2015年3月31日火曜日

髪の色を変え、重労働に耐えながら・・・・キンブル医師は



あの懐かしい「三億円事件」でなくとも、制服の魔力ってあるものです。
それだけで威圧感とか存在感とか安心感があって・・・
本人確認をきっちりとやらないと、ダマされる方が悪いって言われるのがオチ。

いまなら、様々な本人認証の方法がありますが、古き良き時代は「言ったものがち」
大石内蔵助は、江戸下向の際に「日野家用人垣見五郎兵衛」になりすまし、
吉良サイドから身を隠したとされます・・・が、これはフィクションと思われます。


昨今は、FBやTWなんかで有名人を騙る・・・
なんと、ローマ法王を名乗るものが百人を優に超えるらしい。
他人様のIDやPWを詐取し、なりすますって後を絶たない。
色々と防御策はなくはないが、所詮完璧とはいかない。

アクセスの全てについて・・・

異なるIDとPWを使用し
コード体系を複雑にし
更に頻繁に変更する・・・

やれるものならやってみればいい(笑)
最後の手段は「生体認証」しかないですねえ・・って最近のIT会社は盛んに薦めます。
要するに「本人確認は本人自体を確認」するしかないって先祖帰りだということです。


指紋
掌形
網膜
虹彩
顔形
血管(静脈パターン)
音声
耳形


百家争鳴の感じすらしますので、最終的な決め手(精度とかコストを含め)にまだかけるのでしょうなあ。
なんちゃって「DNA」が一番ですが、いまんところ瞬時に個人識別するまでに至らない。




さて、ちょっと嫌な気がするのが・・・最近TVCMも始まった「マイナンバー」
住民票に記載されている全てのヒトザルに「12桁」の番号が記載された通知カードが
十月以降送られてくるらしい。
希望すれば「個人番号カード」・・・(写真付きでIDとしても使えます)に変更可能
いま時点では、究極の個人認識カードである。


書留で送られてくるのしょうか?
普通郵便だと「郵便箱荒し」の被害がありえますし、
よくありますが、ダイレクトメールと一緒に捨てちゃったりって(苦笑)


特老なんかで生きながらえている「認知症のご老人」なんかの情報は・・・?
家族がちゃんとケアしてればいいのですが、怪しげな介護士だと、なにをするかわかったもんじゃない。
Q&Aを見てみても、あんまりそれには触れてません。



なんだか、PWに流用するワキの甘い御仁が続出するような気がします。
また、本人が管理を厳重にしても、手続き上取得した側の管理レベルに不安が残ります。
PWのように定期的に「変更」するって仕組みではない「脆弱性」なんかと思えば、
自分の情報は自分で守るしかない・・・かなって。


通知カードを(意図的に・・?)紛失して定期的に変更してもらうことにしましょう(苦笑)









2015年3月30日月曜日

狙うは・・「文武両道」でしょう


右近の橘 左近の桜

セットで語られるが、それぞれの運命は数奇である。
そもそも、右近・左近とは東西にあった「近衛府」の略。
要するにミカドのSPなのだ。

薫りを愛でる橘、花を愛でる桜
常緑樹らしく「永遠」を具象する橘、あわれと散りゆく死のイメージな桜
あわれは貴族趣味であるが、それがお武家になれば「あっぱれ」
桜は武将のイメージ
今でも、武の徽章(軍や警察、公務員徽章等)は、桜ですが、
一方で、文は「橘」
文化勲章は(本物を見たころないのが残念ですが)橘の五弁の花の中心に三つ巴の曲玉を配する。


国民人気的には圧倒的に「桜」ですが、橘も捨てがたい。
ってことで、王朝和歌のウンチクでもっておもったが、折角なのでちょっと趣向をかえての「お花見」

 
勲章は圧倒的に菊と桐花です。
徽章はと言えば・・・
 
国会議員・検察官は「菊」
弁護士は「向日葵」
弁理士は「菊に桐」
司法書士は「桐」
税理士は「桜」


案外「桜」の人気がありません。
家紋でも「橘」は十大家紋といわれるが、桜の人気は低い。


どうも桜と橘を同時に使用するのは禁忌のようです。

桜高校や橘高校はあっても桜橘(あるいは橘桜)高校は存在しない。
季節が違うからっれ言ってしまうとそれまでであるが、王朝和歌にも同時に登場することはない



櫻花の散りぬる果ての名残に、花たちばなの薫り・・・って素材としては格好と思うのですがねえ。







2015年3月29日日曜日

うそつきが好きです。


悪意
妬心
偽善
保身  ・・・・


十善戒の教えはどこに行ったのでしょうか?
大人の生き方は「汚い」って、餓鬼が訳知り顔に言うんじゃないよ。
子供が純真で無垢だとは、いまどき誰も思わない。
未成年者の「人格の可塑性」って、・・・少年法存立の基盤の考え方ですが、今や風前の灯。

しかし、大マスコミが大騒ぎするほど少年犯罪の「凶悪化」が進んでいるとも思えない。
警察白書(刑法犯少年の検挙人員の推移)を眺めれば(平成16年と25年の比較)

総 数: 135千人→ 56千人
凶悪犯:1600 人 790 人
知能犯:1240   880
風俗犯: 340   520

頭を使ったり色気づいたりって犯罪は増加傾向ですが、総数及び粗暴な犯罪は減少している。
たまたま耳目を集めるような凶悪・陰惨な事件を虚構を交え大げさに報道するから、誤解を招く。
いまどきのお子様は・・・まあ結構「賢い」のです。



クリスマスイブの夜、中学校の校庭に身を投げた少年
事故か事件か
不登校、イジメ、非行、暴力 ・・・大人社会顔負けの薄汚れた学校風景

真相を明らかにしても同級生の命が戻ってくるわけでなく、
色々ほじくり返せば、見たくもない現実を直視せざるを得ないって・・・・
でも、自分たちに降りかかった火の粉なんだから自分たちで何とかする
十不善業道に堕ちた大人たちには任せておけない。


まあ、かっこいいヒロインが生まれたものです・・・・藤野涼子

役名=芸名ってことですから、かなり将来を期待されています。
ちなみに・・・

三國連太郎
松田聖子
天地真理 ・・・なんかがそれに該当するし、それなりに大成しました。



藤野涼子さんが、大成するかどうかは・・・分かりません。
映画版では、母校の教師となって二十年後復帰するのですが、
原作では・・・どうも弁護士になったみたいです。


中学生のガキが、ここまで刑事裁判もどきが出来るはずもないが、
できるはずのないガキたちを使って、
宮部みゆきさんは、日本の小説史上最高の「法廷小説」を創りだした。
映画版では、後編で描かれるみたいですが・・・さあどうなるのでしょう(・・続)



2015年3月28日土曜日

古河太四郎翁のこと




3月27日(現在の一般的な暦法)のことです。
グーグルのロゴがなんだか見知らぬ有りさまに変わっていました。
あちこち調べまくって・・・そういうことですか(得心!)


この日は古河太四郎翁の生誕の日
何が功績かって言われれば「日本手話の原型」を作り上げたということ。
何分浅学菲才の身故に、古河太四郎翁のことは存じ上げず、
当然ながら「手話」の世界も不案内。



権威ある辞典によれば・・・「言語」とは
 
音声や文字を用いて思想・感情・意志 等々を伝達するために用いる記号体系
 
だとされる。
思えばいささか「差別」的な定義であり、身振り手振りは言語ではないということになる。
実のところ「手話」が言語として認められたのは21世紀に入ってからのことらしい。
音声言語が多種多様であるのと同様に視覚言語である「手話」も様々。
音声言語=視覚言語でもないが、
やはりこの世界でもアメリカの手話体型が国際手話としてグローバルスタンダート化しているとのこと。


狭い倭国のくせに、古河太四郎翁の尽力にもかかわらず、
倭国の聾学校では、

手話で教育する方式
口話法という「聾児に発音を教え相手の口の形を読み取らせる方式」

が並立し、論争と対立が長く続いているそうです。
倭国特有の「ガラパゴス化」は、どこの世界でもあるようですが、
意味のある論争かどうか判じかねますが、どうやら手話法に軍配が上がったように思えます・・・

 

倭国では、千人に三人程度の聴覚障害者がおいでになるらしい。
反面、手話通訳士なる資格を持つ方が、ざっと二千人強。
業務独占という縛りがないので、資格がなくとも「通訳」業務が出来ないわけでもないが、
オフィシャな場(法廷とか政見放送での手話伝達)では、やはりモノを言うそうです。


---お断り
 

以前に官房長官の記者会見時に必ず「手話通訳」がつくことにいささか懐疑的なブログを
書きましたが、一部その趣旨を取り消します。
手話言語を日本語として国家的に認知している証明だという意味でその意義を認めるとともに
情報伝達においてその必要性に鑑みても公式に手話通訳がつけられていない場に対しては
当然ながら改めるべきと思う次第です。
さらに、手話通訳が付いているにもかかわらず、官房長官のご尊顔のみをアップにして
放映する大マスコミの「見識」には痛く憤慨するものです。









2015年3月27日金曜日

釈尊は財を愛する。これをとるに道有り。




賃料の有無で賃貸借と使用貸借の区分がある。
貸借の対象が金銭であれば、賃料と言わずに利子あるいは利息という。
利子と利息と何が違う?
通常、頂く場合は「利息」、払う場合が「利子」

利子を取ることは宗教的な禁忌として、忌み嫌われてきたが、
農業の黎明期以来、籾を貸し出し、収穫期に返済するというシステムは存在したらしい。
律令制における「出挙の制」とは、かような慣習の法制度化に過ぎない。
穀物等から賃料を取ることと金銭貸付の利息にどれだけの差があるのか
いささか理解に苦しむ。
少なくとも、仏教徒にとっては・・・・

