2017年7月31日月曜日

The mummy






連衡合従が激しくて、ハリウッドのスタジオの紆余曲折なんか
説明しても煩雑だし、よく分からない(^^)
ともかくも、スタジオ固有のカラーがあり、これは遺伝子であり、簡単に変わるものではない。

ユニバーサルスタジオ

ハッキリ言えば二流です。
取り柄は、ホラー映画。
定番化されたキャラクターの多くはユニバーサルの財産である。
最近、財産の再活用と言う事で新しいプロジェクトを立ち上げた。

ダークユニバーサル

その嚆矢が「マミー」つまり、ミイラもの
30年代の人気作のリブートである。
リブートとリメイクは正確には違います(委細は別の機会に)


一億ドルを超える製作費ですが、聞き及ぶに評判倒れらしい。
興収はそこそこなのが救いと言えば救い
予告しか見てませんから、論評はこれくらいなんですが、
なんだか、ハムラプトラもどき(これもオリジナルにインスパイアされてますなあ)
まずもって頭に浮かんだのは、あの60年代アタマのTV番組。

恐怖のミイラ

高垣眸なる大衆作家の小説を原作とする。
ネット検索のかぎりでは、ユニバーサル映画にインスパイアされたとは
書いてませんが、外観上は明らかにそう思われます。

当時はまだテレビっ子だったもんで、この辺りの時間帯は
よく見てました。

月光仮面
ジャガーの眼

なんとも懐かしい。
納涼番組なんて長閑な時代ですが、オトナも怖がる位の出来映え。
今再見すればどんな感想かは少し興味あり(DVDセットが発売中)だが、
寝る前に離れのトイレに一人で行くのが本当に恐かったから
まあやめよう(^^)




2017年7月30日日曜日

疑いて人を使う勿れ、人を使うに疑う勿れ



上に立つ者の最大の権能なり権限は「人事権」だと言われる。
逆に言えば、人事権を巧みに使いこなさせるものが名君なり名経営者ということになる。
自分で何もかもするに等しい個人商店や中小企業ならいざ知らず、基本は司司に任せるわけである。
安心できない輩に任せてはならないし、任せた以上あとできることは解任するか責任を取るか(基本は同時です)

社長の最初で最後の仕事は「後継者選び」というのもそういう文脈である。

タイトルのレトリックめいた漢語は金史が出典だとあちこちに書いてある(本当かどうかは知らないが、史書にありげな表現)
背景はよくわからないが、人材等々に関してブレーンが進言したのであろう。
この手の話は、当り前にできていれば箴言的に歴史に残らない。
人事権を巧みに行使できていない事例があまりの多いから後人に語り継がれる。

いまでも口にされる「会社の寿命は三十年」
要は「代替わりリスク」のことであると思えばいい。
本屋さんに並んでいる企業審査マニュアルなんて嘘ばっかり・・・とは言わないが、
それだけを信じているとお人よしと言われる。
財務諸表の数字で本当に見るべき点はまず書いていない(そもそも中小企業の決算書って嘘ばっかりです)
真っ当な後継者がいるか銀行が最後まで面倒見てくれるかだけを見ればいいが・・・これって定量的に測定しがたいのですなあ。


近々内閣改造らしい。
責任野党とやらも代表交代だって。

どっちも「まともな人事権行使ができなかった事例」として歴史に残りますねえ。
というか歴史で語られることは「何度もできなかった無能」としてだろう。
間違いは誰にでもあるし、失敗すれば学べばいい。
間違いの一度目は「悲劇」だと思ってもらえるが二度ともなれば「喜劇」と揶揄される。

それ以上度重なれば・・・劇場は閑古鳥(笑)






2017年7月29日土曜日

定番話題


最近お近くに若いご夫婦がフレンチを出したもので、
ランチタイムに暑さしのぎも兼ねて(^.^)
二人で切り盛りしておられるようです。



カボチャの冷たいスープは定番ですが、
生姜のアイスを浮かべる、、かあ



冷菜。
枝豆ベースのカクテルに、貝柱、蛸、鯵。
一つ向こうのテーブルの若者は、枝豆苦手なんで、、って(^.^)
どうするんでしょうねえ?



お魚料理としては普通の真鯛のpoêlerですが、
アメリケーヌの泡か!



マグレカナールのロースト
普通にソースをかければいいところに夏メニュー!らしく
加えて五香粉とはねえ(^.^)


あとのデザート、最後のお菓子なんかは略。
バターを撮り忘れたのは残念でした(洒落てましてねえ)
この程度の値段付けで大丈夫かしら?
もっともワイン代の方が高かったが、お財布はケメ子様だし(笑)

ご馳走様でした!

2017年7月28日金曜日

「淳風美俗」の復権に向けて





チンタラした若者の精神を立て直すには「徴兵制」復活だし、
乱倫、其れも恒心なさげな下流民ならざる然るべき立場の者たちの風紀の濫れには「姦通罪」復活しかない!


世界的にみれば、アメリカの半分近い州や儒教圏の多く、イスラム系では
当然視されている。
コリアでは最近違憲判決が出たらしいが、その立論の委細は知らない。
誤解を恐れずに言えば、前近代的な司法社会らしいから参考にはしない。


ところで「姦通罪」と言っても構成要件は様々。
大日本帝国の刑法典(明治13年バージョン)に@よれば....


有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ處ス。
其相姦シタル者亦同シ

前項ノ罪ハ本夫ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス。
但本夫姦通ヲ縱容シタルトキハ告訴ノ效ナシ


主として処罰されるのは「法律婚の立場にある妻」であり、
ついでに、相手の妻あるオトコも同罪となる。
しかし、妻あるオトコの相手が法律婚の立場に無ければお咎めなしとはいかがなものか?
この点に関しては権威ある法律家からも異議がとなえられていた。
なお、親告罪であり、寝取られた夫が寛恕すれば罪に問わない、というのは
最低限の司法の節度である。


当然ながら、戦後の法改正で姦通罪は廃止となったが、
実は構成要件を改めて(有妻の夫も対象)存続させるべきの
意見が強かったらしい。
しかしながら、議会のオスザル達が押し切った、、とは有り気な話(^.^)


まあ、そんな事は戯言の域を出ないが、実はこの規定が旧民法にあったことは
まったく知らなかった。


旧民法 第768条
姦通によって離婚または刑の宣告を受けた者は相姦者と婚姻することはできない。


これは実に酷い。
不義密通だろうが、そこには言うにいわれぬオトナの闇があるだろうし、
泥田の澱みに咲く純愛の花弁もある。
法律は、男女間や家庭内の機微な事柄に不介入であるべきだと
堅く信じています。
今でもその辺の立ち位置に筋が通らない司法には批判的なのですが、
未来に向かってあるべき家族像なんか真剣に立法府は
議論すべきであり、所謂「伝統回帰な家族制度」の復権を言挙げしたいなら
新しい姦通罪(淳風美俗保護罪でもいいが)の制定ですよ(笑)




付記
冒頭の文は、まずもってマクラです(^^)





2017年7月27日木曜日

孟子を読む(3)ハタチのわたし編



マッカーサーがそうだったらしいが、20歳の体重とウェストサイズを生涯維持するのが、
最良の健康法らしい。
かの将軍を見るにいささか信じがたいが、多分若い頃はデブだったのかな?
先日ご逝去された日野原先生は、30歳とおっしゃっていたらしい。


蝸牛は平均統計値と比較するに

身長は5センチばかり高い
体重とウェストサイズは平均統計値なみ

つまり、平均統計値より多少スリムだったという事か。
和服モデルとしてはやっぱり痩せ過ぎだったから大成もしなかった(^.^)

今はと言えば....
普通の平均的な「劣化」より多少はましだが、やはりそれなり。
努力すれば、届かない値でもないが、そもそも「努力」って嫌いなんです。
今までことさらにやったことありませんし、いまさら慣れないことに手を出してはいけない。

