2022年4月30日土曜日

「目に青葉」山ほととぎす初カツオ

 

今時のニュースで女子アナがよく間違えてます




名題の鉤括弧って.....
この季重ね、字余りの俳句の作者は山口素堂。

芭蕉と同じ頃の俳人。
実は、初句は「目には青葉」が正しい。
字余りのバロック感でなんとかもっている句だが、ならば「山にほととぎす」でも構わないだろう、、、、かなあ(^^)




もうひとつの味わい方は、視覚、聴覚、味覚で初夏を感じると言う趣向、、、なんだが、天邪鬼は更に突っ込みます。

五感全てを表現せんかいな!

しかし、嗅覚と触覚を詠み込むのはなかなかしんどいもの。近江八景を狂歌に詠み込むのは蜀山人だが、俳句となれば.....実はあるんですがね(^^)


アタシも無理だが、この程度ならば、、、


薫風自南来の屏風にこの素堂の句を賛とする。


初夏の薫りを含んだ南からの風が頬を撫でると気分はもう夏だ。





2022年4月29日金曜日

イコン

 ポリティカルスリラーを主戦場とするブリティッシュな作家。

小説なんだから作り物に決まってますがまったくの絵空事はファンタジー。醍醐味は「虚実皮膜の間」とはけだし近松の名言である。

作風や風貌からしてオックスブリッジからMI6へ......ってさにあらず。
パブリックスクールやボーディングスクールには縁がなかった境遇らしくそのまま軍役へ、ジャーナリズムの世界やエスピオナージュの真似事やら、、、、
まさしく現場が学校だった!

世界的に馬鹿当たりした「ジャッカルの日」でボロ儲けをしたが....ここからは彼の真骨頂
BBC特派員時代に目にしたビアフラの惨禍に胸を痛め私財を投げうち傭兵集団を組織し民主化革命戦争を企てる。このあたりの事情は「戦争の犬たち」に詳しい。
小説では革命は成功するのだが、現実は厳しい。

でも、三島の市ヶ谷蹶起みたいな茶番ではなく、ちゃんとロジスティックは完璧(.....ほぼ)


倭国の某政治家は「国際政治はさいとうたかを氏のコミックで学んだ」と言っていますが、アタシはフォーサイスのポリティカルスリラーで学んだ(^^)


過日のネタの「悪魔の選択」もロシアものでしたが、これもズバリロシアもの。どんなお話かは、この小説の「帯」の通り。

なんともおぞましい、、、誰かさんみたいな狂信的な独裁者の侵略をいかに英国スパイが阻止するかってテーマ。

こんな「スパイの活躍」があればウクライナの惨禍は防げたかもって


版元や書店も感を働かせてこの辺りを平置きの山にしないのかねえ。

これもウクライナ支援、、、ですよ

2022年4月28日木曜日

田山花袋の蒲団

 すこし間が開きましたが、承前


ともあれ自然主義的私小説が小説の保守本流とされ、

その嚆矢が田山花袋の「蒲団」



無論読んだことはないが、高校生の教養として「去っていった女弟子が残した座布団の残り香を主人公の作家が嗅ぐ」って程度は知っていた。

原作も読まずに橋本治の力作を読むのは失礼だから青空文庫で超続したところ、、、なんだねこれは(^^)



隠しておきたい内心や性癖を赤裸々に主人公=作者的に書き連ねる事が私小説であり、その赤裸々感がセクシャル的であればあるほど自然主義だということ。

この路線にあの二流作家慎太郎の「ナニで障子を突き破る」有名なシーンまではあと半歩だ。

花袋の原作のエンディングでは、アタシの記憶違いでもっと生々しい。

女弟子が残していった蒲団を敷き彼女の夜着を身にまといその残り香に涙ながらに悶絶、、、ってかなりなものですわ。

文藝には「藝術性、社会性、娯楽(大衆)性」の要素が必要だと思うが、この小説は、刺激性、露悪性、倒錯性しかない。

こんなものを源流とする文藝なんて、、、やっぱり骨粗鬆症的なんですよ


これはある種の三角関係だか四角関係のメロドラマ的です。うら若い女弟子と妻子とひとつ屋根暮らしって、、、どうなんだろうねえ。

女弟子には恋人がいる(清らかな交際中という事らしいが二人は嵯峨野で一泊までしている)がなんとも生活力のない書生っぽいポッチャリ男。最終的に袖にされるのも当然なんだが、メロドラマらしく妻や書生の内面ももう少しドロドロと書き込んで欲しいがあくまで遠景でしかない。