調べているのですが、仏教は金銭貸付を禁じていないし、どうも宗教団体における
有力なサイドビジネスではなかったかと推測される。
倭国で交換手段としての貨幣の最初が、和同開珎。
708年のこと。
あんまり流通しなかったようで、政府は711年に蓄銭叙位令を出している。
カネで階位を売り買いするというとんでもないハナシですが、
こういうことにあんまり抵抗がなかったってことが、古代の倭人のこころの風景だということです。
もっとも、条文をよく読めば、借入による蓄財はダメ。
私鋳銭・・・つまり贋金は犯罪。
当たり前って言えば当たり前ですが、逆に言えば、そのような裏技が横行していたのでしょうねえ。
そうなれば、金銭が集まる所って、高級官僚(貴族)か寺院しかない。
オカネが流通することは経済活動の活性化そのものですが、
何事にも行き過ぎってある。

続日本紀  巻三十七  延暦二年の記述・・・調べるのに苦労しましたよ(笑)

京内の寺々、利潤を貪り求め、宅を以って質にとり、利を廻らす・・・

坊主の分際で、本業を逸脱し、サラ金まがいに蓄財に狂奔すれば、
それはやり過ぎってもんです。
だからといって「営業停止」とはいってません。

それ多歳を経る雖も、一倍に過ぎることなかるべし

元本以上利子は違法!と諭すだけ(笑)
倭の風景とはおおらかです。






2015年3月26日木曜日

豚喰らいのユダヤ教徒が作った資本主義



一定レベルのクラスともなれば、名前を知らないといささか肩身が狭いし、
でも、最後まで読んでなくとも恥ずかしくはない・・・ってなのが

マックスウェーバーの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」

このクラスでもヴェルナーゾンバルトって言われると???
別に知らなくとも恥ずかしくはない・・・実は身共も最近まで不知だった(笑)
しかし、かの万人が異議をとどめない古典的名著であっても、ちょこっとでも
資本主義の歴史なんかを調べると・・・オブジェクション!
浅学菲才の身ゆえ、理性と論理で実証的反論ができないが、その代理人を
ゾンバルト先生がやってくれる。


資本主義は、プロテスタントの発明ではない。
交換経済のあるところに資本主義はある。
大胆に言ってしまえば、マネー経済・・・単なる交換ではなく、交換手段自体が
利潤を生むシステムがマネー経済で有り、資本主義とはそう言うものだ。
従って、利子を否定あるいは嫌悪する世界から資本主義は生まれようがない。
キリスト教、イスラム教、儒教・・・多くの宗教は利子も取得を禁じ、
また、禁じないまでも下賤な行為だと非難する。

歴史的にユダヤ人の興亡と資本主義の勃興凋落はつろくする。
ユダヤ教は利子の収受を禁じない等生活規律そのものが、資本主義発展の土壌では
ないか。
大胆に言ってしまえば、ユダヤ的戒律が資本主義を発展させ、その成長に
キリスト教的倫理を適合させるように修正を加えたのがプロテスタンティズムでしょうねえ・・ってことになる。


ところで、質素倹約、禁欲節制は資本主義発展の重要な因子なのか?
贅沢とは必需以上の消費である。
イノベーションは、その現状以上の消費喚起があって始めて成り立つ。
売れるということ・・・つまり需要とは、意図的に作り出されるものである。
売りたければ、必要以上の需要を作り出す・・・これが本来の資本主義である。

ヴィトンのバッグやシャネルのスーツとは贅沢=過剰消費である。
一定以上に満足感や虚栄心が得られるし、その過剰消費が経済を支える。
西洋史とは、高級娼婦が宮廷や上流社会に進出し、女道楽と贅沢で国家財政等
消費瀑大の歴史である。
ゾンバルト先生曰く・・・・

資本主義の胎生は、非合法恋愛の合法的な子供である贅沢による。


梅岩先生が卒倒しそうな反語的喝破であるが、日本史においても、歴史の分水嶺ともいうべきが、質素統制を旨とする享保の改革を推進する吉宗と尾張徳川宗春の享楽型自由主義経済の対立。
立場が逆であれば、以降の江戸時代史は大きく変わったと思うのですが、残念なことだった。


なんちゃって、ささやかな人生でもあのバブルの時代が一番楽しかった(笑)






2015年3月25日水曜日

春告魚




日本各地の沿海漁業の基層を支えてきたお魚が「イカナゴ」
地方によって、言い方が千差万別で、まずもって鄙人とは会話にならない。
ものの本的に言えば「スズキ目ワニギス亜目イカナゴ科の魚類」のことですから、
王道に従ってイカナゴ(・・・玉筋魚とか魚編に白に子って書くそうな)と呼ばない連中は、
通常田舎者という。


関西の春は・・・新聞の拡販ツールであるセンバツではなく「いかなごのくぎ煮」に始まる。
関西と十把一絡にしてはいけない。
三都それぞれに個性と自己主張があり・・・イッショニセントイテヤ!

いかなごのくぎ煮は淡路島・播磨地区・神戸市一帯だけの郷土料理である。
佃煮の一種だと思えばいい。
淀川や桂川の向こうでは、食することは稀である。
最近は、水揚げ量も減っているので、だんだん希少性がでてきた。
京のええしのご家庭では、琵琶湖のほんモロコが春告魚と珍重するが、
そのうちに、どっこいどっこいになるかも・・・

昔は、くぎ煮はどこのご家庭でも自家製だった。
醤油、みりん、砂糖、生姜などで水分がなくなるまで煮込むのですが、
そんときにゃどんでもない臭いというか匂いが近隣に撒き散らすのですが、
まあよくしたもので、黄砂みたいに「春告薫」ってことで・・・
阪神っ子は上品ですから、文句も言わずに鷹揚に構える。


イカナゴは、地方によって呼称が異なることに加えて「出世魚」とも言われるらしいが、
そんな立派なお魚とも思えないがねえ・・・
イカナゴの稚魚(イカナゴ自体稚魚だと思ってますが・・・)をシンコというらしいが、
シンコはコノシロの稚魚でしょう(?)
まったくようわからん(苦笑)
ちなみに、江戸前寿司の出色は「七枚づけのシンコのにぎり」。
季節的には・・・今頃か?

 
食べたい!!!




そもそもコノシロって、ニギリでないと食えたものではないと言われる。
焼けば、焼き場の腐臭だとか・・・







2015年3月24日火曜日

バトルシップ「武蔵」は浮上・・・するかねえ?




そっとしておけばいいと思うのですが、大富豪の「道楽」で発見されちゃいました。
最新鋭の海底探査船(数百億円の建造費用に年間数十億円の維持費)の投入してのこと
たまたまスキューバダイビングをやっていて見つけたってロマン溢れる物語ではない。


軍国少年にとっては、軍艦といえば「戦艦」
戦艦と言えば・・・大和に武蔵(実はもう一隻シリーズ艦があります)
第二次世界大戦期は、大鑑巨砲時代は過ぎ去り、バトルシップなんぞは無用の長物。
多くは、机上の計画のみ、未着工、空母への転換(改造)
まともに現場出動したのは、あとは長門に陸奥(いずれも同型艦)くらいなもので
投資対効果があったのかと言われれば・・・・


大和の建造費は、正確にはよく分かりません。
NETではいろんな数字が出回っていますが、ざっと一億数千万円(当時)のようです。
物価指数で現在価格に置き直せば・・・しれてますなあ(笑) 
一千億円程度です。
イージス艦と変わりがない(これも本当に正札通りに働いてくれるかなあ)

しかし、財政規模感からすれば、当時の予算規模は50億円程度ですし、今は百兆円ちかく・・・
重みは相当に違いますから、貧乏国の大博打というところです。
つまり、博打に勝つのは金持ちと相場が決まっている。


広島あたりの実業家が「大和」引き上げによるまちおこしってお馬鹿なプロジェクトと
獅子吼したが、世間の良識は、歯牙にもかけなかった。
今回はどうするんでしょうか?
大富豪は、やる気満々で、なかんずく「日本に寄付」するつもりだとか・・・
余計なお世話です。

 

当時の軍艦は大日本帝国の所有物である。
その権利義務は日本国が正当に継承している。
沈没してもかわりはないと思うが、フィリピンの領海内で他人の所有物を20年間以上
占有していた状態だからフィリピン政府が取得時効を援用できる・・・って(?)
あるいは戦時賠償で当時の連合国の誰かに譲渡したのかもしれない。
駆逐艦「雪風」は中華民国にお嫁入りし、防衛艦として、最後まで職責を果たしたそうです。
これが民間の船舶であれば、保険求償をしちゃったから、保険会社に所有権移転ってことも
ありえるが・・・
 

なんとも鬱陶しいしややこしいから「武蔵」なんかにかまけずに、
シリーズ艦最後の「信濃」の探索をやってくれると嬉しいのですが・・・
大和型の三番手として着工したものの、空母に改造。
当時としては世界最大規模の航空母艦です。
横須賀から呉に回航の途中で米軍の潜水艦の魚雷により・・・
実際のところ、それくらいで沈むはずはないが、不慣れなクルーの対処ミスで、
水深数千メートルと言われる浜松沖合の南海トラフに沈没した。

 
忘れられた「名艦」の復権と近未来の南海大地震予知対策・・・
つまりは、ロマンとリアリズムを兼ね備えた大プロジェクトはどうだろうか?



















