2016年7月31日日曜日

現代版「座敷牢」



懐かしい言葉だが、ウサギ小屋のような都会の家屋では「贅沢な施設」ってことです。
簡単に言えば「私的な監禁施設」であり、一応の法的な裏づけもありました。
自宅鎖錮とか私宅監置といわれましたが、
法的な根拠が異なるものであり、同等視すべきではないとヒステリックな言い方をする向きもある。
実際の現物は・・・・・さすがの我が家にも過去も現在もありませんし、ほかに見たことがないのですが、大体想像はつきます。


ちょっと話題の「措置入院」
座敷牢から連想するって、ちょっと危険な発想なんですが、この際だからちゃんと議論するほうがいいでしょう。
刑法理論と精神医学との葛藤みたいな話です。
所詮融和も折り合いも尽きようがない・・・って結論を先に書いちゃいけないが、
問題が野放しにされ、被害者が続出することを放置していては近代国家とも法治国家ともいえない。


刑法39条を根拠に加害者を裁けないのなら、精神医学の分野でなんとかしてもらいたいが・・・・事実上「無力」である(と思っています)。
そもそも「精神鑑定」とかいうしろものは科学的なものでしょうか?
鑑定人によって、白黒なんとでもなる有様では、それは八卦でしょう。
裁判所もその辺はよく心得ていて、忖度はしても左右されないって立場です。
鑑定人が何を言っても、被告人の精神状態の最終判断は裁判官にある。
仮に「心神耗弱」を理由に罰せられなくなった被告人はそのあとどうなるのでしょうか・・・・ねえ
理屈では、100%完治するまではシャバに出てきたもらっては困る。
だか、完治したという医学的判断に科学的合理性があるのか?


そこで、改めて「措置入院」ですが、こんな制度をよく「ジンケンヤ」が黙っているものです。
犯罪等の事前予防のための行政行為との位置づけになりますが、精神保健福祉法では・・・・

自傷他外のおそれがあれば知事の権限で無期限で入院させることが出来るとされます。
入院させるべきって要望(あるいは具申)は、司法職員に限らず一般人(要は誰でも)でもできます。
措置入院の必要性がありげだと、指定医と称するドクター二名以上で措置診察をします。
ドクターたちの一致の意見で、措置入院となれば、必要がなくなったという「診断」が出るまで永遠に拘禁されるのです。

ものの本的には、

申請が    23千人(年)
診察件数が、 9千人
措置入院が、 7千人(平均80日程度入院)

とされます。

誰が考えても疑問がいっぱいで・・・・・犯罪(暴力)傾向ある心の闇がたった80日程度で晴れるものですか?
措置入院が解除された跡のフォローなりケアはやっているんですか

あの相模原の事件の結果を見ると・・・かなり暗澹たる気持ちになり、制度の効果がまったく現れていません(と誰でも思うでしょう)



でも、実のところ、ほんとうに怖いのはこのような例。
この制度では、その気になれば「ふつつかな人物」を意図的に社会から長期間隔離することが容易に可能だということです。
ヒトザルを刑務所に入れるって手続きの煩雑さや厳格さに比べると、まるで子供だまし。
当然不当な措置入院に対する不服申し立ては、行政手続き法制の中で運用することは出来ます。
しかし、即時に「保釈」というものでもなく、拘束している間には「治療」なる行為が行われるわけであり、
怪しげな薬剤の大量投与とか、ロボトミー(さすがに最近はこんな乱暴なことはしないだろうが)手術・・・・


国家の平和と安寧のためには「措置入院」させるべきな頭脳構造の方々も散見されますが、
ローグネーションならいざしらず、まっとうな国家でやっていいことではない。
また、本制度を「悪用」しませんかってそそのかしてもいけない。
しかし、ワルな権力者が、やろうとすれば簡単に出来るシステムを装備している事実だけは知っておくほうがいい。



2016年7月30日土曜日

中村紘子さんを悼む





特段、死に至る病名を公表する必要が何処にある。
敢えて言いたければ、蝸牛庵の予定死亡広告稿のように「心不全」と書けばいい。
佳人ならば、労咳とか骨髄性白血病が似つかわしい。

彼女は、ピアニストとしては、無駄に美貌と才能に恵まれすぎた。
ショパン弾きとして歴史に残るかと言われれば、異論はあるだろうが、さあどうでしょうか?
しかし、彼女のエッセイは、クラシック音楽を理解する以上、必見だと思っています。

チャイコフスキーコンクール
ピアニストという蛮族

なんかは、優れてマグニフィセントである。
旦那がゴーストライターともささやかれたが、それは違うでしょう。
旦那の文才は、初期の薫君四部作以上でも以下でもない。
今読み返しても(当時もそうだったが)・・・・・だからなんなの?っていう苛立たしい読後感。
早々にペンを折り、ゴルフと投資三昧に徹したのは、賢明というものです。
ゴルフの腕前は存じ上げないが、投資成績はなかなかもののとささやかれる。


彼女はピアニストとして修練する時間を、あたら無駄に費やしたのかもしれない。
だが、彼女のTV番組「ピアノのおけいこ」はほんとうにすばらしかった。
プロ(生徒さんは音大留学クラスのレベルと思われますが)をプロが教えるとはこういうものか!
毎月、白木の付け台の前で、プロ(紘子さんのお弟子でもありましたが)に「レッスン」を受けていた程度の「似非生徒」でも、
そのすごさには圧倒された。


あなた、いま自分がコントロールできない音を出したでしょう・・・・って、ほとんど意味不明ですが、背筋が寒くなる。


華の命は短いが、彼女の演奏も後期はかなり無理をされていたらしい(生演奏はお若いときしか聞いたことがないもんで・・・)
間接話法で聞き及ぶに、相当に激しい調律でホールのピアノを締め上げていたそうです。
弦をきつめに張り、鍵盤のしたには薄い板をいれ・・・・
演奏会が終わると、そのピアノは瀕死状態だった・・・とも言われる。


ピアニスト(に限らず演奏家はすべからくそうらしいが)は、非常な知的肉体労働者である。
ショパンの曲は信じがたく指に悪いし、演奏行為自体が上半身全体を相当に痛めつける。
それなりに「手入れ」はしていたのでしょうが・・・・・御歳72歳。


合掌









2016年7月29日金曜日

改めて・・・・フレンチコネクション






たまには、ハイストリートファッションの話でもって思うのですが、
このロンドン発のセレブブランド ・・・・という割には安物ですが、72年の創業と聞いたもんで
業界的には、 FCUKって略します。
一瞬ドッキリとか(笑)
なもんで、突然に話題は、あの有名な麻薬戦争映画に飛ぶ。
71年の製作ですので、多分にブランド名に影響を与えている。

小説や映画のタイトルには 著作権が認められないといういささか納得しがたい法解釈があり、
よく勘違いをさせられる。
フレンチコネクションとは、トルコの麻薬がフランス経由でアメリカに流入していた時代の密貿易システム或いは組織の名称である。
こんな名前をブランドにするとは、まだおおらかな時代だったのですよ。

先日場末の映画館に足を運べば・・・・「フレンチコネクション」が上映中
なんだかポスターをみてもテイストが違うし、最近のフランス映画ではないか。
コンテンツとしては、同じものですが、アメリカサイドからの視座かフランスかの違い・・・でもないのですなあ。


所謂「犯罪映画」。気取って言えば、フィルムノワール
フランス語だからってことで、フランス産の犯罪映画を思い起こすようでは、プロ映画鑑賞家にはなれない。
40から50年代のアメリカン犯罪映画をフランスの映画評論家がかように称したことに由来する。
従って、フランス産ギャング映画は、フレンチフィルムノワールというのがプロの言葉つかい。

まあ、どうでもいいのですが、この21世紀に取り上げるようなコンテンツかねえって(笑)
なかなかのスタッフ俳優陣の割に、興行的には不遇だった。
フレンチフィルムノワールって、ホモチックな男の友情とか裏切りとかその辺が過度に濃密で息苦しくなる。
ファムファタール・・・運命の魔性の女は大抵登場しないし、色気にも欠ける。
受けない理由ってあるのですよ。
一部に熱烈なファンもいますが・・・・

2016年7月28日木曜日

理想の家族





家業の金物屋の跡取りがいた。
美人のオンナを女房にした。
安アパートから、ちょっと中流系の戸建ちに家を建てた。
子供は賢げな男二人。
賎商なんかにはせず、背広に革靴、一流ビジネスマンにするのだ!
自分勝手な理想の家族像を当たりかまわず振りかざすことが不幸の始まりということに思いをはせる・・・わけがない。

長男は、期待通りエリート風・・・みたいな営業系ビジネスマンになった。
賃貸マンション暮らしだが、二人の子供
さあ、頑張るってところで、リストラ
クビになったと言えない毎日。
子育てに忙しい女房との心の距離はひらく
自分で選べることは、ただ自殺の方法だけ・・・・

引きこもりの次男。
心が崩れた理由は語られない
口先だけの一発逆転復帰人生幻想にかける日々
家父長的夫の前に思考停止な妻は主婦業はもとより、母業、妻業も放棄


こういうのが「理想の家族」らしい・・・・が、次男は発作的に連続殺人に及ぶ。
池田付属やアキバ連続殺人をモチーフとするような・・・本年度最大規模の問題作

なんと知らなかったが、実話同様に獄中結婚だって。
妻になろうってどういう神経でしょうか?

家族となって死刑囚のあなたとむきあいたい!

その役を、田中麗奈が、なんとも形容し難くリクルートファッションで演じるのですよ。
やっぱり、死刑反対派はカルトです。
鼻持ちならない身勝手な論理での迫り方は・・・・「メイワク」
迫られて受諾する神経って・・・なんとも不条理な「夫婦」の会話には顔がこわばる。


あの宅間守を主人公とするモデル映画だと思ってました。
不条理連続殺人犯の心の闇にせまる問題作だと思ってました。
ところが、センターは、あの金物屋のオヤジ
とんでもない・・・

自己中心
傲慢狷介
我儘
家父長     なオヤジ


葛城事件


本年度の邦画の最大収穫はきまったようなものです。
しかし、エンドマークに先には、感情移入できるものはなにもなく、日本アカデミー賞ではお声はかからない。


不愉快
吐き気
直視に耐えない・・・・という逆説的なカネ返せ映画。


スノブな神戸だと結構お客が入るのですなあ。
何処でこんなゲスな映画を聞きつけたのでしょうか・・・・まずまずの入り
シニア料金であっても暇つぶしに見るようなシロモノではない。


陰惨な殺人事件の映画的描き方の定番は・・・

被害者の悲劇
加害者の心の闇 ・・・・どっちも月並みです。


加害者の家族の葛藤って、ある意味で新機軸ですが、別に悔悟も反省も謝罪もなく、
われわれも被害者だ!(間違いではないが、それをいっちゃおしまいでしょう)
それぞれの「理想の家族」の崩壊劇。
オスカー(外国語映画賞)も狙える大傑作になったとおもうだけの作品ですので、いささか惜しい。
それぞれが個性的な熱演なんですが、どこか「つくりものっぽい」のです。
ありえてはならない現実とは、実際のところそういうものなのでしょうか?



