2014年8月31日日曜日

弁護士だけじゃ「守り」にならない・・・・


弱者が強者から自分を守る有効な武器は「黙秘」
しかし、貫徹するには相当な意思力なり勇気が必要である。
そうなれば神仏のご加護も必要なので、
挫けそうになればひたすらに「起請文」を声を出して念ずる・・・


敬って申す起請文の事
上は梵天帝釈。
四大天王閻魔法王五道の冥官泰山府君。
下界の地には
伊勢天照大神を始め奉り伊豆箱根
富士浅間
熊野三所金嶺山。
王城の鎮守稲荷祇園賀茂貴船
八幡三所
松の尾平野
総じて日本国の大小の神祇冥道講じ驚かし奉る
殊には氏の神
全く◯◯(ここに自分の名前)接して漏らさず秘して漏らさずの「完黙の誓」
この事偽これあらば。この誓言の御罰を中り
来世は阿鼻に堕罪せられんものなり
仍って。起請文かくの如し


神仏オールスターズに願いをかければ、なんとか頑張れるかも(笑)
ヒトはいつ冤罪に遭遇するかもしれないし、
塀の上を歩くような人生を送っているなら尚更のこと。
短い文章だし、この程度は身を守るすべとして覚えておくほうがいい。



黙秘権なるものが権利として認知されたのは大昔のことではない。
アメリカでの「ミランダ警告」
これは、60年台に最高裁で血の通った形でやっと認められた。
合衆国憲法修正第5条において保証されている権利なのですが、
当然に知らない人もいる。
従って、黙秘権の告知のない場合の逮捕や自白は不当だと判断された画期的な出来事
しかし、本当にこんな長ったらしい告知をやるんですかねえ?
面倒だから、抵抗したってことで簡単に撃ち殺すんですよ(笑)


 

日本国憲法でも38条で「黙秘権」は認められています
国家権力サイドに「告知義務」があるのかどうかは、解釈が様々らしいが、
刑事訴訟手続きの最初に、ちゃんと「告知」をやります。
捜査段階では、実経験がないのでなんとも・・・
しかし実務上は「告知義務」があるとされていますので、
仮に告知がなかったら調書の違法性を争えることになります。
TVドラマではそういうシーンがありませんが、多分「知恵を付けたくない」って
配慮かもしれません(笑)

旧憲法時代には恐ろしいことに「黙秘権そのものまで制限されて」ので
それを思えばまだましということです。


 

しかし、か弱き個人を暴力装置から守る効能は充分に認めつつも、
結果として、真実の究明に非協力的であることが、社会の寧安の維持に障害を
生んでいるとすれば、そこまでして人権を守るのか・・・って疑問もあります。

かの菊屋橋101号(・・・って知らないだろうなあ)
60年台の学園闘争時代の伝説上の美人(だったらしいが)闘士
拘置されても、氏名年齢すら黙秘を貫き・・・符号で呼ばれ続けた。
意志強固な魂は、それ自体で崇高さすら感じますが・・・















2014年8月30日土曜日

斗酒なお辞せず・・・



飲んだくれの代名詞である。
しかし、一斗とは十升。
いくらなんでもそんなに呑めるものではない。
白髪三千丈的誇張と言ってしまえばそれまでであるが・・・
何事にも科学的なカラクリがあるのですよ(笑)
 

度量衡の単位は歴史的に変遷する・・・
あるいは、私益のための使い分けるというのは中国史によく登場する話しである。
量の単位は、合、升、斗・・・で、一升が十合は同じでも、

 
秦や漢の時代は、一升=200mL
隋唐では、その約三倍の600mLも登場し、従前の200mLも併用
元以降だと、1000mLとなり、現在では(中華人民共和国も)一升=1000mL  ・・に統一された。
日本では、一升=1800mLですので、多少混乱します。

 

実際のところは、中央政権のグリップ力で統一化された度量衡が使われたり、使われなかったり・・・
私枡(独自の計量計)が使われたり、まあなんでもあり。
大きなマスでコメを貸して、小さなマスで返させ、人気をとり、王権を簒奪したワルがいました。
逆に政権を取ると、大きなマスで税金を召し上げて巷では怨嗟の声・・・
これもよくある話です。
祇園のお茶屋さんは、こぶりなお銚子でも正一合きっちりと入りますが、
ヤスモンの小料理屋のそれは、七尺から八尺
あまつさえ、吟醸酒に本醸造を混ぜて・・・(怒)
 


それに表面的な量もさることながら、
実際のところは「純分アルコール」をどんだけ摂取したかで決まる。
若山牧水は、毎日一升酒
李太白は、毎日斗酒(といっても日本基準だと一升強から三升程度)
飲んでいた酒の度数まではわかりかねますが、
当時の中国はまだ醸造酒の時代で度数は比較的低いと思われます。


まあ、この程度ならば、我々凡人の呑み方と変わることろがない。
ただし「斗酒詩百篇」と文学的才能の片鱗をみせることはなく、
死に様もきっとありきたりな肝硬変にちがいない。
李白は酔っぱらい、湖水に浮かぶ満月を取ろうとして溺死した(・・・らしい)
詩人の生涯とはそういうものだ。


書聖といわれる王羲之
彼の書いた蘭亭序(宴会で呑んだくれての詩篇アンソロジーの序文)は、
墨跡としての最高峰(残念ながら誰か皇帝が自分のお墓にしまいこんだらしい)である。
王羲之は、泥酔酩酊状態で一気に書き上げたらしいが、
その後、シラフでちゃんと書くのだが・・・どうしても酩酊版に及ばない


どうせ呑むなら、この程度の足元くらいの域には達したい。







2014年8月29日金曜日

どうして「一番」でないと駄目なんですか?

ちょっとややめに構えた・・・いわゆる「辺境論」 内田樹氏の見解を要約すれば・・・ 通常に概念として使用される「辺境」とは、 中央に対する対立概念あるいは脅威概念であって、 正統に挑戦し、とってかわるべく存在である。 しかし「辺境たる日本」とは、華夷秩序のなかでの「東夷」としての日本。 中華という眩くも、仰ぎ見る中華の果ての地に位置する立場である。 たえず、風下にいるべきもの。 風下に位置することは悪いことではない。 追われる者より、追う者が楽である。 我々は、長年追う立場にあり、二番手の立ち居振る舞いは得意中の得意。 しかしながら、一番手になった(あるいは並んだ)瞬間に お手本がないことに困惑し、結果、とんでもない過ちを行なってしまう。 四藩連合明治政権は、キャッチアップ欧米戦略で成功し、 ロシアを撃破し、一等国に並んだ瞬間に、 愚かな帝国主義的振る舞いで国を滅ぼし・・・しかし、 戦後の廃墟の中からGNP世界第二位まで登りつめて・・ 結果は、バブル崩壊後の失われた20年。 凋落することは、逆説的に言えば悪いことではない。 所詮は、辺境の二番手以下の存在であり、自律的原理論があるわけではない。 韓国「にすら負けて」いることを嘆く必要もない。 華夷秩序からすれば、日本の風上には韓流がいる。 さらにその先に大国チャイナ! 現在の立ち位置は、むしろあるべき論なのだ。 世界に冠たる指導的立場にたち、諸国民に人類の進むべき道を示そう! なんてだいそれたことは考えない。 世界標準に自分を合わせていくことは出来ても、自らが世界標準を 新たに設定するなんて身の程知らずってもんです。 二番手戦略こそ、日本のお家芸なのだ。  苦手を克服するのがいいのか、 長所をさらに伸ばすほうがいいのか・・・議論はありますが、
どうせ努力するならば、楽を選ぶのはよくないが、楽しい方を選ぶほうが適格ってことです。

2014年8月28日木曜日

藤田博士をご存知ですか?

竜巻映画をみてます。
昔に「ツィスター」という映画みた記憶あります。
有名どころでは「オズの魔法使い」でも、ドロシーが竜巻に吹き飛ばされる。
つい最近のスーパーマン映画(マンオブスチィール)では、育ての父が竜巻で死亡するシーンがあった。
アメリカ映画では定番の素材ないし道具だということ。

 
アメリカの中西部で竜巻が多い理由は不明だそうですが、倭国では聞き及ばない。
方丈記にチョコっと登場しますが、洛中に竜巻とはねえ・・・他事例はない。
でも、最近の気象状況だと、結構頻繁に・・・それも唐突に発生します。
事前予知は、システムの不備もあり不可能に近い。避難シェルターも準備されていない。

 
あまりと言うかほとんど知られていない藤田さんという世界的に高名な気象学者がおいでになりました。
竜巻の規模評価を分類した藤田スケールの考案で知られます。
藤田先生の分類では五段階程度に分けられますが・・・

 
F0:発生頻度39%、軽微な被害・・・木の枝が折れるとか
F1:発生頻度35%、中規模被害・・・屋根が飛ぶとか
F2:発生頻度19%、大きな被害・・・自動車は横転し、ボロ家屋崩壊
F3:発生頻度 5%、重大被害・・・列車横転、家屋全壊
 
たいていは、ここまでの竜巻のレベルですが、稀にF4とか更にF5が発生します。
こうなると、一面廃墟化するのですが、この程度では、パニック映画にはならない。
なもんで、理論上想定されるF6クラスの竜巻が発生します。
以前の「ツィスター」は、F5クラスですので、時代とともに荒唐無稽化したのです。
牛やトラックが舞い上がるのでは絵にならない。
避難待機中の航空機が宙を飛ぶ(笑)
シェルターが根こそぎぶっ飛ぶ。

 
竜巻は凄い割にあっという間に消滅します。
甚大な被害をもたらすのですが、家族の愛と友情で苦難を乗り切る。
一転した青空の下、傾いてはいますが、ヘンポンと星条旗が翻る・・・・
予定調和でエンドマーク。


 
ジョブス言う所の、最後の一日の時間を費消するようなものでないことは
確かでした(笑)





2014年8月27日水曜日

オ◯◯は、戦いに勝ったのか?