女弟子は岡山の素封家の娘で両親ともクリスチャンだからその傾向の寄宿制度のある神戸の女学院の生徒さんである。この女学校はその当時は花隈あたりにキャンパスがあったはずだ。

弟子入りして上京し、どっかの学校にも通っていた筈だが、それが何処だかは分からないし勉学に励んでいる様子もない。

当時ならば、津田塾、ポン女辺りだろうか?

お茶女もあったが、ちょっと女弟子のテイストじゃないし、早慶は長くオスザルの牙城だった。


ちなみに女弟子とその恋人にはモデルがいた。

小説のような実録だかどうかは知らないが、、いまだと確実にプライバシー侵害で出版差し止めと慰謝料請求だ。


2022年4月27日水曜日

ほととぎす

 

動植物は「仮名」で表記するのが学会のスタンダードらしい。

その理屈にはクビを傾げたくなるので、アタシは表意文字....つまり漢字で書くことを原理原則としている。


難度が高いと言われる漢検一級。

しかし言うほどのものでもなく出題範囲の漢字数は六千字程度。
諸橋大漢和辞典の漢字数は五万余りですから、その漢和辞典を拾い読みするアタシからすれば....(^^)
だからといってアタシが楽々合格できるとも思っていない。鐵と鐡の書き分けや違いの講釈ならば自信があるが、そんなような出題ばかりじゃないし(^^)

しかし多少困ったことが「ほととぎすを漢字」で書く段になり、表記の多様性については理由は知らないが類を見ない。


松浦静山の甲子夜話

誰かさんみたいに暇に任せて隠居徘徊老人が書きまくったエセー(結構ええ加減な孫引き引用も多いらしいが)なんだが、そのなかに三英傑のほととぎすの例えがある。

だれでも知っている川柳もどかさだが、、、、


平凡社の東洋文庫に記載されたままですが、ほととぎすをそれぞれ微妙にかき分けている。

この例えは甲子夜話が初出でもないが、これ以前の文献(耳嚢とか各川柳事典)ではほととぎすを「書き分けていない」とされる。

当て字まがいの漢字表記の背景はそれぞれに語られ理屈もあるのだが、それが三英傑のキャラとどう結びつくのか皆目解らない。


段に雑学をひけらかしただけかも(^^)


季節の変わり目

 もうそんな季節だ。



季節の変わり目でも移ろいでもいいが、、、


春はあっちから来てこっちへ、そのあとから夏があっちから来るように順番に

春はあっちから来てこっちへ、夏はこっちからあっちへ、行き違うタイミングが季節の変わり目


正誤問題ではなく感受性のおはなしです。

なんとなくですが、王朝歌人は一方通行的ではなく双方向的な季節感覚のようです。


花鳥も皆行きかひて

ぬばたまの夜の間に

今日の夏は来にけり(貫之)


典型的な屏風絵歌です。

鳥は鶯と不如帰だろうが、花は桜と...さあなんだろう? 卯ノ花、杜若、藤......