2015年3月23日月曜日

最近のビリギャル言葉の方が難解かも

踊る人形
黄金虫
二銭銅貨

暗号解読をモチーフとする小説群。
謎解きも小説の重要なモチーフの一つですから、結構な数の小説があってしかるべきであるが、
余りに理屈っぽいからでしょうか、秀作は少ない。
解読のプロセスとは、知的格闘技ですから、ストーリーにもしにくい。
なかんずく、映像となれば・・・・

エニグマ

第二次世界大戦でドイツが使用した暗号システム
戦争の帰趨を決定したのは、暗号解読の成功なのかどうかは知らないが、
重要な因子であったことは確からしい。
暗号化と平文化のアルゴリズムを解析するプロセスは、スリリングな醍醐味溢れると言いたいが、
どうもこの手のお話は、システムを作る苦労話より解読の苦闘らしい。
解読チームの中心メンバーである、アランチューリングはあまりに有名ですが、一体誰がエニグマ暗号機を作ったのか?
ウィキペディアでは、チューリング博士の百分の一程度の紹介という粗末な扱いをされている
何とかというドイツ人技術者で、暗号機制作会社を経営していたようですが、
それにドイツ軍部が目をつけた・・・

エニグマを作った職人と解読した学者のどっちがエライかって、論外だと思うのですが、歴史は皮肉です。
国家機密のカーテンのおかげで、チューリングの功績は長く語られることもなく、
晩年のスキャンダルで名声は地に堕ちたかと思ったが、復権し、いまや、英国史上の偉人にまで上り詰めた。
科学者として彼以上の評価を得ているのは、ダーウィンとニュートンだけ。
それに引き換え・・・・

この差別待遇はひとえに、勝ち負けに起因する。
第二次世界大戦の結果が逆であれば、かのドイツ人の功績は盛大に称えられているに違いない。
毎度の台詞ですが・・・二度と「あやまち」をおかしてはならない。
そう・・・戦争をすることではなく、負けること。



話題を変えて・・・・(笑)
ヒトザルが作ったものである以上ヒトザルが解読できないはずがない。
難解な暗号システムも然り。
かの戦争中、アメリカ軍は、なんとかというインディアン言語を暗号に使用したらしい。
その部族しか理解できない言語で、優秀な皇軍暗号解読班も歯が立たなかったと言われている。
しかし、同様のアイデアは、薩摩弁を暗号文に活用するって事例と似たり寄ったりで、そう評価できるものではないが、
同様に・・・勝てば官軍なのですよ。
それに、軍閥の伝統なのか、薩摩弁というところが限りなくダサい。
どうせなら、吉原花魁言葉でも使ってくれればエレガントって歴史が評価したんでしょうがねえ・・・・
軍事は、軍人のような芋には任せられない。
やっぱり、知的教養人が人肌脱がないとダメか(笑)




2015年3月22日日曜日

原題は「全てについてのセオリー」ですよ。

博士と彼女だけの「セオリー」だけだと思うから、ピントのずれた批評が飛び交うのですよ(笑)
ホーキンス博士は、宇宙論に関する天才物理学者・・・ですが、不幸にも不治な難病で、余命いくばくも・・・
彼女は、まあキュートな文学部の学生・・のちに博士号を得たようですが、この難儀な変人に恋をし、生涯を支える運命を受け入れることになるのです。

学者としての名声に加え、三人の子供にも恵まれるが、子育てをしながらの介護には限界がある。
実直としか見えない聖歌隊のやもめ指揮者とかちょっと知的なプロ介護士が相互に絡み合う。
男・女・男或いは男・女・女・・・
どんな組み合わせでも、座りがわるくなり、ドラマが生まれるっていう「セオリー」を描いた映画。
決してホーキンス博士の偉業なり、それを支えたジェーンの夫婦愛っていう個別テーマじゃない。


主演のオスカー男優は、映画版レミゼラブルでマリウスの役を演じてましたが、さしたる印象はない。しかし、今回はなんという名演技。
ヒロインもなかなかのものです。
良い素材を腕のいいスタッフで映画化すれば、実力以上のものを発揮し、入魂の演技になるって・・・月並みなことよりも、ちょっと気になる英国映画人事情。

エディレッドメイン
フェリシティジョーンズ
ロザムントパイク
ベネディクトカンバーバッチ

今年のオスカーのベストアクター及びアクトレスにノミネートされた英国人。
全体で十名がノミネートされますから、比率は四割。
規模感からすれば多いって思います。
そんなことよりも、ちょっとビックリは・・・
全員が、パブリックスクールあるいはオックスブリッジの出身者!

つまり、才能のある映画・演劇人とはエリートで無いとなれない世界。
世襲やコネとは無縁の実力だけの世界のはずですから、
英国的格差社会と映画界の関係って・・・トマピケティ先生が扱ってくれそうもないから、
プロ映画鑑賞家たる自分で調べるかな(笑)



2015年3月21日土曜日

アフターハッピーエンド




そして、二人はいつまでも仲良く暮らし・・・たはずはない(笑)
人生は波瀾万丈、山あり谷あり。
禍福は糾える縄の如く、きれいは汚ない、きたないは綺麗。


オリジナルミュージカルはそれこそ、ディズニーキャラクターの総動員


シンデレラ
プランデル
赤頭巾
ジャックと豆の木
眠れる森の美女
白雪姫 ・・・・・


これじゃあんまりなので、映画版では一部の登場人物が割愛されています。
欲望が叶うことは代わりに何かを失うことって有りげな教訓ばなしでしか
ないのですが、コンテンツが豪華なもんで、シネコン初日は満員御礼だったらしい。
豪華な割りに製作費はたった50百万ドル。
ビッグネームは、メリルストリープとジョニーデップだけが登場というお手軽版。
興収は二億ドル程度にはなりますから、成功作といえます。


冒頭のタイトルソングの四重奏は、かのリゴレットの名曲を思わせるくらいの
出色の出来。
音楽的にはデズニーミュージカルとしても最高の出だしの部類・・・ですが、ストーリーがごちゃついてそのうちに混乱してくる。
もう一度見てみようって気にはさせるが、半券ご持参で二回目は半額ってキャンペーンはなかった。
だからこれ以上書くことはない(笑)




2015年3月20日金曜日

国家は「賤商」の真似事をやるもんじゃない



愚かなプロメテウスの弟やアダムくんを誑かせたパンドラやイヴとは
美女のように描かれるが「悪女な経済の代名詞」に違いない・・・
って毎度の鬼面人を驚かす書き出し(苦笑)


人類が一番幸せな時代とは、自然採集経済の時代であった。
なんと一日二・三時間働けば、健康的で文化的な生活がおくれたらしい。
過重労働とかブラック企業なんて存在があろうはずもない時代。
が、自然と共生し、自然の恵みだけでヒトザルが生きるには、あまりに地球は狭い。
数十億人なんてとんでもなく、その百分の一程度以下が生存できる容量である。

あくせく長時間働き、地球環境を破壊(農業だって自然破壊です)し、
価値の剰余を生み出し、多くのヒトザルが生存可能にする・・・

剰余価値は「所有」され、
価値の創出のために「分業」がなされ
分業の結果生み出された所有物を「交換」し、
交換のための媒介物として「貨幣」が生まれる

・・・世界こそが見た目美しく内実性悪な「経済社会」である。

資本主義経済とは、アダム・スミスとかマルクスが考えだしたものでもなく
この地球上にヒトザルがはびこりだして以来の現象である。
多分(想像上の話であるが)エデンの園には経済はなく、パンドラの箱を開けて以降
好悪にかかわらず「経済」と向き合うことを余儀なくされている存在が・・・我々。



難解な数式が出てこなくとも経済学書は太古の昔から存在する。
少なくとも「経済理論」についての論究は枚挙に暇無し。

経済の安定こそ治国の根本って・・・古代中国の哲学者「管子」の教え。
簡単にいえば・・・「衣食足りて礼節を知る」ということです。
景気が悪いとなにかと不都合ですねえ・・・って俗耳に入りやすい(・・経済理論である)

もっとも、貧困が犯罪を生むと言う理屈を信じない立場ですので、管子なんぞは鼻であしらう(笑)
また、管子は「重税」にも反対します。
もっとも夜警国家では、多額の税金を徴収しても、用途がなく、無意味な戦争か君主の贅沢か用途は限られる。
税金の重さが実感されるようになったのは、現代の福祉国家以降のテーマ
福祉と負担は比例するのが当たり前。
重税が嫌ならば高福祉も期待してはならない・・・がヒトザルは身勝手です(笑)

そこで考案されたのが「塩鉄論」
つまり、必要重要物資の専売制・・・
賤商思想に凝り固まった儒教のもとで、国家が商人のマネをし、
安い原価の商材を高く人民に売りつけその上がりで国家運営を行うとは笑止千万。
税金の姿を隠しているので徴収しやすいとは、サル知恵に過ぎない。
中国史は「土地制度の歴史」だと喝破したのは、高校時代の敬愛すべき社会の先生だったが、
正確には「土地と専売制度の変遷の歴史」だというべきであった。
歴史を彩る政争は、これらの対立が必ず背景にある。


結論的に言えば「専売制」はよろしくない。
価格は市場が決めるものであり、国家統制で決めようとすればろくなことはない。
無理に決めようとすれば、社会主義という名の国営独占資本主義の破綻をもたらすことはすでに
歴史が証明した。

そんな大仰なことを言わなくとも、酒税やたばこ税を「不当」に値上げすれば闇商品や闇市が横行する。
闇市を取り締まろうとすれば、自警団との抗争・・・
中国史の華ともいうべき農民による内乱とは所詮そういうものなのです。







2015年3月19日木曜日

ショウトウの灯よ、いつまでも。



その前は、大曲にいたんです。
半世紀ほど前に渋谷に移って来たとかなんとか、先代師匠夫人は昔話を・・・


宗家は、北の地に縁があるの?!
世阿弥師匠は、権力者の逆鱗に触れたために佐渡に配流。
先代のころでも、、戦意高揚目的で軍部に協力し、盛んに軍国新作能なんかつくってましたから
GHQに疎まれたもんで「秋田の大曲」なんぞに・・・でも、なんか可笑しい。


そうなんです。
始めて知りましたが、飯田橋近くの大曲なる場所があり、その地に前の観世能楽堂があったらしい。
老朽化で建て替え時期ですが、世界遺産と言うだけで、そんな資力も、太っ腹なタニマチもいない。
銀座松坂屋さんの跡地商業ビルに間借りと相成った。
江戸時代は、幕府の拝領屋敷が、銀座にあり、創業地回帰という触れ込みはともかくも、
内実はこんなものらしい。
 
この三月末で閉館。
連日豪華なサヨナラ公演が企画されています。
毎日足を運んでもいいが、お値段もそれなり(苦笑)


しかし、新しい舞台のこけら落としは、二年後。
それまではジプシー暮らしとはお気の毒。
買い手さんのご都合みたいだが、迎賓館にするらしいとのウ・ワ・サ。

アジアマネーを駆使して、不動産を買い漁る中国人が買い手ではないので、
入り口の梅の枯木は、ちゃんと保存してくれるって思っています。



2015年3月18日水曜日

また勝てるような時代が来るのでしょうか?