ポリテイカルスリラーの醍醐味とは・・・

誰もが知ってるビッグネームがさり気なく登場し
さもありげなエピーソードがモチーフなんだけど
それが表沙汰にならない事に一定の合理性があること

だと思っております。
その意味で「革命記念日でのドゴール暗殺未遂事件」なんかは、けだし一級品である。


かつての「悪の権化」は、東側のスパイ組織でしたが、最近はとんとお見かけしない。

アフリカの独裁者
東欧のマフィア
イスラムのテロリスト・・・

本当に複雑で難しい時代になりました。
あえて言えば・・・大本命は「コロンビアカルテル」。
そう、麻薬製造流通販売組織です。



麻薬及び向精神薬は様々あるらしいが、なんちゃって「コカイン」がクスリの王様だとか。
原産地はコロンビアで、600トン程度の生産量。
原産地での原価は純分キロ当たり四千ドルですが、欧米の卸にわたる時には七万ドル。
卸は、それを十倍程度に希釈して末端に流す。
つまり、最終需要家さんは、キロ七十万ドルの嗜好品を購入している。
一次の陶酔を得るには高価すぎる品物ですが、加えて健康にも宜しくない。
911でお亡くなりになった方は、三千名。
その十倍が、毎年ヤクで命を落としている。
これがテロリズムでなくてなんとする。


世界のポリスマンを自負する立場のものとして、コロンビアカルテルとの戦いは、
テロとの戦いであり、負けるわけにはいかない。
オ◯◯は、戦いに勝利したのでしょうか?


孫子曰く・・・ですが、

上策は、戦わずして勝つこと
また曰く・・・兵站を断つこと。


抜擢された冷徹な指揮官は、西洋人らしからぬ孫子の愛弟子でした。
彼の冷酷な作戦は功を奏し・・・
しかし、残念ながら、古典の教養のない統治者は困ります(笑)
学歴と学力が違うのは、倭国だけでもないらしい。
だから、原典主義が大切なのです。
彼は、この有名な人材活用の大原則を学んでいなかった。
すなわち・・・


疑いては、人を使うなかれ
使いては、人を疑うなかれ
(金史が出典・・のはず)




いまだにコカインカルテルは、隆盛を極めています。











2014年8月26日火曜日

どうすれば「お岩さん」は幸せになれたのでしょうか?

朱夏も残り少なく・・・残暑なんて言いますがこれは暑苦しい(笑)
昔ながらに怪談映画でもと言いたいが、今風はホラー。

 
四谷怪談
番町皿屋敷
牡丹灯籠
鍋島猫綺譚
真景累ヶ淵
・・・・・なんかをとっかえひっかえ

 
でも、おどろおどろしさは真景・・の右に出るものはないが定番は「四谷怪談」。
忠臣蔵外伝ってことも受ける理由ですが、
単に赤穂の浪人を主人公にしただけで「盟三五大切」(・・・すらっと読めれば相当に凄い!)
のように討ち入りとの関連はすくなく、
もはや伊右衛門には主君の恨み云々の意識はない。

最高傑作は中川信夫版だと言われます。天地茂に若杉嘉津子
ほかにもお岩さん女優は・・・

 
田中絹代(彼女までねえ。伊右衛門は上原謙だから妖怪愛染カツラ)
岡田茉莉子(顔が崩れていない、美女系お岩さん)
小雪(見てません)
高岡早紀(ヌードシーンが必見で、そっちばかりが未だに話題)
関根恵子(このバージョンはプロ鑑賞家も初耳)

 
美女にグラマーに清純派まで、解釈次第で誰でもやれる国民的女性像って
ことですから、今回はバックステージものに捻り、「喰い女」





色悪が地としか思えない人気歌舞伎役者
なんとかって女優。眼つきが心の窓とはよく言ったもの。
性格が歪んだ様が自前風なので、嫉妬や怨念の感情表現を苦もなくやってしまう得な資質の持ち主。
更に、宅悦を演じる売り出し中の人気役者。カネに汚くオンナ好きって芸能誌が書くところの
本人プロフィールじゃなかったか?


ひねり・・・といっても、舞台の進行と現実のドラマが同時並行的に交錯するというのが定番のプロット。
名作「恋落ちシェイクスピア」なんもそうでした。
バックステージものにはずれなしって言うくらいですので、まあまあの出来栄え
この柴咲コウって女優・・・
恨み晴らすと、一転涼やかに^ ^
どっちが本質かな?

 
舞台美術がなかなか凝ってます。
美術賞があれば今年は決まり!

 
秋の映画シーズン前の肩慣らしです。



・・・・・

2014年8月25日月曜日

陸・海・空

バブル崩壊前夜のすこし手前頃
蝸牛庵は「とんでもない高級品の事業開発支援業務」をやってましたっていうかやらされてました。


 
陸:アメリカでのカスタムスーパーカーの製造

海:欧州製高級クルーザーの販売

空:ウルトラライトプレーン(ULP)の飛行施設運営

 

なんでまたって理由を言えば長いのですが、結論はどれもこれも大失敗
会社経費で落とせますっていうような脱法的営業姿勢に問題があったのかもしれません(苦笑)
ULPは、さておき・・・・

フェラーリが会社経費で落ちるかって話題がありましたが・・・・
まあ、クルーザーだってやりよう次第

会社の事業目的に鑑み「クルーザーが業務用に使用」されるケースは限られます。
しかし、その限られる目的に合致している証拠を揃えればいい。
通常は

顧客接待
従業員の福利厚生

くらいがおもいつきます。
実際のところは、オーナー社長の不倫密会用の場合が多いのでしょうが、
そういう証拠は絶対に隠蔽する。

まずちゃんと航海日誌なり運行記録を整備する。
不倫密会や家族団欒は当然に削除です。
福利厚生規程には、ちゃんと利用者の手引を明記し、実際にささやかに実費程度を徴収し、
実際に従業員にも開放する。



何でもそうですが、独り占めはいけません
言葉悪いですが、頭と尻尾はネコにくれてやる程度の度量はいります。

とかなんとか・・・言葉巧みに、中小企業のオヤジに、スーパーカーやらクルーザーを売り込みに
当然そういうドブ板営業の真似は、気位の高い蝸牛庵は絶対にしません。
セールストーク資料をつくるだけ

結果は大失敗。
気位が高いのは蝸牛庵だけじゃないですから・・・産業の古米化していたくせにねえ。
適材を得なかったことが敗因。
戦略的失敗ではないって思ってますが、
もしかすれば密会不倫用をもっと押し出せばよかったかなあって(苦笑)

 

ということで再起をかけて・・・
ULPは、これはまあ・・・利根川の河川敷で貧相に始めたのがいけなかった。
造成半ばで頓挫したゴルフ場のキンキラクラブハウスにフラットな芝の滑走路・・・なんかを
売りにすればよかったかなあって
これはいまでも悔やんでいる。






2014年8月24日日曜日

フィガロの結婚



上演時間も長く結構複雑な構造なのです。
当時としてはある意味で「難解」だったかもしれません。
映画「アマデウス」では、途中で国王があくびをしてしまうシーンが・・・

シェイスクピアの笑喜劇(例えばベニスの商人)もこんな感じだから、伝統芸なのかもしれません
ベニスの商人とは(勘違いの向きが多いのですが)ユダヤ人の金貸しのことではなく、
ユダヤ人からカネを借りた貿易商のことです。
実際上、人肉抵当裁判の部分よりも、その後の痴話話のほうが面白い。


 

聞きかじりですが、西洋音楽の華でもある「オペラ」とは、ギリシア悲劇の復興だそうです。
悲劇性を重視した正統派というべきがワーグナーの楽劇。
大仰で・・・・でも、あれが面白いのでしょうか?
ドラマは、波瀾万丈、激情退廃、大胆に官能的、
最後は悲劇的でもハッピーエンドでもどちらでもいいのですが、
要は舞台は面白くなくっちゃ意味がない。
ということで、陽気で能天気なイタリア気風こそがオペラの王道である。
ギリシア劇だって、アリストファネスなんかは喜劇的です。


さて、人気オペラっていえば・・・・

フィガロの結婚
魔笛
ドンジョバンニ

椿姫
アイーダ

トスカ
ラボエーム
蝶々夫人
リゴレット

カルメン

これも世界文化遺産ですねえ。
繰り返し、これらの十曲程度のうち、いくつがマスター出来れば死ぬまで食うに困らない。
能楽師は「熊野松風コメの櫃」というのですが、けだし・・・けだしなのです(笑)

基本はルーツに従い、悲劇です。
でも、お母さんと一緒学派のモーツァルトさんは喜劇的ハッピーエンドがお似合いです。



毎度のプレミアムスクリーンで、けめこ様と「フィガロの結婚」のライブビューイングです。
原作は貴族風刺がお得意のボーマルシュですが、
セリフ的にも十八世紀末ではそのままの上演は難しい。
かなりな毒消しが使われているそうです。
それに、あの「セビリアの理髪師」の第二部なのですねえ。
主人公のフィガロは、第一部では理髪師(=当時の外科医です)として登場しています。
このオペラでは、フィガロの上司である伯爵の結婚騒動がテーマですが、
今回は、フィガロ自身の結婚譚。
従って、舞台はスペイン(・・・といってもエキゾチックさは皆無です)


フィガロとスザンナ
伯爵夫婦
小姓のケルビーニと庭師の娘
女中頭と怪しげな医師


なんかが織り成しての痴話三昧
映画の世界だとジャン・ルノワールの「ゲームの規則」を彷彿とさせます
というか、この伝統芸を受け継いだんですよ。



毎度のオペラバスティーユの舞台で、指揮はフィリップス・ジョルダン
体型はスリムで相変わらずのイケメンでした。









2014年8月23日土曜日

スコットランドの思ひ出



望郷チックに書き始めたが・・・実は何もない(苦笑)
ロンドンでの会議で、ベッカムとは別の意味で不可解な英語もどきでしゃべるおっさんがいて、
スコットランド人だった
サイマルのインタープリターでも難渋してましたから、相当なものなんでしょう。
今思えば、スコットランド英語をしゃべったのでしょうか?