2016年7月27日水曜日

とりあえず「参加することに意義」があるのかどうか・・・・



多くの「アプリ」特有の同意約款方式って、腹立たしいのです。
そもそも「相対での契約の自由原則」に反するが、嫌なら遊んで(使って)もらわなくても結構ですという上から目線
いまどきの若者が一番嫌うことのはずですが、世界中で数千万人の方々は、嬉々として(かどうかはしりませんが)同意したようです。


改めて「同意約款」を読んでみるに・・・・

13歳以下は遊んではいけないようです。
正確には、親権者同意が必要であり、不都合があれば親権者が責任を取るってことになっています。


規約は勝手にいつでも変更できます。
これは毎度の表現であり、変更後も遊んでいると変更同意したってことになります。
しかし、普通は変更修正履歴なんか親切に教えてくれませんから、無視しますよねえ。


特に「オプトアウト宣言」をしない限り(どうやって宣言するのかねえ?)紛争解決は「仲裁」でしかできないし、集団訴訟にも参加できないって
それはそれは恐ろしいことが「太字」で書いてます。
仲裁と訴訟はちがいますし、仲裁地は当然にアプリ提供元に有利な場所です。仲裁人も当然ながらそうなります。
極東のヒトザルが騒いでも、アメリカ大陸の白人(になると思いますが)は公平中立かどうか・・・・


プレーする我々は「安全にプレイ」する義務があり、不測の事態に備えて必要な「損害保険等」に加入する義務があるそうですよ。
盗撮されたと勘違いしてぶん殴られた方がいたようですが、自分の傷害保険で処置するしかないですね・・・って加害者が約款をたてにとって
争うと・・・おもしろいことになります。
安全にプレイする義務も怠ったし、俺には民事上の責任はない!


このアプリは「非営利目的」に限りダウンロードできるって書いてますし、当然改造等は権利侵害です。
PL責任も消費者保護法制にも拘束されないし、安保法制(それも世界一厳しいアメリカ法)の遵守義務も負わされています。
規制技術が使われているかどうか調べるのはユーザーはまず無理。
海外渡航の際は、アプリ消去をしたほうが無難です。
イスラム系国やロシアだと、禁止ソフトらしいから、入国時にスマホごと没収は十分あり得ます。


とかなんとか・・・まじめに全部読んで理解するにはポケモンをすべて捕まえるようよりも時間と労力がかかりそうですが、
ユーザーが約款に反して生じた「損害」からは、アプリ提供者はすべからく「免責」ってことで締めくくられてます(笑)




こんな恐ろしい・・・・条件でも、あなたは遊びますか?
まあ、契約書はその内容によっては「原始的に無効」と主張することも可能ですので、
なんかあれば、その線で戦うことですね。
実際に事がおきれば.........展開を観察させてもらおう(笑)

---

最後にかいてます。
準拠法は、CAです、
どんな法律かはまったく知りませんが、アウェイで戦うということには間違いありません。
オプトアウトをしておくならば、通知先の電子メールも記載されてます。
ただし、同意してから30日以内って期限付き(まだ間に合いますから、とりあえず出しておくほうがよさそうですが・・・・)



2016年7月26日火曜日

マカロニがお好き?それともスパゲティ?





半世紀前ならいざ知らず、パスタ、スパゲティ、マカロニの区別の付かないっていうか、
定義をそれらしく言えない方は、今時はまずいな......
これが結構いるんですよ(笑)
ここから毎度の衒学趣味の展開が、今日はさておき


イタリア産アメリカン時代劇は、西洋ではスパゲティウェスタン、倭国ではマカロニウェスタンと言う。
ココまでは、映検「4級クラス」の雑学なんですが・・・・苦笑
どうしてパスタウェスタンと命名されなかったのかに関する講釈は
聞き及ばない。小麦由来の麺や生地の総称がパスタなんですから、
そう言うのがもっとも普遍的である。当時の倭国は、ナポリタンとミートソースしか知らないのですから、
致し方ないが、西洋でもパスタとは一般的では無く、よっぽどの田舎料理だったのかしら。

しかし、スパゲティウェスタンと言わずに、マカロニウェスタンと称したのは慧眼である。
淀長さんの命名らしいが「中身がなくて(いのちも)短い」と見抜いたらしい。
確かに淀長美学に叶うような映画じゃありません。
功績も無いではなく、ハリウッドの格下俳優がブレイクして、後世素晴らしい仕事を
してくれた例も有ります。


半世紀ぶりに、ジュリアーノジェンマの作品を観ました。

怒りの荒野

正確には、リーバンクリーフがセンターで、セカンドがジェンマですが、
映画史に残る「最良の悪役」がトップでは、興行的に如何かということで
パスタウェスタン随一のイケメンが主演とされています。
バイクの名前にまでなった位ですから、当時の人気が偲ばれます。
さすがにもう生産中止......かな?
かたや、クリーフは、アルコールのCMには出てますが、シブい。





肝心の映画ですが、デジタルリマスター版なんて高尚じゃなく
ひどい画質に音響。
しかし、なにかと後世への影響は垣間見れます。
必殺シリーズなんて、山場の展開、音楽の使い方はまさしく、このスタイル。
コンテンツを説明するような代物でもなく、アンチ正統派らしく、教会も学校も出てきません。










2016年7月25日月曜日

赤白歌合戦


大晦日国営放送の歌番組には興味はありませんし、団体戦の勝敗や勝率はさらのこと。
然しながら、問答歌というか、男女の歌の掛け合い応酬はまことに知的である。
投げられた和歌の字句を巧妙に換骨奪胎して、ひねり返す。
なかなかのものですが、どうやら、和歌の世界は女流が王道なので、この手の世界でも、女歌の方が巧妙という傾向にある。
まあ、婦女子の問い掛けに対して、しっぺ返しのように返歌するような辛辣さを
オスザルは持っていない、あるいは封印しているって事でしょうし、
風景的にも、女歌がピシャリとやり返す方がサマになる。
紅白歌合戦も赤組勝利!って歓声をあげてる方が、良い年が来そうな予感。


応仁二年(1160年代)のこと。
西行法師が旅の途上で雨に降られ、江口の里の民家で雨宿りを乞うた時のこと
その家の女主人は雨宿りをにべもなく断るのもんで、ムッときた西行が一首

西行 世の中を いとふまでこそ かたからめ 仮の宿りを 惜しむ君かな

女主人 世をいとふ 人とし聞けば、仮の宿に 心とむなと 思ふばかりぞ

この問答歌は、新古今和歌集にも収録されていますが、少なくとも西行の歌は出来がよくないし、文意不可解。
出家までするのは難しいとしても、あなたは一夜の宿まで惜しむのですか・・・という解釈なんですが、
上と下がうまく繋がらない。
若き日の西行ですから、作歌能力も修行中だったのでしょう。
一方、返歌の方は巧みです。
世を嫌って出家された方なのに、仮の宿(=この世)に執着なさるなんて・・・・と思っただけですって
婉に歌われると、座布団一枚って大向こうから声をかけたくなります。

昨今の風俗嬢と違って、王朝世界では、遊女とは半端でない教養の持ち主。
この伝統は吉原の太夫にまで引き継がれ、
よき時代の銀座のクラブホステスですら、チャンと兜町新聞程度は読んでいましたし、
接客時の飲み食いはご法度、オフでも水仕事は手が荒れるから一切しない・・・
今思えば、ゆめまぼろしの世界です(笑)


この江口の里の遊女伝説は語り継がれ、
今でもその後出家した女主人の庵が寺となり、大阪の東淀川に現存します。
遊女の名は妙と伝えられていまして
平家の貴族の娘で、滅亡後没落し遊女に身を落としたとされるが、
平家滅亡は、西行晩年のころで辻褄が合わない。
剥落し、苦界に堕ちればなんでも平家の末裔って言っておけばいいのですよ。

謡曲の「江口」の素材にもなりました。
嫋々面々たる名曲って事になっています。


2016年7月24日日曜日

爆音映画祭




昨今大流行りの爆音映画上映会
音響設定をコンサートライブモードにすれば、映像感触も変わるって触れ込み。
たしかに、そういう映画スタイルもあるが・・・・例えば、マッドマックス。
しかし・・・


地球に落ちてきた男


グラムロックの帝王であるが、ムービースターとしても、ひとかどである。
最高作かどうかには疑念があるが、なんせオリジナル版は無修正フルヌードだったとはビックリ仰天
それだけで若者が集まったのか、新開地のマニアックシアターは長蛇の列。
大音量だから老人ばかりだと・・・・思った私が馬鹿だった。




ニコラスローグ監督のSF映画史上の傑作らしいが、爆音上映でないなら、爆睡上映だ(笑)
結構難解なのですよ。
マニアもどきが、わかったフリをするカルトムービーですねえ。
タイトルからして、主人公は異星人。
故郷は荒廃し、家族と死に別れ、この地球で、はるかに高度な文明の力を武器に大企業を起こし
宇宙旅行計画を実施するにまで至るが・・・
紆余曲折があり、結果、地球人のミュージシャンとして生きていくことになる。
なんか、レイブラッドベリの火星年代記の結末を思い出させます。
時間軸が錯綜する作り方なので、予備知識がないと理解不能
SF映画とはいえ、中国資本が出資しようって気には絶対にならない(笑)


ニコラスローグは、お気に入りの監督で、耽美・頽廃・倒錯の三点セットを映画に持ち込んでくれます。
例えば・・・




2016年7月23日土曜日

カネ積まれたら・・・使っていいかな?崩れた倭語



なんだか川柳みたいなタイトルである。
あまりにも字余りがすぎるが、気分としては「一句」って感じだ(苦笑)


日本語の乱れ・・・・別に今に始まったことじゃなくて、王朝古典なんか読んでいても、同様の苦言が散見される。
書き言葉にせよ読み言葉にせよ、その変化・変体をもって「言葉の乱れ」と称するのは、繰り返される歴史である。
しかしである・・・・(相変わらずの衒学趣味で迫れば)


難波なる 長柄の橋も つくるなり 今はわが身を なににたとへん (古今集 伊勢)


平明な和歌なんですが「つくる」の語義がたいそう難しい。
説が二つあり、「作る・尽くる」のどっちかって論争。
かな文字でなく、漢字で書いてくれていればこんな不毛の議論をせずにすんだが・・・・
どっちでもいいといえばそれまでですが、歌学者にとっては一大事だし、うたの意味も大きく変わる。
アプローチの方法は二つあり、史実に即して解釈する方法と、古文法に従う方法。
簡単に言えば、名歌人の伊勢のことだから、崩れた倭語を使うようでは矜恃に関わる。
ちゃんとした古文法とおりの作歌をしたはずと思えば、
つくるは「作る」にちがいない。
なりという「伝聞推定の助動詞」には「終止形の動詞」がセットものという言葉のお作法に従えばそうでしかない!