屏風絵歌は主役が絵画なんですが、詩歌から絵を思い浮かべるのもまた楽しからずや(^^)



時鳥の鳴き声は特徴的だし、ゲテモノを好んで喰らう

だからって事でもないが、夜の声が一番とされる。

鶯だって夜鳴鶯がいますが、あれはナイチンゲールで別物。


いまだにも

鳴かではあらじ ほととぎす

むらさめ過ぐる雲の夕暮れ(玉葉集 章義門院小兵衛督)


作者は京極派の歌人でしょうがよく知りません。


村雨が降り止み、時は夕暮れ

きっと時鳥が鳴くにちがいないわ、、、って

四句目以降の秀句表現がいのち



2022年4月26日火曜日

孵化

 ノルディックの定義は様々であるが、今は北欧3カ国とデンマーク、アイスランドとする。

誰しもがお手本とするような先進国家とされるが、、



ムーミンをイメージするようなファンタジーな国々と思い込んではならない。

ノルディックは秘めたるホラー映画の宝庫。それも怖いとか恐ろしいじゃなくて「不気味」なのよ。



今回の「孵化」は、無垢で健康的で眩ゆい太陽感満載のホラーって相矛盾する言辞でしか形容のしょうがない。誰しもが程度の差こそあれ心底にもつおぞましいものが地上に降臨してくる。




フィンランドとは不思議な国だ。

国民が一番偉大な人物と考えるマンネンヘイムは、スターリンとヒトラーの間を綱渡的な政治的アートで領土の一部をソ連に割譲を余儀なくされ、ヒトラーとの協業で戦犯の憂き目をみながらも国家の生存を図った軍人にして大統領。

伊藤博文、陸奥宗光、大村益次郎を合わせたみたいな、、、、


外交関係論で「フィンランド化現象」なる小馬鹿にしたような外交政策論があるが、これほど無知で失礼な物言いはない。

今の宰相は齢36の実に知的で美しい女性だが、別にルッキングを誉めているのではない。

プーチンの893紛いの恫喝に屈しない胆力を素晴らしいと言っているのです。

スウェーデンはともかくフィンランドがNATOに無原則的に加盟することは無いだろう。それがフィンランド式のファンタジーでホラーな外交。つまり、、、狡猾、不気味、二枚腰(つまり褒めてます!)



2022年4月25日月曜日

香港よ いつまでも

 





アメリカンに匹敵する巨大なムービーマーケットが中国語です。中共に不都合なコンテンツは製作許可が下りないし、外資映画ならば上映枠が貰えない。必然的に超大作作品となり社会性も芸術性も消え失せる。
要するにビッグバジェットな娯楽巨編ばかり....



ド派手なアクションやらタワービルの倒壊とか

大抵は予定調和的なエンディングなんですが、一体その後始末はどうするんだろう。


ゴジラとキングコングの最終決戦の場は香港。

香港でなければならない必然性は全くないが、中国マーケットを睨めば、華人がキャスティングされ、クライマックスは中国が舞台にしかず。

今ひとつは香港テイスト映画に見えますが中身は大陸資本です。

香港のあちこちで爆弾テロが起き....「怒りに対して怒り」を返すならば、北京とか上海だろうって思うが、それじゃ検閲は絶対に通らない。

なかんずく今回は戦術核爆弾で香港国際空港や国際金融センター(国際金融中心)破壊しようとするテロプランですから仮に爆発すれば、、、香港はこの地上から消え去る.....

かたやランタオ島沖の人工島、今ひとつは香港島

後者のテロは防止出来たが、前者は....辛くも人工島手前の吊り橋で阻止。海中での核爆発となって、、、よかったよかったのかな?


いま密かに香港改名の策謀が進んでいるらしい。

新しい地名は南深圳

植民地化された黒歴史の抹殺の一環だと誰でも気がつくし、映画に隠されたメタファーも物理的な香港の破壊である。少なくとも香港エリアは「汚染」され、しばらくは、、、、フクシマみたいになるのかなあ


こんな映画が大ヒットするって......改めて映画(映像)は最凶のプロパガンダなんです。

香港という地名が消えれば、あの民主的な抵抗の歴史も消えます







2022年4月24日日曜日

知床の悲劇

 


なんとも傷ましいことよ
委細は詳らかにしないが、知り得た範囲では、、、、




有限会社知床観光船が運営するクルージングツアーでして、かの沈没船は社船と思われます。

ツアーコースはいくつかある様ですが、知床半島回遊三時間コースかな?