コナン・ドイルは大好きですが、
イアン・ランキンというミステリー作家もお気に入りです。
エジンバラ警察のリーバス警部シリーズは粒ぞろい。
アルコールとタバコとロックが大好きで(依存症です)、
頑固を絵に描いたようなスタイルがスコットランド風である。
雰囲気はちょっと違いますが、ショーン・コネリーもスコッチランド人。


大英帝国を構成するピースの一つなのですが、独立するかしないか・・・・紛糾しているそうな
来月の住民投票で決まるそうですが、票読みは微妙だそうです。
仮に独立となれば(企業分割みたいなもの)、いろんな手続で気が遠くなりそうです。
いまでもささやかに「自治権」がありますから、そのまま移行すればいい(例:国旗、国歌・・・)のですが、
元首とか通貨やUNでの取り扱い(まさか常任理事国をイングランドとシエアはしないでしょうが)外交関係とか・・・
どう移行するのか興味があります。
本当は東欧の事例が様々ありますので、プロからすれば案外簡単なのかもしれません。
でも、ろくな資源のない人口五百万人程度の小さな国が経済的自立なんかできるのでしょうか?
北海油田は俺のもの!ってなのが自立の根拠みたいですが、
すんなりとイングランドは手放すとは思えません。


そんなことよりも、民主的な近代国家においては、
血を流さずに分離立国(建国)が出来るというのはなかなか凄いことではありませんか
他にも様々インパクトを与えませんかねえ?
かつてOKINAWA出身の代議士が、まじめに「独立の手順・可能性」を法制局長官に国会質問してました。
やりとりは覚えていません(当時は荒唐無稽と思えました)
早速に、北アイルランド、バスク・・・・ウェールズだって、分離独立派がいるそうです。
かの大国では、報道管制をひくのでしょう・・・でもウイグルなんかイスラム系からどんどん情報が入ってきます。
口に戸をたてることは出来ないのです。



そんな小難しいことはさておき・・・・
全英オープン(ゴルフ)はどうなりますかねえ?
ゴルフはスコットランド発祥で、セントアンドリュースだってスコットランドにあります。
通常「ブリティッシュオープン」なんて言いますが、
これからは正式名称とおり「the open championship」といわないといけないかも


スコッチは・・・そのものずばりスコットランド
ブリティッシュ人の酒文化はどうなるのでしょうか?
やっぱり「輸入」ウイスキーに依存するのはジョンブルの神経を逆なでします。
エールが今以上に進化発展する・・・かな?
そもそも英国の酒文化は、ナポレオンの大陸封鎖によりワインが輸入できなくなったので
独自に発展した歴史を踏まえます。


 

野次馬的には興味ある話です。
住民投票は9月18日。
こういう話題で国際的センスを高めるような記事を書くのが大マスコミのミッションだと思うのですが
読者の質に合わせているのか、そもそもの程度が低いのか・・・(よくわかりません)
・・・ということで、蝸牛庵が残暑厳しいもんで一肌脱いだ次第(笑)




2014年8月22日金曜日

天網恢恢疎にして漏らさずとは言うが、網の目が細かくなるほどよりすり抜けやすい



なにが「法益」なのか・・・・?



故意(悪意を含む)過失があって、他人様の生命・身体・財産(有形無形を問わず)に
被害を発生させれば、それは申し訳ありませんってことでしょう。
具体的な被害が発生しなくとも、瑕疵(当事者間で約束した品質水準に違背)があれば、
あるいは違法な事態があれば、これも当然債務不履行ってことになります。
問題解決のために、金銭賠償も当然かもしれません。


思い起こせば、C国のT食品会社製造の冷凍食品に劇薬物が混入され、具体的な被害が発生した。
あの時の混乱は中世の「魔女狩り」に等しい。

T食品製造冷凍食品はすべからく「魔女」である。
C国原産地品はすべからく「魔女」である。

店頭から商品が消えた・・・消えた商品はどうなった。
当然廃棄処分であり、そこで生じた「廃棄費用・仕入原価」が損失となった。
その損失は誰が負担したのか?

消費者が購買価値を認めないものは、その理由が「風評」であり、
具体的な安全性に問題がなくとも、それは瑕疵であるって、合理的な判断だろうか?


個人情報が大量に流出した。
健康情報や財産情報は含まれず「氏名・住所・生年月日」程度である。
実際にその漏洩した情報を利用してダイレクトメールが大量に投函された。
迷惑と思った方も有益な情報が来たわって喜んだ人もあるだろう。

保有する情報が詐取されたのであるから「被害者」であるべきが、
個人情報の管理に懈怠があったということで、さしたる被害を消費者に与えたわけでもないが
風潮としては非道な「加害者」にされてしまった。




法律上、欠陥はともかく瑕疵は無過失責任であることはやむを得ないとしよう
過失がなくとも責任は取りますが、C国バッシングなんかコントロール不能であり
それまで責任を負えといわれてもそれは理不尽ってもんでしょう。
情報管理に過失がなかったとは申しませんが、金目で百億単位の賠償義務まで
負えというのは、ちょっと過酷じゃありませんか・・・

どっちも天文学的にカネさえかければ対応策はないではないが、
そこまでのコストをかけること・・・ひいては社会全体で負担することになるのですが、
それは合理的ですかってサンデル教授から白熱授業の素材にするだろう。
どうも、間違った形で消費者を甘やかしているポピュリズムとしか思えない。
困ったことに「裸の王様たる消費者」であることが自覚できていない。

店頭から「不安だというだけの」商品が消え(一時的なんですがね・・)
詫び状と同時に五百円玉一枚くると事態は落着する・・・
実際は、なにも解決していない。
本質に肉薄しない・させようとしない愚民主義が、将来を危うくする
まともな企業であれば・・・ 天知 地知 子知 我知 というストイックさを
持っているものであるが、このような「愚かさ」は、愚直であることを
虚しくもさせるのである。










2014年8月21日木曜日

だって「投資」で負けたことがなく、「博打」じゃ勝ったことがない(笑)



実のところ過日の問診票(8月19日)のとおり、
蝸牛庵は「ギャンブル依存症」なのですよ。
成人男性の9%程度(男女合計で5%強)が該当するという厚労省の調査結果が正しいのであれば
特段異常な性癖でもない。
当り前の(ギャンブル)行動をやっているに過ぎないし、
結構合理的な行動だと思っています。
一般的に「病理的な」資質は程度の差こそあれ誰でも有している。


博打
投機
投資


明確な線引が可能であれば、我と思わん方は名乗りを上げればいい。
蝸牛庵は、歴史的に正しい絶対解が用意できます(笑)


曰く・・・・成功すれば「投資」失敗すれば「博打」

 
つまり「勝てば官軍」という歴史学的用語を金融工学的に翻訳すればこういうことです。
企業は新規事業実施に於いて、様々な検討を行い、断行するが、
検討の甘さや不可知な環境変化、適材の不在等々あるいはその逆で成功も失敗もある。
大マスコミの経済部の記者は気楽な後講釈を行う。
詰まるところ「結果評価」以外の何物でもなく、
成功すれば果敢に決断された「投資行為」と褒め称え、
失敗すればリスクまみれな「博打行為」を断罪する。



勝ち続けることは難しい。
そして、敗残転落したあとの復活はもっと難しい。
だから、MLBのスタン・ミュージアルの言葉に重みがある。

私が褒め称えられるとすれば、何度もMVPを獲ったことではなく
絶望的なスランプから何度も這い上がったこと・・・



こういう世界は過酷で厳しい。
それに引き換え「投資」の世界は、勝ちパターンも単純である。
絶対・・・とまでは言い切れないが、


①知っているものしか買わない

 当り前ですが、これって大事です。
 仕事柄様々な新技術の探査をし、実際にテスト的に使用もしますが・・・
 これはイケるって思えば即座に買う。
 大抵が新興市場で乱高下はするし財務体質が危なっかしいので
 途中下車の準備を怠らないことが肝要。

②現金資産とリスク資産の割合を耐えず半分半分に保つ

 単純なナンピンや利益確定ウリよりはいささか知的です。
 面白くもなんともないポートフォリオ管理ですので馬鹿馬鹿しいから
 実際は人様に薦めるだけ

③・・・・・



他人の成功事例を猿マネしてもうまくいくわけがない(笑)
時分の身の丈にあった馴染みあるやり方が一番ってことだけは
普遍の真理です。
















http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970204162404580098682675941668?mod=WSJ_article_EditorsPicks

2014年8月20日水曜日

ゴーストライター



大和の国の恋物語では「代筆」は当たり前。
王朝時代の歌人は、高貴なる方の代わりに歌を読むことが職業的義務。
源氏なんかでも、貴公子のラブレターの代返なんかを、お局様が書いてます。
なかなか才気ばしった書きっぷりが、センスってもんでしょうか。
靡かず、袖にもせず、気を持たせ・・・(笑)
住み込みのキャリアウーマンって大したものです。


しかし、恋文代筆話は、これに止めを刺す。

-- 
彼は文武に秀でた快男児なんだが、お面相が、ちょっとグロで絶美女に告白ができない。
快男児くんの親友のハンサム君は、文才はからっきし。
同じように絶美女に思いをはせ、代筆を懇望してきた。
複雑な感情の快男児くんですが、友情も大事ってことで、
渋々と・・・しかし、書き綴っていくうちに激しい感情移入が・・・
かような熱情に満ちた恋文に心動かされぬ女性があろうはずがない。
しかし、悪戯な運命の女神は、ハンサムくんを、自らの膝下へ。
世を儚んだ絶美女は、修道院へ、
時世過ぎ、死期がせまった快男児くんは、今生の想い出にと修道院を訪ねる。
夕闇迫る中庭で、絶美女宛の「ハンサムくん」の恋文を
読んで上げるっていう名シーン。


灯火がなくて、どうして文字が読めるの?


絶美女は、その時全てを察したのです。
命の灯火の燃え尽きる最後の時、快男児くん(シラノ)は、
絶美女(ロクサーヌ)の腕の中で・・・笑みを浮かべながら


これが、男の羽根飾だ・・・!


--


エドモン・ロスタンの原文をしらないのですが、
辰野隆さんは「心意気」に「羽根飾」を当てていい雰囲気をだした屈指の名訳!
更にひねろう・・なんて余計なことを考えずに、
新訳では、先達の偉業をそのまま踏襲するほうが安全と言えます。



言葉は鬼神の心も動かす。
シラノの才能を持ってして、あまつさえ、それに激しい恋心が
加われば、鬼金棒ってところでしょう。
しかし、文才だけでは、女心はうごかなないこともある。


日本史で希代の悪人と言えば、高師直。
仮名手本忠臣蔵では、吉良上野介に化体されてます。
無類の女好きでもあったらしく、塩治判官の妻に邪恋し、
吉田兼好に命じて恋文をかかせたらしい
太平記に記載されていますが、史実かどうかは諸説プンプン。
分かっているのは、手痛くフられ、激怒した師直は、
冤罪で、塩治一族郎党を惨殺したってことだけ。
塩治夫人は、中味を読まずに、庭に捨てたって書いてますから
兼好法師の才能以前ということのようです。


文才よりもまずは心根ってことですかねえ
もっとも、變しい變しい・・・なんて知的レベルでは、論外ということになる(笑)




2014年8月19日火曜日

アウトブレイク・・・ふたたび




ヒトザルの深層心理の・・・更にその奥底に滅亡の予兆めいた「何か」が潜んでいるとして、
それが、フィクションの形をもって顕在化するとすれば
失われた歴史の真相を垣間見せているのかも・・・ともなれば
それはたくましい妄想なのか?