作るは四段活用
尽くるは、上二段活用(この場合の終止形は「尽く」である)

まあ、いささか牽強付会ではあるんですが、丸谷さんのある小説のエピソード。



さて内館牧子さんの「金を積まれても使いたくない日本語」なる新書を斜め読みしています。
彼女が日本語の大家かどうかはしらないし、文章読本を書くような才人かどうかにも疑問がある。
かつては

塚本邦雄
丸谷才一
井上ひさし   なんかが日本語の泰斗であったが、残念なことにみなさん鬼籍にはいられた。

とりあえずはこれで我慢するしかないか、部分的に共感!
ツイッター程でもないが、FBも悲惨な言葉つかいが散見どころか跳梁跋扈している。
本当にどんな育ち方をしたのか、親兄弟や学校の先生の顔を見てみたい。
そういうヒトザルは、十兵衛さんのブログなんか読まない・・・違いますねえ、読めないだ・・・(笑)
まともでない倭語を使うようでは自身を滅ぼすが、滅びていいようなヒトザルはさっさと滅びればいい。
美しい倭語指導をするほどの親切心は持ち合わせていませんし、
自らが美しい言葉を修練するのが本道。


因みに、言葉使いの場面でもTPOがありますし、私事では、カネを積まれれば汚ない倭語は幾らでも使えます(笑)

バイト敬語
タメ口
ら抜き言葉
全然・・・肯定形
混ぜ書き
和歌山弁(解説をすれば、敬語のない方言です。別の意味で評価する向きもありますが、本当はおかしい)







2016年7月22日金曜日

黒いオーケストラ


世に「史録」なる著作形式があり、児島襄氏が得意とする。
史料でもなく、歴史小説でもない歴史書。
前者のような価値はなく、後者みたいに面白くもない。

ヒトラーの戦い

書庫の奥から再発見。
文庫版で10巻ちかくあるのですが、昨今の風潮に鑑みて再読してみよう。
最初二巻は第二次大戦開戦まで。
アレヨアレヨといううちに「彼」は権力の座についてしまうのですが、主張は単純。

戦後政治の総清算

聞いたようなセリフ(笑)


ワイマール憲法からの脱却(全権受任法で合法的に実現)
ベルサイユ条約の無力化による再軍備(なし崩し的に、口先非難は歯牙にもかけず)
簒奪された国土の奪還(順番に、ラインラント、オーストラリア、ズデーテン、ダンツィヒ)

これらも有りげなスローガン。
力による現状の見直しなんぞは許されるものではないが、
ドイツ国民は、相当にワイマール体制には怨み骨髄だったようで、拍手大喝采!
西洋列強も、ドイツを力では押さえこめるが、戦争を好まず、安易な妥協を繰り返す。
悲惨なのはポーランド。
英仏との安全保障条約はあっても、ポーランド人の為に自分の血を流そうとは思わない。
契約とか国際信義なんて所詮はそんなもの。
戦争を回避し平和的にって時間を浪費しているうちに、更に巨大な戦争を引き起こしてしまった。



強引な戦争をも辞さない「彼」のやり口には、プロシア以来のドイツ国防軍首脳陣も
批判的だったようで、1938年には既に「黒いオーケストラ」と呼ばれた反ヒトラー組織が作られた。
なかなか壮観なメンバーで、倭風に言えば、その中核には

新旧陸自幕僚長
東部方面総監部首脳
日銀総裁
警視総監
横浜市長 等々

本気になれば、不首尾に終わるはずがないのですが、戦略目的がよろしくなかった。
この組織は、彼を排除する事は手段であり、目的は負けるだろう戦争を回避する事にあった。
チェコ侵攻は絶対的に列強との戦争勃発のトリガーになるはずだったが、
クーデター直前にチェンバレンが揉み手をしながらミュンヘンまで妥協案を持ってやってくる体たらく。
戦争さえ起こらなければ、ヒトラー排除の大義はない・・・・
そうこうしているうちに「彼」の権力やセキュリテーシステムはより強固となり、多くのクーデター計画はすべからく失敗に終わった。




豚は太らせてから食ってもいいが、邪悪な権力者は早めにつぶしておきませんと・・・・(という教訓です)



2016年7月21日木曜日

ブルックリン



あれは「天罰」だ!とアイリッシュは口に出しては言わないが、先祖の悪業は、孫子に祟る。
エゲレスの最終的没落はここに始まったのだ。
アイルランドの19世紀半ばのジャガイモ飢饉の被害は、ペスト、コレラに匹敵する。
発端は天災であり、イングランドの細菌兵器でも何でもない。
しかし、その後の展開はイングランドによる人災以外の何物でもない。
故意悪意があったかどうかは論争があるが、とりあえず完全に否定されてはいないし、不作為があったことには間違いがない。
時の首相が遅ればせながら謝罪しても、あのジェノサイドもどきの悪行は歴史からは消えない。
イングランドがアイルランドで行なった過酷な支配については、ケンローチの映画にも詳しいが、
怒りなくしてスクリーン見ること能わず・・・
餓死と移民で、アイルランドからは人影が消えんばかりだったそうな。
今のシリアを思い出す惨状。

新世界での再出発でも苦難は続く。
NYのポリスやファイヤーマンにアイリッシュが多いのは、3K職場しか働き口が無かったからであり、
正業にあぶれた者たちはマフィアとなった。
イタリアンだけがマフィアではない。
この辺りは、映画「ギャングオブニューヨーク」に詳しい。
ヒスパニックの増加で今やアメリカンの一割強に過ぎないアイリッシュであるが、未だに相応の社会勢力である。
その苦難の歴史理解なくしては、そこはかとなく哀愁の漂うアイリッシュ系映画の理解は出来ないが、
なんとなく倭人とのシンパシーってあるみたいです。


ブルックリン


地味な映画ですが、オスカーの複数の主要部門にノミネートされたのは
それだけの理由があるのですよ。





ヒロインを演じるのは、シアーシャローナン
ケイトブランシェットが絶賛したアクトレスらしいが、なかなかのものです。
山麓の牧場の雌牛がソフィティケイトなニューヨーカーに変身って、そう簡単に出来るものではないし、
旧世界と新世界の間で揺れ動く心情も見事に演じ切りました。

なんか褒めすぎですねえ・・・めずらしく(笑)


2016年7月20日水曜日

絶対に元が取れる合理化投資



選挙運営費用の総額って、あちこち調べましたがよくわかりませんが、衆議院選挙の実数から推計するに・・・・
前々回の総選挙では、概算で600億円の公費を費消したらしい。
選挙の規模感で当然ながらこの費用は増減するが、三年おきくらいの頻度で衆議院選挙。さらに参議院選挙三年おきで三年間で都合三回。

地方選挙が、知事レベルが4年毎、市町村長選挙、市町村等議員も同様のピッチ
行政区域単位で実施されるとはいえ、全国規模換算で三回(大体四年単位だが、辞任とか解散もある)

超大雑把に言えば、毎年全国規模の600億円程度を必要とするイベントが2回程度実施されているってことになります。
同時選挙の実施とかで、重複支出を避ける工夫をやってますが、結果として一千億円(年)もの公費を使っているって・・・・計算間違っていますかねえ?



そこで誰でも考えるのが「電子投票システム」
法的な根拠法もあるのですが、逆にコストがかかりすぎるとか大規模トラブルで選挙が無効になったとかで、
羹に懲りて膾を吹く有様になっている。
最初に実施されたのが2002年・・・・
しかし、いったいどんな「電子投票システム」を作ったのでしょうか?

まず選挙実施単位(市区郡単位とか)で個別開発をやったらしいが、これじゃ馬鹿高くなるのは当たり前
投資回収年限が数十年・・・(苦笑)
通信環境等が劇的に貧弱な時代であり、クラウド環境もなければ、スマートフォーンも普及していなかったため
周辺機器の配備に莫大な費用がかかり、当然ながら老朽更新費用も考慮する必要があった。


ICTは日進月歩。
マイナンバー制度もあるし、いまなら、もっとお手軽に作れるはずだ。
当然ERPパッケージであり、全国共通のプラットホームで、選挙の単位で都度パラメーターをきりなおせばいい。
本人認証は、マイナンバー+本人しか知らないはずの4桁PW(本当は電子認証用の長ったらしいPWを使いたいが・・・)
投票行為は、スマホ、コンビニに設置しているなんとか端末、ネットカフェとかネットワークPCならなんでも、それから宅電(本当は使いたくないが)


あの面倒で使い勝手の悪そうなマイナンバーシステムで5千億円くらい
デスマーチの危惧のある某メガバンクの勘定系システムで4千億円ですから、最大で見積もってもそこまでいかない。
ぼくに発注してくれれば、一千億円強でつくれると思いますが・・・・・(笑)


別にセキュリティ対策を除けば難しいシステムじゃない。
有権者を山積みして、投票行為で山崩しするだけのバッジシステムレベルです。

まあ、投票の秘密が侵害されるおそれとか、反対理由と膏薬は何処にでも......
とりわけ、選挙特番で視聴率を稼ぐメディアが急先鋒だろう(笑)





2016年7月19日火曜日

選挙権を行使するということ


都知事選とはいえ、地方選挙レベルで議論することではないが、まず選挙権・・・被選挙権も言うに及ばずですが
その権利を正当化つ適切に行使できる事が前提になる。
未成年と言って誤解を生むなら著しい若年者や禁治産者に上記権利を付与しない事は当然だと
思っている。
現実的には、大人以上の理解力を持つお子様や白痴であっても成人後見制度の適用を受けていない
方々がおられ、由々しきまでの不公平性があるのですが、このような事象においては
硬直したガチガチのルールで運用するしかない・・・って結論を先に書きます。