運動は体に悪い。
酒を減らす気はさらさらない。
食事もあと好き放題に食べる事が出来るのは一万食程度ならば
節制なんか人生の無駄遣い。
エステの痩身コースってあるが、気がすすまない。



古民家で、井戸水、自然自生の野菜や果物で暮らしてればそんだけでカロリーの過剰摂取にならない。
本当はニワトリを飼いたいのですが、ツブすのに躊躇する。

男子厨房を遠ざく とは孟子の言葉(入らず は正確ではない)
惻隠のこころが有れば、魚獣に刃物をふるうなんて出来っこないって意味らしい。
特段、台所仕事を卑しめることが本意ではないことはテイクノートしておきます。


そうそう、脂肪吸引とならがあるらしいが、、

身体髪膚此れ父母より出ず
敢えて毀傷せざるは孝のはじめなり

これは文章がくどくてたくみじゃないから孟子じゃないなあ(^.^)

2017年7月26日水曜日

孟子を読む(2)仁義編



儒教は中庸を重んじる。
今風に言えば「バランス感覚」
何事においても極端は宜しくないし、賛同が得がたく敵を作りやすい。
殊更に波風を立てるまでの事はない。

孟子は性善説を唱えたとされるが、性悪説との対比において
極端に理解されているようです。
努力すれば善人になれる、善人になりたければ努力しなさいというに過ぎない。
ヒトザルは性善でも性悪でもなく「性弱」だと訳知り顔に言うのも
正鵠を得ているとも思えない。
本性がどうあれ、実際の振る舞いがどうかということ。

儒教には「八徳」なる徳目がある。
仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つとされるが、
当然ながら重要性原則で並んでいる。
学ぶにしても八つは多すぎるし、時代により特に強調される徳目もある。

孟子的に言えば、最初の四つで充分なのです(一般に五常と言われますが、この考えには賛同しない)

仁 惻隠のこころ
義 羞悪
礼 辞譲
智 是非

憐れに傷ましく思い、悪しきことをはじにくみ、へりくだり、よしあしを見分ける
この程度ならば難しくはなさそうですが.....でも努力もせずと言う訳にはいかない。

とまあ真面目風な講釈はココまで(^.^)



あの社会の方々がことさらに「仁義」の看板を振りかざすのがよくわからない。
有りもしないから殊更に前に出すというのは有り気な説
辞儀が仁義に転じたと言う説があるが、
仁義(辞儀)をきる 程度ならばそうかもしれない。
任侠道なるものを体裁よくみせるキャッチコピーとしてフィットしたのだろう。

有りもしないものをあると言っていたのだから

仁義の墓場
仁義なき戦い

とかってタイトルも本当は可笑しいのです。
かくありたしと思う気持ちを棄てたところから始まるのが
本来なのです。

忘八という隠語めいた言葉がある。
全ての徳目から解放された或いは背を向けたヒトザルまたは稼業とされる。
一番の適語だと思うのですが、通例的にはそういう使われ方はしないらしい。



結構下卑な時代劇ですから、良い子にはすすめません(^.^)

2017年7月25日火曜日

パンドラの「箱」の中身


中身の分からない容れ物って魅惑ですよね。
誕生日プレゼントの開封みたいな(^.^)
でも、
玉手箱って何が入っていたんだっけ?
袖にされた乙姫の邪心だよねえ
大きな葛籠には魑魅魍魎。
おばあちゃんは喰われちまうのです。

ギフトって本当は怖いのですよ。
貰って嬉しいのはお子さま世界だけかも(^.^)



実際は「箱」ではなく「甕あるいは壺」だと言われています。
どっちでも大差無いのですが、問題は中身。
諸説ありますが「希望」だというのが多数説。
しかし、パンドラは禁を破って開封し、あらゆる災厄が地に蔓延し
うろたえて再度封印して希望を閉じ込めてしまったのですよねえ。

希望とは手元にあるものの、実際に手に取ることはできない....という寓意なら
ギリシアの神々の御意志は残酷だ。


大衆的カタルシスには縁遠いブリティッシュゾンビ映画の最新の地平。
寓意的すぎて興行は苦しいだろうねえ。
ローバジェットですが、稼ぎは更に下回る。
しかし、時が経てばカルト人気が期待されることは賭けてもいい(笑)


舞台は近未来な毎度のようにゾンビが蔓延したグレートブリテン
邦題は判りやすくも「ディストピア パンドラの少女」
オリジナルタイトルは、

The Girl with All the Gifts

皮肉なのか本気で希望を信じているのか微妙なところが、
英国風です。


2017年7月24日月曜日

我は忘れじ 命死なずば(反ナチス映画の系譜)


上の句は

和が家に 我が住坂の 家道をも

人麿妻の歌らしいが、であれば主語は妻だが、いささか解釈にひねりがいる和歌
まあ、下の句引用の為のマクラですから、和歌鑑賞はまたの機会(^.^)


持続する意志の力に致命的な欠陥のあるヤマト民族は爪の垢でも煎じて飲みませんとねえ。

あの屈辱的悲劇、蛮行は何時迄も語り訴え思い起こさせよう(我は忘れじ)
たとえ民族の最後の一人まで(命死なずば)

毎年のように手を替え品を替え、ヒトラーとナチスの悪業を主題とする
映画がリリースされる。
忘れないというより「忘れさせない」と言う暗い情念が背景にある。
商業主義のオブラートに包んでいるが、ある種のプロバガンダだと思われます。
大抵の場合、映像芸術的に良質だから始末に負えない。
ヒューマニズムだけじゃ商業主義的芸術は成り立たない。
ナンチャラ資金がそれとなく流入しているとおもうべきだ。


エマトンプソン
ブレンダングリーソン

二人とも英国の名優。アングロサクソン系と思いますが、
主義主張を理由にオファーを断るにはいささか「勇気」が入りますし、
キャリアを損なうような素材じゃない。

因みにですが、リチャードギアは、反中国言動が祟り、ハリウッドから締め出された状態。
今やインディペンデントからも忌避されている。
誰でも知ってるような露骨な圧力のかけ方は上手じゃないのですがねえ。
超大国の仲間入りしたんだから立ち居振る舞いも上品にやって欲しいねえ(^.^)


ヒトラーへの285枚の葉書


葉書と言ってもファンレターじゃない。
イデオロギーに毒されない体制批判、抵抗の葉書。
実話に基づく小説の映画化。
どの程度の史実を含むかは判りませんが、名優の競演ですから、
上手くまとまっています。

批判の葉書の多くは直ちに当局に通報され、抵抗運動の機運を盛り上げたわけではない。
一人息子が戦死し、その理不尽さなり気持ちをただ訴えたいと言うだけのこと。
「だけ」と書けば批判的に聞こえますが、静やかであるがゆえに怒りの強さが
ひしひしと伝わる。


ここからはプロ映画鑑賞家の憶測ですが、
ラストシーンは、史実でも小説の一部でもない。
映像化された際のラッシュフィルムにもなかったに違いない。
試写を観たスポンサーがなにか注文を付けたのです。
結果、誰が観てもプロバガンダである事の馬脚を現した!





