドワイドになり・・つまり荒唐無稽的になり、ちょっとついてけないって(苦笑)
最近ブックオフで美本なんですがタダ同然の単行本

ネゴシエイター

舞台は・・・・アメリカ、スペイン、サウジ、ロシア、イタリア、イギリス
小道具は・・・オイル、軍縮、誘拐、クーデター、公金横領、
登場人物・・・大統領、書記長、首相、国王、軍事産業のボス、オイル屋、テロリスト、FBI、KGB

ひと通りなにもかも揃っています。
時代は、ゴルバチョフのころですので、エネルギー情勢の読みがかなり違う。
その点で、作品価値が低いのでしょう。
他方で「イコン」は、いまだに評価が高い・・・って、けだしそういうことです。
しかし、現実になってほしくはない。



2015年7月5日日曜日

手紙 ~ 拝啓 18の君へ



権力者に阿らない・国益を害するマスメディアは潰してしまえ!って元気のいいことよ(苦笑)
さすがに公的な場で言うほどの度胸がなさ気なのは、
単に内弁慶だということに過ぎません。
まるで五月の空の鯉のぼりみたいなもんで、骨もハラワタもなさそう。
しかし、多分に「ホンネ」なんでしょう・・・


一方で、オニノクビを取ったかのように報道の自由への侵害だとか・・・
ガタガタ騒ぐんじゃないっていうのが「サイレント・マイノリティ」の立場です。


報道の使命って極めて単純であり、そのシンプルさが広報との差異である。
曰く

不都合な真実を伝えるが報道
都合のいい事実を伝えるのが広報

別に「広報」というお仕事を馬鹿にしているわけじゃない。
ウソをついてはいけないが、都合の悪いことをうまく伏せるって
結構知力と腕力が必要なのです。
その意味で「報道官」というお役人の肩書は・・・?
正確には「内閣広報官」とかいうべきでしょう


報道の定義をこのように理解した場合、
当然ながら「誤報・虚報」をまき散らす輩はマスメディアの名に値しない。
某大新聞社が叩かれるもけだし当然である。

不都合な真実とは、多くの場合「権力者にとって」である。
権力者とは立法府の政治家に限らない。
行政府も司法府も第四の権力と言われるマスメディアなんかも例外ではない。


新聞やTVから「不都合な真実」を知ることが少なくなった。
不都合な真実はもっぱら、

信頼できそうな有料ブログ
調査情報誌
NETの海外メデイア       ・・・なんかを漁っています。

紙新聞、地上波TVは読みません・見ません。
正確には、前者は書籍等の広告欄、後者は限定的なスポーツ番組だけは見ます。




つらつら考えるに「高額な情報入手料」を支払っているもんだって嘆息します。
NET(WEB)は別にただじゃありません。
安からぬ電波使用料を負担しています。


思えば「電波」なるものは、誰のものだ?
電波法という法律がある。
電波の公平且つ能率的な利用を確保することによつて公共の福祉を増進するための法律である。
電波を利用するためには無線局を設置する必要があるが、

要件に合致する設備
運用資格のある要員の配備
とにもかくにも「無線局開設認可」
更に「電波使用料」の負担      なんてな厳しいハードルをクリアする必要がある。

電波法でいうところの「電波」には、自然界に存在する紫外線や赤外線は除外されますが
重要な公共財であることには間違いがなく、国家が管理している。
適切な管理を行うために一定の料金を適切な認可事業者から徴収し、財の維持保全に務めるのは
いいとして・・・本当は「税」なのか利用料かって疑問もあるのですが、さておき

適切な認可事業者とは法定の一定の欠格事由がありますからまあいい。
問題は「一定の料金の水準」

電波利用料の年間総額は800億円程度である。
国家の平和と安寧のための社会インフラですので、十分な整備のためにこの程度は必要かどうかは
全くわかりませんが、歳入と歳出はうまくバランスしています。
しかし、内訳に見るに、無線局区分別の歳入構成比を見れば・・・

TV・ラジオ(6項): 7%
包括免許      :39%
広域専用電波    :48%

これもシルバー民主主義なのでしょうか(笑)
TVを見ずにスマホ漬けの若者が9割近く(700億円以上)負担しているって
ことになります。
TV放送って利権ですねえ・・・
欧米のようにオークションにかけるって一案かもしれません。


選挙権が18歳になるんだから、若者よ!
電波使用料の負担適正化を推進する議員候補者や政党に一票を!