オスカーの外国語映画賞

ある意味でアメリカ合衆国等英語圏国が出場しない「映画のオリンピック」である。
参加国は、昨年度で80カ国以上
各国が一本出品し、オスカーの事務局がノミネート作品を五本選び(決勝リーグ進出)
オスカーの会員の投票(五本ともちゃんと見なければならない)で決定される。


以下の日本からの出品作品の一覧(●:優秀賞 ◯:ノミネート作)

 
●1951年 羅生門 (黒澤明)
●1954年 地獄門 (衣笠貞之助)
●1955年 宮本武蔵 (稲垣浩) - 名誉賞受賞
 
----ここまでは「旧ルール」での選考
 
◯1956年 ビルマの竪琴 (市川崑)
 1957年 あらくれ (成瀬巳喜男)
 1958年 楢山節考 (木下惠介)
 1959年 野火 (市川崑)
 1960年 秋日和 (小津安二郎)
◯1961年 永遠の人 (木下惠介)
 1962年 私は二歳 (市川崑)
◯1963年 古都 (中村登)
◯1964年 砂の女 (勅使河原宏)
◯1965年 怪談 (小林正樹)
 1966年 湖の琴 (田坂具隆)
◯1967年 智恵子抄 (中村登)
 1968年 黒部の太陽 (熊井啓)
 1969年 神々の深き欲望 (今村昌平)
 1970年 無頼漢 (篠田正浩)         
◯1971年 どですかでん (黒澤明)
 1972年 軍旗はためく下に (深作欣二)
 1973年 戒厳令 (吉田喜重)         
 1974年 化石 (小林正樹)
◯1975年 サンダカン八番娼館 望郷 (熊井啓)
 1976年 - 出品申請なし
 1977年 八甲田山 (森谷司郎)
 1978年 愛の亡霊 (大島渚)
 1979年 月山 (村野鐵太郎)
◯1980年 影武者 (黒澤明)
◯1981年 泥の河 (小栗康平)
 1982年 鬼龍院花子の生涯 (五社英雄)
 1983年 南極物語 (蔵原惟繕)
 1984年 瀬戸内少年野球団 (篠田正浩)
 1985年 花いちもんめ (伊藤俊也)
 1986年 キネマの天地 (山田洋次)
 1987年 女衒 (今村昌平)
 1988年 ダウンタウン・ヒーローズ (山田洋次)
 1989年 利休 (勅使河原宏)
 1990年 死の棘 (小栗康平)
 1991年 八月の狂詩曲 (黒澤明)
 1992年 女殺油地獄 (五社英雄)
 1993年 まあだだよ (黒澤明)
 1994年 平成狸合戦ぽんぽこ (高畑勲)
 1995年 深い河 (熊井啓)
 1996年 学校II (山田洋次)
 1997年 もののけ姫 (宮崎駿)
 1998年 愛を乞うひと (平山秀幸)
 1999年 鉄道員(ぽっぽや) (降旗康男)
 2000年 雨あがる (小泉堯史)
 2001年 GO (行定勲)
 2002年 OUT (平山秀幸)
◯2003年 たそがれ清兵衛 (山田洋次)
 2004年 誰も知らない (是枝裕和)
 2005年 血と骨 (崔洋一)
 2006年 フラガール (李相日)
 2007年 それでもボクはやってない (周防正行)
●2008年 おくりびと (滝田洋二郎)
 2009年 誰も守ってくれない (君塚良一)
 2010年 告白 (中島哲也)
 2011年 一枚のハガキ (新藤兼人)
 2012年 かぞくのくに (ヤン・ヨンヒ)


なかなか含蓄深い傾向が見て取れます。
もはや、倭国はサッカーWCなみの後進国(決勝にはまず出れない)
それに「勝てる映画」を出さないと・・・一体誰が選考したのでしょうか?
ということで、その年のベストテンなんかと引き比べるに・・・
最近一応最高水準らしき作品を選んでいます。
過去は、ちょっとどころか大いに異論あり(苦笑)
つまり、選択肢がないくらい最近はやせ細ってしまったってことですなあ。



映画は、その時代の国威の証しである。
力強い作品を生み出せることが「文化的国力」であるという歴史的な事実は未だに変わらない。

しかし、2008年によく(実質初めて)外国語映画賞がとれたものだ。
対応馬に恵まれたってことではなく、なんだか知らないが評価されたんですよ











2015年3月17日火曜日

言霊の思想は、キラキラネームの呪いを解くか?





DQNネームなんかつけてると、まっとうな企業では書類段階でオミットされるって
都市伝説が、早晩・・・だって2000年ころから社会問題化しつつありますから
そろそろ、就職適齢期。
残念ながら(というべきかどうか・・)少年法の縛りで、
少年犯罪とDQNネームの関係って、興味があるが統計開示がない。

別にDQNネームだと犯罪者になる可能性が高いと言うつもりはない
森鴎外先生の子どもたち・・・

長男 於菟(おと、医学者)
長女 茉莉(まり、小説家)
次女 杏奴(あんぬ、随筆家)
次男 不律(ふりつ、夭折)
三男 類 (るい、随筆家)


マナエマケしていなって・・・こういうことを言うのです。
西洋でも伍しやすい名前ってことで命名されたと聞いていますが、
今どきは・・・どうなんでしょうか?



両親の学歴・職業・収入、居住エリアとかなんとかと子供の名前の回帰分析なんかやると
実に面白いって思うのですが、斯様なことをつぶやくだけで差別主義者だと
指弾されかねないのが今の日本。
リスクは踏みたくないので・・・(苦笑)レヴィット教授に再度登場願おう。
もっとも注意すべきことは、命名には流行があるということであり、
時代によっては、全く違う評価となる。

ただ普遍的に言えることもある(アメリカの統計なので人種格差に相当注目される)

兄弟だとして命名内容で人生の勝敗が決まるってことでもない。
が、縁起の悪い名前をつける親って、どういう気分なのかよくわからない。
子供の幸せを願わないわけではないのだろうが、なんか感度が世間ズレしている。

白人っぽい名前、黒人っぽい名前って明白に別れる。
多分にコミュニティでの「縛り」みたいな制約があるようです。
黒人社会で白人っぽい名前をつけるとイジメに会う。
結果として「色分け」ができてしまうと、黒人っぽい名前の履歴書はそのままゴミ箱へ

親の教育程度(就学年数区分)にリンクする命名がある

教育程度の低い白人の親の女の子供

angel
heaven
misty


次に男の子だと・・・

ricky
joey
uessie

逆に教育程度の高い白人の親だとどうなるのか?

lucienne
marie claire
glynnis


dov
akiva
sander


なんとなくですが・・・そんなもんだろうなって思わせるところが凄いっていうか怖い。
あくまで、統計解析的にってことですから、個別には良い名前とか不吉な名前ってあるわけではない。
画数だとか姓名判断なんて信じちゃいない。
別にどんな名前でもいいのです。子供への「思い」が伝われば・・・
その「思い」を世間様がどう評価するかは、その時代次第ですし、
ご本人の自覚も・・・これが一番かもしれませんが、一般には逆風が吹く。












2015年3月16日月曜日

ワルガキ経済学者による世間の裏側探検録





社会の寧安とは・・犯罪のない世界。
ですが、ニヤリあるいは大向うをうらなせるような詐欺・窃盗・横領のたぐいのない
世界はなんとも面白く無いだろうなあ(苦笑)


ルパン
ねずみ小僧
雲霧仁左衛門  ・・・なんかの人気は、そういう「不届きな」気分に支えられている。


当然陰惨な事件はないに越したことはないが、一体どうすれば・・・
浜の真砂は尽きることはない。



さて「犯罪と景気との関連性」は相当にあると言われる。
しかし、野菜泥棒やコメの横領なんか、目くじら立てるようなものでもない。
貧困からくる犯罪って・・時代は変わった。
いまや「退屈からくる犯罪」の世界。
三面記事をにぎわす殺伐とした世界の存在は貧困(少なくとも物質的意味での)とは縁遠い。


よく言われるのが「銃刀類の氾濫ないし規制のレベル」も影響するのだろうか?
確かに、凶器が手近にあることで犯罪を誘発しやすいのかもしれない。
銃器が氾濫するアメリカ社会では、銃器による事故が後を絶たない。
しかし、銃器による子供たちの悲惨な事故の度に大きく報道されるが、
実際のところは、家庭のプールでの水死のほうが百倍も多いというのがアメリカでの厳正な数字。
瑞西国は国民皆兵でどこの家庭にもライフルを装備しているらしいが、
寡聞にして「危険な銃社会」とは聞き及んでいない。