2017年7月23日日曜日

海賊と言われるオトコ




少なくともこれに関しては倭国は貧語民族である。
英語ならば

pirate
corsair
privateer
buccaneer

本家の英国が世界に冠たる海洋国家であった事も影響しているに違いない。
しかし、

水軍
倭寇

も海賊の別名とも言えなくはない。
要するに、本業は貿易商人あるいは海運業者だが、
ビジネスが上手くいかなくなれば、段平を振り回す(笑)
海上の盗賊活動だけでは獲物が少なかったのでしょうし、
陸上での販売エリアカルテル破りを海上で行った出光翁が、
海賊と呼ばれたのもそういうことなのです。
舶用油を洋上で恫喝まがいに押し売りをやった(笑)
もっとも船舶サイドも他社より遥かに廉価だから買ったらしいが、、

かつての映画素材に海洋剣劇ものは定番のひとつであり

エロールフリン
タイロンパワー

なんてスターが....まあ大根だと言われてます(^.^)
長く廃れていましたが、流石にディズニーです。
自前のアトラクションの映画化を企て大成功。
過去のシリーズ化作品累計で興収37億ドル(製作費計が8から9億)
相乗効果でテーマパーク入場者も増加したに違いない。

しかし、夏休みお子様アトラクションの定番であり、
特段大人の鑑賞に堪えるものでもない。
暇だったのか、プロ映画鑑賞家の義務感かは別にして
シリーズ全体は見たはずだが、殆ど記憶がない。
最新作ですが、相変わらず。
聞くにこけそうらしい。


ジョニーデップはこのシリーズに参加した事で、トップクラスの
名声とギャラが得られたが、好事魔多くとは彼のための言葉。
桁外れの浪費のおかげで最近破産したとの事。
生い立ち経歴からしても、お金の使い方を知らず、どこかに問題を抱えていそうなキャラでした。




2017年7月22日土曜日

若き日の歌姫の苦悩




個人全集なるものはまず持たない。
特段の理由はないが、岩波の漱石全集を見れば分かってもらえるでしょうか。
舞台裏までこじ開けてライブラリー化してなにが楽しいのか?
全人格的に作者を理解するため....ほんとちゃんちゃら可笑しい(^.^)



未確認ですが、あの「歌姫」は教職の資格を持っているとおもわれますが、
母校での教育実習での心の迷いから、歌手の道を選んだ..らしい
確かに、唯一彼女の作詞集だけは全てもってますが、
試験問題に「作者の意図を述べよ」なんて....大抵作者は模範解答を見て卒倒する。

同じようなエピソードは、JPOPSごときのライターでなくとも、
小林秀雄さんだってお孫さんから質問されて絶句してます。

意図と解釈は別物、似て非なるもの
歴史の試験問題に考古学的世界を出題するくらい、文芸を問題にするのは無謀なのです。
多くの場合、無垢な魂は作者の意図に素直であり、指導要領作成者のような連中とは相容れない。
結果それで人生が変わる事もあるだろうが、世の中そう言うものだ。
模範解答とは、所詮その程度のこと。

教育実習にやってきた歌姫に指導要領の疑問を突きつけた高校生の彼女のあとの人生は
知るべくもない。
その実習生がとんでもなく大人気な歌手になった事を知っているかどうかは解らない。
その細やかなエピソードを彼女の歌集の前書にそこはかとなく書いてある事にその高校生が気が付いただろうか?


リンク映像は昨年大人気な、ママさんコーラス、結婚式、カラオケな定番曲。
昔のアルバム収録の地味歌ですがねえ...
これまた多岐な解釈が可能な名曲で、彼方此方のママさんコーラスの指導者は、
訳知り顔の解釈を日々のたまっているそうです。

最後の歌詞が「仕合わせ」なのですが、
「幸せ」でなく、仕付け糸が縦と横ぴったり合わされる様が、なんとかかんとか(^.^)
この程度を最初に講釈すれば、ママさんたちは大感動らしい。
まあそれでオクターブ高く声が響くなら結構な事。



2017年7月21日金曜日

最近のスペースオペラ



ファンタジー系(SWなんかを含め)はいわゆるSFとは別物な異次元な世界。
あくまで科学空想創作系の世界の話。
最大のテーマは「未知との遭遇」
知的生命体がヒトザルだけという思い上がりが通用しないのが通例
そもそもヒトザル程度が知的生命体なのか?
鳥がいない社会の蝙蝠程度ではないのかと思わせるのが毎度のパターンですが、
ヒトザルは不思議と絶滅しません(^.^)


広い宇宙ですから、知的生命体も啓蒙思想家もいれば、植民地主義的帝国主義者もいる。
前者だと絵にならないから多くは後者

エイリアン.....本当に怖かったが「LIFE」に登場する知的生命体も結構怖い。
地球侵略の最初が、ウェルズによる火星人。
今回もそれへのリスペクトでしょうか、火星で採取されたと言う設定
タコのような愛嬌はなく、造形の怖さはエイリアンに匹敵する。

エイリアン同様に宇宙ステーションの空間内でヒトザルが一匹ずつ餌になっていくのですが、
これは閉塞的環境が恐怖感を増長すると言う方程式に忠実だと言うこと。
獲物の数は限定的であり、
あの地球の上には八十億のあまり知的とは言い難い獲物がいるのですが、それは映画的には怖くはない。


ここからが、あの傑作「ゼログラビティ」的な展開。
二台の脱出ポッドを使い、一台は危機を地球に伝える為
いまひとつは、知的生命体もろとも虚無の宇宙空間に消え去る為。


中国資本が入っていないらしくスッキリした出来映え。
チャチだが面白い。
パート2はどうするのかな?(中国資本をあてにしてるみたいな(^.^)

2017年7月20日木曜日

Tristes tropiques



いくらなんでも、Wink のヒット曲と間違えたりはしないが、
紛らわしい村上龍の短編集タイトルと取り違えることはありそうだ。
これまた楽曲タイトルにも使われている。

悲しき熱帯

と訳されますが「悲しき南回帰線」とも....

フランス語では、名詞の後ろに形容詞がくるのが当たり前だと思われていますが
前にくるケースも多々あります。
悲しきという和語が適当かどうかは疑問があるようですが、よく分かりません。
南回帰線は明らかに気取りすぎな意訳ですが、意味合いには多少共感もします。

20世紀を代表する最重要な「文学書」のひとつ
最重要ですから、あの文学賞は貰ってません。
重要であるほど受賞しない!という蝸牛の仮説のエビデンスです。
フィクションだけが文芸ではなく、優れて含蓄深い紀行文なのです。
旅行記とも言われますが、魂と思索の逍遙のような。
構造主義の学術書だとか文化人類学の入門書だとか思わずに
レヴィストロースの彷徨に同行する弟子のつもりで読むと一番感情移入しやすい。


しかし、彼は社会人類学者だとされるが、文化人類学者とは言わないのか?
ヒトザルを社会科学的見地から研究する事に違いはなさそうなので
学者特有の言葉遊びかな?
それともアプローチの違いかな?
広義には人類学のある分野を意味するようですが、フィールドをあまりに細分化する事が
学問の進化なり発展とは思わない。
様々な学の系統が一体となっている事が真理探究の醍醐味だと思うし、
そういう面白さを味わせてくれる。


レヴィストロースは構造主義で名を馳せたが、これまたよく解らない学の体系。
主義主張というより学問のアプローチの方法論のようにしか見えません。
現代思想(不思議にも現代哲学とネーミングしない)なるもの
どうしてかくも難解なのか?
それ以前の哲学体系が平明とは決して思わない以上
解説する現代人が理解不足に違いない。
真面目に理解する努力なんかムダということでしょう(^.^)

2017年7月19日水曜日

意識高い系な女性(女優)



ビクトリア王朝後の大英帝国。
ホームズ氏の活躍や、切り裂きジャックは伝説になろうとしています。

銀行家のバンクス夫人は婦人参政権活動に熱心で、子育ては不思議なメリーポピンズに任せきり。
毒にも薬にもならないディズニー映画だと無味乾燥でたわい無いエピソードですが、
現実は千人を超える女性の前科者までだした激しい政治闘争でした。