人類滅亡テーマにも流行り廃れがある。
核攻撃による共倒れ系は影を潜めたのは慶賀の至り。
しかし・・・


隕石激突
エイリアン襲来
細菌蔓延

なんかは、手を替え品を替え・・・多分過去にもこの地球上であり得た事象なのですよ。
恐竜絶滅は、隕石激突が原因というのは定説に近い。
エイリアンがやってきた・・・も科学的に否定されたわけではない(やってきた証明もないが)
未知の細菌によるパンデミックは・・・・?



エボラ出血熱の「惨事」を見るにつけ、あの懐かしい「アウトブレイク」をレンタルしました。
95年の製作のハリウッド映画ですが、現実のエボラは、70年代半ばに「発生」
映画では、モターバウイルスと呼称されます。
これは、ザイールのモターバ川に由来するが、エボラも、同様にエボラ川に由来する。
もっとも、モターバ川は架空の存在みたいです。

エボラ出血熱と同様に飛沫感染しかしないはずのモターバウイルスは、
遺伝子変異で空気感染することで、パニックは増幅されます。
このままでは、全米破滅まで48時間
このなんとかってアウトブレイク(隔離)したビレッジを新型爆弾で「消滅」させようって
この手の映画では軍当局の陰謀が背景にあるというのが定番です。
陰謀発覚を恐れる軍人たちの企みは、主人公たちの活躍でハッピーエンド・・・




今思えば、豪華な役者さんたちが大勢登場します
これで製作費はたった5千万ドル
ダスティンホフマンがどうしてかような映画に出演したのか?
彼のフィルムグラフィーの傾向からすればミステリーです。
医学部くずれとして、一回くらいはドクターの役をやりたかったのでしょうか(笑)



ちなみに・・・
エボラの空気感染説の可能性に言及するお医者様は結構いるそうですし、
流感並みとはまではいいませんが、結構変異しやすいらしい。
発生以来の累積死亡者数からすれば、バイオセイフテイレベルが4とは言え
レアな極所的奇病程度であり、
アフリカ全土で対策を急ぐべきは、マラリア病と主張する科学者(や農薬会社)もいます。


どっちが正しいのかは・・・分かりません。
金目を念頭の議論のようにも思えますし・・・・














2014年8月18日月曜日

フロリダのマリーアントワネット

豪邸紹介番組は、電波紙芝居がお得意のお手軽企画らしいが、登場するオーナーが、成金・・・と言って悪ければニューリッチか電波芸人なので、何処が富裕層らしい豪邸なのか笑止千万の光景。
見た目質素に見えるが、よく見れば目を向くような贅・・・なるものが、本当のリッチ。
どうせケバくやるなら・・・・
世界一の豪邸らしいのが、ムンバイ郊外の八億ドル相当の高層タワー。
なんと、六十階建ての高さ三十階程度のつくりで、イオンモールにありげな施設は一通り揃っているらしい。


かような豪邸の詳細を見るにつけ・・・
欲望に際限がなく心根は飢餓状態ではないかと逆に同情します。
起きて半畳寝て一畳・・・・とは清貧以前に当たり前の生き方。
せめて方丈程度の大きさで十分。
あえてささやかに蝸牛庵の希望を述べれば

橋掛り付きの能舞台
茶懐石膳のだせる和室付きの茶室
ベーゼンドルファーのグランド付きのプライベートシアター
汗牛充棟程度の図書室

位あればいい(笑)



さてさて、超豪邸ともなれば、建設期間も長期に及び、其の間波瀾万丈もあり得る。世界第三位とも言われるアメリカ版ベルサイユ宮殿は、未完の大豪邸で、世俗のグラナダファミリア・・・とは誰も言わない。
オーナーは小さなガレージで不動産業を始め、サブプライムローンと金持優遇策の恩恵で巨万の富を得た。
元ミセスフロリダなる強烈な美容整形妻に多くの子供たち。
2500平米の豪邸での贅沢三昧に飽き足らず・・・
しかし、禍福は糾える縄の如く、リーマンショックで、純資産二千億円の大富豪から、千二百億円の借金王に転落。
ラスベガスの巨大マンションも未完の豪邸も、転売の憂き目となった。


大豪邸には、女主人がよく似合う。
ベルサイユにはマリーアントワネットと同じ様相。同様に豪邸妻は非常識を弁えない位に非常識な点も共通する。三度のパンにことかいても、お菓子は手放さない^ ^
世の中の99%の一般階級の怒りの鉄槌で路頭に迷えば、勧善懲悪ドラマが終わるのですが、債務者保護の悪しき法制を狡猾なまでに駆使し、この成金家族はしぶとく生き長らえる・・・という幕切れ。


この評判のドキュメンタリー映画の続編を期待したいところですが
なんと、この家族が企画をNBCに売り込んでいるらしい(笑)
その内、ユーチューブで見れるかもしれません。
お盆明けのアート系映画館は、予想外に閑古鳥は一羽もおらず、なんとも満席近く・・・
岩波ホールも、苦行のような映画に長蛇の列らしいので、お暇な中高年層の趣味嗜好は、ニュービジネスを生みそうです。

ちなみに、映画タイトルは、ずばり「クィーン・オブ・ベルサイユ」

2014年8月17日日曜日

国家・・・・


ふと大昔の記憶が・・・


あれは、ワシントンの日本大使館
とあることで(国務省訪問の御礼でしょうか)A公使がご馳走をしていただけるとのこと。
デイナー前のウエルカムドリンクを飲みながら、
Y一等書記官とのたわいない会話(このエリート外交官は、後世偉くなりました)
不躾で無知な質問には、エレガントに答えてくれました。


会話の要諦は・・・

・国家の承認
・国連加盟
・国交
の違いという・・・まあある種マニアックな話題ですが、浅学非才な蝸牛庵に懇切丁寧に・・・
わかりやすくお財布の厚みでのべれば・・・


一定の金融資産があれば、一応の資格ありです。
一定の領土とその人民を実効的に支配するシステムを有しておれば、
これは「国家」である。
独裁制であろうと、民主国家であろうと・・・それは問わない。
カネだけが審査基準ってやつですかねえ(笑)


お金があろうとかなろうと、フレンドリーにお付き合いを・・・
となれば「友人登録」
これが、国交の樹立です。
半島を実効的に支配していても、お友達に相応しくない方もいますねえ
その意味で、国家承認と国交は両立しません。


友人であっても、世間のお付き合いで問題を起こす人っていますねえ。
あいつは、いい奴なんだが、酒癖悪くってえ・・
ちょっと「お呼ばれ」に連れてけないんだよねえ・・(あるでしょう、こんなの 笑)
これでは、国連加盟は認められない。
これまた、以上の2項と両立しない。


まあ、この『みすくみ』のエレガントな解決が「外交」ってもんです。
ニコヤカに、この外交官はおっしゃるでした。



さて、政治学者の高坂先生曰く

国家とは、力の体系、利益の体系、価値の体系 からなる

平明に言い換えれば

・政治(軍事)力
・経済力
・文化力 
 

より良き国家とは、この体系のバランスのよさ でしょう。
倭国は、この体系ってどうなっているのでしょうか
冷静に判断し・・・将来のこのくにのかたちが如何にあるべきか?



ちょっと補足すれば、政治と軍事は両面の関係です。
ご存知でしょうか・・・

たまたま血が流れば「戦争」といい、そうでなければ「外交」ということを・・ 













2014年8月16日土曜日

ロビン・ウイリアムズを悼む




同じ世代の呑んだくれとしての共通項に鑑み、哀悼を・・・
ハリウッドスターに限らずですが、二十歳代にアルコール依存症を患い、
結局酒から逃げることが出来なくなり肉体と精神を崩壊させてしまったようです。
薬物の影響は・・・知りません。
だからといって「禁酒・禁薬の法的制度」を推奨しようとは思いません。
禁止ができたとしても代償物をほかに求めるだろうから
かような悲劇がなくなるわけではない・・・


 
訃報を伝えるマスコミは・・・

グッドモーニング・ベトナム
ミセス・ダウト
グッドウィルハンティング

なんかの演技を讃えます(確かに有名どころの賞を授かったりとか・・)
でも、プロ映画鑑賞家たる蝸牛庵は、目の付け所が違う(苦笑)
多少不正確かもしれませんが、
映画版でアメリカ大統領を一番多く演じた役者ではないかと思っています。

 

はなしそらして、大統領役者の名演(怪演)といえば・・・

大向うを唸らせた大演説は、ビル・ウルマン(インデペンデンス・デイ)

初めての黒人大統領は、モーガン・フリーマン(ディープインパクト)

無能を絵に書いた大統領は、ジャック・ニコルソン(マーズアタック)

不倫相手を絞め殺した大統領は、ジーン・ハックマン(目撃)


 
まさしくマスコミが取り上げていないように「名演」だった例はない。
しかし、画面に登場するだけで味わいがありました。
なんと登場回数四回!
現職大統領が哀悼のコメントを出した理由は(憶測ですが・・)

 
登板回数に敬意を表して
バトラーという映画を褒めたもんで、その文脈上・・・


多分遺作になるんでしょうが、今年のクリスマスシーズンに
ナイトミュージアム(3)が上映されると思います。
彼は、セアドア・ルーズベルト大統領の役で登場します(・・・・合掌)









2014年8月15日金曜日

今日しか言わないこと

世の中、謀略がつきもの。言葉のイメージが悪ければ、作戦とかシナリオと
言い換えてもいい。
不可知的出来事が、誰かにデザインされていた、あるいはされているはずだという妄想あるいは観念は、誰でも持っているであろう「操りたい願望」と
結びつき、荒唐無稽であるほど、信者を集める。
多くの場合は、陰謀提唱者が本気で信じている向きは少ない・・・と思っている。


あの不幸で悲惨な航空機事故・・・日航123便撃墜説は、この時期になると
思い出したかのようにネット上を駆け巡る。
本格的な陰謀論からすれば個々の事象は、大きな陰謀のピクチャのパーツにすぎないのですから、公式事故説の矛盾あるいは説明不能な部分を止揚するだけの
妄言に過ぎない場合が多いという見方もできる。
その意味で、この陰謀論を撒き散らす論者は陰謀論の本質をご存知かしらって思ってしまう。


