2016年12月31日土曜日

行く年 来る年




2016年の最後の一日

一年間のご愛顧とご厚情に感謝しつつ、思い起こせば・・・・


企業人から晴れて「天下の素浪人」へ、お蔭様で日々これ好日
寒村寓居で、晴雨を問わず耽読の日々(買い貯めた汗牛充棟の書籍と格闘中)
駄日記の連載は不倒記録更新中
フローの収入は無くなりましたので、若い世代の納付した保険料をありがたく頂戴できるはずだが・・・
制度の是非は別にして、世代間給付ですから自分が支払った分は老母への仕送りです。

さらに山間部の隠居所で、山岳仏教徒らしく修験者の道を歩む予定が・・・・
まあ、色々ありまして、半聖半俗の有様

時間は多少余裕ができましたので、棺桶リストをひとつずつ潰してゆきます。
ライブビューイングですがワーグナーを初見。合わせて大衆演劇(旅芝居)も見ました。



各位にも良き一年であり、来る年は更によいことがありますように  (敬白)



数ふれば わが身につもる としつきを 送り迎ふと なに急ぐらん (拾遺 兼盛)



2016年12月30日金曜日

取り戻したいか(が)・・・北方領土



変に期待感を高めた戦術の失敗です。
歴史常識に照らして合理的に考えれば分かることです。
国際法に照らして本来的固有の領土云々はたわごと。
かの戦争に負けて占領され、ロシア領に編入された。
戦争で取られたものを戦争以外で取り戻したい例は寡聞にして知らない。
なくは無いが例は少なく、相応の犠牲も払わされた。
沖縄がそれに近い。
申し訳ない言い方しますが、沖縄返還の裏側ってなんかあるのですよ。
それを忘れてか知らないのかはともかくも、なんかあるたびに色々言いたい放題言われてもねえ・・・・
糸(繊維)と引き換えに縄(沖縄)が帰ってきたって程度の話ではないはずです。

話しはそれだけ。
バブル時代に四兆円で買い取るって水面下の交渉があったかなかったか・・・それはともかく
仮に実現していれば、唯一のバブル遺産だったのに残念なことをしました。
あの島々にそんだけの価値があるかどうかは知りませんが、金銭解決って一番分かりやすく後腐れがない。


世の中信用できるって人は約束(信義)を守る人だけ。
司馬さんの受け売り・・・でなくと歴史の常識です。
明治の頃・・・・
英国と結ぶかロシアかって大論争があった。
日清戦争後の東アジア情勢を見つめての国家の存立をかけた選択
結論は「日英同盟」

日露戦争は非軍事的な英国の支援無くしては勝ちは危なかった。
そう言うほど紳士的でもジェントルマンでもないある種剥き出しの暴力国家ですが、
どう言うわけか、見た目倭国には優しかった。
ベルサイユ条約を契機とする日英同盟破棄が、国家の破綻を招いたって・・・教科書は教えないがそう信じて疑わない。


別に国際外交って八方美人的に「みんなと仲良くすること」でもないでしょう。
世の中には三種類しかしないのですよ。

敵、中立、味方

敵を味方にするなんて無駄な努力はしない
敵は運が良ければ中立にし
中立は味方に、最悪でも敵にしない
味方は・・・大事にしましょう。

そう思えば、外交ってそう高度なアートでもない。
しかし、この理屈が分かってもらえないから、高度な政治的策略がいるんですよね。
もう少し言えば、英国の某政治家の名言

国際外交には、敵も味方も存在しない。あるのは国益だけ

返還することが「国益」にかなうと思わせることができなかった以上、交渉にはならなかったということ





2016年12月29日木曜日

IR法とは言わず、カジノ解禁法

http://ueda8823khj.blogspot.jp/2014/06/blog-post_8.html


http://ueda8823khj.blogspot.jp/2015/02/blog-post_5.html


蝸牛は博打をしません(投資はします)
なにが違うのか定義は難しいが・・・簡単に言えば、勝てば投資、負ければ博打
別に投資で連戦連勝でもないですよ。
含み損となれば「凍死」させるだけ(笑)

といいつつも、駄日記では過去から結構力入れて博打話題を書いてます。
読み返してみても・・・・我ながら力作(リンク文書ご参照)
今時点は基本法しかありませんから、来年上程される具体的な実施法がどうなるか・・・・その参考になりますねえ。


単純に言えば、合目的な博打解禁を主張しています。
何事も「頭ごなしの禁止よりも節度あるコントロール」
禁止すれば錦糸町あたりの裏カジノで反社会勢力が潤うだけ。
これ治世の要諦です。
ということですから、いまのIR法には懐疑的です。
そもそも「統合型リゾート施設にカジノ設置」なんてマヤカシも良いところだ。
ラスベガスでIT関連のカンファレンスがよく開かれますが、参加者の多くは酒も博打もスルーです。
ホテルに会議場にカジノって、刺身に紹興酒をあしらうみたいだ。
余計なものに投資させずに賭場だけ「認可」すれば良いのですよ。
認可要件や賭場への出入り要件は厳しくさせてもらいますが、適当にザルの方が良い。
博打は適当な闇がないと、誰も出入りしない。
まあ、呼び込んでから、今後の真綿の締め方を考えれば良いのですよ。