厳罰化・・・これは魅力的だ(笑)
小さな罪を大きく咎めれば大きな犯罪が抑止されるという韓非子の信奉者にとっては
金科玉条である。
しかし、犯罪者の多くは再犯性が高いと言われる。
教育刑理論では事態は解決しないし、応報刑的でも・・・それだけでも効果は薄い。


今ひとつ推奨するのが「教育こそ最良の治安対策」
一般的に犯罪者は教育程度が低くIQも見劣りする。
貧困とIQと教育レベルの関係を正確に評価することは難しい。
貧しい家庭からでも一流の学校を優秀に卒業することはあながち不可能ではない。
カリキュラムだって、一律でなくIQに見合った教育環境ってあるはずだ。
大事なことは学歴ではなく学力であると力説する。


さて、シカゴ大学のレヴィット教授は、
90年台のアメリカでの犯罪激減の真の理由をこう説明する。
なんとも言い難いが・・・北京でモンシロチョウが羽ばたけば、アンデスの山奥で大洪水が
起きる・・・・・
トマピケテイ先生の著作と違って、定量的な数字の裏打ちが記載されていないので
そのまま引用すれば・・・

1973年 連邦最高裁判所は「ジェイン・ロー対ウエイド」裁判に対して画期的な判断を示した。
曰く・・・

慈しまれることなく育つことを予定された子供の未来は陰惨であり、家族や社会に
痛ましい事態を生み出す・・・かかるがゆえに「中絶は合法であるべき」

その後年間160万件程度の手術が行われているらしいが、中絶手術がなかりせば
十代後半になった「祝福されず生を受け、貧困の中でろくな教育も躾もうけず、
誤解を恐れずに言えば犯罪者予備軍」が百六十万人「減少」したとすれば、
犯罪発生率は、激減するだろうよ。
決して、割れ窓理論による画期的な犯罪抑止政策が功を奏したわけではない。



カオス理論が正鵠を得ているのかどうかは知らないが、
正しい因果関係の解明とは難しいものです。
ヒューマニストが激高しそうな仮説ですが・・・多分正しいのですよ。














2015年3月15日日曜日

初心に帰ってください



サタジット・レイの「大地の歌」を始めて見た際に・・・

さすがにゼロを「発見」した思弁性の高い印度国の作る映画はちがうなあ・・・ってお馬鹿にも感動し、
その後インド映画とは「美男美女が歌って踊ってハッピーエンド活劇」が主流だと知って愕然としたものだ。



世界第二の経済大国の映画事情は・・・よくわかりません。
都市部の映画事情と農村部の事情があまりに異なり、鳥瞰的に語ることが難しい。
一般的に言えば映画とは「都市部のエリート(三億人程度)の娯楽」
年間400本程度製作され(政府公認脚本だけ)4000弱のスクリーンがある。
入場料が70元といいますから・・・
中国の「富裕層」の年収が5ないし10万元とすれば結構高価です。
一方で、農村部にはその十倍のスクリーンがあるとされますが、
移動式の小屋かけ上映のようです。
そういえば、ご幼少のみぎり身共の超ど田舎でも、不定期的にお寺の庫裏の庭先での上映会があったものです。
雨が降れば・・・中止(泣)




さて、厳しい国家統制で縛られた中国映画ですので、反骨的・反体制的映画なんかは期待すべくもない。

反日抗日映画
武侠映画(三国志演義とか・・)
傷跡映画(文革背景下舞台)

海外や倭国で上映される以上、マーケットに受ける映画しか輸入されない。
従って、文化革命期での悲劇なんて一番俗受けしやすいが・・・別にそんな自虐的な映画ばかり
作っているわけでもなかろう。


張芸謀


人民芸術英雄ともいうべき映画界の巨匠
北京オリンピックの式典プロジューサーにまで上り詰めました。
一人っ子政策に反して、お子様が三人もいるということで、一億円以上の「罰金」を
課せられたそうですので、結構蓄財もお盛んのようです。
文革で十年余りの下放の憂き目をみたあと、衝撃作で鮮烈デビュー!!
世界的に名声をはせた後は、コスニュームプレー的な歴史大作を手がけるようになり、
はっきり言えば・・・映画人として堕落(良く言えば円熟の境地)
オリンピックの式典にしても、やらせ・捏造・・・名声に傷がつきますなあ(苦笑)


名望が地に堕ちた・・・彼の新作が、ひっそりと単館ロードショー中。
昔取った杵柄ってたいしたものです。
賞味期限切れと思われているのでしょうが、腕は衰えていない。
 
期待したような予定調和的結末でもなく、
なんちゃって「シラノの代筆恋文」的な展開のヒネリがよく効いている。
ヒロイン(記憶喪失な妻)のコン・リーは老けましたねえ
一人娘(天才バレリーナであるが、父の罪業で挫折)の役者さんがなかなかいい。
なんちゃって、主人公の元教授の抑えた演技が小品ですが、奥行きの確かさを感じさせます。
こんだけの力があるんだから、海外脱出して好きに映画を作ればって・・・思ったりもします。


余計なことですが、一人娘が狙うのがあの文革バレー劇「紅色娘子軍」の主人公役
文革礼賛時代の日本でも上演されたと記憶してますが、翌日の演劇評では「大絶賛の嵐」
ひとり石原慎太郎氏だけが罵倒罵声のコメントを出していたのが印象的だった(笑)





2015年3月14日土曜日

過激派って・・・どこか似ているものがある。



懐かしい60年から70年台にかけては、相応に理解しているメンツも多かったが、
いまや「死語」ですなあ。

--
日本の左翼の系譜は・・・

ソ連共産党-コミンテルン日本支部-日本共産党
                 共産党(日本のこえ)
 
日本トロツキスト同盟-革共同-中核派
               革マル派
 
社会党-社青同解放派
 
ブント-赤軍派(その他もろもろ)
 
その他諸派
--

千々に乱れ離散烏合が激しく、はっきり言えば・・・ようわからん(苦笑)


変わって、いまは

イスラム国
IS(Islamic State)
ISIL(IS+Iraq&Levant)
ISIS(IS+Iraq&alsham)
 *alsham=Levantらしい


なんかが、今や流行語(呼称の違いだけで相手は同じ)
様々な表記方法が乱立する背景が不明で「なんだかよくわからない」
それ以外にも、いろんなイスラム系の過激派が蠢き、なにがどうなっているのか?
東西対立の冷たい戦争時代はシンプルでわかりやすかった。
今となっては、当時の日本の新左翼状態。
若者がシンパシーを感じるって点でも、両者は似ている(・・のかも)


まず・・・この集団は「国家」なのか?
領域とその人民に対する排他的な統治権限(システム)を有する政治組織(共同体)であることが
国家の定義である。
さすれば、この集団は、単なるテロリスト集団ではなく、国家にも思える。
地域全体でのカリフ制国家の樹立を目標としており、それなりの治安組織、財政基盤、統治システムを
有しているようです。
しかし、国家として誰も承認しないし、国交を結ぼうって国もいない。
PLOは国家とはされないが、UNのオブザーバーの地位を保有しているが、
この集団は、非難こそされ、誰も歓迎しない。
100%国際社会から(現段階では)無視されている以上、やはり「国」っていう言い方は正確ではない。
どの表記でも「STATE」を含むことをわかりつつも、様々な表記方法がある種の思惑もあってか
使われていることに注意ですねえ。


国際政治では、敵の敵は味方だし、昨日の敵は今日の友


土地勘がないのでわかりにくいが、実効支配面積は英国と同じくらいらしい。
支配状態が長期に渡り固定化すれば・・・竹島の例もあるし・・・










2015年3月13日金曜日

幸せを呼ぶ「後妻」





愛する妻に先立たれ・・・オトコは切ないですねえ
炊事洗濯なんでもこいな「誤記鰤」亭主はさておき、日常生活にも不便だし、無聊をかこち、日常が殺風景となる。
独り身ならばまだしも、小さい子供さんなんかがいると大変ですねえ。
男手一つで育て上げって、まあ美談ですが、その苦労たるや・・・(最後のユーチューブ参照)



そういう心の隙間に付け入るのが「後妻」とか「後添え」とか・・・・
別に全てが怪しげでもないし、幸せな再婚だってあるだろうが、当然に逆もある。

説話の世界では「継子いじめ譚」と称される分野がある。
シンデレラ嬢も、白雪姫ちゃんも、お父様の後妻にいじめ抜かれた。
どうして、お父様が異変に気づかないのか昔から不思議でしょうがなかったが、
事例として適切かどうか別にして、川崎の上村くん殺しとか痛ましい事件なんかみてますと、
いつの時代も「灯台下暗し」なんだったんだ。
今頃になって、母親を責めまくるのも、どうなんでしょうねえ・・・
 

なもんで「幸せな再婚譚」を探しているのですが、どうもよい例が思い浮かばない。
若くして、妻が死ねば、オトコはまだ若く、溌剌としているのだろうが、
多くの場合はくたびれた中年とかカネだけは持ってる老人と相場が決まっている。
そんなオトコに心優しく見目麗しく才長けたいいオンナが近づいてくるはずがない。
なんか「どす黒い思惑」を隠し持っているに違いない。



普通「毒婦」って言えば、妖艶な悪魔的美女をイメージするのですが、
昨今は、どうしようもないブスデブかワル老女の代名詞
いくら寂しくともあんなものに惹かれるかねえ(苦笑)
結婚詐欺は、カネだけを奪うだけだが、彼女たちは、カネも命も奪ってゆく。
倭国は、検死制度が全く機能しないので、事件が事故や自然死と誤判断され、
犯罪が闇に葬られているケースは相当数に上るかもしれない。
毒婦って多くの場合、アタマが悪い割に刃物を使わず、青酸カリのような毒物を使うことが多い。
練炭で二酸化炭素中毒死ってなのもありました。
状況が不審でなけれ「事件性がある」とは警察も思わない。