気分屋で心が安定しない連中を政治参加させる訳にはいかない。
たかが選挙権と言うが味をしめれば最後は首相の椅子まで狙うに違いない。


けだしその通り!
理性と論理性を欠如する連中を政治参加をさせてはならない。
民主主義は斯様な連中が内部から朽ちさせるのだ。

蝸牛の意見じゃありませんよ。
当時の英国議会の議論の紹介です。
当然に主語は「女性」ですが、最近の倭国はオスの劣化も甚だしいから、難儀ですなあ。
と言うか血と汗で闘い取ったわけでもない権利の値打ちはその程度だという事。


この手の映画はあざといのですが、欧米はそれなりの意識高い系の女優が
いるから様になる。
所詮元は同じな河原乞食もどきだったのだが....
役者世界の意識なのか観客サイドの偏見かは殊更には言わない。


登場人物の多くは合成キャラクターだと思われます。
ふとした事で権利意識に目覚めた無知ながら無垢な女性達の姿は神々しい。
自分たちでなく自分たちの未来(子どもたち)の為ってのが優れて女性的です。

エンディングで、婦人参政権獲得の歴史がタイプされます。
どの程度血を流したのかは知りませんが、、、


1893年 ニュージーランド
1902年 オーストラリア
1906年 フィンランド
1913年 ノルウェー
1915年 デンマーク、アイスランド
1918年 ソビエト連邦、オーストリア、イギリス
1920年 アメリカ合衆国
1949年 中国
1993年 スイス
2015年サウジアラビア

字幕だけの記憶ですので誤記はありえますが、倭国がテイクノートされていなかったことには
確信あり!
この映画の意識高い系製作陣にとっての日本の婦人参政権とは
その程度だと思われている様です。
それはまあそうだが、自由民権運動て流したあの血の量までシカトされるなら
それは objection!!
身を呈して反論しても良いが、鷺を烏といいくるめる技術はゆえあって只今封印中(^.^)




2017年7月18日火曜日

美醜失認(2)


前回書ききれなかったもので多少視点を変えます。
美醜失認とは、美しいものと醜いものの識別が出来ないという事ですが、
識別の必要のない世界に於いては、そのような言葉も不要になる。
原作者の意図はともかくも
これは、ビッグブラザーが支配するニュースピークなる言語空間の世界と同じに思えます。

自由
反抗
思索

のような語義が消えてしまった社会では、もはやこのような行動形式すら存在しないという
とても恐ろしい状況なのです。
かのジョージオーウェルの名作は何かにつけサウスポーの引用の道具に使われます。
しかしながら、彼らはニュースピークについて直裁的に言挙げしない様に見えます。
言葉狩りなる文化破壊に狂奔する輩は、普通ジンケンハと言われますが、
その本性は偏執ヒダリだと疑っています。
都合の悪いことは無かったことにする。


が、ビッグブラザーに右も左もなくあるのは独裁的権力志向主義者だけ。
あの安保法制を「平和安全法制」と命名する感覚に同調しようとは思わないが、
「戦争法」と言う語彙力には寒気がする。
かの名作には、様々なニュースピークが登場しますが、
ナンチャッテこれです!

Minipax

Ministry pax の略(平和省)
オチは言わずもがな(笑)


人類社会が最後の二人になっても残るであろう「美醜差別」
それが無くなる世界の方が遥かに怖そうです。




http://ueda8823khj.blogspot.jp/2017/07/blog-post_11.html?m=1

2017年7月17日月曜日

クリミナルマインド




アメリカンの犯罪系ドラマは、はまるとどうしようもなくなる。
シリーズが短期で打ち切られたり、まだプライムに登場していないコンテンツはともかく、

クリミナルマインド

これはまずい(^.^)
シリーズは9を超えた!
シーズンで20作品(一作でネット40分強)くらいですから...
毎月のプライム三昧で無料電波はあっという間になくなる。


結構長寿なドラマですが、主題は「プロファイリング」
今世紀中には、AIに取って代わられる可能性の高い職種。
だから燃え尽きる前の蝋燭のように今が大活躍なのです。


人気の要素は様々なのでしょうが、まず「知的」
観察と推論
と同時に最後の犯人逮捕は腕力勝負
実際のプロファイラーはコンサルタントであり、現場第一線には出向かない。
そこはドラマですから、ヒトが羨む文武両道というキャラクター設定

FBIにも同様の組織がありますが、個々の活動をドラマのように
チームでおこなっているのかどうかは知りません。
孤独のヒーローも悪くはないが、多岐多様な人物造形の絡み合いからの
調和と葛藤のほうがお話の幅出しができる。
少しマンネリ化と思えば、メンバーを殉職させるとか
差し替えればいい。


実のところ、プロファイリングと犯人の当てっこゲームの
信憑性に疑問がないわけではない。
所詮はデータベースの内容次第。
加えて、データを情報にする推論能力...とまあ大好きなリーガルマインドの世界へ(^.^)

刑事裁判の世界でプロファイリングがどのように使われたのかはよく知りません。
証拠能力の有無は、合理的な疑いを挟む余地がないレベルが
要求されますが、その証明力は裁判官の自由心証に委ねられる。
要するに、裁判官次第。
山中先生の鑑定結果を知り退けても許されるのです!
学術的に言うと、多少大胆にいいきれば、
心理学と統計学が融合した世界。
評価はなんとでもなるし、批難を浴びれば雑音と言い切ればいい。


シリーズのある一話のエピソード(最高に面白い場面)
被疑者は逮捕直前の事故で長く昏睡状態
やっと意識が戻り裁判となるが、目撃者は死亡してしまっていたり、
証拠は散逸。
検察官の唯一の武器は、プロファイルだけ
一方被告代理人は舌鋒鋭く似非科学だと責め立てる!
立往生する検察官は、当時のプロファイラーを証人喚問
このシリーズの主役の特別捜査官
血気にはやる弁護士は血祭りに上げんと...で墓穴を掘る(笑)
この俺をプロファイリングしてみろ!と挑発し、

靴下の色
上げ底の古靴
紛いのローレックス
収入が乏しく競馬三昧 と
丸裸にされてしまい、すごすごと尋問は終了。
まずあり得ない作り事ですが、なかなか痛快でしたよ。




2017年7月16日日曜日

突然炎のごとく



繊細にして大胆
放縦にして理屈の多さ
晦渋な象徴詩風な台詞回し

何故かオリジナルタイトルだけがありきたりに「ジュールとジム」
複雑に自転する惑星の周りを公転する衛星の名前。
片やドイツ人、片やフランス人
惑星の名前がタイトルにはないのですが、カトリーヌ


そうなのです。
定番化された三人の男女の心理劇。
トリニティとしての座りの良さは「オトコ二人にオンナ一人」と
決まっているが、ヌーベルバーグのアンファンテリブルは、
容赦なく屈曲感たっぷりに描き出します。


和の古典であれば、真間の手古奈、菟原処女とも、求愛する二人のオトコの狭間で
進退極まり水面に身を投げるのですが、
自立自存するジャンヌモローはそんなヤワな玉じゃない(^.^)
無理心中的にジムを道づれに投身自殺。
残されたジュールは、おくりびととして散骨を....