陰謀論は、そもそもが荒唐無稽であり、妄言の立証がバカバカしく、本気で反証する向きも少ないため、勝手歩きを繰り返す。
しかしながら「従軍慰安婦陰謀」は、やっとの事で妄言であることが立証されつつある。東京裁判史観なる巨大陰謀論の存在を前提とすれば、単なるピースに過ぎないのであり、たかが「誤報訂正記事」ごときで鬼の首をとったかのように騒ぎ立て向きは思慮が浅い(笑)

次なる打破すべき妄言は「南京大虐殺」である。
従軍慰安婦なる存在は否定しないし、南京事件があったことも事実でしょう。
軍の全面的な関与だとか、女子挺身隊との混同が事態認識をおかしくしたし、
毎年「犠牲者」の数が増えてゆく事件なんか不可思議としか言いようがない。
ちなみに、虐殺事件と同時に語られる「百人斬り」事件を、当時、快挙として報道しまくったのは、朝日新聞と同列に慰安婦報道を繰り返した毎日新聞と地元紙です。この事件も針小棒大に誇張されています。

731事件も、検証が必要かもしれません。生物化学兵器研究は、人体実験を含めどこでもやっていたわけで、日本軍だけが「悪魔の飽食」に酔いしれていたわけではない。
森村誠一が、何故あんなジャンルだけに手を染めたか・・・なんかありげです。
陰謀が破綻するたびに新たな陰謀が生み出されるのは世の常。
そのうち、数十万人の犠牲者という一大キャンペーンが始まるに違いない。


今日のこの日、思えば思うほど、愚かな先人たちを持ったものだと、暗澹たる気持ちになる。
愚かな先輩はどこにでもいるものであり、問題は、先輩の愚かさに学ぶことである。「過ち」は二度と繰り返してはならないし、
なにが「過ち」であったかを冷静沈着に判断することである。


そう・・・・負けたことが過ちであり、戦う以上は勝たねば、少なくとも
引き分けにしなければならない。
勝てる計算ができないのであれば、戦わないことしか選択肢はない。
だから、臥薪嘗胆という言葉がある。
昭和のリーダー達は明治の先輩の苦悩の選択を学ばなかった。
そういう子供でもできる単純な計算すらできないアホが国の運命を決定する立場にいたことが信じられない。
血気盛んに対決ムードをひたすら単純に吹きまくる方々は、その意味で、鬼畜米英、中国膺懲の大合唱に加担した付和雷同の手合いと変わるところがない。
多くのむつかしいことを要求してはいない。
単純にたった三つ。
これだけができれば、国家を構成する国民として道を誤らない・・・と思う。


O God, give us
serenity to accept what cannot be changed,
courage to change what should be changed,
and wisdom to distinguish the one from the other.




2014年8月14日木曜日

大好きな「陰謀」論のいくつか・・・





歴史とは・・・・「過去との刺激的な対話」なんて空々しい小綺麗さ(苦笑)
対話によって

 
失敗に終わった努力
実現されなかった野心
満たされなかった願い
 
なんかが理解できる場合もあるが、これも前提条件次第。
そう・・・つまりところは歴史事象の事実性・・・

 

(事例1)
3月10日の東京大空襲は、超低高度・夜間・焼夷弾攻撃という新戦術が本格的に導入され・・・
各B-29には通常の約2倍の搭載量である6トンもの高性能焼夷弾が搭載されていた。


(事例2)
軍医の山本五十六遺体検死記録によると、
死因は戦闘機機銃弾がこめかみから下顎を貫通した事によるもの、
という結論が出され、ほぼ即死状態であったと推察されている・・・



WEBの記事には嘘とまでは言わないが、出典なり事実考証を厳密にやらない虚妄の山。
またあの暑い(いまでも暑いのですが)8月がやってきますが、
戦史に登場する有名な史実のNET上の記述。
比較的真っ当なサイトの記述だし、一般的に「真実」とされています。
しかし、よく読めば、非常に不思議なことを淡々と書いてますし、
それを不思議に思わないのであれば、紙新聞の虚報に騙されるのも致し方ない。



東京大空襲は戦争犯罪(民間人の大量無差別殺人)である 
ということはさておき、読み飛ばすとそれっきりですが・・・
通常の「2倍の焼夷弾を搭載」とは大胆なことです。
輸送機関の積載総重量は決まっていますから、焼夷弾の搭載量を増やすためには、
通常搭載する「なにか」を下ろす必要がある。
史実によれば、全ての機銃と弾丸および機銃兵を下ろし、爆弾を積み込んだとのこと。
つまり、危険な戦場に始めての戦法で多数の爆撃機が「非武装」状態で突入したということになる。って
人の命を大事にしない皇軍ならいざしらす・・・民主国アメリカが?
なにか胡散臭いですねえ
加えて、初めての低空飛行爆撃でした!


 
山本五十六襲撃事件は、無線傍受によるP-38戦闘機の計画的襲撃よるものとされます。
戦闘機の銃弾で顔を撃ちぬかれれば・・・
P-38の装備は、12ミリと20ミリ砲弾
直撃すれば、頭は原型をとどめないはずです。
多分、直接の死因は、戦闘機の機銃で撃たれたんじゃないことは容易に想像できます。
真の死因は?

事例2は、一将星(というには期待の星ですが)の死亡事故ですので当時より疑惑の的だった。
華々しく戦死したってイメージを作りたかった情宣の意図がありありで、
大層に騒ぐようなことじゃない。
彼一人の生死で勝敗の帰趨がきまるような段階ではなかった。


 
 
問題は事例1
かような素朴な疑問には「帝都防空体制の脆弱性を読み切り」ってと
まことらしい理由が上げられますが・・・
これはもうギャンブルですねえ。
ド派手なギャンブルで勝ちを確実に収めるには、
方法は・・・出来レースあるいは八百長だけだとは万人がしるところ(笑)
真実は闇の中
都合の悪いは事実は隠蔽されるのが世の常
疑惑は疑惑のまま


参考までに・・・・この「非道な」作戦を主導したカーチス・ルメイは、そのご栄進し、
空軍参謀総長で退官した。
信しがたいのですが、自衛隊創設にかかわる「功績」で勲一等旭日大綬章をもらったらしい。
勲一等ともなれば、陛下からの親授、加えて茶話会へのご招待がつきものですが、
それらは何もなかった・・・・
陛下の「暗黙の意向」だと信じて疑わない。












2014年8月13日水曜日

素人なりに悩むこと

才能がないのか修練が足りないのか、多分両方・・・
あるいは業平同様に「意余りすぎ」のせいだと思うのですが、お稽古がうまくいかない。
没落しても鎌倉御家人としての矜恃を保ち続ける主人公の
生き様、心根を言葉だけで表現する、ある種の芝居能である「鉢の木」
主人公の心情に寄り添い、謡うのですが・・・・


下手ながら、四半世紀余り。楽譜通り(・・・謡本だって楽譜です。台本兼用ではありますが・・・)ならば、
即興だってできなくはない程度のレベルだと思っている。
内容を汲み取って、感情移入ともなれば、いささかトレーニングが必要だが、それも時間次第。
しかし、その感情移入が観客なりに伝わらないと、それは滑稽ってものです。
高踏にして象徴芸能とはいえ、芸の花を感じ取ってもらうもの。
シンボリックな表現では有るが、芸術は、目を喜ばせ、耳を楽しませ、心に響くものが最上。
その限りにおいて、上等も下等もない。
有るとすれば、その感動の継続性なり持続性だけで、多少不正確で有るが、時分の花ともまことの花とも言う。

 
花が有る・・・・芸術家への最大の褒め言葉であるが、花も様々。
時分の花とは、言ってみればウィーン少年合唱団のような天使の歌声である。
神が与えたもうた無垢の美。
花の命が短いことの代名詞。
声変わりと言う神の残酷ないたずら・・・
それを通過儀礼にして、「当座の花」が開く。
甲子園のヒーローがプロデヴュー戦に颯爽と登場すると思えばいい。
円熟したベテランに投げ勝ちでもしようものならば、翌日のデイリースポーツの一面は大変な状態。
しかし、冷静に見れば、珍しい花・・・だと蝸牛庵が言ってもハナであしらうだろうが、世阿弥師の言葉。


時分の花をまことの花と知る心が
真実の花になお遠ざかる心なり。
・・・
この時分の花に迷いて、やがて花の失するをも知らず。
初心と申すは、このことなり。


たがが、素人能楽師。
花のカケラもあるはずがない以上、忘れてはならない「初心」も
あろうはずがない・・・・だから悩むのですよ。
帰るべき初心をお持ちなプロ芸人は幸せだ(笑)
スランプなんて戯言を言うんじゃない。
素人の悩みの方がある意味で袋小路なのだ。
舞台まであと三ヶ月・・・・



・・・・・

2014年8月12日火曜日

お子様ランチを楽しむ(笑)

夏休みのシネコンは遊園地状態。
特撮・・・が古臭ければCGでもSFXでもいいが、アニメ、タレント映画。
真っ当な映画ファンは来るなと言わんばかり・・・(笑)
誰が行くもんか!
しかし、映画鑑賞のプロは、嫌な映画を見てこき下ろすことも使命ですから、
ゴジラも見たし、トランスフォーマーも・・・

シリーズ四作目らしいが、毎回呆れ果てて見ているもんで内容理解がまったく
出来ていません。
金属生命体だかなんだか同士が善玉と悪玉に分かれて闘っているみたいです。
毎度の合体変身シーンだけはなんだかワクワクします(笑)
今回は、中国資本が入ったみたいで、後半は中国ロケだらけ。
蒙古、重慶、香港みたいです。

しかし、見ようによってはハリウッドが中国を手玉にとったみたいで痛快とプロ目線はほくそ笑むのですよ。
映画製作上のコスト管理手法として「プロダクトプレイスメント」というのがあるのですが、このクラスの映画としては最大級。
要するに、小道具大道具に実在の商品等を登場させ、協賛費用で製作費用の一部を賄うのですが、相当額に上ったようです。もっとも、中国産品なんて世界的でもなんでもないですから、中国内だけのCM効果しかない。


最後の決戦の舞台は香港

セリフに曰く・・・政府に救援を頼もう!

舞台変わって、北京のようです。

国防大臣が絶叫・・・新鋭戦闘機を投入し、奴らを殲滅し香港を死守せよ!