しかしながら、選挙権については、侃侃諤諤な有様で、
成人被後見人に選挙権が付与しない公職選挙法は違憲とされてしまいました。
最高裁はつまらん事で違憲判決を出して、違憲立法審査権やってますってアッピールするから始末に負えない。
ほかに・・・・まあいいや(笑)

意思能力に欠陥があっても正当且つ適切な投票行動ができるのですかねえ?
選挙権付与年齢を更に引き下げるべきと言う意見もありますが、同様に懐疑的です。


更に難儀なのは、外国人参政権付与問題。
正統的な憲法解釈や最高裁の立場は「すべて不可」ですが、
地方選挙の選挙権だけは、って意見は一部政党を含め結構あります。
しかし、その意見は在住外国人の全てに付与ではなく、特別永住者に限るというから
胡散臭くなる。
外国人からの政治献金禁止の趣旨は、外国勢力の国権への影響力排除に
ありますから、その文脈の延長線からするに、ザイニチ参政権付与なんか
ありえない。
どうも、主張のホンネは外国人献金の合法化のようです。
声高に主張する一派は、外国人献金疑惑の巣窟とも言われますし。
総数も旭川市の人口と同じくらいで、永住外国人の10ないし20%。
票数の問題じゃないと容易にわかります。
さりとても、区町村議員選挙権位ならば折り合いを付けて、他の部分で締め上げるのも
いいかなと個人的には妄想しますがねえ。原理主義では政治はやれないのですよ。


そんな事よりも、慚愧に堪えない投票行動

低い投票率
知名度人気投票

ひとえに主権者の劣化。
政治家の劣化と的外れな批判は慎むべきだ。
もしあるとすれば、議員定数が多すぎることによる。
政治家のレベルは主権者に依存するとはまぎれもない真実。
根本原因は明らかだし、年齢条項と国籍条項で無原則に
権利付与するからおかしくなるのだ。
諸外国でも例があるが、選挙人登録制とし、定期的に盃改め。
主義主張は様々あればいいわけで、投票参加、言い換えれば政治参加の意欲のある国民のみが投票行動をすればいい。
であれば、選挙権年齢を16歳まで引き下げても構わない。
認知状態のご老人は、自主的に辞退してもらえるだろうし、知名度だけのお馬鹿タレント系に投票する魯鈍も少なくなる。



2016年7月18日月曜日

海の日


祝日が増えてうれしいなあ・・・・ってわからんではないが、多くの企業では「有給休暇制度」があり、
その消化率は半分程度だといわれているわけですから、ことさらに法定休日を増やさなくとも、
有給取得率をあげる努力をすれば済むことです。

ろくに有給もとれないようなブラック企業だと、休日が増えても過重労働に押し流されるだけです。
そもそも、国家の成り立ちなり歴史と伝統、国民生活上の重要な節目等これはって日だけを「祝日」に
するのが正統的な考え方。


さて「海の日」とはなんじゃいな?
もっともらしい理屈はあるが、特段「記念日」とするようなことでもないし、
他国でも例を見ない・・・・(らしい)

明治のころですが、ミカドが東北巡視にお出かけの際に初めて軍艦以外の船舶にお乗りになり、
横浜港に無事到着されたこと(7月20日)を記念したのが「海の記念日」の由来らしい・・・・(って初めて知った)
その記念日が「海の日」に化けたってことだが、当時の内航海運業界団体のごり押しが背景にあったとされる。
天皇大権の御世でさえ祝日でなかったものを、民主国家になってあえて「国民の祝日」とはいったいどういうこっちゃ(苦笑)

暑い盛りに祝日がないのは労働者に気の毒・・・・って、
夏はまだ比較的お休みがとりやすいわけで余生なお世話である。
そんなことより「未消化有給買取の法制化」のほうが労働者にとってはありがたい。
労基法39条では、法定有給休暇制度を定めており、法定分の「買取」は、法定有給休暇不支給とみなされ違法である。
法定以上の部分の買取は違法ではないが、制度として金銭買取を就業規則で定めている事例は寡聞にして知らない。


ここから先は、勝手な「邪推」である(笑)
いろんな意味合いで七月に祝日を設けたいが、本命日を持ち出すと90年代(海の日は95年に制定)ではまず無理って
政治判断があり、将来七月の別の日に「すり替え」が出来るように「海の恩恵に感謝し海洋日本の繁栄祈願」って
積極的に反対しがたい理屈をつけて、7月20日の祝日に仕立てた。

さて、本命は・・・・?

海の記念日なんて祝日を持つ国家は世界中でも例を見ないとされるが、「軍隊」にかかわる祝日は
当然ながらあるのが当然視(軍の貢献に感謝し戦没者を慰霊)されます。
実のところ「7月1日」は自衛隊記念日。
時期的な関係で行事は11月に実施され、記念日も11月に移動しましたが、正しくは7月(自衛隊発足日)
かつては、帝国には陸軍記念日(3月10日)や海軍記念日(5月27日)もあったが、
昨今はどこの国でもまとめて「軍隊記念日」とされる。




一昔前ならいざしらず、自衛隊を「人殺し」だとか「暴力装置」といえば、首が飛ぶ時代。
さまざまな貢献に謝意を述べ、士気高揚のためにも、海の日から名目をかえるってどうでしょうか?
改憲発議に必要な議席を衆参でゲットしたし、この程度が実現できないようですと「第9条改正」なんかできっこないでしょう(笑)





2016年7月17日日曜日

喜ばしさも半分くらい


先日稽古場でお目にかかりましたが、なにもおっしゃいませんでした。
まあ、嬉しがっていい散らかすようなものではありませんから・・・


珍しく紙新聞に目を通せば、新たに5名の人間国宝が認定されたそうで、なんとうち二人までがシテ方能楽師である。
慶賀の至りではあるが、他の分野からすればバランスが悪い。
文化財保護法では、無形文化財とは「演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの」とされ、
無形文化財とは芸能、工芸技術等の無形の「わざ」そのものを指すが、その「わざ」を高度に体得している個人または団体のうち
重要なものを重要無形文化財に指定するとともに、その「わざ」を体現する個人または団体を保持者または保持団体に認定する・・・とされる。
俗に人間国宝と言われるが制度発足以来半世紀経過し、認定を受けた方は百八十人程度。多くは物故者である。

シテ方能楽師に限れば、今回で累計で15名。
ご存命の方は4名です。以下失礼を承知で敬称を略します。

野村四郎は、狂言の故野村万蔵のご子息ですが、親子二代、二人の兄弟共々人間国宝というとんでもない壮挙なのです。
舞台を拝見する程度で特段の面識はありません。

大槻文蔵は、師匠筋の方ですので、比較的親しくさせていただいています。
次回くらいにはワキ方をお願いしようかなって思っておりましたが、 ちょっと敷居が高くなった。
親子三代の能楽師の名門ですが、四代目候補のご子息が、サラリーマンに成っちゃいまして、後継を危うんでおりましたが、
神童の名に相応しい芸養子をお取りになりましたので、まずは安泰。
運営される能楽堂を稽古場にお借りもしています。


政府としても古典芸能の保持継承育成に相応の努力を払ってはいますが、国費を突っ込めば継承出来るってものじゃない。
歌舞伎は松竹の庇護のもと大衆人気に支えられていますが、
この世界の長老の嘆きは、若手人気役者の浮ついたケレン味に流された芸風の跋扈ということらしい。
文楽は、国費まる抱え。
嬉しいことにいささか人気復活の兆しはあるようですが、足腰の弱さでしょうか
地についた人気を確実なものにする点がまだまだ弱いと言われます。

さて、能楽ですが、様々な国費支援はあるとはいえ、基本はパトロンが支えています。
お弟子が、満席でも黒字になるかどうかの公演のチケットの多くを引き受け、
毎月のお稽古料をしはらい、
毎年の発表会に下手ながら出演し、やすからぬお役料なんかを負担する。
能楽が好きだからやってますが、メセナの精神なくしては続かない。
能楽は家業ですから、家の芸として継承されるが、お弟子は一代。
高齢化が進むし、女性ばかりだし、蝸牛庵が未だに若手(笑)
昔は、花嫁修業の一つのようで、妙齢の女性もあまた。
艶めいたウワサも多々あったらしいが.........

式学としての気位の高さが、どうも昨今邪魔をする。
ヒラメの多そうな社風の大企業のトップなんかが能楽に入れあげると、
少なくとも財政的には随分と楽になる。
かつてのことですが、産業の古古米と一部に揶揄される大企業のトップは木挽町あたりに生家があったらしい。
若い頃より新橋に通い詰め、小唄端唄ナンチャラが大好き
なもんで、役員部長クラスは日々練習に精を出した・・・・とかや。




2016年7月16日土曜日

実は初めて読むのです!


今話題・・・でもなかろうが、皇室典範なるものを精読してみよう。
でも、旧法の方ですよ。
でも、法律かと言われれば、ちょっと違う特別な存在であり、国法としての憲法、家法である皇室典範が
ツインとなっていた。
公布のタイミングも同じです。
それ以前は.........?
慣例の世界で成文法は無かった。
皇位継承の争いごとは、皇位に値打ちがあるから起きるのであり、室町中期以降は権威も失落し、平穏無事(笑)

カッコ書きが勝手なつぶやきですので、読み飛ばしていただいても結構です。






皇室典範

第一章 皇位継承

第一条 大日本国皇位ハ祖宗ノ皇統ニシテ男系ノ男子之ヲ継承ス

(男系天皇原則はいまと同じです)

第二条 皇位ハ皇長子ニ伝フ
第三条 皇長子在ラサルトキハ皇長孫ニ伝フ皇長子及其ノ子孫皆在ラサルトキハ皇次子及其ノ子孫ニ
伝フ以下皆之ニ例ス
第四条 皇子孫ノ皇位ヲ繼承スルハ嫡出ヲ先ニス皇庶子孫ノ皇位ヲ継承スルハ皇嫡子孫皆在ラサルトキ
ニ限ル

第五条 皇子孫皆在ラサルトキハ皇兄弟及其ノ子孫ニ伝フ
第六条 皇兄弟及其ノ子孫皆在ラサルトキハ皇伯叔父及其ノ子孫ニ傳フ
第七条 皇伯叔父及其ノ子孫皆在ラサルトキハ其ノ以上ニ於テ最近親ノ皇族ニ伝フ
第八条 皇兄弟以上ハ同等内ニ於テ嫡ヲ先ニシ庶ヲ後ニシ長ヲ先ニシ幼ヲ後ニス

(以上の条文も意味が同じのようですが、先嫡後庶はさすがに削除。万一隠し子がおられれば...?)