時代は第一次大戦前後。
カトリーヌが自殺したのはヒットラー台頭の頃というのは寓意的。
62年製作で日本公開はその二年後。
この年のキネ旬ベストはヌーベルバーグ一色と北欧、東欧ておしまい。
そんな時代の無冠の宝石なのです。


突然炎のごとく と言う文芸の香り満載の絶妙な意訳で初公開
99年の再公開時は、突然炎のごとく(ジュールとジム)
なんとも説明的で苦笑します。
多分ですが、しばらく前に絶妙表題を盗用した邦画があり、
一応別物風にはなってますが、
観客の混乱を避けるため故と思われます。
法的に知財侵害にならないとは言え、映画人のモラルに於いて
やるべきことではない。
今回上映では、突然炎のごとく(1962)




2017年7月15日土曜日

孟子を読む(1) 忖度編



長らく漢籍から遠ざかっていましたし、韓非子なんかを余りに持ちあげるのも
年寄りの冷や水(^.^)
それらしく、孔孟でもって思い立ち、お手軽に中国古典選を
探し出してきた。
最初に読んだのは相当な昔。


この時代の漢文は簡潔明瞭、平明深淵。
あの「忖度」の出典は孟子なのだといまさらながらに気がついた。
もっとも、引用(と言っても愚王の発言であり、孟子の言説とは無関係)ですから
引用元の「詩経」が出典と理解するのが正解。
相変わらずネットの記事の多くは無責任にええ加減。
孟子が出典と書いてます。


他人有心 予忖度之


更に言えば、忖度にも「良いもの、悪いもの」があり的な
マスコミ解説に至っては絶句。
原典を知らないとなんでも書けますなあ。


詩経は周代の詩歌集。
よんでも面白くも楽しくもないもんで、孫引き引用です。

この詩は、周代幽王(亡国の暗君)を非難する「小雅 巧言」の一節
他人とは幽王
予(私)は、きっとその臣下

お馬鹿なトップの愚かしい気持ちを私は推し量る...って意味になります。
確かに忖度自体に良いも悪いもないのですが、
そのすべきココロネはかなり良からぬということになります。

なんと言っても、幽王の寵姫である褒姒は、笑わない美姫で有名。
なんとしても笑わせたい幽王の気持ちを慮り
微笑ます手立てをあれやこれやと知恵を絞ったのでしょう。
エピソード的には「ピーターと狼」であり、
忖度が國を滅ぼしましたってことが落語ならばオチです。


なんともアホたらしい(笑)








2017年7月14日金曜日

「熟議」の実態





共謀罪は早々と施行されました。
身を守る為には、国会の質疑なんかを整理した体系的な解説書が
本屋さんに平置きになってもおかしくはない。
ヒステリックな反対本なんかよりも冷静な実務本が必要なんだが、
この辺を含めて商業司法は鈍感だ、というよりカネにならないからか(笑)


他方、改正債権法はさる六月二日に公布されましたから、
附則に従い三年以内に施行されます。
何時になるかは、売文法曹がいまねじり鉢巻で実務参考書を製作中ですから
その辺の刊行可能時期を見据えてってことなんでしょう。
実際のところ質的には「大改正」でもないのですがね。


迂闊な事に最近知ったのですが(当然改正されていると思ってましたから)
労働債権の時効は『変更なし』なのです!
民法原則は短期消滅時効がなくなり五年に統一されましたが、
賃金や残業代は二年、退職金は三年のまま。
あれほどのエネルギーで安保法制や共謀罪に反対するなら
ILOを巻き込んででもobjectionを唱えるべく事柄なんですが、
市民と称する連中の腹の底が判りますなあ。


時効期限をどう設定するかは債権者保護と取引の安定の中で
合理的に判断すべきものであり、短期消滅時効制度の対象とすることは
一定の合理性がある。
一番最初は一年だったらしいが、あまりに労働者に可哀相ということで
延長された。
短期消滅時効制度がなくなった以上短期である合理的な論理的背景がないし、
働き方改革の流れなんかを踏まえれば、解は明らか...のはずだが?
一体、法制審議会や議会でどんな熟議をやっていたのでしょうか?
巷では、馬鹿の議論は休むに似たり とか(^.^)


時間管理と賃金計算プロセスを適切に行なっているのは当たり前。
賃金台帳関連の資料は二年程度で廃棄するわけがなく
電子化も進んでいるはずだから文書管理の負荷が増えるわけではない。
改正に臆病なのは、ひとえに不払い残業代が5年間遡求することが
怖いと身に覚えのある連中がいるということ。
故意性があれば犯罪ですからなにも躊躇することはないのですがね。

ーーーー

多分ですが、躊躇するのは「有給休暇の繰越」問題だと思うなあ。
法定制度は最低水準ですので一概には言えないが、
通常年間二十日。
前年度の繰越があれば最大で四十日。
なんか不測の事態があってもこんだけあれば、あと介護休暇、福祉休暇とか
最大限うまく制度を使えば、大抵のことはなんとかなります。

前年度分の繰越とは、短期消滅時効制度と連動していると
考えれば、なんと最大で百日有給!!となる。
いまでも、慣例に従い退職一ヶ月前通告後は有給休暇消化という
違法ではないが、仕事人のモラルとして如何なものか?という
事例がある。
それが三ヶ月前となれば、、、、経営者が頭抱えるのも
分からんでもない。

しかし、経験則から言えば、そげな非常識な社員はそもそも
仕事があまり出来ませんからダメージは限定的。
優秀で仕事が出来る社員であるなら、それは経営者の不徳。
顧みて反省すればいい(^.^)




2017年7月13日木曜日

義経すこしも騒がず



古典の古典たる所以は、様々スピンオフされる事。

船弁慶

能楽の人気曲ですが、歌舞伎や落語の演目にもなってます。
西国に落ちのび再起を図る義経一党
愛人(静ちゃん)を連れての逃避行というのはいくらなんでもまずいって
側近中の側近、弁慶の進言もあり、なみだ涙の別れが前半部。
後半は、尼崎の港から船出したものの、平家の猛将知盛の悪霊が、
怨みはらさでと立ちはだかる...怨霊大戦争風バトルが見どころ。
結局、船は難破し、その後安宅の関を超え、奥州に落ちのびるって事で
演目は安宅となる(歌舞伎なら勧進帳)

まいどの事ですが、主役(シテ)は、
前半は、静御前
後半は、平知盛

義経や弁慶は狂言廻しのようなもの。
知ってるからいいようなものですが、知らないと弁慶が主役だと勘違いする。
でも実際は大活躍します。
いささか長めなのがよろしくないが、アイ狂言にたっぷり時間を取らないと
お着替えが出来ない。
能装束の着付けは特殊なのですよ。
着ると言うより縫いつけるだなあ(^.^)


歌舞伎の船弁慶は、つくりは能楽そのもの。
たぶんですが松羽目もの(舞台のバックに老松があしらわれる)と言われる演目は明治以後の新作歌舞伎です。
能楽が幕府の式楽の時代には、河原の小屋掛け芝居で大衆演劇として演じることは御法度!
でも、町人でも公式公演の鑑賞は出来ましたし、素謡は許されていた。
結構なスペクタクル劇に仕上がっていますから、見ていて楽しい。


一方で落語版はと言えば、上方落語の大ネタ。
これも明治の初め頃の演目でしょうか?
趣向はガラリと変わり、夫婦善哉みたいなもののようですが、
実際に拝見したことがないのでなんとも言えない。
一応オリジナルを下敷きに、能楽のシーンが登場するみたい。
いつもおもうのですが、落語の台本ほどつまらないものはない。
高座の名人の声色次第で初めて面白くなる。



松濤から銀座に舞台が移転し、初めてお邪魔します。
地下鉄直結と聞いていましたが、現在工事中。
地下3階ですが、なんとも迷路みたいな
見所は五百弱。
お能は、ロングランはやらないのがしきたり。
絶対にカネになる舞台芸術じゃない。





2017年7月12日水曜日

ハクソーリッジ



非常に「難解」な作品です。
まず舞台設定が意図的に隠蔽されてます。
第二次大戦であることまではわかるのですが、OKINAWAとは思いもよらなかった。
倭国の公式戦史では前田なんとかの戦いとされます。
知っていれば多分足を運ばなかった。
沖縄戦をアメリカンの視点で見る事にはいささか躊躇する。
だから、硫黄島の戦いをイーストウッドは二作にわけてそれぞれの視点で描く
と言う「配慮」をしたのです。
今回の場合は興行への配慮でしょう。
いささか憮然とする。

主人公は実在のアメリカンです。
良心的兵役拒否者として初めて名誉勲章を受けた衛生兵。
しかし、彼は志願兵であったと言う設定。
当時は選抜的徴兵制度であったらしいので、徴兵されたから銃を持つのを拒否した!
なら判るが、志願して拒否はないだろう。
それらしく軍法会議の場とかで説明なり釈明がされますが蝸牛的には意味不明です。

実際に最後の負傷者まで救い出そうとするサクリファイスの精神には
感動を覚えるしかないし、実話そのものですから因縁の付けようがないのだが、
なんとも言えない齟齬感。
彼は軍役の間に百名近い負傷者を救出したとされ、
その栄誉は称えられました。が、しかし....なんなんでしょうか、この違和感!
狂気に満ちた戦闘シーンは、プライベートライアンのオマハビーチ上陸シーンを
遥かに凌駕する。
経験をしたくもないし、させたくもないが、
死ぬか生きるかの二択しかない世界で、第三の道を生きたいって、素晴らしいと言うより
ずるい...とまずもって思ってしまう。
それが違和感の基層なのかな??