ここからは、推測が入りますが・・・

悪玉トランスフォーマーをやっつけたのは、アメリカンと善玉トランスフォーマー
中国空軍は・・・画面に登場したのかしら(笑)
画面の遠くの方で傍観していたかもしれません。
まあ「張り子の虎」って言いたげです。

しかし、中国内上映版では、案外活躍したのかもしれません。
その程度の二枚舌は・・・外交儀礼といいます。


まあ、三流映画でもプロ目線だと見所があるものです。



2014年8月11日月曜日

化粧なんて どうでもいいと思っていた・・・

化粧の始まりは、呪術性に求めるのがわかりやすい 目とか口とか・・・魔物が侵入しそうな入り口を「形作ること」が化粧の始まり。 時代は下り、特権性の表象として、化粧(白塗り)がはびこる。  白い → 日に焼けていない → 不労階級  キリスト教は、化粧を禁じたらしいのですが、あの手この手と肌を白く見せる工夫に尽きることはなかった。 かのエリザベート・バートリーは、処女の生き血のお風呂に入ると白い肌が維持できると信じて疑わなかったらしい。 これを思えば、クレオパトラの牛乳風呂なんか可愛いもんだ。 しかし、19世紀では、化粧はまっとうな女性の嗜みではなかった。 だから、オデットと結婚したスワン君は社交界から追放されたって、プルーストは書きます。 つまり、その世代では  ・皮膚保護程度の化粧派(上流階級) ・紅、白粉、香水派(高級娼婦等) ・なにもしない派(庶民) に分別されたってことのようです。 原始、女性は純粋無垢で、汚れとは無縁だという宗教的信念が化粧を忌避した。 だから、化粧をすると逆に肌が汚れそうな少女を偏愛する傾向がある。 つまり「無垢な少女」これをプルーストは、19世紀末にふさわしく「花咲く乙女」って命名した。 アールヌーボーとは、花=女 女=花 のモチーフ まあ「化け技法」のたぐいですので、 どってことないのですが、やっぱり、ここ一番は・・・カレーじゃなくて・・・ -- 化粧なんて どうでもいいと 思っていたけれど 今夜 死んでもいいから きれいになりたい こんなことなら あいつをすてなきゃよかった  と最後の最後に あんたに思われたい --  ・・・「歌姫」はやはり凄いなあ、 勝負服って聞いたことありますが、勝負化粧もあるんだ!    そうそう、勝負化粧はさておき「化粧詐欺」ってあるんですってねえ。 どうも、オトコはすっぴんで勝負してるに、オンナは化けて卑怯だってことみたいです。 騙された方にも半分は責任があるでしょう・・・ 詐欺ってそういうもんです。 男女間のハンデイキャップと思うが、不公平なゲームの規則だと思うかは人それぞれ。 まあ、誰のために、何のために・・・化粧をするのかってことだ思えば・・・ 女は己を説ぶ者の為に容づくる・・・とは史記の一節  この文章の前には・・・ 士は己を知る者の為に死し・・・とありますから、まあ答えは明白   昭和流儀に言い換えると・・・ 男の顔は経歴書女の顔は請求書   



 







2014年8月9日土曜日

一盗二婢三妾四妓五妻・・・・なるもの




出典はよくわかりません。怠慢じゃなく調べてはいます(汗)
中国由来だと思っていたのですが、どうも誤解かもしれません・・・


そもそも、中国の文学(文芸)の主題は

立身出世の野望
位人臣を極めた栄耀栄華
左遷流罪の哀歓
現世苦楽を超越した清貧隠遁の世界

と相場が決まっており、一言で言えば「政治」だけが主題である。
中国4000年の治世の要諦とはよく言ったもの。
リアリズムに徹した政治民族なのが中国人。


翻って、倭人の世界
書(文)のスタイルが異様な民族なのです。
漢字の世界とかな(ひらがなとカタカナ)の世界を巧妙に使い分ける民族

政治向きの話題は漢字で、ヒトザルの営みはかなの世界
万葉集以来の文芸の世界はかな文字無くしては成立しなかっと思うし
漢字だけで恋を語るって・・・
遊仙窟なる中国古代のエロ本が有りますが、全く面白くない
中国には、過去も現代もろくな恋愛小説がない
魯迅作の恋愛小説なんか聞いたこともありません。


そもそも、小説のたぐいは、士太夫が読むべきものではない。

庸(三流人)は、三国志を読み
能(二流人)は、孫子を読み
賢(一流人)は、韓非子を読む

いわんや、恋愛小説なんぞは・・・養いがたき婦女子の読み物(苦笑)



千年も前に「不倫姦通援交」を主題とする大河小説が作られ、
未だにこれを超えうる小説が書かれることもなく、
永遠のベストセラーとして
モデルとする亜流小説には事欠かず
手を変え品を変えて当代の著名人の現代語訳文や外伝的物語やスピンオフ版が売れるという
偏狭な儒教的桎梏から解放された世界が素晴らしい倭の風景。



緑陰の季節・・・・

一流だと自負されるのであれば「明治書院漢文大系の韓非子」を
三流以下で十分とお考えであれば「源氏物語」
原典でなくお手軽に・・・ならば橋本治の「窯変源氏物語」


夏の怪談話は・・・陰陽師




安倍晴明伝説は、相変わらず活況のご様子で、この暑い盛りでも
京都一条戻り橋界隈の安倍晴明神社は、善男善女がお参りにおいでのようです。
でも、あなたの知らない本当の晴明ワールドは・・・

 

恋しくば たずねきて見よ 和泉(いずみ)なる 

       信太(しのだ)の森の うらみ葛の葉

 

実は 安倍晴明は大阪市の阿倍野あたりの出身だと言われます。
いま阿倍野には、日本一高い「阿倍野ハルカス」が大人気
地名の「阿倍野」はいいとして「ハルカス」はなんだ?
晴れて明るいって意味合いだとHPにも書いてます

だから・・・アベノセイメイ なのです
京都の方はお住まい跡ですが、この阿倍野にも生誕の地にふさわしく「安倍晴明神社」があります。



安倍晴明の母上は、白狐です(当然伝説ですが・・・)
更に南の方の信太山に巣食うお狐さまです。
貴種であったが咎なくて罷免され剥落放浪の父は、和泉の地で猟師に追われる白キツネを哀れんで助ける。
その後、葛の葉という女人とと間に晴明が生まれるが、正体がバレて・・
泣く泣く、一首残して葛の葉は立ち去リ、身を隠す悲しい母子の別れ。
あの時代、身分違いの恋は不幸の始まりだったということです。
長じて名を挙げお家再興の安倍晴明は、後世に名を轟かせたってハッピーエンドなんですが・・・


どっこい、ナニワのデイープサウスは、魔界結界の地
戦乱、とりわけ大阪夏の陣で多くの人がこの辺りで命を落としています。
家康の陰険な策謀で総掘を埋められ、恨みを死地に幾万の武士が死んでいったことか
また、刑場も有り、無縁仏やら処刑人の弔いの地でもある
大禍忌の時に、人魂が飛んでもおかしくもなんともない

 
最貧困層が暮らせる街
大手を振って世界最古の職業が営まれる街

と隣合わせな最近代ビルとは怖い都市伝説の塊に違いない。
最上階の展望台に登った人数と降りてきた人数が合わないのは日常茶飯事だとか・・・・
一部のオカルトマニアが、色々と紹介しているようですが、信憑性がありげなのは、
魔界というブラックホールに吸い込まれた事例だけだと思いますよ







2014年8月8日金曜日

貴方は、コーシャフードの料理が出来ますか?

地上の凡ゆる欲望が渦巻き、それが叶えられる街がNY。
代々の古書店を才覚のなさで潰しても別のビジネスで成功できる街がNY
冴えない中年の花屋のフリーターがJIGOROで人気が取れる街がNY


ウッデイアレン好みの映画のアイデアを癖のあるジョンタトーロが、
主演監督脚本と獅子奮迅の踏ん張りで小粋な映画にしたててしまった。
勝因は、常連客のセレブ女性の品質なりキャラクター。
レスビアンな皮膚科医が3P相手にってのはまだしも、
厳格な戒律に縛られるラビの未亡人にジゴロを売り込む・・・・これは秀逸(笑)
エスキモーに冷蔵庫を売り込むどころではなく、
元古書店主のセールスの才能は・・・才能とはどこに転がっているのか分からないのですなあ。

 
しかし、なんでもお金で売り買いが出来るNYでも、品不足な商品があり、
とても探しにくい商品もあります。
ハラールは、最近知名度が出てきたが、
それと同等に難儀なのがユダヤ教の特別な調理法に則った「コーシャフード」である
ユダヤ原理主義のハシディック派ともなれば食べてはいけないものも多く、
食材、料理方法、盛付けの作法の煩雑なこと。
ジゴロは、猛勉強をし、未亡人の為に煩雑な手順を踏んで、魚料理をご馳走する。
ここまでの心遣い・・・おもてなしに感動しないオンナはいない。


成る程・・・ジゴロの一番の特質は「優しさなりおもてなしの心」なのだ。
そして、本当の「おもてなしの心」だって、お金で買えるのだろうが、どこかれの商店で売っているわけではない。
お金を出しても買えないものとはそういうことなのだ。
 
ニックジャガーはイケメンではないが、セクシーだ。
そして、ジゴロはビジネス相手に心を奪われてはいけない。
にわかジゴロには、あまりに優しすぎてそこまでのプロ意識に徹することができなかった。
原題は「衰えたジゴロ」
FADINGってそういう意味なんですねえ。


お話の結末は、突然です。
エリックロメールの小品みたいにおわちゃうのです・・・が、どっこい
カフェで出会った小粋なフランス娘。
レアセドォみたいな感じで、唐突な登場と退場が余韻を残します。




2014年8月7日木曜日

虚報新聞





それってホンマ?って思わせ、どこかしら嘘の匂いがするのがよくて、
それこそ本当まみれに仕立てあげてしまえばいささか手の込んだ「悪戯」ってことになる。
悪ふざけのうちはまだしも・・・
しかし、長年そういう捏造を繰り返していると、それが当たり前になるらしい・・・
嘘も百回言えば本当らしく見えてくるし、本人もそう思い込んでしまう
錯覚の論理中毒とは、かくも恐ろしい業病なのです。
 


50年:伊藤律架空会見記
59年:北朝鮮礼賛キャンペーン記事
71年:日本軍虐殺コラム
75年:ポルポト(カンボジア)礼賛記事
82年:教科書書換(侵略→進出)事件
84年:南京「虐殺」証拠写真報道
85年:靖国批判報道
89年:サンゴ礁落書事件
91年:従軍慰安婦報道