第九条 皇嗣精神若ハ身体ノ不治ノ重患アリ又ハ重大ノ事故アルトキハ皇族会議及枢密顧問ニ諮詢シ前
数条ニ依り継承ノ順序ヲ換フルコトヲ得

(この条項も変わりません)

第二章 踐祚即位

第一〇条 天皇崩スルトキハ皇嗣即チ踐祚シ祖宗ノ神器ヲ承ク
第一一条 即位ノ礼及大嘗祭ハ京都ニ於テ之ヲ行フ
第一二条 踐祚ノ後元号ヲ建テ一世ノ間ニ再ヒ改メサルコト明治元年ノ定制ニ従フ

(この章自体なくなりましたが、10条のみ趣旨が生きてます。つまり、退位条項はありません)
(11条は削除。12条は元号法に引き継がれたのでしょう)

第三章 成年立后立太子

第一三条 天皇及皇太子皇太孫ハ満十八年ヲ以テ成年トス
第一四条 前条ノ外ノ皇族ハ満二十年ヲ以テ成年トス

(現行法と同じですが、年齢の違いの意図が分かりかねますが、摂政との関係?)

第一五条 儲嗣タル皇子ヲ皇太子トス皇太子在ラサルトキハ儲嗣夕ル皇孫ヲ皇太孫トス
第一六条 皇后皇太子皇太孫ヲ立ツルトキハ詔書ヲ以テ之ヲ公布ス

(儲嗣とは難しい和語。立太子の儀式を公式にやらないから現行法では削除?)

第四章 敬称

第一七条 天皇太皇太后皇太后皇后ノ敬称ハ陛下トス
第一八条 皇太子皇太子妃皇太孫皇太孫妃親王親王妃内親王王王妃女王ノ敬称ハ殿下トス

(譲位制度がない以上、上皇という身分もない、がポイントです)

第五章 摂政

第一九条 天皇未タ成年ニ達セサルトキハ摂政ヲ置ク
天皇久キニ亘ルノ故障ニ由リ大政ヲ親ラスルコト能ハサルトキハ皇族会議及枢密顧問ノ議ヲ
経テ摂政ヲ置ク
第二〇条 摂政ハ成年ニ達シタル皇太子又ハ皇太孫之ニ任ス
第二一条 皇太子皇太孫在ラサルカ又ハ未タ成年ニ達セサルトキハ左ノ順序ニ依リ摂政ニ任ス
第一 親王及王
第二 皇后
第三 皇太后
第四 太皇太后
第五 内親王及女王
第二二条 皇族男子ノ摂政ニ任スルハ皇位継承ノ順序ニ従フ其ノ女子ニ於ケルモ亦之ニ準ス
第二三条 皇族女子ノ摂政ニ任スルハ其ノ配偶アラサル者ニ限ル
第二四条 最近親ノ皇族未タ成年ニ達セサルカ又ハ其ノ他ノ事故ニ由リ他ノ皇族摂政ニ任シタルトキハ
後來最近親ノ皇族成年ニ達シ又ハ其ノ事故既ニ除クト雖皇太子及皇太孫ニ対スルノ外其ノ任ヲ
譲ルコトナシ
第二五条 摂政又ハ摂政タルヘキ者精神若ハ身体ノ重患アリ又ハ重大ノ事故アルトキハ皇族会議及枢密
顧問ノ議ヲ経テ其ノ順序ヲ換フルコトヲ得

(関白はさすがにない。明治の御代でも女性も摂政はできた事にはビックリ)

第六章 太伝

第二六条 天皇未夕成年ニ達セサルトキハ太伝ヲ置キ保育ヲ掌ラシム
第二七条 先帝遺命ヲ以テ太伝ヲ任セサリシトキハ摂政ヨリ皇族会議及枢密顧問ニ諮詢シ之ヲ選任ス
第二八条 太伝ハ摂政及其ノ子孫之ニ任スルコトヲ得ス
第二九条 摂政ハ皇族会議及枢密顧問ニ諮詢シタル後ニ非サレハ太伝ヲ退職セシムルコトヲ得ス

(太傅と正字で書いてくれれば調べる事も無かったのに・・・現行法ではありません)

第七章 皇族

第三〇条 皇族ト称フルハ太皇太后皇太后皇后皇太子皇太子妃皇太孫皇太孫妃親王親王妃内親王王王妃
女王ヲ謂フ
第三一条 皇子ヨリ皇玄孫ニ至ルマテハ男ヲ親王女ヲ内親王トシ五世以下ハ男ヲ王女ヲ女王トス
第三二条 天皇支系ヨリ入テ大統ヲ承クルトキハ皇兄弟姉妹ノ王女王タル者ニ特ニ親王内親王ノ号ヲ
宣賜ス
第三三条 皇族ノ誕生命名婚嫁薨去ハ宮内大臣之ヲ公告ス
第三四条 皇統譜及前條ニ関ル記録ハ図書寮ニ於テ尚藏ス
第三五条 皇族ハ天皇之ヲ監督ス
第三六条 摂政在任ノ時ハ前條ノ事ヲ摂行ス
第三七条 皇族男女幼年ニシテ父ナキ者ハ宮内ノ官僚ニ命シ保育ヲ掌ラシム事宜ニ依リ天皇ハ其ノ父母
ノ選挙セル後見人ヲ認可シ又ハ之ヲ勅選スヘシ
第三八条 皇族ノ後見人ハ成年以上ノ皇族ニ限ル
第三九条 皇族ノ婚嫁ハ同族又ハ勅旨ニ由リ特ニ認許セラレタル華族ニ限ル
第四〇条 皇族ノ婚嫁ハ勅許ニ由ル
第四一条 皇族ノ婚嫁ヲ許可スルノ勅書ハ宮内大臣之ニ副署ス
第四二条 皇族ハ養子ヲ爲スコトヲ得ス
第四三条 皇族国疆ノ外ニ旅行セムトスルトキハ勅許ヲ請フヘシ
第四四条 皇族女子ノ臣籍ニ嫁シタル者ハ皇族ノ列ニ在ラス但シ特旨ニ依リ仍内親王女王ノ称ヲ有セシ
ムルコトアルヘシ

(コメントが難しいので、別の機会に)

第八章 世伝御料

第四五条 土地物件ノ世伝御料ト定メタルモノハ分割譲与スルコトヲ得ス
第四六条 世伝御料ニ編入スル土地物件ハ枢密顧問ニ諮詢シ勅書ヲ以テ之ヲ定メ宮内大臣之ヲ公告ス

(皇室財産についての国家管理が厳しくなった為だと思いますが、この章は消えました)

第九章 皇室経費

第四七条 皇室諸般ノ経費ハ特ニ常額ヲ定メ国庫ヨリ支出セシム
第四八条 皇室経費ノ予算決算検査及其ノ他ノ規則ハ皇室会計法ノ定ムル所ニ依ル

(憲法の規定に従う・・・でしょうか?。この時代は増額以外は議会の権限が及ばなかった)

第十章 皇族訴訟及懲戒

第四九条 皇族相互ノ民事ノ訴訟ハ勅旨ニ依リ宮内省ニ於テ裁判員ヲ命シ裁判セシメ勅裁ヲ経テ之ヲ
執行ス
第五〇条 人民ヨリ皇族ニ対スル民事ノ訴訟ハ東京控訴院ニ於テ之ヲ裁判ス但シ皇族ハ代人ヲ以テ訴訟
ニ当ラシメ自ラ訟廷ニ出ルヲ要セス
第五一条 皇族ハ勅許ヲ得ルニ非サレハ勾引シ又ハ裁判所ニ召喚スルコトヲ得ス
第五二条 皇族其ノ品位ヲ辱ムルノ所行アリ又ハ皇室ニ対シ忠順ヲ欠クトキハ勅旨ヲ以テ之ヲ懲戒シ其
ノ重キ者ハ皇族特権ノ一部又ハ全部ヲ停止シ若ハ剥奪スヘシ
第五三条 皇族蕩産ノ所行アルトキハ勅旨ヲ以テ治産ノ禁ヲ宣告シ其ノ管財者ヲ任スヘシ
第五四条 前ニ条ハ皇族会議ニ諮詢シタル後之ヲ勅裁ス

(現行憲法では特別裁判所を認めませんから、この章は削除となります)

第十一章 皇族会議

第五五条 皇族会議ハ成年以上ノ皇族男子ヲ以テ組織シ内大臣枢密院議長宮内大臣司法大臣大審院長ヲ
以テ参列セシム
第五六条 天皇ハ皇族会議ニ親臨シ又ハ皇族中ノ一員ニ命シテ議長タラシム

(要するに「家法」だということですよ。)

第十二章 補則

第五七条 現在ノ皇族五世以下親王ノ号ヲ宣賜シタル者ハ旧ニ依ル
第五八条 皇位継承ノ順序ハ総テ宝系ニ依ル現在皇養子皇猶子又ハ他ノ継嗣タルノ故ヲ以テ之ヲ混スル
コトナシ
第五九条 親王内親王王女王ノ品位ハ之ヲ廃ス
第六〇条 親王ノ家格及其ノ他此ノ典範ニ抵触スル例規ハ総テ之ヲ廃ス
第六一条 皇族ノ財産歳費及諸規則ハ別ニ之ヲ定ムヘシ
第六二条 将来此ノ典範ノ条項ヲ改正シ又ハ増補スヘキノ必要アルニ当テハ皇族会議及枢密顧問ニ諮詢
シテ之ヲ勅定スヘシ

(58条は、なんか背景がありそうです。別に調べてみよう)



読む比べるとなかなか含蓄があります。
特命を受けたお役人方が鳩首議論中でしょうが、結構歯ごたえがありますから、確かに数年がかりの作業でしょう。
明治以前の法制の調査も必要ですし、法学部よりも史学部の世界ですねえ。

2016年7月15日金曜日

IDー2



毎度恨みでもあるのか、嫌いな映画といえば、ガキや動物が登場する映画(笑)
さらに加えて、嫌いとは言わないが、見たくないのがチャイナ資本の入ったアトラクション巨編。
世界の映画の市場規模(興行収入ベース)は、推計で三兆円。
北米だけで一兆円程度。
日本は世界第2位と言われてきたが、たかだか二千億円だし、すでに中国に追い越され、金額的にも今やアメリカン並みとも
言われます。
そんな巨大市場を指を加えて見逃す手はないが、外国映画の上映規制が厳しく、
回避するには、合作、合弁、あとはプロダクトプレスメントで政治的寝技での上映枠の優先確保・・・・

あの名作のPART2が二十年ぶりにスクリーンに登場・・・・
まずは、PART1の名スピーチから(笑)


“Good morning. Good morning.