中高年向けの婚活サロンとか結婚出会い系サイトって、獲物を狙う蜘蛛の巣みたいなもんかもしれません。
ソクラテスではないが「汝自身を知れ!」
カネの切れ目が縁の切れ目とはよく言ったもの。
どうしてこの自分が「モテるのか」よく考えて見ればいい。






2015年3月12日木曜日

目くじらた立てずに、これも美風かも



語源については衆知のごとくであるが、正確な構成要件となれば
いささか疑わしい・・・が故に「あるとかないとか」不毛の議論になる。


要するに「真剣に戦わずして相手に勝利を譲る」ことである。


まず、双方の「合意」が必要か?
一方的に「負けてあげる」って場合がある。
惻隠の情かもしれないし、相手が知らない第三者の要請もあるだろう。
この場合は「片八百長」というらしい。
しからば、「本」八百長とは「まず当事者の合意」が必要ということになる。
言わば「談合」・・・倭の古き良き風景です。
何方にせよ八百長には変わりがないので、双方合意は必須ではないとしよう。


次に八百長を行う「目的」があるはずだ。

経済的利益(個人的に何らかの対価が伴う)
憐憫ないし惻隠の情(ある意味で純粋な気持ちの現われです)
勝利に特段の意味合いがない場合(例:勝てば次のトーナメントの組み合わせが不利とか)


双方が真剣に力の限り闘うことが期待値であるって観点からすれば、すべからくよろしくない。
しかし(どうも伝説らしいが)テニスのプレー中に相手が転んだので、わざと緩いボールを返し・・
結果、彼は勝利を逃したが、後世フェアプレーを讃えられた。
一方で、ロンドン五輪でのバトミントンでは「無気力試合」ということで、
オリンピック精神違反を問われ、失格となってしまった。
ある種の片八百長である。
決勝トーナメントを優位に進めるための「作戦」が裏目に出た。

まあ糾弾されるかどうかは「見た目」次第ってことのようで論理的な世界ではない。
やはり、目的を限定的に・・・第一項に限定するほうがすっきりする。
それ以外の目的であれば、別の規範で咎める必要があればそうすればいい。
惻隠の情なんて美しい言葉で飾り立てると免責か?という批判については、
そこまで追求しないことが倭の美風である。


構成要件が明らかになっても、犯罪の成立の立証は難しい。

合意あるいは片方の意思の存在の証明
経済的利益の移転の証明
プレー態度が真剣でなかったことの証明

個々の証明と因果関係の立証が必要ですが・・・内心の問題は「自白」でしかなく
経済的利益でも金員の移動ならまだしも、勝ち負けのやりとりだと・・・
真剣か無気力かに至っては、主観でしかない。


どこまでいっても「疑惑」でしかない場合が多い。
地方競馬では、八百長がどのように仕組まれるかまでも想定して馬券を買うのが醍醐味らしい。
完全なオープン競技以外は、互助組織内の争いである。
そう思って冷ややかに眺めるのが知的ってものでしょう。




ちなみに、大相撲では(・・八百長かどうかは別にして)期待値に反する勝負の結果が多々あることは
統計的に証明されている。
シカゴ大学の教授の「有名な」論文です。
骨子を言えば(三万以上の取組結果の解析ですので統計誤差はまずない)

七勝七敗の力士群(A群)
八勝六敗の力士群(B群)の勝負結果を解析すれば・・・


A群とB群の対戦成績はA群の勝率は49%
千秋楽だけの勝敗を見ればA群の勝率は80%
翌場所の対戦成績をみれば、A群の勝率は40%
更に翌々場所は、A群の勝利は50%


この事実を論理的に説明する答えはひとつしかない。














2015年3月11日水曜日

もちつもたれつだと考えるのが一番フィットする



--
・・・暴力団をご依頼主又はお届け先とする荷物の引受けをお断りしております。
取扱中に発見した場合には、返送することがあります。
また、暴力団をご依頼主又はお届け先等とするカタログ商品の申込受付についてもお断りしております。
--



たまたま郵便局で見かけた張り紙です。
他の大手宅配業者も約款に同様の条項を入れています。
銀行口座は作れないし、保険にも入れないし・・・・超大雑把に言えば
商取引の多くは法の規制する「利益供与」に該当しかねない。
逆に言えば・・・「利益供与違反にならない主なケース」を列挙するほうが手っ取り早い。

--
・取引の相手がマル暴関係者だと知らなかった
・取引の目的がマル暴活動を助長あるいは資することを知らなかった
・取引の目的がマル暴活動を助長あるいは資することにならない
・法令上の義務や正当理由がある場合
--

これに照らせば、JPの告知はちょっとやりすぎです。
組長が孫のために、誕生日のオモチャを贈ろうとしたが、それを断るって・・・
商売ですから、断る自由もあるといえばあるのですがねえ。


しかし一番紛糾しそうなのは「四項目」かもしれません。
つまり「正当な理由がないと断る自由が認められない事業」があるということです。

医療行為
社会インフラの提供

組事務所を排除する一番いい方法は、ガス水道電気を止めることです(笑)
組員の自宅は、生存権の侵害になりそうですから、これはできない。
しかし、実際上は正当事由があるということで、深夜まで煌々と電気をつけてマル暴活動を
やってい(・・・と思われます)
プロバイザー契約や電話加入サービスもどうやら法令上の義務があり、
断れないようですが、振り込め詐欺の手口なんかみるにつけ、如何なものかと思うのです。
電気ガス水道だって、料金滞納が長期にわたると供給が止まります。


リストラにあって、電気代に事欠く困窮者がより悲惨な目にあうことが「正当」だと
言われると、比較の問題において如何と思うのですよ・・・


あまり穿った見方はしたくないのですが、発電現場の末端作業員の狩り集めで
シノギをやっている御仁や組織が多々あるらしい。
この機能がないと、現場が回らないって言われていますから、
もしかすると「もちつもたれつ」なのかもしれません。
世の中、相互扶助社会ですから、過渡に目くじらを立てるもんじゃないってことなのか?


そういうのを「ヤバい経済学」っていうのですが、
倭の風景的には「阿吽の呼吸」ともいいます。


2015年3月10日火曜日

アメリカンには、こっちが似合います(笑)


都市伝説としか思えないが・・・・
ある冬の深夜、彼の引く屋台の側にベンツのリムジンが止まった。
バラバラといかつい黒服が辺りを睥睨し・・・・

親分、大丈夫です。

車から降り立った初老の紳士が・・・・「にいちゃん、拉麺もらうか。」


ええ味や。屋台やと勿体無いなあ。
どや、ちゃんとしたお店ださんか。
応援したるわ。


にわかに信じがたいが、あの全国区のラーメンチェーン濫觴のエピソード。


屋台と言えば、いささか貧相な風景ですが、フードトラックと言い換えれば
近代ビジネス風(笑)
どっちにしても、食品衛生法の規制はかかります。
くだらんことを言えば・・・

食品営業
食品移動 ・・・・に分類されます。
出来合いのお弁当販売は後者。
調理をすれば前者です。
許可証は保健所でもらいます。
それだけじゃダメで、8ナンバーの車両ですから、道路運送車両法の規制を受けますし、路上営業や公園での営業となれば、それぞれの規制があります。
まさしく、岩盤規制!

都心の昼食難民の出来の原因はここにあり。
まともに、こんだけの許可を得ることは至難の技。
結果、既得権に胡座をかく飲食店が・・・でも、彼らも結構しんどいのです。
コンビニ弁当との競争は熾烈。


一流のシェフでも雇われ身分だと
オーナーとの葛藤は凄まじい。
なんせ、オーナーは、ダスティンフォフマン。
アメリカンで一流のフレンチシェフって、言葉の矛盾としか思えないが、
案の定、客と大喧嘩のすえ、路頭に迷う。
捲土重来、マイアミ起点で、キューバンサンドの屋台を始めるが、これがバカあたり!やっぱり、アメリカンに相応しい風景は、真っ当なフレンチよりもファストフードだ(笑)


満腹感だけは堪能出来る安物の映画でした。
どういうわけだか、ビッグネーム出演協賛ってしつらえが意味不明(笑)



2015年3月9日月曜日

知らない「遠く」へ行きたい

大冒険家、折竹孫七の活躍は、小栗虫太郎氏の著作に詳しい。
彼の冒険の足跡は、世界各地の秘境に止めるが、単純な探検心だけではなく、侵略を目論む当時の軍部がスポンサーであった事を示唆する。
倒錯衒学な名探偵なる法水麟太郎の活躍モノでは、ペンを折らざるを得ない状況には察しても余りあるが、なんとも荒唐無稽な秘境ものである。

地球津々浦々まで、近々百億人にもなろうとするヒトザル。
もはや「人外魔境」なんぞは・・・
しかし、二十一世紀の秘境は、コンゴの奥地やチベットのハズレではなく、我々の知り得るみじかにある。

日本の「秘境」と言えば、

飛田
山谷
釜ヶ崎
寿町

なんかって話題にすると先走るのは浅はかってもんです(笑)
本当の秘境は、国家機密等の名目のもとに閉ざされたカーテンの向こう側にある。

実に面白いお手軽本
しかし、オリジナルの版元は真っ当です。


ナショナルジオグラフィック版「世界の未公開地域」


軍事機密の先
人類愚行の残骸
お宝の眠るとされる施設
その他謀議の場所

なんかがこれでもかと・・・・


残念なことに世界版なもんで、日本の秘境紹介は限定的。
意欲のある倭国の編集者が、日本版を制作してくれるのを期待してます。
対象選定に人肌脱いでもいいが・・・・(笑)