・・・


よくぞまあ、これだけも・・・
社会の木鐸とは、愚昧な大衆を啓蒙してやるという思いあがりと間違いを起こさない無謬という傲慢さの代名詞に過ぎないことがよくわかります。
ここまでくれば信用できる記事は、スポーツの勝敗くらいです。
あとは「訃報欄」ですが、最近葬祭場の表記ミスがあったと聞きましたので・・・(苦笑)


歴史を紐解けば・・・
大正期の米騒動の際に、鈴木商店を有りもしない買い占め(風説の流布)で破綻に追い込み(城山三郎さんの説ですが、妄言と負う非難は聞き及んでいませんので多分正しいのでしょう)
その「ペンの暴力の味」に酔いしれたか、白虹事件(白虹日を貫く)で、筆が滑った。
廃刊の憂き目を恐れ、権力に屈し、あとは、軍国主義礼讃路線まっしぐら。
戦後は「ひれ伏す相手が変わった」だけ・・・


 

虚報記事の白眉は・・・


◯○新聞が、過去の捏造記事を総懺悔する「本社の本領宣明」 を発表


だと思ってますよ(笑)


--

ちなみに、この「本領宣明」が好印象を与え、生き延びたと言われています。
要するに「擦り寄った」ってことです。



・・・わが社は反求せり、
近年の言論すこぶる穏健を欠くものありしを自覚し、また偏頗の傾向ありしを自知せり、
かくのごとき傾向を生ぜしはじつにわが社の信条に反するものなり、
外間における少数者の疑惑誤解もまたあにこれがためならんか、
わが社の国に対する思想は終始渝らず、
必ずしも弁を費すの要なきを知るといへども、
紙面の傾向にしてすでに本来の信条と相反するものあるを自覚せる以上は、
指導よろしきを失ふの過ちを自認せざるべからず。
わが社すでにみづからその過ちを知る、あにこれを改むるに憚らんや・・・

 

この「反省宣言」はいまこそ有意義だと信じていうたがわないのですが・・・

2014年8月6日水曜日

折角なんだから、多岐多様に使ってみたくもなる・・・・



自衛権と正当防衛権はよく似たものだろうが、細かい話はさておき、
やむを得ない状況ともなれば、命と暮らしは他人の善意だけ頼って守れるものでなく、
自己防衛を避ける訳にはいかない。
不幸にして侵略者の生命身体になにかがあっても、違法性が阻却される・・・・
かといって、刃物を持ち歩けば銃刀法で引っ張られるし、
過剰防衛って言われるのも片腹痛い・・・


届きましたねえ(笑)
専守防衛用の非侵略兵器です。
おまちかねの鉄扇が「一本」・・・・??
実のところ、ここんところで疑問を持つかどうかであなたの文化度がわかる!

一般的には「一本」であるが、
団扇ならば「一枚」でもいいし、広げて使う扇だから「一面」でもいい。
しかし、護身用の守刀の代替品だから「一振り」とか「一口」でも間違いとも言い切れない
一握とか一柄という持ち方に照らした表現でもよさそうだ
実のところ、数え方とは奥の深いものだ・・・とかなんとかつまらんことで考えこむ(苦笑)



長さは、概ね「能扇」と同じの一尺強といいたいが、ジャスト一尺
一番馴染みがある長さに少し足りないがまあ致し方ない。
ちなみに毎度使用する「能扇」は、京都は超老舗専門店の十松屋さんのと決めてます。
なんちゃって、観光客が屯する烏丸三条上がるに位置するくせに日曜日はお休み。
もっとも、素人能楽師でも、予めお電話をして要件を言っておけば、裏口を開けていただけます。
お稽古用とか素謡用なんだから「鎮め扇」であればなんでもいいといえばいいのですが、
お流儀や演目にふさわしいものをってことで、時節ともなればお稽古そっちのけであれやこれやと・・・
結構な高級品なんですよ。

ちなみに、秋の会は「鉢の木」ですから、


扇の面の図柄を「妻」と言うのですが、
若い華やいだ役柄向きな紅入(妻が紅色)は避けて、紺色の「無紅」を用いる。
扇骨の色には「白骨と黒骨」があるが・・・ちょっと思案中
白骨は神体や男性、現世の役柄に用い、
黒骨は女性、幽玄の役柄と軍扇の意味から武将にも使うというのが定番
今回は、現世の鎌倉御家人の役ですから、どっちでもいいのかどうか・・・


さて、今回の鉄扇は、妻も扇骨も黒一色。
護身用だけでは面白く無いから姿形の典雅さにはかけるが、
セルリアンの舞台で使えば使えないことはない。


剥落した御家人であっても、いざ鎌倉!ともなれば

錆びたりとはいえこの刃
痩せたりとはいえこの馬・・・・



案外この無骨な鉄扇が舞台映えするかもねえ・・・
合気鉄扇護身術なんかの形を練習しつつ思案中です。






しかし、重いですねえ(苦笑)
涼やかな風はくるものの、腕の疲労で汗がでる。
やはり、広げて使うものではない。

2014年8月5日火曜日

仏学・儒学・蘭学・国学







一流と言われる出版社の浩瀚にして堅牢無比な全集もの
もっとも、読みもしないものを並べても虚仮威しがまるわかりなので
蝸牛庵の書庫には「岩波版日本思想大系」は・・・カタログでしか存在しない(苦笑)
パラパラと眺めるに・・・

室町時代までは、仏学
江戸時代は、儒学と国学    が思想の主流という編成
全巻で60巻強ですが、西洋系は数冊に過ぎない


信長の宗教政策(弾圧?)により、日本仏教が活力を失ったのは
歴史の教えるところ・・・というか本来の宗教の立場・役割を見失い、
物欲に目が眩んだ堕落集団に明日はないってことの証明かも知れません。
現代でも大規模な仏教系新興宗教は、それなり隆盛を極めていますが、
本来の仏の道かどうかに関しては、評価は様々である。
実のところ「なんちゃら真理教」が一部に注目を集めたのは、
その辺のユニークさではなかったと思っています。
学歴の高い信者が多かった理由もそういうところかもしれません。
仏教は、インド伝来だけあって極めて思弁的である。
修辞と論理を極めた学理の大伽藍には気が遠くなりそう・・・


江戸時代以前の儒学がどんなものであったか、よくわかりません。
少なくとも「科挙」の制度が定着しておれば、
半島国並みに儒教国になったことは間違いがなく、
その意味で不幸な歴史を背負わなかったことは幸いである。
中国の文物の恩恵に対しては足を向けて寝ることができないほどの感謝の念は
人後に落ちないつもりであるが、加えて「纏足・宦官」なんかが入り込んでいれば
国は滅びたに違いないとも思っています。
儒教が、宗教なのか哲学なのかについても論争がありますし、
朱子学以降、儒教の本質が変わってしまったのだろうと浅学非才ながら思ってしまいます。
政権の公認学派となってしまえば、風当たりも強くなる。
本来の孔孟の教えに帰るべきって古学推奨は、それなりの説得力を持つ。
江戸時代の儒学は、さながら百家争鳴の感がある。



仏学の衰退、活発な儒学論争は、かんながらの道(神道)にもなんらの影響を
与えたに違いない。
仏教伝来前の、儒学の影響を受ける前の「本来の日本人」とはなんだ?って
探求の欲求が高まったことは容易に想像がつく。
本来の日本人とは・・・

漢臭くさい道徳から開放された「浄明正直」・・つまり「レトビ-」な存在だと
いうのですよ。
潜在意識とは恐いものです。
ありのままに・・・アナ雪が倭人に受けた本当の理由はここにあるのです(笑)



そういう神道に裏打ちされた質朴な世界観や人生観がどうして
国家神道のような奇形児を産み、皇国史観が席巻したのか理解に苦しむ。
そもそも、神道は原始的な多神教であるが、国家神道は「天皇絶対神」という
一神教にしか見えない。
ある仮説ですが、蘭学・・耶蘇教の知識はそれなりに国学者に浸透しており、
あたかも

天照大御神の子孫=現人神たる天皇←→イエス=神の子

って構図がみえたに違いない。
あるいは、レトリックとして飛びついたのだろう。


日本思想史を綾なす「仏学・儒学・蘭学・国学」はそれぞれに有形無形の影響を与えながら、
グロテスクな昭和前期において「天壌無窮の神勅」というブラックホールにおいて
頂点をなした。
江戸時代の国学から一足飛びに国家神道が出来上がったというのは短絡であるが、
一般的にはそう受け止められている。
宗教を超越した国家倫理・・・・見るからに胡散臭い


戦後、それに代わるべきものは・・・「憲法前文と第九条」
ノーベル平和賞に値するかどうかについては論評しませんが、
さる5月18日、国民投票法改正案(日本国憲法の改正手続に関する法律)が
公布されました。
くにの「理念の改正」が具体的なスケジュールにのった画期的な一日です。
細部には疑念もあるのですが、まずは建設的に使いこなすことが肝要と
いうことでしょう。



2014年8月4日月曜日

奇説リーダー論



 

本屋さんに行けば・・別に行かなくともダイレクトメールなんかで
連日舞い込むセミナー案内

基本的に主催者連中は詐欺師だと思っている。
リーダーの資質も経営管理実務・能力経験もないくせに、口先三寸で駄文や駄弁で世渡する。
残念ながら詐欺罪を構成する要件を立証するのが難しいのが悔しい。
なもんで、たまには啓蒙活動でもやってみるか。
なんせ、四半世紀以上も、修羅場で安酒と泥水を飲んできたんだ
そのへんのチンピラ評論家と違い、年季が入っている。

 
そもそも論で言えば、リーダーの数だけ経営者の数だけ「方法論」がある。
普遍化・一般化した具体的方法論があるわけがない。
かかるがゆえに、似非・・・ではなかった、ただの評論家が
そのかずだけ勝手な御託が言えるし書けるのだ。
鵜呑みにし、飛びつく・・・
騙されて高額な教材をお買い求めになるほうが頭が悪いってことです。

 
   
上に立つものを「リーダー」だとすれば、学ぶべきことは単純明快なのだ。
まずは・・・あるエピソード
  
静岡に隠遁した徳川慶喜のご子息が、東京帝国大学の法科に入学した。
慶喜いわく・・・何を習うのだ?
ご子息の返答・・・まあ、民法とか商法・・・
慶喜嘆いていわく・・・情けない。上に立つものが習うべきことではない!
 