しかし、午前十時に出航していますから午後一時に帰港の筈が、その時間をゆうに過ぎてからの救助要請ですから、かなり前からトラブルに遭遇しており騙し騙しの航行だったのかも。

同業者は出航が危険な荒天とコメントしているとか。

この航海での売上は約二十万円。いまの時期だから無理したくなるのか?


リスクマネジメント体制がそれなりであったかはよく分からない。

救助を要請しても結構遠距離から駆けつけざるを得ない地理的な悪条件や、救命胴着があっても冷海水には無防備(兎に角早く救助して適切な処置をするしかないみたい)からして、海難ビーコンが唯一有効なんだろうが、このクルージング会社がそこまで考えているとは思えない(しばらく前に海難事故を起こし船長がしょっ引かれています)し国内ではまだ一般的でもない。電波が生きていればスマホのGPSも有効なんですがねえ、、、


しかし、漁船が遭難すれば同僚船や漁協は何をさておいても現場に駆けつけるが、、、、今回はどうだったの?

観光船はかの船舶だけじゃないはずだし、、、でも知床斜里観光協会のウェブサイトは、今時点なんらのコメントもなく旅情感満載に集客やってます。

紙幣の顔

 学識ある先生の見解(本文では「仮説」だと書いておられますが)では、、、さあどうなんだろうか?




....

....


公衆衛生学的には「穢れ」というかどうかは別にしてさまざまな病原菌の巣窟だとは思うが、それは「穢れ」という形而上学なものとは別でしょう。ある意味で社会人類学的な禁忌に該当するようなものだが、それが倭国古来の伝統的な考え方かしら?


天皇家が穢れを忌避することくらい知っている。記憶が曖昧だが、過去は葬儀には一切参列されなかった筈だし、崩御があれば遷都もした。穢れには様々な種類があるのだろうが、主として「死の穢れ」である。


貨幣....銭が汚いって、それは儒教的な賎商思想だろうって自己体験からもそう思う。

アタシがそう言うのではなく、直江兼続の有名なエピソード。

彼は上杉家の家臣だから陪臣もいいとこ。

ある大名の集まりでの末席の兼続。多分景勝の代理なんだろう。

話題は大大名(秀吉の直接の部下ですから兼続とは身分がまるで違う)が小判を発行した自慢話。居並ぶ大名はヨイショの連発。兼続の手元にも小判が回ってきたが、彼は扇の上に小判を置いたきり手に触れようとしない。

遠慮にも程があると、、、大大名は諭すが、兼続慌てず騒がす.....


我が手は謙信公の信託を受け数万の兵を差配するためのもの。賎銭如きを手にするものではないわって!

慄然とする発言に一同粛然として、、あとは不気味な沈黙  


この賎商思想にも関わらず江戸期の商業資本が近代日本の経済をつくる基盤になったと思うが、それが皮膚感覚で理解したのは商社マンの端くれになった以降のこと。

当時プロパーの先輩にタキシタさんとおっしゃる経理のプロがおられ、直属の上司ではなかったが結果的に商社の世界に無知なアタシの指導係だった。

いまでも彼の教育には感謝しきれないし、その後の酒席の払いは言うまでもない(^^)


貨幣が汚いならば、聖徳太子さまや神功皇后さまはどうでもいいのかね?

福沢さんや渋沢さんなんか笑い飛ばすと思いますよ

かたや摂政だから天皇と変わりがないし、かの皇后は天皇にカウントされてもおかしくない存在なんだから穢れてもいいってことにはならないだろう


ネットにはかの先生の仮説が定説らしく孫引き引用されており、だれか一人くらい異説を、、、しょうがないからアタシが矢面にたつかな(^^)


2022年4月23日土曜日

橋本治の近代文学論

 




有り余る才能を食い散らし生き急いだように世を去った橋本治氏
江戸文芸(歌舞伎や文楽)の批評の鋭さは言うに及ばず、王朝古典の咀嚼力にも三歩下がる、、、

なんとも極私的な褒め言葉(^^)
その彼が近代日本文学について語るならば、食わず嫌いなアタシも拾い読みくらいする、、、かなあ



19世紀の西洋文学のトレンドは「自然主義」

ありのまま、、、つまり写実。

西洋のものをなんでも、、、とりわけおフランスならばって事で無批判的に受容した倭国の文藝。

子規が影響を受けたかどうかはしらないが、流れは同じようなものだ。


言文一致体もっていうのが文学史の定説なんだが、異を唱えるほどの学識はないから「色んな見方ありますよ」という程度で、、、、

このテーゼの前提は、近世以前は話し言葉と書き言葉は別物という事だが、エビデンスがあるのかね?