彼の英雄的な活躍は部隊の士気をたかめ、最後のハクソーリッジの戦いはアメリカンの
圧倒的な勝利に終わりました。
日本軍は卑怯な偽装降伏だとか、司令官の割腹自殺とか。
でもあれじゃ小塚原の斬首であり介錯じゃない。
今まで7回も撃退されていたのに...
別に「七転び八起き」を言いたいわけでも無さそうですが、

the ups and downs of life

主人公であるデズモンドドス氏の人生そのものがそうであり、
満足な長寿であったようです。




2017年7月11日火曜日

美醜失認





以前もお題にしましたが「失顔症」つまり、他人の顔が認識出来ない或いはすぐに忘れる
疾病がある。
社会生活上不便だろうと思う一方で...


最近のSFは、かくも進化したのか!と思ったのは、テッドチャンの作品集を読んだ第一印象。
かつては、サイエンスフィクションを空想科学、ある種の荒唐無稽劇だと冷笑した時代は
過ぎ去ったようです。
優れて社会性が高くなり、哲学的ですらある。
彼はコンピューターサイエンスの専門家でもあるのですが、
自然科学と人文科学の幸せなマリアージュの一例かもしれない。



顔の美醜について

普通は手を取ろうとは思わないタイトルですが、これが実に面白い(^.^)
美醜失認措置なる「療法」が実用化されている社会。
強制でもなく出入りは自由。
この措置を受ければ、美醜の価値判断から解放される。
賛否両論のなか、インタビュー形式の文体でストーリーは展開します。


スタンダールの箴言らしいが「美は幸福の約束である」そうだ。
美も幸福も、その定義をスタンダールが語らないからなんとも言いようがない。
しかし、統計的に美醜が収入を規定するとかって与太記事が散見される。
ある種の情報操作だろうとおもうのですが、短期間ならば大衆を騙眩かすことは
難しくはない。


ヒトザルの歴史は差別克服の歴史でもある。
必ずしも勝利したとは言い難いが

人種
性差 等々

しかし、美醜差別は?
流石に最近の求人で容姿端麗は見かけなくなった(^.^)
見かけなくなった事がなくなったことを意味する訳ではない。
ある種の高禄が保証されたような職業においては美醜差別がないと
言い切れるものではない。

人種とか性差等々は、優劣ではなく区分に過ぎないと多くのヒトザルが
少なくとも頭の中ではそう思うようになった。
そう思う事、よからぬ観念からの脱却が、人間の解放だとされるのですが、
美醜の超克もそう言うものでしょうか?
作者は作品において解をだすものでもないが、
試しに「措置」を受けてみてもいいかな風の自作解説を書いてます。




彼の作品集は映像化に向きにくいのですが、

あなたの人生の物語

は最近映画化されました。
オリジナルの風韻の半分くらいはうまく料理出来ていると言う感想。




2017年7月10日月曜日

Numbered Account



本当に鬱陶しいねえ。
金融取引におけるマイナンバー届出義務は、適用時期の先送りになっているはずだか、
手を変え品を変え提供を求めてくる。
ささやかな届出事項の変更ですらそうだ。
放置出来ない項目だと止むを得ず、、、

仮名口座や匿名口座がまかり通った時代が懐かしいですなあ(๑˃̵ᴗ˂̵)
世界に眼を転じれば、いくらでもある訳ですが、用途は

富裕の資産隠匿
犯罪収益の洗浄

であることは今も昔も変わらない。
最近は仮想通貨が人気だが、使途はおなじようなもの。


匿名口座


スイスの金融機関を舞台とする国際金融謀略サスペンス
元バンカーの手になるリアリティ溢れる、、、という惹句だが、
リリースされたのは前世紀末。
些か古臭いのは、風雪に耐えうる作品ではない証拠。
それなりに面白いが、それは読み方による。
様々な視点が入り組み、銀行の内幕話だけではない。
ハリウッドが映画化権を取得してもおかしくないが、
企画が進んでいるとは聞いていない。
製作者たちにとってあまり扱いたくないテーマなんだろうと勘繰ります(^.^)


冷酷なアラブの麻薬王の長年にわたる資金洗浄
主人公の父親の不慮の事故の真相
銀行同士のプロキシーファイトと裏に蠢く資金の出し手の思惑
麻薬シンジケートを追い込むアメリカンの捜査チーム
密かに進むイスラエルへの戦術核攻撃
事件の影には濡れ場あり(^^)
八面六臂の大活躍の元海兵隊の銀行員


特上ちらし寿司のようで余りにてんこ盛り
腕のいいシナリオライターが刈り込みと再構成に油汗流している様が目に浮かぶ。







2017年7月9日日曜日

高い窓




いやはや、最近のアーティストとやらは、オリジナリティある楽曲タイトルすら
創造できないらしい(名の通ったシンガーソングライターの作品タイトル)

ロンググッバイ
三つ数えろ
さらば愛しき人

世界の文学史に残るかどうかは疑問があるが、その辺の純文学とやらよりは遥かに
支持率が高いこれらの作品群のタイトルをお手軽に自作タイトルに使うとは
どういう感覚かねえ?
著作権侵害でなければ何をやってもいいわけじゃ無い。


蝸牛にとって「スキヤキとハルキ」は、多分食わず嫌いなんだろうとおもいますが、
だからと言って食べる気読む気は全くない。
しかし、作家ハルキは嫌いでも翻訳家ハルキは好きです。
彼のご幼少期は、しばらく前の蝸牛庵のあたり。
ハルキスト御用達のカフェなんかもありまして、なんとか賞発表の頃は
閑静な高級住宅地にあるまじき喧騒(๑˃̵ᴗ˂̵)

チャンドラーの作品は短編集まで一通り読みましましたが、
清水俊二さんの訳は失礼ながら読みにくいし、意訳も多い。
引き換え、ハルキはサクサク読めます。

彼の自作は....

平明な文体
晦渋な物語 らしいので、翻訳本しか読まないという選択は
適宜適切だと自賛(笑)
翻訳ひとつで、愚作が名作になる事はないが、
傑作が駄作と思われる事は多々ある。
後者の例はさておき、前者ならば「スカーレット」だ。
森瑶子さんの腕をもってしても、風と共に去りぬの続編はつまらない。
語学に堪能な作家は、駄作を書くよりも翻訳に徹する方が
出版業界に貢献する。


高い窓


1942年の作品でマーロー長編シリーズの三作目。
ハードボイルド特有の道具立ですが、入り組んだ展開が破綻、矛盾することなく
すっきりと展開します。


証拠を丹念に拾い上げ、美しいパターンにまとめ、
あちこちのポケットに隠し持った複雑な断片をうまく忍び込ませ、
動機と人物像を分析し、誰もが(往々にして私自身をも含め)
推察したのとガラリと異なる真相を暴き出し、
黄金色に輝く結末へと一挙に導いていくんだ。
そして最後に世界に倦んだような表現を顔に浮かべつつ
もっともそれらしくない容疑者に颯爽と襲いかかる


マーローの台詞(ハルキの名訳!)ですが、
ハードボイルドの真髄をここまで適確に表現した例は
寡聞にして知らないし、この小説はめずらしく大成功している。
映画化されている事を初めてしりましたか、知らないはずだよ、劇場未公開。
俳優さん達に華がなかったからかな?