外来の方には(外来でなくとも)和の文化に触れてもらおう。
博打の伝統と言えば、まずは後白河院ものめり込んだ双六(バックギャモンみたいなものです)
あとは、手本引き、花札・・・・チンチロリンはいささか下品だ。
ルーレットやバカラはやるなっていわないが、古典的な和の博打を復権させよう。
当然ドレスコードあり!ですよ。
和服文化の復権にもなる(お持ちでなければレンタルもあります。賭場は紳士淑女の社交場)
壺振りは、大滝銀子さんに決まりです。


問題は依存症対策
個人的にはリアリティのある深刻な問題かどうか、実のところよく分からない。
心の弱さなんでしょうが、真偽は知らないが結構な患者数だそうです
多くは、パチンコによる依存症だと思われますが、
要するに、貧民だから仕事も手に付かず家庭破壊になり問題なんで、
枕紙屋の御曹司がカジノで野垂れ死してもそれは自業自得
博打なんてカネのかかる遊びをカネのない庶民に解放するのが間違い。
あれって、富裕層の贅沢な社交的遊びなんですよ。
貧民にはその懐具合に見合ったギャンブル(ローリスクローリターン)を提供すれば良いのですよ。

電動になる前のパチンコ台って長閑でしたよ。
高田馬場駅前のパチンコ屋さんって、景品が豪華でしてねえ。
ちょっとした本屋さん並みに景品の書籍が並んでいました。
お陰様で唐木順三全集を揃えられたのは、かのパチンコ屋さんの賜物。
そう言えば、中央線沿線だと、晩御飯の材料一式が揃うお店もあったそうです。

窮民に一攫千金なんて「悪夢」を見せちゃダメでしよう。
場所によりますが「一円パチンコ台」あります。
通常の玉貸し料の四分の一。同じ値段で四倍遊べます。

提案としては、最大の元凶であるホールに依存症対策特別税を課しましょう。
必要な対策費用を総台数で割り算して、税額を決める。
患者が増えれば増税。対策が功を奏すれば減税・・・なかなか合理的(笑)




2016年12月28日水曜日

ABCってなんだ?


まずもって・・・・

白痴番組(・・といえば言葉がすぎるが)を提供する放送局
ブラックな靴屋
潰れた本屋さん

ろくでもないことしか思いつかないが、日本雑誌協会の「印刷証明付発行部数」もABCです。
なんと、「オーディット」っていうから大仰なものです。
雑誌に掲載するCMの単価算定基準は発行部数らしいので、それなりの公式な数字が必要らしい。

しかし、雑誌と書籍(狭義の意味で)の違いとは実のところよくわからない。
書籍のある分野が雑誌で「複数の著者が執筆する定期的な刊行物」だとか・・・
何事にも境界線があり、ギリギリのところではあいまいである。

なんにしてもこの一般社団法人が四半期単位で一号あたりの平均印刷部数を公表していますが、
実に面白い。
対象は「雑誌協会加盟誌」だけです。

http://www.j-magazine.or.jp/magadata/?module=list&action=list

しかし、書籍はもとより雑誌も「委託販売」らしいので、印刷部数=実販売部数ではないはず
新聞紙のように「押し紙」問題は聞いていないが、実際のところはある程度の返品があるのだろう・・・


やはり雑誌の王様は「総合月刊誌」である(・・・べきという程度)
しかし

世界(岩波)
展望(ちくま)・・・・・いまは廃刊らしい
中央公論・・・・最古の歴史というだけで読売の傘下にはいったもんで親米愛国保守路線雑誌となった。

は、加盟誌でないのかあまりに悲惨な部数なので非公開なのか知らないが、思うに見る影もない
あの「世界」なんか、図書館でしかみたことがない(図書館しか買わないというウワサも・・・)
名門書店もいまや銀行管理とまで言われている。
フローはボロボロでもストックの価値は物凄いから潰れてもなんとかなるだろうが、アカデミズムの衰退ですねえ。
ということで・・・「文芸春秋」程度が載っているだけ。
なんとかという毎度ぼろくそに批判するなんとか文学賞の掲載時だけ売れるような有様で、オピニオン誌としての価値は・・・疑問。
ネットのオピニオンサイトよりははるかにましだが、なにぶんインパクトを感じさせる記事に最近は出会わない
昔は定期購読してたんですがねえ・・・・

ということでいまやセンターは総合週刊誌
月刊誌がだめでも週刊誌で頑張る文芸春秋社。
二番手以降は、現代、新潮、ポストの団子レース。
どれとっても、時事スキャンダルがウリ。
医学記事をウリにしている週刊誌もありますが、
真偽は・・・・DeNAのキューレーションサイトと似たり寄ったりかも(・・・ってなんとも言えない)
一応医学博士某曰く・・・ってことになってますが、鬼面人を驚かすような医学知識を振りかざせば売れるってことがねえ・・・
まあ、電車の中の吊り広告で読んだ気になる(笑)

ビジネス誌だと・・・・日経ビジネスとプレシデント。
多少高額な情報誌を複数定期購読してますから、内容評価するに至らない。

その他雑多な女性向け週刊誌は・・・・・そもそも読んでる女性ってみたことないんだけど(?)