レディムラサキや兼好法師がどんな日本語を喋っていたか誰も知らない。

しかし江戸期の戯作なんかは既に殆ど言文一致だし、文献的実証が出来ないのですが、、アタシの仮説は


江戸期には既に標準語が存在し、それは謡曲の文章であった


能は武家にしか許されなかったが素謡は町人の嗜みでもあり、一定レベルの武家や町人ならば当たり前の素養(昭和のサラリーマンの三種の神器....ゴルフカラオケ麻雀なみ)であったはず。でないと薩摩と津軽のお武家はどんな言葉でコミュニケーションをとったのだ?

つまり、シテとワキの問答みたいに会話をする、、、これを言文一致といわずに何というのか


それに、話芸の宝庫の倭国。

落語や講談の詞章なんかをそのまま書き写した書物もあったはずだ。有名所は円朝師匠の「真景累ヶ淵」

彼の口演筆記本がなければ、言文一致体の成立には困難を極めた、、、というか、文藝のヒエラルキーの頂点にあぐらを描く小説よりも遥かにこの落語本の方が面白い。



To be continued 

2022年4月22日金曜日

単なる顔見知りです

 ヒトザルのこころは移ろい易い。

親友ヅラしていても内心はわからないし、自分の身を守る為にはなんでもあり


マタイの福音書の一節

あの初代教皇パウロですら後難を恐れて師のイエスを「知らない」と言い逃れたのですから、、、

みなさんが距離を置こうとするのは当然ですよね


そんな中でひたすらロシア擁護、プーチンの盾になろうとするスタンスにはある種の清々しさかしら(^^)

逆境のときに手を差し伸べるのが真の友。

手のひら返しの「プーチン=信長説」なんか耳を疑うし、そんなら「晋三=光秀論」とツッコミがはいりますよ。シンキロウのようにひたすら沈黙する方がまだましかも。

禍福は糾える縄.....立場変わった時には痛い目に合いますよ、、、って言いたいが、彼に明日はあるだろうかどうか...アタシは知らない


ロシアと名がつくだけで親の仇みたいな態度は理性的ではない。

かの大戦中の倭国の集団ヒステリーにはとてもとても恥ずかしく思っていたが、実はそれが世界水準なんだって安心なんかしちゃいましたよ。



ところで講道館の段位はまだ剥奪されておらず、慎重に検討をしている段階らしい。

ロシア人やベラルーシ国籍というだけでスポーツの場から締め出され、また舞台からも追放される中で一体何を「検討」しているんでしょう。

ウォッカや材木をエンバーゴするくらいならば、代わりに彼を講道館から追放する方が遥かにダメージを与える筈だ。




義経が成吉思汗ならば

 結果には必ず原因があるならば際限なく歴史をさかのぼり、都合の良いところまでさかのぼり作業を止めれば「正義」は必ず自分のものになる。



北海道に割拠していたアイヌ民族はロシアに朝貢していた歴史的事実がある以上、ロシア国は北海道に潜在的な領土主権がある.....本気かどうかは知らない。かつてスターリンは北海道占領侵攻を行ったが、樋口李一郎中将の果敢な防衛戦の前に敗退。腹立ちまぎれに北方四島の占拠を行い、、、今に至り昨今はかような妄言まで吐く始末。

スターリンは樋口中将を見せしめ的に軍事裁判で裁こうとしたが、情けは人の為ならずだわ。樋口は中央の方針に反してまでナチスから逃れてきたユダヤ人の救済に貢献した第二の杉原千畝と言われる、、、信念の男。スターリンの悪巧みを察知したユダヤ人組織の政治力で辛くも樋口は逃げ切った。