In less than an hour, aircraft from here will join others from around the world, and you will be launching the largest aerial battle in the history of mankind.
Mankind, that word should have new meaning for all of us today.
We can’t be consumed by our petty differences anymore.
We will be united in our common interest. Perhaps it’s fate that today is the 4th of July,
and you will once again be fighting for our freedom.
Not from tyranny, oppression, or persecution, but from annihilation.
We’re fighting for our right to live, to exist, and should we win the day.
The 4th of July will no longer be known as an American holiday,
but as the day when the world declared in one voice,
‘We will not go quietly into the night!
We will not vanish without a fight! We’re going to live on, we’re going to survive.’




Today we celebrate our independence day!”

2016年7月14日木曜日

当選請負人



選挙期間中の話題としてはあまりよろしくないから、本日公開です。
選挙・・・に限らずであるが、勝利の方程式とは「天・地・人」によろしきを得ることって中華文明発祥以来の公理である。
少なくとも孟子様はそうお考えになった。
とりわけ「人」が大事だと仰っておられる。
候補者そのものという意味合いもあるし、個々のスタッフの力量、チームの結束力なんかをふくめて・・・・


選挙屋なる職業があるらしい。
コンサルタントビジネスの一種である。
アメリカンと違って、不敗神話があっても億ションに住んだり高級外車は無理みたい・・・
まあ、知的ノウハウに大金を支払うっと習慣がありませんし、どうもファイトマネーだけっていう価格体系でもないようです。
本来であれば「着手金+成功報酬」のほうが望ましいが、センタイにはなにかと一言多い「有力支援」者がいて、あれやこれやと口出しするから
コンサルタントとはいえ、単に意見をのべるにすぎないんでしょう。
本当に選挙運動を差配できるのだと、上記の割合は、候補者次第(つまり事前当落予想率できまる)。
交渉で決まるし、プロとして信頼も認知もされるのでしょうが、倭国はまだまだかもしれません。
そもそも「プロ選挙屋」って国試があるわけでもなく、心理学や広告宣伝学を学んだものが試行錯誤でやっているわけで
業界団体も聞いたことがない。
ざっと数十人という狭い社会である。
これからは、ビッグデータを解析能力を含めた政治工学のプロが活躍する時代になるんだろうってことで、しばらく前のブログにつながる。



しかしなあ・・・・田舎サル芝居みたいな選挙運動がまだまだはびこってしますから、
ICTとかマーケティングとかいっても通用せんわなあ(苦笑)
やっていることに代わりにはないが、それを理屈っぽく活舌に述べれば反発を買う。
夜明けは遠い。





2016年7月13日水曜日

実家のお片づけ


寒村陋屋・・・・って、間違いではないが、ある意味で逆説的な雅語表現です(苦笑)
築後うんちゃら年とはいうものの、必要な手入れさえしていれば、
和建築の寿命とは築材の樹齢に比例する以上、廃墟化するにはまだまだ時間がかかる。
長く住むには和建築に限る。
税評価上の減価率が高いし、高価な柱を使ってもそんなことは税務署員は斟酌しない。
いざとなれば、解体して柱・瓦・、硝子単位で売り飛ばすことも可能だ
市場はきわめて小さいが、欲しいと思っても手に入りにくいものばかりだとそういう最終解決策もあるにはあるが・・・・


実家のお片づけって大事業らしく、社会問題化しているらしい。
これも昨今の老後問題の一環である。
わが寒村にも「お片づけ放棄家屋」が散見されるようになった。
人が住まないと廃墟化はすすむ・・・・


古民家が普通に保有している道具類は半端な量ではない。
なんちゃって冠婚葬祭はすべからく自宅でとりおこなえる位のものをバックヤードに持っている。
建具類だって、四季折々は大仰でも、夏建具と冬建具の入れ替えくらいは当たり前
行事に使うお道具類は「定紋入り」と相場が決まっているから、いざとなれば汎用性にかける。
加えて書画骨董好きってなれば・・・・

その気になれば、明日からでも美術商が始められる。
まあ、古美術商とは「祖父が仕入れた道具を孫曾孫が売り立てる」といういまどき流行らないビジネスモデル
林業に似ていますが、新たな仕入れをせずに在庫消化だけの美術商って、まあいいかも(笑)
しかし、変に人気が出て、無一物状態に早々となるのも面白くないし、
先祖伝来の道具売りで糊口をしのいでいるって思われるのも癪。
和建築は、限界まで室内に道具がないのがすばらしい。
ごてごてと道具で飾り立てているのは無粋だし・・・・そういうの見ると・・・・「この部屋って物置部屋ですか?」って皮肉るのがいい。
伝説の茶人「へちかん」のように手取釜ひとつで・・・って理想ですが、そうもいくまいが・・・


とりあえず、毎週一日は「整理日」
まずは平成時代のものから順番に・・・・戦前(第二次世界大戦ですよ)の文物の整理にかかれるのはいつごろかな?
それまで寿命が持てばいいが・・・・(苦笑)
普通の「実家のお片づけ」とは趣旨が多少違うんだよね・・・・








2016年7月12日火曜日

ツール・ド・ーピング2018



己の体力と精神力だけで限界に挑戦してこそ......
アシスト自転車なんぞはオンナコドモの乗るもの
おりしものツール・ド・フランスでも正座して観戦を......


一見過酷な自転車競技
参加競技者四千人。
フランス全土はもとより近隣国を含めて3000キロを走破し、その間の高低差は2000メートルを超える。
賞金は円貨で三億程度。優勝賞金じゃなくて総額です。
銭ゲバよりも栄誉ってところが、スポーツの原点を護っているっていうか虚構の城にしがみついているっていうか・・・


スポーツとは、クラシックオリンピック以来、セレブの栄誉を競う場。
その日暮らしの下流民なんかお呼びじゃなくて、銭もうけの手段なんてとんでもない。
しかしながら、クラシックギリシアでも不正は横行したらしい。

この自転車競技の最高峰は百年の歴史を誇るが、不正の歴史でもある
とりわけ近年はドーピングの歴史。
ドーピング科学の発展に一番貢献した競技かも・・・・

近年7連覇したアメリカン。
前人未到の大記録ですが、これは最高峰のドーピング科学の勝利だった。
見破りにくいということも含めてである。

彼は、期待の若手としてのデヴューしたものの、悪性癌に侵され生死の境を彷徨い、
再復帰後、稀代の記録を打ち立てるとともに、癌患者支援活動を精力的に行った。
汚れた英雄と言うのは簡単だが、そんな単純なものでもなかろうって、目利きの監督は思うのですよ。




WCの熱闘のさなか、ツール・ド・フランスがスタート
ドーピングの祭典・・・じゃなくて、サイクルスポーツの祭典(笑)
メダルの結果が出ても数年後にひっくり返るかもしれないしなあ
虚報新聞とはいえ、スポーツ欄の結果だけには嘘がないという最後の砦も崩壊した。
スポーツとは、そんなもんだって前提で競技会をやる方がまだ気が利いている。

2016年7月11日月曜日

当たらない選挙予想(笑)


金のかからない政治・・・なんてことを主張する輩は、信用できないと知るべき(笑)・・・って逆説からあの参議院選挙結果を考えて見ましょう。
まともな研究があるのだろうが、浅学菲才にして聞き及ばない。
従って、やっとみつけた「日本経済研究センター」の論文骨子を参考にすれば・・・・

日本の政治産業の市場価値は?

まず就労人口は40万人と推計されます。
多少懐疑的な数字ですが、議員(およびその予備軍)と彼らの私兵(スタッフ)等を合算すれば
フルタイム換算でそんなものだろう。
従って金額換算の市場規模は、人件費が主ですが、3から6兆円くらい(あまりに大雑把・・・ですがね)
日本全体の就労人口は6千万人台半ばくらいですし、
国と地方を合算した歳出の合計は200兆円らいですが、重複分(地方交付税とか)を除外すればざっと160兆円くらい。
政治が「最適な歳出の計画策定」にあるとすれば、そのために4%程度の原価(さらに公務員のコスト(予算執行コスト)がかかります)を必要としているということですが・・・・
これが民主主義のコストであり、結構な金額だということです。
金のかからない政治なんて不可能・・・とまではいいませんが、一番手っ取りばやいのは「議員」と称する連中を限界まで削減することしかありません。


だから「金のかからない政治」って嘯くあんたがバッジはずせばいいんですよ(笑)

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という前書がおわったところで、今日の本題


なんとか工学といえば、それっぽく理科系の俊才が金融の世界で活躍しているのですが、
いまや「政治」らしい。
金融工学で頭角を現せば富が得られるが、政治工学だと・・・・それは「権力」か。
権力の醍醐味は、スポットライトを浴びる権力者といわれる立場より、その黒子(黒幕)にある。
国史で例を挙げれば、鎌足とか天海とか・・・・今風に言えば、官房長官かその補佐官。



これは投票一週間前の予定原稿です。
あちらこちらの議席予測が当たるかどうかの戯言ですが、とりあえずあちこちとも大差なく、
その時点での最新版のYahoo!のビッグデータ解析の結果で代表させます。
アメリカで最先端の「なんとか工学」における日本のそのレベルがわかります。


最終議席数の増減ですが・・・

自民 +7
公明 +2
民進 ▲22
その他+13

さて、当たったのでしょうか(笑)?
高度な情報解析を必要とするようなレベルの選挙でもなかったが・・・・






アメリカンの「政治データ解析ソフトウェア」は、なかなかの優れものらしく、対立する陣営がそれぞれに一番といわれるソフトウエアを買い込む。
単純に言えば「マーケティングソフトウェア」であり、当然出来のよしあしはある。
ものの本的にいえば「行動ターゲッティング広告」といわれるものらしく、
繰り返し目や耳に飛び込んでくるうちに感情移入が高ぶり、ついつい清き一票を投じてしまう。
サブリミナル効果も知らず知らずに打ちに織り込まれているのかもしれない。


オバマの勝利の多くの部分は、弁舌のさわやかさそれ自体ではなく、
さわやかな弁舌をどのタイミングでどのテーマでどのようにアッピールすればいいのか?の解答をだしたソフトウエアによるものらしい。
最優秀な同じソフトウェアを両者が使っても、勝ち負けは必ずある。
戦国策のいうところの「盾と矛」の説話の世界ではない。
最後は「候補者」
しかし、短期決戦の選挙戦。多くのヒトザルを長期間騙せないが、短期間なら騙せるし・・・・その苦い経験は山とある。








2016年7月10日日曜日

事実の重み或いは強み

見たい!
絶対にみるぞ!!
封切り日には、穢土だろうが、どこだろうと行く!....と決意したが(^^)




そこまでの熱情はないが、まあ行きたい
これは幕間の戯言





このドキュメンタリー映画が史上最高かどうかは見てみないと分からないが、
残念ながら作家の腕が期待はずれ。
しかし素材としては最高ランクだと思います。
民主的に選ばれた世界初の社会主義政権の興亡ですから。
ドキュメンタリー映画は、当然ながら「ドキュメンタリー」に
力点がある。
リーフェンシュタールの大傑作「意志の勝利」は、
幹部たちの要求を代弁するヒトラーの指示すら蹴飛ばし、
実際に起きた出来事だけで構成され、再現映像を含め一切のヤラセを
拒否した。

ドキュメンタリーはフィクションではない!