このような「不都合な真実」は、TVの選挙特番じゃ絶対に話題にはなりません。





http://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/fees/account/change/index.htm

2015年7月4日土曜日

難解用語の基礎知識




話題の「砂川判決」ですが、
ちゃんとあの有名な判決を読んだのかどうか怪しい記事が氾濫しています。

そもそも「砂川」事件の舞台は東京都立川市砂川町です。
半世紀以上前の出来事
当時は、立川にも米軍基地があったんですねえ。
この事件以後(この事件の効果でしょうか?)、返還されて公園かなんかになっているそうです。

罪状は「日米地位協定による刑事特別法」違反。
従って、争われたのは「アメリカ軍の駐留の合憲性」
自衛権や自衛隊の存在ではない。
第一審判決(あの有名な伊達判決)では・・・


米軍駐留は憲法第9条2項前段によって禁止される戦力の保持にあたるから「違憲」


驚天動地な判決!
米軍は軍隊に違いありませんので「駐留する外国軍を我が国の戦力」だとすれば
憲法違反は当然ですが・・・そう言い切るのが凄い。
なもんで「飛躍上告」
長々と裁判を続けるリスクの回避が目的だといわれていますが、訴訟手続上齟齬はない。
そして最高裁の「田中判決」

エッセンスは「統治行為論」です。
つまり・・・
--
安保条約の如き、主権国としてのわが国の存立の基礎に重大な関係を持つ高度の政治性を有するものが、
違憲であるか否の法的判断は、純司法的機能を使命とする司法裁判所の審査に
原則としてなじまない性質のものであり、それが一見極めて明白に違憲無効であると認められない限りは、
裁判所の司法審査権の範囲外にあると解するを相当とする。
--
安保条約およびそれに関連する法令が違憲かどうかは判断しないって判断が最高裁判決のキモ。
でも、なんでもかんでも「門前払い」とまでは言ってません。
・・・といいつつも憲法9条解釈を展開しますが、それは傍論に過ぎません。
その傍論を重箱の隅を突くように議論しているのが、今の国会審議

傍論に曰く・・・

憲法第九条は、平和主義を具体化したものであり、その内容は
・軍国主義的行動の反省
・戦争の惨禍の再発がないことの決意
・恒久平和の深い念願          である。

憲法第九条第二項(戦力の不保持)の意義は侵略戦争の再発防止の具体的担保である。

第九条はわが国が主権国として有する固有の自衛権を何ら否定してはいない以上
国家固有の権利としての「自国の平和と安全とを維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置」を禁止せず、
この「自衛のための措置」を他国の安全保障を求めることも可能である。
駐留する外国軍隊は憲法第九条第二項の「戦力」には該当しない。


煎じ詰めれば・・・
戦後憲法により「過去の反省と十分なお詫び」を宣言していると最高裁は言っているわけで、
いまさらあちこちから反省がタランと言われる筋あいはない。
最高法規でここまでいう以上「談話」程度を出すのださんノって瑣末な話。
しかし、9条の改正となれば、ちょっとその辺の兼ね合いが難しくなります。

侵略戦争を否定しつつも自衛権を容認し、統治行為論で「具体論については避けたはず」なんですが、
他国との防衛条約や防衛駐留も「自衛のための必要最小限度の実力を有している事例」とすることにより
伊達判決を否定するという間接話法なロジックです。


その後の憲法解釈が「繊細な硝子細工」って言われる所以がよくわかる判決です。
ここからが問題で・・・(高度な引っ掛け問題かも・・・苦笑)

日本国憲法は(以下同じ)
a)固有の権利としての個別的自衛権を認めているか
b)固有の権利としての集団的自衛権を認めているか
c)行使できる権利としての個別的自衛権を認めているか
d)行使できる権利としての集団的自衛権を認めているか

更に、あなた個人は日本国において(以下同じ)
e)固有の権利としての個別的自衛権を認めるか
f)固有の権利としての集団的自衛権を認めるか
g)行使できる権利としての個別的自衛権を認めるか
h)行使できる権利としての集団的自衛権を認めるか

以上の回答の組み合わせで・・・

第9条の改憲の適否(あるいは要否)
日米安保条約の要否(あるいは適否) についての「意見」が炙りだされる。

よく考えないと自己撞着のような倫理矛盾を引き起こします(笑)