そんな下品な振る舞いにはこちらも下品に(^^)

小谷部全一郎なる人物がいた。大正末期に「義経成吉思汗同一説」なる大仰な著作で知られる。

この「荒唐無稽」な説は彼のオリジナルでは無い。

江戸期初期から、東北から蝦夷地に散在する義経伝説には羅山、白石と当時の碩学が関心を寄せていた。最初は「義経入夷説」に留まっていたが、シーボルトが成吉思汗同一説まで風呂敷を広げたらしいし、これらの集大成が小谷部全一郎作品。



真偽は論じるに足りない。

興味があれば高木彬光の「成吉思汗の秘密」なるベッドディテクティブミステリーが、、、これが実に面白いのよ。

要するに、ロシアが北海道潜在主権論ならば倭国も同じ事を主張するだけのこと。

それに、この説を信じるならば、元国は成吉思汗の孫のクビライが建国したのだし、その元の大モンゴル帝国の権利だって主張できるんだよ(^^)




2022年4月21日木曜日

早く安く美味く

 


素早い蜥蜴、、、というには立場的に大物でしたから鰐の尻尾切りでしたねえ
経営としてはとっても不味いって直感したと容易に分かります。
居座れば、記者会見を強要されますからさっさと手切れするのが一番

マーケティングなるお仕事の経験はないが、ナイーブに顧客満足度が一番と信じていたアタシが愚かだし、

中島みゆきさんが、半世紀前に歌っていますよ



アタシみんな知ってしまった

しあわせ芝居の舞台裏


牛丼四大ブランドのなかで一番人気で満足度も一番だとされますが、かのブランディングに関して定評のある御仁が2017年以後吉野家のマーケティングを牽引してきたが、、、、その内実(つまり舞台裏)を図らずも垣間見せてしまった。


発言を切り取り引用するに、、、

「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢・生娘な内に牛丼中毒にする」

「男に高い飯を奢って貰えるようになれば、絶対に食べない」

また御仁解任のプレスリリースには、、、

「解任しましたのでご報告しま す。本日以降、当社と同氏との契約関係は一切ございません」


マンの悪いことに満を持しての新製品「親子丼」の発売タイミングに当たったため、、、ミーハーの徘徊毒舌老人は遠路はるばる足を運び、親子丼のポスターを指差して


ねえちゃんよお!「ナメスメシャブヅケ丼」の並盛りとビール中瓶頼むわ


キムスメが正しいが、今時は読めないだろうから、ナマムスメの音便でナメスメと発音してみた

無事に注文出来たかどうかは想像に任せます(^^)




印象的な結論からすれば、吉野家は「会社の意見を代表していない」と弁明するが、

上級幹部退任のリリース文に斯様な893紛いの絶縁状的修辞を見たことが無いし、御仁の最初の発言は女衒ジゴロさながらだし、後者は三つのテーゼの自己否定に他ならない。

暗に高いものは美味い、安いものは不味いと言いたげではないか(^^)


思い出すにカールヤスパースのジャンケンポンのヴァリエーション


早くて美味いのは安くない

美味くて安いのは(出来上がりが)遅い

安くて早いのは美味くない


Diva

 




懐かしいなあ



大阪あたりの小屋に足を運んだフレンチニューウェーブシネマ。「新しい波」なんて使いつくされた慣用句でそう何度も押し寄せるものではないし、五十年代のヌーベルバーグほどの破壊力はない


こちらもその系統だが、当時お気に入り(今は見たくもないおデブさん)だった女優さんのパンクファッションしか覚えていない。


懐かしくて動画配信を眺めていると....このアリアだったのだ❣️

サラブライトマンのCDで聴いていたが、生まれて初めて耳にしたのはこの映画だった。



今はまったく上演されることが無いオペラのこのアリアだけは皆さんレパートリーにします。

かと言って、フィギュアのバックミュージックやアスリートアンセムに使われてもいないから、知名度は限定的かも


さて、四十年ぶりの邂逅。スタイリッシュ感は衰えない