然しながら、彼女は才能ある美人だけでもなく、オトナですから
映画タイトルだけは、ヒトラーの要望を受け入れたらしい。
この似非芸術愛好家は変なところにヒラメキを見せるのです(笑)

チリの闘い.........ねえ。センスがない。

サンチャゴに雨が降る.........ダメかなあ。




2016年7月9日土曜日

消費税マイレージ



過去ブログですが、多少はまじめにかいたもんで...
某政党の唯一の政策提言......というか、野党で唯一聞くに値する提言なんですが、
雛形は上智大学の先生の策らしい。
なかなか示唆に富む提言です。
老後の生活資金の源泉の多様化ということですが、一般的には

老体に鞭打ち働くことによる収入
過去の収入を原資とする年金
ストックからの収入

とされるが、加えて、消費の額に加算される消費税の一部を年金原資に積み立て、
老齢になった際に還元......いや還付しましょうって制度が「消費税マイレージ」

蟻さんのようにセコく溜め込んでも経済の波及効果を考えるとキリギリスくんのように
湯水のように使いまくる方が良いに決まってる。
しかし、厳しい老後にキリギリスくんは?って危惧への解決策です。


僕って結構な額の年金原資を納付してきましたが、これは自分のためというより
両親等への仕送り。
世代間給付システムのお陰様で老母は優雅な老後生活。
翻って僕の年金原資は、誰が本当に払ってくれるのかしら?
いまや、世代間扶助は成り立ちがたく、個人年金型に移行あるいは併用せざるを得ない
時代である。制度移行を円滑に推進させる効用は大きい。



しかし、制度設計の詳細はなにかと、山あり山あり。
財務省の消費税還付制度同様に、マイナンバーカード利用システムの構築が
大前提です。
つまり、誰がどんだけ仮払消費税を負担したのかの把握!
カードリーダーの準備やらシステム整備等結構な公共事業となります。
クレジットカード決済ならそのデータを利用する可能性もありますので、
更に仕組みは複雑になる。
まさかまさかの丼勘定?!
ならば御免被る(キッパリ!)

仮払消費税のうち、どの程度がマイレージ財源にまわるのでしょうか?
その比率に所得格差をつけるのでしょうか?
消費税制度の逆累進性批判を回避するためにも、比率格差は必要ですが、
所得は所詮フロー。
ストック富裕層は笑いが止まらない。

マイレージ基金の運用は如何するのでしょうか?
誰に、どのように、という二つの課題があります。
確定拠出企業年金のようなもので、運用スタイルを自分で選べるというのは楽しい。
経験則からすれば、たいていは堅実運用を選びますなあ。
GPIFに運用を任すかどうかも選択制にしたい。
腕のいい機関投資家は幾らでもいるし、官製ファンドは信用ならんと考える向きも多い。
運用競争っていいかも。


消費税増税の無期延期、実のところ凍結みたいな状態を
脱却する際には、これくらいの仕掛けを盛り込まないと流れは変わらない。
有る意味、返済がずっと先の借金みたいなものですから、
上手く成長にむすびつくように活用すれば優れて効果的・・・かも

三分の二以上の議席とって「改憲」なんか、暇なときにやればいいのよ。
解釈で改憲は幾らでもできるんだし、司法や法解釈の祭司はすでに政権にひれ伏した。



----以下備忘

https://vdata.nikkei.com/prj2/tax-annualIncome/

↑ バックデータはこれ


国家は何をするにも「カネ」」が先議事項。
先立つものがないと何もできない。
所得からの税金(所得税)は、つまるところ「富裕層」が負担している。
ありていに言えば、全体の4%が個人所得税の半分を負担している・・・って御存知の方はあんまりいない。
そのくせ「金持ち優遇」とかなんとか(苦笑)
ろくに税金も納めずに、保育所に入れないとかこれっぽちの年金とか・・・ちょっと文句多くありませんか?

一方で消費税だって、負担率はともかくも額的には所得比例である。
平均的には、8%前提だと世帯あたり十数万円(年間)というところであるが、一千万円超プレーヤーは倍程度負担している。

これらを前提に「消費税マイレージ」ですが、どうもこれだけで年金原資をすべてまかなうのはちょっと制度的に激しすぎる。
あちこちのライフプランナーが、老後は毎月30万円が必要であり・・・

必要額の半分程度を年金でまかなうってことになれば、いったい税率がいくらであればいいのか?
単純に計算すれば、年間の現行負担額が月額になればいいわけですが・・・・計算するのも恐ろしいし、
実際に店頭で「商品対価の同額を消費税として納付」しなければならなくなった場合の個人消費行動がどうなるのか想像を絶する。
理屈だけ言えば、消費額と同じだけ老後の「たくわえ」として事前に納付しましょうって言えばそのとおりだが、
はいわかりましたって・・・まず言わないでしょうなあ(笑)
今日の生活にあくせくしているのに、未来のための納税なんて言ってられません!というのは正直な心情だわ。
当然に所得格差の調整機能を税率が行っているわけであり、
将来のためのマイレージっていいながらも、貧乏人のためかよ!?って思う「了見の狭い金持ち」は少なからずいる。


さりながら、社会保障財源確保のためにって耳障りのよいことをいいながらも法人所得税減税財源に使われちゃったりするわけですから
厳格なまでに硬直化した消費税税制のほうがまだましだと思うかどうかだと思います。
確信できる未来の予感のない社会を不安な社会というわけですし、そういう風潮の時代なんだら、
馬鹿馬鹿しい揚げ足取りやら瑣末な不祥事をあげつらうよりも、そういう議論が多少なりともできそうな選良を選びましょう・・・って
次の選挙はいつか知りませんが、毎度のシラケにならない為にも
厳しい選択を主権者に迫るくらいの気迫が欲しい。

















2016年7月8日金曜日

Alice の ア


ありていに言えば「イロハのイ」のアルファベット版
分かりやすいだけが取り柄・・・だが、バカにしたものでもない。

イメージに似つかぬむさ苦しいオトコ三人のフォークグループの彼等たちの努力もあったろうが、
語感とのギャップが功を奏したに決まっている。


ジェイナス・プロスペローは、某社特殊部隊員で、元々高い戦闘能力を持っているが、
Tウィルスの完全適合者であり、ウイルス投与実験体にされた結果、
アンデッドとならず、超人的な身体能力を保有してしまう
・・・って言えば、言わずと知れた、バイオハザードのヒロイン、アリス。
アリスとは通名であるが、何故アリスなのかは語られない。
シリーズ最終作がロードショーされたが、答えはなかった。


まあ、様々アリスはあれども、真打本命は、このアリス。
ビクトリア王朝の頃に誕生。
時代背景を全く無視したようなシュールな展開。
原作者は数学者らしく、この小説の次に上梓された数学書は、ビクトリア女王に献呈された。
なんでも、不思議の国のアリスがいたくお気に入りだったもんで、次回作をおねだりしたらしい。
物語もさることながら、この逸話の方がシュールである。






お話は誰でも知っていて、典型的なディズニーテイスト向きなもんですから、
アニメミュージカルとして初公開されたのが五〇年代。
シュールさが仇なし失敗作に終わった。
実写でつくるにはハードルが高く、CGのお陰ですねえ・・
モーチャプスタイルのアリスインワンダーランドプロジェクトは大成功。
二億ドルの制作費で、全世界の興収が十億ドル!
そして、二匹目を狙って、七月トップに大公開・・・・

某シネコンでは

3D字幕
3D吹替
通常版字幕
通常版吹替 ってくらいにスクリーンを四つも使って同時上映。

多分ですが、コケると思います(笑)って無責任な発言かな?
ほとんど爆睡で・・・・



あんなの映画じゃない。
エンドロールのスタッフさんを眺めていると、大半がCG技術者。
ゲームソフトの製作感覚です。
見た目、通常字幕版の観客はまばら。



書き忘れた。
わすれてはいけない彼女......島田愛里寿(笑)
二年後の世界戦車道選手権でさらに活躍予定。





2016年7月7日木曜日

無尽蔵是無一物


先日やっとお引越しをしました。
長い「穢土」暮らしだった(笑)
沢山な泥水に安酒......その割には未呪乱店にも。
まあ蝸牛ですから、身一つで気軽にと言いたいが、結構な「贅肉」
片っぱしからゴミ出し。
かといっても、捨てるに忍びなく、袖にすがりつかれるとにぶるこころな
惻隠の情ってもんです。


思うに一番嵩をとるのは衣服。
まあビジネスマンの鎧兜。
二日続けて、同じスーツにネクタイは士道不覚悟。
花柄のネクタイはいいとしても、花水木柄を秋にまとうようでは
品下がる......とかなんとか四季折々に揃えれば、数もたまる。
いまさらスーツなんか着るかよ(笑)
これからは場が改れば、三つ紋くらいの和服に献上博多の角帯に羽織ですます。

次が書籍。
再読含めて百年分の書籍が書庫に汗牛充棟状態。
更に増やしてどうするんだ?
名著はいつでも何処でも手に入るが、チョット気になる雑本こそ
粗末にしかねる。
場末のエロ酒場てふと出逢った風俗嬢みたいって言えば
品がない。
しかし、雨夜の品定めに登場するのはそんなような微かな触れ合いに
こころさざめくものなのです。