あなたはどう考えるの?って問われれば、回答は決まっています。
サイレント・マイノリティは、自身の政治的立場を表明することはしないものではある。
但し・・・

直接の判決理由でない「傍論」が主張の根拠にするほどのものかと思いますし
田中判決の至る政治的な動きは、機密文書公開の結果「適正手続」と言う観点で
誠に問題が多いと言わざるをえない。
仮に「根拠」にしてもいいとしても、ここでいう「必要な自衛のために措置」に集団的自衛権も含まれるのか
含まないとも含むとも・・・極めて微妙としか言い様が無い。

集団的自衛権とは「同盟国などが攻撃されたとき自国への攻撃と見なし反撃できる権利」であって
国際法上は国家固有の権利とされます。
しかし、天賦人権のように自然権(個別的自衛権はそう考えていい)ではなく、
幾多の戦争の惨禍の中での国際関係論から生み出された概念ですので、脆いものです。
有り体に言えば、UNの生み出した法概念のようなものであり、国連憲章に採択された。
その意味で2つの自衛権を「同等に扱う」のは違うと思います。


まあ、なんだかんだとどうとでもなる議論ですなあ。
そういう議論を「神学論争」という。
国益(国民及び国土の生命身体財産を保全)を守るためは必要なことですか?って
原点に立ち返ればいいように思えます。
今そこにある危機は、地球の裏側ではなく、国土の近隣にあるのですが・・・



2015年7月3日金曜日

NYの「酒鬼薔薇」




出版文化の堕落退廃も極まれりって思う識者も一般人もいるだろう。
所詮は売れることが一義であり、労作傑作でも売れなければどうしようもない。
良書がベストセラーになることのほうが珍しいと思えば、
かような露悪暴露的がそこそこ売れるのが当たり前だし、商魂とはそういうものだ。

しかしながら、犯罪者が自らの犯罪歴を飯の種にするのはいかがなものか?
あるいはそれをプロモートすることにより、一定の手数料をハネるのもまたしかり・・・





70年台後半にNYを震撼させた「サムの息子」なるシリアルキラーは、
とんでもない超長期の懲役刑で檻の中にいまだにいるそうですが、
多くのキワモノ系出版社なんかから手記刊行のオファーが殺到したらしい。

結果として社会良識が働いたらしく、
NYの酒鬼薔薇の手記は日本と違って出版はされなかったようである。
生涯で読める書籍の数は限られており、かようなキワモノ本」なんかを手に取る気すらないが
増刷中ってことは、興味本位と思うのですが買うような「愚昧な大衆」がいるらしい。

アメリカのように「サムの息子法」なる法律で、かような行為を禁止するって考え方もあるが
表現の自由との関係でどうなんだろう・・・?
犯罪行為に起因する不法収益とみなして全額没収し、
被害者救済の財源にするほうが、プラグマティズム的にいいかなって考えも頭をかすめる。


版元は、長文の「出版の弁明」をウエッブサイトに掲載していますが、
彼らの言う「社会的意義」なるものをなるほどって思うかどうかは・・・
読まずに論評するのは適切な態度ではないが、
そもそも論において版元は営利行為を生業とするわけで、
その立場を捨ててから「意義」を力説すべきでしょうって考えるわけ。

--
・・・深刻な少年犯罪を考える上で大きな社会的意味があると考え・・・
私たちは、出版を継続し、本書の内容が多くの方に読まれることにより、
少年犯罪発生の背景を理解すること・・・
--

弁明の抜粋ですが、あらゆる犯罪には「動機・機会・誠実性の欠如」の三要素があり、
大多数のヒトザルは最後の砦である「内面の誠実性」で犯罪を犯さない。
この歯止めが脆弱あるいはそもそも的に欠如するようなDNAの持ち主が犯罪者であり、
そう思えば、ことさら「社会的意味も犯罪発生の背景」を論じることでもない。


著者は、いくつになったか知らないが、未だに少年法で守られ「少年A」なのですよ。
ある方が・・・
著者と出版社を相手取り、出版差し止め及び出版収益相当の損害賠償請求訴訟を起こせば
訴状に「氏名が明記」されるから・・・って