 
エリートのリーダー論はこれで終わり(苦笑)
このエピソードから、なにも学べない・得心が行かないのであれば予後は不良だ。
しかし、今日は啓蒙なので、折角だからもう少し親切に説明しましょう。
 
 
 
欧米系のリーダー(上に立つもの=貴族=富裕層)の学ぶべきことは簡単。
  
まず「マナー」。具体的には食事の作法とか立ち居振る舞い。
 
ここで、ルネ・クレマンの「太陽がいっぱい」でのヨットの食事シーンを
引用するだろうなあ・・・って予感がある人は脈あり。
更に、アラン・ドロンのダーバンのCMまで連想すれば、資格十分(笑)
 
 
どんなエピソードかって?
そんなことは、多少努力して、ユーチューブで探すとか・・・
お手軽に知識を得ようと思う瞬間に負けが決まる。エリート失格!

 
次いで「古典教養」
ラテン語やギリシア語なんか当たり前だし、
だからグランドツアーでローマとかキプロスの遺跡なんかに出かける
NOVAで英語のお勉強も結構ですが、
その英語力で、枕草子やGENJIを講釈できて初めて意味がある。


最後は「一度あった人物の名前を忘れない技術」
相当に昔のアメリカのTVドラマ(国営放送で放映されました)を思い出す。
 
 
タイトルは、大統領の密室(権力と陰謀)。
主人公は、モンクトン大統領(ジェイソン・ロバーツ主演です)
その首席補佐官が、26時間働くロバートボーン。
田舎の野卑な大統領と鋭利な東部エスタブリッシュの組み合わせというアメリカ政治劇の定番
言わずと知れたニクソンをモデルに、ホワイトハウスの陰謀とか葛藤のドロドロ政治劇


モンクトンは頭が悪いもんで、スタッフの名前がろくに覚えられない。
冷酷有能な補佐官に頼り切り。
ある夜のスタッフの慰労会は、夫婦同伴のパーティー。
スタッフの配偶者の名前や趣味なんか皆目分からない大統領の背後から補佐官が囁く。
 
 
広報担当のジョンの女房です。
名前はエルザ。
趣味はテニス・・・
 
モンクトンは、ヒゲタ笑いを顔一杯に、彼女をハグし・・・
 
やあエルザ!
元気かあ。
テニスの腕上がったらしいなあ。
今度お手合わせをお願いしようかな(笑)

 

十兵衛さんは、最後の要素技術以外は盤石ですが、なんせ人の顔と名前を覚えるのが、大の不得手。
別に頭悪いわけじゃない。
大事なことはちゃんと覚えるし、忘れもしない。
重要性の優先順位がちょっと他人さまと違うだけなのだ。
これさえ克服出来れば(あるいは、する気になれば)いつでも倭国のリーダーがーやれるんです(大笑)






2014年8月3日日曜日

キラキラネームは鴎外先生に始まる!



森鴎外は当時としては、風変わりな命名を行った。
元祖キラキラネーム・・・?

 
オットー(於菟)
マリ(茉莉)
アンヌ(杏奴)
フリッツ(不律)
    


留学中に相当に名前で苦労したことを想像させるが、 
インターナショナルであることの有利さを独逸で感じ入ったのでしょう。
そういえば、江崎玲於奈博士も同じような命名をされておられる。
しかし、全ての親御さんが、インターナショナル思考をするとは限らず、
蝸牛庵の以前の会社では、必要があれば、
ビジネスカード用にセカンドネームを持つことを推奨された。
あまりに奇天烈だと、社名に傷がつくってことで上司承認制であったもんで

曰く マイク、ジョージ、ジャッキー、ボビー、

まあ、月並み以上でも以下でもない(笑)
当然、蝸牛庵の命名なんか、リベラルアーツに乏しい上司の理解を得られるような
シロモノでなく、結果的に命名の儀は見送りとなった。
例えば・・・

インスマウス
コリコパド
イシドルス


命名は(子供の名前にかぎらず)、楽しいが責任もある。
未来の成長なり幸せを託するし、良き名は真善美の具象だとおもうのも、
けだし表意文字に言霊を見るからである。
しかし、表意文字の単純化された表音的使い方あるいは過度な表意化は、
滑稽であると同時に苛立ちも・・


 
蝸牛庵風分類によれば・・・

  
1)似非万葉仮名風 (例:夜露志玖=よろしく)
2)和語翻訳風   (例:海=メル 月=ライト)
3)性別不詳風   (例:田沼 則子=三木のり平さんの本名) 
4)分不相応風   (例:霧主人=きりすと)
5)卑語猥語風   (例:泡姫=あき 愛奈瑠(ちょっとねえ・・・)
6)教養ひけらかし風(例:鼎 文・武・貝を組み合わせたビンという漢字)


世界に一つしか無いことは立派な名前って意味合いもありますが、
贔屓の横倒しってこともあります。
将来子供に恨まれるのも本位でもないでしょう・・・
逆に、オンナと勘違いされて、召集令状が届かなかったために
命拾いしたのり平さんのような僥倖もある。
しかし、DQNネームなんかだとまっとうな会社は採用の書類選考でオトスって
けだし、噂だけともいえない・・・・(苦笑)
まあ、最近はちょっと調べようと思えば「人権問題」の壁がありますからねえ。
家庭環境すらヒアリング出来ないのですよ。
某社の役員秘書が、競争会社の部長のお嬢さんだったって・・・そんな危険な(苦笑)






2014年8月2日土曜日

クラッシク音楽だって世界文化遺産だろう・・・・




少しばかり大衆人気のある作曲家の手になる「大作曲家たちの履歴書」なんかを
拾い読みしています。
この手のご本は「大作曲家」の選定で、真価が決まりますが・・・
いわゆる正統派のクラッシク系ばかりです。


バッハ
モーツァルト
ベートーヴェン   
・・・に始まり、ロマン派が群れをなし、

掉尾の一振は・・・

シェーンベルグ
ストラヴィンスキー


圧倒的にドイツ系で、ついでながら的にイタリアとフランスにロシアが少し・・・


大衆音楽の世界では、作曲家は職人の領域にプロットされるが、
クラッシク音楽ならば、芸術家と一段高く祀られる。
そもそも、音楽が大衆系と芸術系に夫々のドメーヌに分類されるようになったのは
ベートーヴェン様の頃からでしょうか?
それまでの音楽家は、職人程度にしか思われていなかった。
だから、バッハ様は回文のような冗談音楽(要するにカノンです)を平気で作ったし
モーツァルトさんは、とどのつまり「お母さんと一緒学派」なのです。

芸術家なんだからってことでシンフォニーのような純粋音楽の作曲に力を入れたのはいいのですが
本来の「音が楽しい」はどこに行ったのでしょうか?
辛気臭い無標題音楽より官能と退廃のイタリア・オペラのほうが面白いに決まっている。
芸術と言っても、所詮は「一時の慰安と享楽を提供するもの」でしょう。


ところが、純粋音楽の追求を徹底的にやれば
リストからワーグナーの流れにおいて(ワーグナーの2番目の奥様はリストの娘です)
音楽から調性がなくなった。
更にシェーンベルグにより無調が完成し(この著者は「大作曲家」とは認めていないようですが)
ジョン・ケージは「五線譜から音符まで奪って」しまった。
調と音符のない音楽は、もはや音楽とは言わないのですが、
200年の西洋音楽史は、ここに滅び去った・・・人類史に残る偉大な文化遺産なのです。


21世紀の音楽はどこにいくのでしょうか?
能・歌舞伎同様に「古典の再演」を繰り返すだけでも文化遺産保全の価値は十分ありますが
それは、新たな芸術(形式)の創造とは言わないでしょう。


 

なもんで・・・来週は「フィガロの結婚」のライブビィーイングなのです!
イケメンのフィリップスジョルダンがダイエットに成功した姿で指揮棒を
振ってくれると嬉しいのですがねえ・・・・

2014年8月1日金曜日

脱法バーブが「危険ハーブ」ならば・・・・



当り前のように使っている「サービス残業」だって不適切表現であるというネチズンの主張は
珍しく正鵠を得ている。

言い換え案が様々あるようで・・・・


違法残業
無賃労働


なんかだと まあなるほどねえ・・・って


一方で

違法無賃労働
強制労働
違憲残業
危険残業
搾取残業
タダ働き
合法奴隷 
   ・・・・ここまでくれば日本語力の劣化の程度が知れるって認識が先に立つ。


ちなみに、労働組合の親方さんは「不払い残業」という用語を使っているようですが、
あまり浸透しているとも思えない。
本気度が問われます。
表現はともかく、時間外労働に正当な対価を支払わないのは違法の極みであり、
あの杓子定規なダンダリンが職を全うしてくれないと額に汗する労働者は報われない。
手口はさまさまであり・・・

残業予算枠規制
強制オフ電(・・・結果持ち帰り残業)
違法な裁量労働制度導入(あるいは運用)
名ばかり管理職昇格

正当に時間外労働の対価を支払うのが嫌ならば、時間外労働が発生しないような
業務設計を考えるの筋であるが、どうも遅々として進まないようだ。
日本企業のホワイトカラーの生産性の低さなり向上度合の停滞には定評があり、
その理由もわかっているはずだが、BPRに踏み切れない。
稀にエキセントリックな経営者が革新的にお仕事モデルを変えるのだが、
トップが変われば元の黙阿弥・・・という例も多い。




弊社にも、よくダンダリンが来るんですよ。
来てもしょうがないと思うのですが、重箱の隅を突っついては帰ります。
どうも不思議に見えるんでしょうねえ(苦笑)


忙しいIT会社なのに土日出勤が皆無にちかい。
 → 7-11を前提する開発計画は作らない
新任管理職のほうが平均的中堅社員より年収が上。
 → 一般社員と管理職の賃金格差を担保する賃金体系是正は久々の腕力仕事だった
IT会社なのに「裁量労働制度」を導入しない
 → こんな制度を導入しても生産性が上がるとも思えないもんで


まあ、IT技術者にとって「地上の楽土」ですよ。
都度の新規開発に従事して腕は磨けますし、
トップは君臨も統治もしないと公言している(本音はよくわかりませんが・・)
しかし、ミス・ヘマ・計画未達ともなれば、
一転して「フルメタルジャケット」の世界です・・・


 

最近の弁護士法人なんかでは、盛んに未払賃金等請求の「お手伝い」を宣伝しています。
過払い金返還という宝の山が枯渇しつつあるので、新たな財源だと思っているのでしょうか・・・
違法残業の存否証明は、結構ハードルが高いと思うのですが、そんなに旨味があるのでしょうか
合わせて未払い残業代と同額の「付加金」の収受を狙っているようです。
しかし、付加金支払いを命じるかどうかは裁判所の裁量ですから、必ずふんだくれるものでもなく、
除斥期間が決まっていますから2年間に限られる。