2015年3月8日日曜日

部活対決




青春とは・・・・

部活に汗と涙を流し
疑似恋愛にうつつを抜かし
不登校なヤンキーの真似事

・・・何ていうのが物語の定番。
いわく・・・「等身大の君達を描く」・・ってアホたらしい(笑)

打ち込む対象は様々なれども、演劇は珍しい。
コーラスあるいは音楽はままあるが・・・

離島に赴任してきたちょっと陰ある代用音楽教師って言われると
今様「二十四の瞳」ですなあ。
ポスターを見るに、ガキが十二人写ってます。
涙腺刺激性青春映画なんか、あざといし苦手な部類・・・


アラカルトでは絶対に売れないプレートを、コース料理に仕立て上げても
猫マタギだと思うのですが、どうして人気があるのでしょうか?
かの「歌姫」が楽曲を提供したんだから、なんか「取り柄」があるのでしょうが、
なんとも、今度は、集団主演作で、演劇ガールズをやるのですよ(笑)

ろくに演技のできないガキタレをいくら集めても、センターにはならない。
実のところ、演技のできる大人が本当のセンターってことで、かろうじて映画らしくなっている。
もっとも、天才ピアニストのなれの果てって言う以上、
もうすこしピアノらしく弾いてもらわないと・・・ねえ。

しかし、元学生演劇の女王って触れ込みは、さすがさすが。
舞台稽古の凄さは、蜷川幸雄さんを思わせる。
なにが理由で、演劇を離れ、田舎高校の美術教師をやっているのかは語られない。
しかし、不器用なガキどもが、忘れていた情念に火をつけてしまった。
実のところ、この映画は、黒木華が主役だと思ってみれば、
そうバカにしたものではない。
黒木の出番以外は居眠りをしておれば、名作だと勘違いする(笑)


片や、アンジェラアキの名曲の映画化なんですが、新垣結衣が元神童とはねえ。
無駄に美人な女優さんが露悪的にニートっぽくされても共感しないんですよ。
使われる楽曲は、ショパンの別れの曲・・・苦笑
倭国の映画人の教養のレベルがわかります。
ヴィスコンティやキューブリックは絶対に・・・とまでは言いませんが、
よっぽどの必然性がないと使わない。


折角の名曲が、つまんない結果に終わりました。


---

今回は部活映画二本立て(笑)
単品じゃ、ネタにもならない・・・・(爆笑)










2015年3月7日土曜日

推定「有罪」



刑事事件の第一審有罪率はなんと99%だとか・・・
世界に冠たる有能無比な検察集団。
しかし、村木さんの例の事件以来、ちょっと怪しくなった。


刑事訴訟手続では「疑わしきは被告人の利益に」の原則に従う。
従って、犯罪の証明責任は検察官の責務である。
悪魔の証明とは違い「あることの証明」ですから、そう難しいわけではない。
一般的にその証明のレベルは「合理的な疑いを入れない程度」とされる。
それ以外にも、なんだかんだと検察官は挙証しなくてはならないが、まあそれはいい。



・熊谷市の事件で、殺人、非現住建造物等放火の罪に問われた無職男(被害者の長男)が
 裁判員裁判の判決で(求刑無期懲役)となった。

・贈収賄に問われた美濃加茂市長が無罪判決となった。


 
刑事訴訟手続での「証明」は上記の通り「厳密な自然科学的に一点の曇もない・・」ってことではなく、
裁判官の専門的技術・能力を信頼して、その自由な判断に委ねることで真実発見に至るってことですから、
これらの裁判では、裁判官(裁判員)の納得が得られるような論証を検察官ができなかったって
ことになります。
結果として警察の捜査にも落ち度があったってことである。



まずもって「警察や検察の能力」の低下があるのかもしれません。
脚光を浴びる事案ですから、功名心に走り、予断をもった捜査をしたのかもしれません。
弁護人の腕前次第って部分もあります。
無罪請負人のような刑事弁護士が被告サイドにつけば、それだけで相当に有利です。
 


そもそも「刑事事件である以上有罪であらねばならない」と考えるべきものかどうかという点では
様々な議論がありそうです。
とにかく疑わしいからしょっぴいてお白州に座らせてから・・・というのは相当に乱暴ですし、
人権侵害の疑いもある。
一方で、完璧に近い有罪率を背景に「推定有罪」な記事を垂れ流す大マスコミは、
傲慢であり、実質判決文を書き散らしているようなもの。
一転、無罪となれば、手のひらを返し、警察・検察批判を繰り返す鵺。
こんな不逞の輩がのさばる社会がまともとも思えない。
黒白の判断を行うのは、神の代理人たる裁判官の裁量(・・自由心証主義と言います)だけ


ここまで書いて思い出すのは・・・アメリカTVドラマの「逃亡者」

リチャード・キンブル。職業医師
正かるべき神も時として盲ることがある。
彼は見に覚えのない妻殺しの罪で・・・


正義の女神(テミス)は、目隠しをして天秤と剣をもつ。
天秤は善悪を測る「正義」であり、剣は「力」を象徴する。
法は「正義と力」により担保されることを意味する。
目隠しは神が前に立つ者の顔を見ないことを示し、法は貧富や権力の有無に関わらず、
万人に等しく適用される「法の下の平等」の法理念を表す・・・らしいが

冤罪で全米を逃亡するキンブル医師にとっては「目隠し」とは、そんな美しい法理念ではなく
正義と力の虚妄さの象徴でしかないと思っていただろう。



実際には、目隠しをした女神としていない女神がいます。
それぞれに意味する立ち位置が違うのでしょうが、ちょっと含蓄深いテーマです。









2015年3月6日金曜日

禍福は、忘れた頃にやってくる。


権利の上で惰眠をむさぼるものは保護されない。



今回の債権法改正で「評価」出来る部分です。
消滅時効の制度がシンプルになります。

簡単にいえば(民法上ですが)
ある事実状態が一定の期間継続したことを法律要件として、
その事実状態に合わせて権利ないし法律関係の得喪変更を生じさせる制度ということです。

例えば、居酒屋さんのツケを請求書がこないもんで、一年以上ほったらかしていれば
もうはわらなくてもいいって・・・まあ嬉しい話です。


債権に関して言えば、(消滅)時効の原則は10年です。
但し、短期消滅時効ということで・・・


債権額が比較的少額である
確証等債権債務の証明文書が紛失しやすい  等々の理由で様々な取引が該当します。

医者の診療費は三年(鍼灸師は・・・?)
弁護士報酬は二年(司法書士は明記されていません)
料理店・飲食店・貸席・娯楽場の諸費用(新型風俗産業は該当しますかねえ?)

法文上制限列挙的に取引や職種を明記していますから、ニュービジネスが
該当するかどうか判然とせず、紛争のネタである。


世界的には「時効短縮化」傾向の中、法律関係を早期に安定させる意味合いもあって
非常にシンプルな制度となるようです。


権利を行使することができるようになってから10年
行使することができることを知ってから5年

極めてシンプル。
但し、多少の例外もありますが、まあ合理的な延長規定です。
もっとも、5年とか10年が今の時代(もっと言えばこれからの時代)のスピード感に
フィットするかと言われれば・・・ちょっと長い気がしないでもない。


それに、商人さんの取引の多くははいままでは「短期消滅時効」に該当したんですが・・・
鬱陶しい限り・・・



忘れた頃に請求書が舞い込んでくるリスクが増えましたから、
立ち居振る舞いには要注意。
リボでないクレジットカード払い程度はいいとしても、
いつもニコニコ現金払いが一番ですよ(笑)






















2015年3月5日木曜日

接続詞の世界




トロツキスト
スターリニスト


・・・かようなレッテルを貼られるとその瞬間に政治的生命を失う。
実際に、トロツキーやスターリンの著作を信奉しているとか、その思想なりを実践していることとは
無関係である。
つまり、定義が曖昧な「ネガティブリスト」ってことです。

例示として適切かどうかは別にしても「テロリスト」って表現もそういう一面がある。
語源はフランス革命のジャコバン党による「恐怖政治」に由来するらしいが、
ちゃんとした「普遍的な用語の定義」がないことがその証明である。
一方で、所謂「テロリスト」の側から見れば、敵対する相手側の行為こそがテロ行為であるって
主張します。
 

御託はさておき、一応の「定義」を眺めるに・・・

 
--
政治上その他の主義主張に基づき、
国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で
人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう。
--

 
あの「特定秘密保護法」12条記載のテロリズムの定義です。


 
この法律上の定義を正確に解釈するのはいささか専門能力が必要であり、
まずもって「誤解しやすい表記あるいは用語」が使われている。
だから、よく間違える人がいるんですよね(笑)
そして、その間違いに気づかないまま恥を天下に晒す(・・が読み手もよくわかっていない)
日常会話表現とは全く違う世界が展開されているってことに無知なんですよ。
 


法律用語としての「又は・若しくは」の使い分けって「厳格」なのです。
サルでもわかるように説明・・・ってこれは難しい(笑)

単純に言えば「大きくくくるか、小さくくくるか」の違いである。
数式で言えば、中括弧{ }が「又は」であり、小括弧( )が「若しくは」である。


複雑に説明すれば・・・

選択的に並列される事柄がお互いに単層的かつ並列的な関係に立つ場合は「又は」

選択的接続が二層構造となっている場合
含まれる側の接続に「若しくは」を使用し、含む側の接続「又は」を使用する。

ほとんど意味不明のママの引用です(苦笑)
 