被害者少年の遺族の方々は誠実性の持ち主らしく、かような荒業をなさらないだろうが
逆に言えば、版元サイドはそれにつけこんでいるのかもって邪推したくなる。
内容もさる事ながら、仮名というのが多くの人にとって胡散臭いのです。





2015年7月2日木曜日

どっかで聞いたような話ですが・・・




どうしてここまで財政破綻してしまったのか?
ある識者によれば・・・

・肥大化した社会保障制度(生活保護・年金)
・膨張する公共部門(公務員)
・納税意識の劣化(クロヨンゴートーサンピン)

どれもこれもドキリとする事柄ばかりであり、明日は我が身か・・・


ギリシアを舞台に世界を震撼させる出来事は、太古の昔はさておき・・・
欧州人にとっては、

形而上学はギリシアから
形而下学は古代ローマから  

・・・学んだ以上、親は親足らずとも子は子たれってことで、サポートしてきましたが
借りたものは返すのが当たり前と口先ではいいつつも、
レンダーライアビリティもあるわなあって居直ったりすれば、いくらなんでもと堪忍袋の緒が切れ、
兵糧攻めであえなく預金封鎖(デフォルト寸前)

 
生活再建の努力もせずに、無為徒食に明け暮れる輩を助ける必要はないわけであり、
世界最古の民主主義国家が衆愚政治化し、その後何度も国家破綻を繰り返し、
民度が低くなった退廃国家の末路とはこういうようになるんでしょう。
倒産とは「自由主義経済の健全な新陳代謝」と思えば、国家だってそうなってもいい。
歴史上国家がなくなったことは枚挙にいとまがない。


今後どう展開するのか・・・
ギリシアの借金総額は3000億ユーロ(40兆円)程度です。
しれているといえばしれてます(中国の外貨準備の10%くらい)
暫くの間全国民が臥薪嘗胆して財政再建を行えば・・・
でもあの親方ギリシア国旗風な国民性からすれば期待薄(笑)

最後の亡国的手段は世界遺産クラスも含めた観光資源のファンド化
通常の国家資産の大量売却では焼け石に水らしいが、
風光明媚なエーゲ海の風景+古代ギリシアの文物一式で組成したファンドですので魅力満載

年間16百万人もの観光客が来るんですから何とかなりそうですがねえ・・・



ちなみにこの国の標語は・・・・「自由を しからずんば死」だそうです。
平たく言い換えれば、「好き勝手やって、後は野となれ山となれ!」かな?


2015年7月1日水曜日

やっぱり先頭車両は危険です。



あの福知山線の大惨事以来というか、
それ以前からも「絶対に先頭車両には乗らない」って決めてます。
経験則的にも、一番前が危ないのはわかりきったことであり、
能天気に、メトロやJRの先頭車両に乗っている御仁を見れば


命惜しくないそうですから、年金原資だけ払って頂いて、さっさと・・・(笑)


その内に、事故があっても、保険会社は過失相殺ってことで、保険金のいくばくかを
払い渋るようになります・・・(キッパリ!)
いまでも、シートベルトをしていない状況での交通事故では、そういう扱いになるそうです。
法令上からはちょっと変だと思うのですがね・・・


道路交通法第71条の3

自動車の運転者は・・・座席ベルトを装着しないで自動車を運転してはならない


乗客の義務ではなく運転手の責務なんですが、
社会通念上危険の可能性を高い状態に自らをおくことはそれ自体「過失」である・・
って考えなさいってことですよ。


イリノイ大学の論文を斜め読みしていると「一番安全な車両はどこか?」って
ありました。

最後尾も追突の可能性があり、安全とはいえない。
真ん中も、ジャックナイフ状態で転落する可能性が高いため、危険らしい。
結論を言えば(英文ですし、エエカゲンに読んでましたから・・・)
中央から最後尾に書けての中間辺りだということです。


そういえば、新幹線のグリーン車(N700系新大阪行)は、8-10号車。
つまり、先頭サイドに7両、後方に6両。

・・・そういうことですよ。
運賃の安い自由席は当然に「先頭」です。


だからといって「ガソリンだか灯油をかってに持ち込んでもいい」ってことじゃない。
ニュース速報段階の情報で書いてますので、
事件だか事故だか、はたまた自殺か心中かまったくわかってません。


巻き込まれて方もおいでになるようですので、本当にお気の毒様です。