2017年7月8日土曜日

夏のバレンタインデー





つい失念していました。
惚けではなく季節感の喪失ですねえ。
一日遅れですが....(ついでに過去日記の使い回し御容赦)

http://ueda8823khj.blogspot.jp/2014/07/blog-post_7.html?m=1

2017年7月7日金曜日

湿度100%




ジメジメした映画は嫌いです。
つゆも好きじゃない。
梅雨と書けば甘酸っぱい思い出を想う。


やはり黴雨が正確な漢字表現だと思います。

力づくで涙腺に刺激してやろうってあざとい。
子供や動物をダシにして、街角の角兵衛獅子みたいなもの。
しかし、そんな傾向的作品の二本立てともなれば、怖いもの見たさが先に立ち(笑)


朝鮮戦争の頃、戦争孤児達の合唱団のお話
香港のエリート幼稚園をスピンアウトした先生が貧村の廃園寸前の幼稚園を
再建するお話

前者の韓国映画は論外だが、後者にはドラマがある。
最後に残った五人の園児の背景まで丁寧に描きこむし、
辛辣なまでの中華風エリート救育へのアンチテーゼ。
香港と中国の合作だが、製作のヘゲモニーは香港サイドみたいだ。


教育なる熟語は孟子に由来するが、正しい語義は知らない。
横文字の和訳にたまたまあてただけと思われます。
Education はラテン語を起源とすると言われ、

引きだす
大きくする

と言うニュアンスである。
けだし、教え育てる とは適語表現だとみえますが、
確証もなく引用するに、政府の実力者が、教化と発育のいずれかで
激論、収拾がつかなくなり、折衷案で教育になったらしい(^.^)


教育を半可知に論じる程身の程知らずではないが、
思い出しても良い先生(職場の上司を含みますが)だと思うのは
大量な暗記項目を詰め込んでくれた人でなかったことは
確信をもって言えます。
レザルトよりもプロセスを教えられました。

教職に夢を託して社会に出たのに、聞きおよぶに未曾有のブラック職場だそうです。
監督官庁も、なんとか委員会も、果ては組組織まで
誰も助けようとしないらしいので、なんともお気の毒。
某誌によれば、中学の先生の六割が過労死ラインを超えているとかや!
一番可哀想なのは、未来を託せない教師支配のもとの子供たち。


2017年7月5日水曜日

やっぱり「虚業」のような気がします






どんな業種にも「管轄官庁」がありますが、その管轄官庁が「監督官庁」であるとは限らない。
夏が来る前になると果然CMを打ちまくり、虚飾にあこがれる(といえば言葉がすぎますが)婦女子あるいはオスザルを
相手に脱毛なんかを勧める業種があります。
多くの場合、不健全な経営管理なものでひっくり返り、なけなしのお金をお財布からだした方々が被害を蒙り、
最後は泣き寝入り・・・・
潰れたサロンから、お金を取り戻すのはまずもって無理。
被害者同盟なんかを弁護士先生が勧誘しますが、取り返した金員の相当部分は代理人報酬に消える・・・・

永久脱毛って医療行為だと思いますが、なんちゃらサロンの多くは医療機関ではない・・・はず
つまり違法行為を堂々とやっているってことになる。
医療と医療でない美容行為の境界線について論じるだけの知見に乏しいので、ここんところに深入りしない。
医療行為でないサービスメニューも多々あり、それなりの効能は否定しませんが・・・・


この業界は経済産業省の管轄らしいが、ろくに監督してわけではない。
真面目に監督をしていれば、消費者被害があれほど生じるわけがない。
本来であれば、消費者庁が出張ることができるはずだが、足腰の弱い官庁ですので・・・・
消費者保護法が泣きます。


聞き及ぶにこの手の業界は「前受金商法」である。
将来提供するであろう役務の対価をあらかじめお客様から頂戴する。
従ってこれは「預かり金」であるはずだが、債務保全をろくにやらずにどんどん先食いをしてしまう。
貸金なら債権者区分、売掛け債権ならば貸倒引当金で相応の会計上の保全を掛けるのが当たり前ですが、
この種の勘定科目はノーガード。

売上高の二割とか三割をCMに突っ込み、会員様がそれなりに増えていく限りは事業は回るが、
そのサイクルが崩れると、たちまちに資金ショートをきたす。
最近は、進撃(する広告)の巨人が青ざめるほど広告宣伝費を滞納したサロンが
ありましたなあ。
白馬の騎士を探して来てなんとかしたらしいが、無傷ですんだとは思えない。

感覚的には、会員からの借り入れだと思っているようだが、本来は「別管理をして保全を行って」しかるべきものだが
そこまで良心的なサロンは聞いたことがない(・・・絶無とはいわないが)
つつましくやっていれば、それなりに夢を売る産業なんだから存在意義はあるはず。

なんとかという東証二部の会社(本業はシステムベンダーのはず)が、行き詰った大手サロンをどんどん傘下におさめている。
具体的にサロンの名前を口にはしませんが、先々大丈夫ですかねえ
あの、ワタシガショウメイデス!なんて豪語したサロンもだっけ?あれ、ちがったかな(^.^)
いまや、サロン事業が連結売上高の八割!
あとはメディアコンサルタント・・・要するに広告宣伝事業がメインで、システム開発は全体の一割程度
広告事業も、過払い金返還案件が主体で・・・先細りだから美容事業の宣伝にシフト

恐怖の一本足経営
上場株として相手にしようとはまったく思わないが、チャートや板を見るにスリルを楽しんでいる方も多いようです。








2017年7月4日火曜日

オッチャンに嬉しい映画館と女性に優しい映画館



映画市場のリサーチ結果は、その時々の興行環境に大きく左右されるもんで
確信的に言えることは少ないが、少なくともシネコンシステムは、
不良やゴロツキの溜まり場のような小屋が、普通の芸術鑑賞空間に変わり、
性別、年齢に関わらず足を運んでもらえるようになった。

しかし、国民が毎月映画を観ると言う全盛期には到底及ばない。
娯楽趣味の多様化からすれば、まだ健闘している方だろうが、内向き産業で世界で戦えない。
アニメだけじゃなあ・・・・個人的には、アニメは映画じゃありませんがね。


平均入場料は統計的には1200円くらいです。
でも、世界水準からすればまだ高い。
シニアの方は、1100円でご覧になっておられるだろうが
元来は千円だったが消費税増税の先取りで値上げ・・・・
本当に増税実施の際に忘れたような顔して再値上げをするつもりだろうが、
天網恢恢疎にして漏らさず・・ですから


神戸の場末の盛り場には常設の老舗二番館が二軒あります。
方や、舟券や車券を握りしめているのが似つかわしいオッチャン相手の大衆娯楽作品一辺倒な映画館
シニア千円二本立て入れ替えなし
こんな所でなければ見ないようなアクション系ですが、たまに玉に当たることもある。
喫煙所も完備。
どうも社会的なクラスと喫煙習慣には相関性がありそうだ。
全面禁煙反対派とは、そういう連中(一応選良)なんだ(^.^)
マニアックなレイトショーなんかもやってまして、結構奮闘してますが、スクリーンが二つあり
もう一つは成人映画専門館
今時珍しいのですが、よくやっていけてますねえ。
ポスターしか眺めませんが、食指も進まず、客が入っているとは思えない。