以上の知見を元に「テロリズム」を解釈すれば・・・

まず一定の「背景」が必要です。
単にむしゃくしゃしてのライフル乱射による大量殺人は、テロリズムとは言わない
その他の主義主張って・・・なんでもありですが、宗教上の理由とかも該当するのでしょう。


そして「目的」があります。
ここの部分の解釈がミソです(笑)

A若しくはB 又は C若しくはD という構造です。
テロリズムの目的は大きく言えば「ふたつ」あるってことです。

1)自分の主義主張を意に反してでも服從させること(相手は、国家あるいは個人)
2)社会不安あるいは恐怖心を醸成すること


その目的実現のための「二種類の活動」を行います。

1)殺傷すること
2)物を破壊すること

言ってみれば、殺人、傷害、器物破損(含む放火)・・・多くの刑法上の重犯罪が該当しますが、
単なる刑法犯として処罰されるかテロリストとして断罪されるかは、この定義の該当性如何と
いうことです。

接続詞の使い方を誤解して解釈なんかしちゃうと・・・・それって「冤罪」ですよね。






2015年3月4日水曜日

子供だましの戯言なる「ガリバーの大冒険」




三大子供向きの絵入り活劇小説といえば・・・


宝島
カリバー
 
・・・あとは忘れました(苦笑)
 
しかし、大人目線で見れば、結構含蓄が深く、真っ当な形で読み返す価値ありって思うのですが
そういう奇特な方は少ない。
 

ガリバー医師(最後は船長になります)の冒険譚ですが、
作者のスフィフトは、ある種の政治批判・社会風刺プロバガンダとして、
とりわけ荒唐無稽なスタイルで書き上げた。

残念ながら、英国の18世紀当時の情勢に詳しくない倭人には、
洒落が理解できないので面白みがわからない。
その政治批判性がどこまで効果があったのかは分かりませんが、
不朽の古典として歴史に残ったのは慶賀のいたりだし、当時の読者にとって
ニヤリって思う部分が多々あったのでしょう。
 

小人国
巨人国
空飛ぶラピュタ国
魔法使いのグラブダブドリッブ国
不死人間のラグナグ国
馬人間のフウイヌム国
 
 
実のところ、最初の二つくらいが有名で、あとはあまり話題にならない。
ラピュタは、ジブリアニメ・・・って思いたいが、単に「空飛ぶ島」ってモチーフを
借りてきただけである。
出色なのは・・・最後の二つ。
WEBをそのまま引用しますが・・・・

-- 
ラグナグ王国に着いたガリヴァーは「不死人間」の噂を聞く。
自分がストラルドブラグであったならいかに輝かしい人生を送れるであろうかと夢想する。
が、「不死ではあるが不老ではない」ため老衰から逃れることはできず、
80歳で法的に死者とされてしまい、
以後どこまでも老いさらばえたまま世間から厄介者扱いされている悲惨な境涯を知らさる・・・・
--

18世紀の英国よりも21世紀の倭国にふさわしいエピソード(苦笑)
最後のフウイヌム国は、高貴な馬人間とヒトザルに紛うような野蛮なヤフー人が登場する。
ヤフー人であるよりも馬人間でありたいと希求するカリバー医師は相当に絶望的。

酩酊性のある植物の根による中毒症状
絶え間なく争い、無益な輝く石を切に渇望
特に理由も無い同種族での闘争

というような「ヤフーの習性」って、これまた21世紀のヒトザル全般に似ている。


多分、山口雅也は、最後にインスパイヤーされて、オマージュとして上梓したのだ。


狩場最悪の航海記


狩場=カリバーってダジャレはさておき、
実は、原作でも、カリバーは、日本に立ち寄ったことになっています。
時代は綱吉の頃だと推定されます。
つまり「人間よりもお犬様が大事される時代」ってことで、
風刺として一番面白い時代という設定。
もっとも、お話の展開は、暇つぶしでも読もうってレベルじゃない(少なくとも琴線には触れない)








2015年3月3日火曜日

五節句





江戸時代にさかのぼりますが、重要な年中行事として定められた式日


人日(1月7日)
上巳(3月3日)
端午(5月5日)
七夕(7月7日)
重陽(9月9日)


伝統行事に加えて、食い物や酒がまとわりつくのも嬉しいものだ。
もうすぐに・・・いわゆる「桃の節句」とも雛祭りとも・・・

菱餅に白酒
いまや「白酒」といえば、中国の蒸留酒であるが、
古式豊かに・・・「甘酒」なんかではなく、やはり度数9%程度にすぎないが、練酒がいい。
甘酒なんぞは、ノン(超低)アルコール一夜酒で、まっとうな舌なら受け付けない。

酒の肴にふさわしいかどうかは色々あろうが、あしらいは「菱餅」
三色三段重ねの菱型餅。
三色の組み合わせは「ひなあられ」も同様である。
しかし、聞き及ぶに、箱根の向こうでは「砂糖味付けポン菓子」らしい。
これまた外道の喰い物だ(笑)



故事来歴と薀蓄にはことかかないが、つまらん記念日を祝日にするくらいならば
五節句こそ、国民の休日に相応しいが・・・


いずれの節句も季節の切れ目で禊祓であったり、邪気からヒトザルを守護するのです。
新暦だと、桃の開花は桜の前あたり、3月下旬ですが「桃始笑」と呼ぶ。
中国では、更に典雅で「桃始華」
銀座であたり構わず爆買するいまどきの中国人が同じ人種とは思えない(苦笑)



対抗上、一番美しい「桃の歌」


春の苑 くれなゐにほふ 桃の花 下照る径に いでたつ郎子(をとめ)




2015年3月2日月曜日

柳だって雪折れします。



傑作「アメリカンスパイナー」を鑑賞しながら考えた。
これは戦争映画ではなく、戦後映画である。
PTSDがここまで社会病理となる背景が深刻である。
古代や中世だって戦争PTSDはあったようにおもえるのですが、悲しいかな浅学菲才につき知り得ていない。
一般的には第一次大戦の塹壕戦の恐怖体験が発端らしい。
しかし、軍の主流的見方は「臆病症」。
まともに受け止められだしたのは、ベトナム戦争の時。
戦闘の恐怖体験もさることながら「戦う事の大義への疑問」が主因とされる。
もっとも、戦争体験者の一部の病理であり、個人の性格差にもよるのだろう。

 
しかしである。
主人公は、羊や狼でなく、番犬である事を志したテキサスマッチョ。
国家護持の志願兵。
ミッションは、狙撃兵。
PTSDには縁遠いはずなのですが・・・・・
 

ここで信じがたい「事実」を・・・
ドローン(無人機)のオペレーターにPTSDが激増だとか?!
そんな馬鹿なと言いたい。
長期に故郷と家族と離れた危険な異国に出向くことなくエアコンの効いた屋内で「爆撃」ができるのです。
在宅勤務だって不可能じゃない。
 


長閑な昼下がり
裏庭の洗濯物干しの向こうから、野球だろうか、近所の子供達の歓声
リビングからは、二人の子供の言い争う声
おもちゃの取り合いだろうか・・(笑)
妻は、キッチンでアップルパイでも焼いているのか、甘酸っぱい匂いがする。
屈強な夫は、厳重にプロテクトされたPCにログイン
中近東の基地にある無人爆撃機を出撃させる
ISISの蛮人どもを殲滅してやる!!

ミッションは成功
一息ついた頃に、妻の声・・・・「あなたってばあ。お茶にしませんかあ」


ノーマンロックウェルの絵の風景に似てますが
実はデヴィド・リンチ風なシュールな世界
やはり、日常的なようで非日常的な世界には、PTSDがはびこるのか?


不義な正義よりも正義な戦争の方がまし・・・って思ってますが、いささか信任が揺らぐなあ(苦笑)











2015年3月1日日曜日

「山猫」は・・・・眠れない


ゴルゴ13が、ワンマイル先のフットボールをぶち抜いたのは、相当に前の話である。
つまり、操縦席を乗っ取ったハイジャッカーの頭蓋をヒット。
この時、銃弾は、風向以外に気温や気圧の影響を結構受けるって覚えたものだ。

いまや、性能なり技術の進化は素晴らしく、いまや極大射程は2.5キロ先まで・・・
しかし、スナイパーは、測量手というアシスタントとペアでシューティングを行うらしい。
その意味で、その機能まで独りでこなす彼って・・・やっぱり凄い。


ステーブンハンターの「極大射程」は、狙撃手ものの白眉であるが、
実際のところは、ベトナム戦争の実在の狙撃手の実話をモチーフとしている。
映画化された際には・・・まあつまんない出来栄えでまさしく想定の範囲だった。

さて今回の「アメリカンスナイパー」
公開前の評論家の冷ややかな反応が嘘みたいに絶賛されています。
批判的言辞を弄せば、非国民と言われそうな雰囲気です。
実在のアメリカ軍の狙撃手の実話だし、舞台が中近東。
現下の政治情勢に鑑みれば、まさしく「時分の花」である。
モデルの悲劇的な生涯(退役後傷痍軍人支援活動に従事中に元海兵隊員に射殺)もあいまって・・・と言いたいが
イーストウッドはそれには触れない。
正確には、巧妙に示唆します。
野辺送り・・・・アメリカン風ですねえ。


ハリウッドは・・・

第二次世界大戦においては多くの「英雄」を描き
ベトナム戦争では「病めるアメリカン」をえぐり出し
イスラムとの戦争では一体何を主たるモチーフにしようとしているのでしょうか?


ハート・ロッカー
ゼロ・ダーク・サーティ
ジャーヘッド


日常性と非日常性のなかで苦悩・瓦解してゆくする一人のヒトザル
イデオロギーを病理的・批判的に描く時代じゃないのだ。