一週間は経ちましたが、まだ片付いてません。
寒村茅舎の清閑暮らしも軌道に乗せるのは大変です。



2016年7月6日水曜日

戦後史の「悪霊」



水無月祓というわけでもないが、稲垣武の「悪魔払いの戦後史」を読んだのは、けだし六月の終わりである。

得心もし、暗澹ともなり、やっぱり理解不能なことが混ざり合う慙愧ともいうべき読後感。
僕等世代ってある意味で被害者だし(意図せざる)共犯者なのです。

著者は、元朝日新聞の記者。
すでに物故されているが、問題の著作は94年頃の刊行
未だに読みがいがあるという事が倭国の慢性的な内臓疾患のようなものである。

彼は高校の頃前衛党への入党(ミンセイかも?)が叶わなかったらしい。
理由はわからない。
結果として、その後共産主義に幻滅することになる。

世界史的に30年代は先進資本主義国に於いて、共産主義は希望の星であり知の巨人とも言える方々が
挙ってその陣営に与した。
その後幾多の裏切られた革命なんかを知るにつけ、悪霊退散とあいなったのは英国、米国ともおなじである。
どういうわけか、倭国だけは、何時までも悪霊が跳梁跋扈する。
これでもか!という位、悪業の証拠を見せられても

良くて、沈黙
普通は、弁解
不埒者は、詭弁を弄した反論。

政治家なら選挙でただのヒトザルにしてやるが、
彼等は、断罪も反省もなくしかるべき地位にいつまでも胡座をかいている。
歴史という法廷の被告席で裁かれて然るべきだろうとおもうのですが、倭人って健忘症なのよねえ。

少なくとも、地位名声を背景に国民を悪しき方向に扇動したわけであり、その損失たるや金員に換算しがたい。
流石に、手放しの礼賛はなくなった。
将軍様を敬愛したり、文化革命を賛美したり、拉致は捏造とは今となってはとても言えまい。
であれば、昔のことだって自己批判してくださいよね(沈黙は卑怯ってもんですよ)
当時の状況であれば致し方ない判断だったという言い訳は通用しない

左翼幻想なる悪霊の司祭たちは、反資本からくる反米一辺倒だけではなく、
戦前の鬼畜米英なる反米意識までが基層にあると著者はいう。
反米である以上、反親米と同じ。つまりは「反日」なのです。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い(笑)・・・根の深い問題だという事です。

ということで手を変え品を変え擁護する客体を変化させ、しぶとく生きながらえる。
老獪な事に、反核、環境、人権、マイノリティ.........
プロの扇動家のくせに市民運動の衣をまとい、被害者ヅラされるから批判しにくいのがミソ。
幅広く共感する善良な人々を結集させ、人民戦線方式(そんなアブナイ言い方はしないが)で、運動の盛り上がりを演出する。
これをまた、売文左翼や商業左翼が持ち上げる。
反政府の立場に立てば、権威に対するアンチテーゼとして、一定の賛同が得られる。


かつて、ルネサンス研究家だと言われるかの羽仁五郎曰く


支配者が被支配者を追い込めば、そこに生じた事の責任は支配者にある。
真理や正義は抑圧されるマイノリティの側にある。


造反有理とか反日愛国とロジックは同じである。
もはや、悪霊の下僕である。



2016年7月5日火曜日

サカバカ(?)に参戦・・・・(笑)






やっと納車の運びとなりました。
人気車種なのか、首が長くなるまで待たされました。
性能はと言えば、世界最高水準のエネルギー効率
カタログ値ですから、鵜呑みにする程お人好しでもないか(^^)


しかし、高額ですなあ(苦笑)
エンジンなのか車体素材か理由がよくわかりませんが、回生エネルギー化って凄そう。
この機能だと180kmは走るって・・・?
フル負荷でも80km!!

フルカーボンファイバーボディかと勘違いしそうなかんじですが、
その辺の高級金属素材(アルミとかステンレス)だから、車体重が結構あるんだなあ。


さて、気になるのが知財
なんと、パテントはヤマハさんがおもちのようです。
しかし無償公開!
マーケット戦略として当たりました。
たしかに雨後の筍のように市場参入がありましたが、結局は

パナソニック
ヤマハ
ブリジストン

が三強。
落ち着くところに落ち着いています。
しかし、補助駆動付き自転車如きにも瑣末な型式指定があるのですなあ。
自転車先進国に比べてかなり性能が抑えられています。
対人保険の義務化と差し違いで規制緩和する方が
活性化につながります。

保有台数は自動車に匹敵するボリュームですが、
新車販売台数だと200万台には届かない。
そのなかで、PASが半分くらいのようです。
欧州のように、一人一台社会に比べれば、まだまだ市場拡大が
期待できるかも.....

世界に冠たるギャンブル自転車競技がありながら、
競技自転車で振るわない倭国の原因の一端かも



2016年7月3日日曜日

彼らは微笑みながらやって来る。





ーーー
彼らが共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが何もしなかった。
彼らは社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが何もしなかった。
彼らによって学校、新聞、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
彼らはついに教会を攻撃した。私は行動した・・・・しかし、それは遅すぎた。
ーーー

ニーメラー牧師の有名な警句詩の一節ですが、説教の一部らしくて定本が有りません
牧師の趣旨を尊重しながら、様々に言い換えられています。
川向こうの火事で自分には関係ないよねってことが段々に身近になっていく恐怖。
今回は丸山真男の著作から一部修正引用しています。





今や民主主義とは無関心の代名詞である。
そうあってはならない仕組であって、総意を反映できる有意なシステムのはずなんですが、
無関心が民意を歪める。

かつては、EU離脱という結果に狼狽したのか
若者を中心に再選挙の請願運動が起こったとか
それは遅すぎるのですよ。
声を上げるべき時に無関心だったという事でしょう。
そうでないなら、決まった事に従うのが民主主義の本義ということが分かっていない。

無関心という意思表示という言い方もあるが、その果ては、牧師の怖れる世界であるかもしれない。
クラシックギリシアやローマは、政治参加に背を向ける多くの市民を想定しなかった・・・のか?
無念がってもしょうがない。
時代がそうであれば、そういうような制度設計をすればいい。
選挙に行きましょう!だけをさけぶだけでは能がない。
まずは選挙制度の革命的改革である。
質の良い選良さえ集められれば、あとの政策はどうとでもなる。
アイデアは様々だ。うまく組み合わせればいい。


1)最低投票率制度を導入し、満たない場合は再選挙をせずにその選挙区全体を無効選挙とする。

2)当選させたくない候補者への反対投票権を与え、その投票数を賛成票から控除するが、反対票2票をもって1票とする。

3)未成年者代理投票権を親権者に付与し、その投票数は0.5票とする。

4)棄権は、次回選挙一回休みのペナルティ



選挙年齢引き下げ程度が改革といっているうちは
火の手が川の向こうだと思っているのです。

2016年7月2日土曜日

ロンドンの「休日」


今上天皇が大学生の頃銀座にお忍びでお出かけになり、〇〇寿司の付け台にお座りになったらしい。
アン王女は、ローマでスケジュール外のアバンチュールを満喫されたが、某国というだけで情報は残片的である、
ヨーロッパ最古の王国とされるが、そうなれば、トレビア的には、デンマークの王女様だ。
しかし、エリザベスとマーガレットが、ある特別な一日に王宮を抜け出された一夜はどうも史実らしい。
それをベースにイアンマクレアンハンターが「ローマの休日」の脚本を書いたとは映画史のエピソードには出てこない・・・
少なくとも浅学菲才の身には衝撃の事実だ。
逆にそうでなくまったくの創作とも思えない。

けだし、真実は創作を凌駕する。
あり得たこと以上のものを創造する能力はヒトザルにはないのです。




ということで、実に面白いのです。
昨今の大英帝国話題なんかと二重写しにみえるし、
御歳九〇のクィーンも、あげに可憐でキュートで、そして気品と威厳。
そんな時代もあったのかという在りし日の帝国最良の一夜(5月八日だったと思いますが、戦勝記念日のこと)の出来事。

2016年7月1日金曜日

帰ってきたヒトラー・・・たち


原作本とその映像作品は本来別物です。
例えば「忠実な映画化」って惹句ありますが、大抵はつまらない。ノベライズ版もそうです。
同じ素材を言語表現でも映像表現でもまったく同じ様に創造的創作を行うってあり得ないことなのですよ。

感じ入った文学作品の映画版に期待するもの・・・当たり前ですが「感じ入った以外のもの」を
味わい得るかどうかでしょう。
出来れば、原作品を読まずに薄暗い空間に足を運ぶ方がいい。



とかなんとか、早い話が、文庫本上下巻の原作を読んでない言い訳をつらつら書き並べただけ(笑)
それなりに説得力ある理由はあるつもりですが、さておき。


帰ってきたヒトラー


ドイツを中心にベストセラーな現代の寓話。
オリジナルタイトルはシンプルに「彼は帰ってきた」 Er ist wieder da
このタイトルの方がいい。
それだけで寓話的だ。

何度か前触れをやってますから、視点を変えます。
ここ百年ばかり、これでもかって位に「彼」は解釈・解析されてきたが、最近の描かれ方は「メタファーとしての複数形」

我々一人一人がプチヒトラーではなかったか
我々自体がネオヒトラーを希求し、世に送り出そうとしているのではないか

という心安らかならざる仮説。
独裁者による政治の経験に乏しい倭人には理解しにくい考え方かもしれない。
許しがたい戦争犯罪人であっても、水に流して・・・とか、総懺悔とかって性格の差かも
Aべ=Aドルフ・・・なんて駄洒落もどきな罵詈雑言しか思いつかないのですから。
底流にある「凡庸というか陳腐な悪」なるものを認めてたまるかってことかな?
個としての巨悪が無性生殖で突然変異的に産まれる訳ではないでしょう。
世の中には無為無用無駄なものは何も存在しない。
欲するから存在する。
今何故か、欲している様な向きを彼方此方で見かけるのです。




こんな日のこんな時間に客席はほぼ満席。
コメディなんですけど、クスクス笑ってるの僕だけ。
同時代風景と重ね合わせてインテリっぽく鑑賞してんでしょうなあ。
映画的には洗練されていないし、予言的に思い込むのも・・・
興行的には成功してます。
でも、たかが娯楽ですがな(笑)
行動に影響を与えるようなものではない.........という確信は次の機会に。