もう一つは、山側にあって意識高い系ないわゆる名画座
テアトル系やリーブル系の気取った作品二番館です。
この映画館は女性に人気ということで、色々と工夫を凝らします。

シニア千円二本立て入れ替えなし
女性優先席(専用と言わないのがいい)
インターバルの時間がいささか長い(トイレ改装時に女性個室の数が減ったもので休憩時間を長くした)
喫煙家に対する配慮は皆無(^.^)


毎度って訳でもないのですが、大抵は結構な入り。
両側に客が来ないようにゆったり鑑賞期待・・・・なら足を運ばないことですね(笑)




2017年7月3日月曜日

あの「改革」は成功したのか?(2)





あちこちに矛盾がでていると指摘する向きもあるが、光と陰はいつの時代でもどんなところにも存在する。


弁護士の市場規模を調べています。
本当を言えば、司法書士なんかも含めないと国際比較にならない.
アメリカンでは、能力のない弁護士は法律文書(契約書とか)作成でパンを食べます。
まさに代書屋さん。

雑学程度な駄文ですから荒掴みです。(^.^)
結論はよく分かりません.....が、ざっと一兆円くらい!

90年頃 4000億円
00年頃 7000億円

という実態からすれば、成長産業のように見えます。
近未来的に三兆円の規模を予測する向きもある。
津々浦々全国民的に適切なリーガルサービスを提供した結果ならいざ知らず
サラ金が絞り上げた膏血のうち6兆円くらいが、過払い金として借り手に戻りましたが、
多分この金額の三分の一は代理人のお財布に入った。
司法書士が扱った事案もありますが、市場規模拡大に寄与した事は確か。
しかし、債権債務の消滅時効にかかりますので、今や釣り堀にお魚はいない。
デモシカ弁護士でも扱えるような事案はなくなりつつあります。

つぎなるお魚は、特定B型肝炎給付金請求。
規模感はよく分かりませんが、ど派手なCMと事務所全体が懲戒処分対象となりそうな司法法人によれば対象者は40万人だとか
特別措置法の期限が知らない内に5年間延長されてました。
被害者の救済が進んでいないからというのが理由だとされますが、食えない弁護士の失対事業じゃないかねえ?
政策としての稚拙さが被害者を生んだ訳である意味サラ金被害者よりお気の毒ですから、
弁護士の技量でなんとか救済してあげるのはいいとしても、やり方がなあ💢
そもそも、弁護士の専門性が要求される世界とは思えない。


市場規模の拡大自体は成長の証明だが、不健全に肥大化しているようにも思えます。
因みに、我が寒村には、弁護士ドットコムで検索する限り無弁村です。
歯医者やコンビニはあるんですがなあ(苦笑)





2017年7月2日日曜日

あの「改革」は成功したのか?




大方の意見なり印象では失敗なり目的未達成だろうと想像がつきます。
あの「改革」とは、司法改革の事ですが、天邪鬼の見るところ
結構上手くいったとほくそ笑んでる輩がいるのかもしれません(^.^)

虫の目線からすれば、

裁判員制度は辞退率が八割を超えたらしく、これじゃ制度崩壊寸前
司法試験合格者増加策は質の低下と職業の魅力度低下で法曹界全体が風前の灯火(他の要素もありますが)

しかし、これらは司法改革のアイテムのひとつであり、
改革の本旨(国民全体に適切なリーガルサービスを提供し、合わせてリテラシーの向上)からすれば
如何なのか?という鳥瞰の視点が大事なのです。


とかなんとか言いつつも「改革の本丸」はなんなのか実の処よく分かりません。
美辞麗句をそのまま信じる程素直じゃない(^.^)
判事、検事、弁護士、どの立場からしても不愉快な事ばかりな
制度改革がなされるなんて....

判決内容に素人から口出しされて心穏やかな裁判官がいるわけがない。
起訴独占主義に風穴があくなんて検察官には耐え難い。
ナンチャッテ弁護士の需給に波乱が生ずればお財布に響く訳で日弁連が納得する筈がない。

なんか隠れたる意図があったはずだと思わざるを得ない。
あちこち陰謀論めいたサイトサーフィンをやってますが、
よく解らない。
解らない以上、勝手に憶測と妄想を巡らすしかない(๑˃̵ᴗ˂̵)


司法の世界の信頼性が今ほど失落したことはない。
黒木氏や瀬木先生が相次いで裁判所内部の陰の部分にフォーカスした
モデル小説を刊行する。
知っている者については特段ショックでもないが、
何故今?バタバタと出版されるのかと勘ぐる。
最強捜査機関なる組織も村木厚子さんの一件で馬脚を満天下に
さらけ出してしまった。
これまた国策捜査があることくらいは分かっていても、
あそこまでやるとは想像以上。
もはや日弁連が正義の味方ではなく一部の反日過激派に壟断された
組織としかおもえなくなったし、ソッポをむく会員も多いらしい。
弁護士の数が増えると自ずと財政が豊かになる。
高額な会費を下げても然るべきだがそんな事は聞き及んでいない。


司法改革以降に起きた事柄からすれば、
天秤と剣をもつ正義の神は盲いてしまわれたようだ。
本来テミスの神が目隠しをされておられるのはそういう意味ではなかったはずだ!
ある仮説を述べれば....

いくら友人限定とはいえ、この程度な防空壕仕様な場で書くには
危険すぎるので、またの機会に(๑˃̵ᴗ˂̵)








2017年7月1日土曜日

またまた解離性同一性障害或いはDID



二重人格の事をこ難しくはこのように言うらしいが、和訳した際の日本語力が乏しいのだ。

アホ=魯鈍
バカ=痴愚

引き換え、華麗な熟語化とはかようなものを言うって事はさておき。
映画のプロットあるいはオチに余りに使われすぎて食傷ぎみ
しかし、小説的にはジキル博士とハイド氏が最古だろうが、これまた幾度となく。


これも形を変えたDIDを主題とするもどきな映画です。
盛りが過ぎたりとうのたったオジン役者ばかりで興行価値は最初から見えてる。
シルバー産業化したとは言え、若者たちがソッポを向くようでは苦しい。




予算を絞るのはいいが、あまりに映画つくりに芸がない。
凄腕のCIAのエージェントが重要情報を握ったまま心肺停止。
その情報を活用するために、社会適合性ゼロの終身刑犯罪者にその記憶を埋め込む・・・
二つの記憶を持つ男の心の葛藤なんて、ケビンコスナーならいくら大根でもこなせます。
ある時には、CIAエージェントのように
またある時は、極悪非道な犯罪者・・・


危険な記憶移転オペをやるのが、トミーリージョーンズ
CIAエージェントの上司がゲイリーオールドマン


芸達者なオジン三人(と言って悪ければベテラン三人)の共演。
もうすこし出来よくつくれたと思います。
スパイサスペンスでなくて、サイコ的に作ればよかったと思いますがね。
地球に破滅をもたらす軍事技術をテロリストの手から守るなんてありきたり。

ジキルハイドも最近のスプリットもそうですが、
他の人格になれば容貌まで変化する(実際は知りませんが)。
しかし、この映画では、

凄腕エージェントはライアンレイノルズ
犯罪者がケビンコスナーですが、特段「変身」はしないし、
記憶の中のフラッシュバックでライアンレイノルズが登場するだけ。

書きながら思い出したが、末期癌の大富豪が何億ドルかはたいて
特殊部隊あがりの若い肉体に乗り移り、再度人生を謳歌するのですが、
この若者の記憶が蘇り....とかなんとか

大富豪が、ベンキングスレー
若者が、またまたライアンレイノルズ


彼って二流どころですが、毎度こんな役柄じゃねえ(^^)