まあ、本当によい雑誌って、かような統計数字には表れないものらしい。
知らなかったが「暮らしの手帳」ってまだあるらしい。
朝ドラのおかげらしいが、部数激増のおまけがついて(やっぱり質が再評価されたんですよ)相当な部数らしい
広告を掲載しないモンで、発行部数の認証を必要としないのが王道かもしれません。


話し戻しますが、雑誌と書籍の違いは「広告の有無」だ。
そのうちに「広告付の書籍」が絶対に登場するかも・・・・(笑)





















2016年12月27日火曜日

釣り落した魚は大きかったか?


これだけ公開本数が増えますと「話題作」ですら見落とすことが多い。
いわんや、映画祭だとかひっそりと公開される佳作ともなれば・・・・
なもんで、それなりにプロモーションコストをかけたにもかかわらず、蝸牛が足を運ばないのにはそれだけの理由があるのだが、、、

作品一覧(シネマトゥデイのインデックスより)からあれこれと話題作を探すに・・・

ブリッジ・オブ・スパイ : トムハンクスって真面目で芝居がくさいのですよ。
パディントン : アニマルものは嫌いなんです
ザ・ウォーク : これは単純。「高所恐怖症」なんです(予告編も眼をふさいでいました)
ニューヨーク(眺めのいい部屋売ります) : フリーマンとキートンの初共演作ですから見ておいてもよかったかな
不屈の男(アンブロークン) : 捏造反日映画だと思いますし・・・別に公開妨害をしようとは思わないが・・
ホールインマネー(大富豪トランプの危ない遊び) : 再公開しないかねえ(笑)
偉大なるマルグリット : そのうち「マダムフローセンス」と二本立てで場末にくるだろうが・・・(あの歌声をもう一度聴こうとは・・・)
オマールの壁 : 最近は話題にならないが、イスラエル問題が来年の紛争の核になる!(見るべきだったかも)
フィフスウェイブ : プライムでならみてもいいかな
追憶の森 : なんか辛気臭そうでねえ
マックウィーン(その男とルマン) : パピヨンのリバイバルは見ましたが・・・
サウスポー : 定番の感動ボクシング映画ですが、どうも感動の押し付け売りみたいでねえ
ラザロエフェクト : 死者の蘇りってお好み・・・プライムを待っています
エクスマキナ : 同上
フラワーショー : 場末の二番館で待ってますよ!
ボヴァリー夫人 : 記憶にない(見たような気もするが)
ライオットクラブ : グラマースクールの美少年映画って、何をさておいても・・・のはずが(泣)
奇跡の教室 : 二番館でかかってましたが優先順位がねえ
栄光のランナー : ベルリン五輪でのジェシーオーエンスって大体予想がつきますから
ストリートオーケストラ : 好きな素材ですから、近々二番館でかかるはずだ
ニンジャタートルズ : 好みじゃない
チリの闘い : まだ映画後進圏にはこない(泣)
ジェーン : 「シェーン」のデジタル版上映と勘違いして足を運んだが・・・
PK : インド映画は敬して遠ざける(笑)
マイベストフレンド : タイトルからしてやな感じ
ブルゴーニュで会いましょう : ワインは見るよりも飲むほうがいいに決まっている
ブレアウィッチ : もういいわ!

これ以降はこれから公開ですから、略。





棺桶リストにのせておくようなものは少なかったが、一応「二本」かあ。
で、ご期待の向きは「見た映画の中でカネ返せ!映画ランキング」はどれ?」ってことになるんでしょうが、
どんな愚作でも、作り手はそれなりに全身全霊を傾けているはずですから、鑑賞家ごときがあれこれいうもんじゃない。
小ばかにしたように批評する連中には 言い返せばいいのですよ


じゃあ、お前が作って(演じて)みろよ




2016年12月26日月曜日

勝負師の青春






切符売り場の前で、思案すること数分・・・ヤッパリやめて「築地」の映画にしよう。


格闘技映画は、アクションをウリにする大衆娯楽の王たる映画の得意技。
しかし、同じ格闘技でも「知的格闘技」となると、まだまだ映画の表現力では手に負えない。
元来「囲碁将棋さらにチェス」は格闘技である。
体を使うだけが格闘技ではないと、当り前のことを散々に言っているが、まだわからないのかねえ。
だから、アスリート=体力バカ だと思われている。
知的でないやつは所詮何やってもダメなのよ・・・


聖の青春


ちょっと話題の映画。
実在の棋士ですが、不治の病に侵されながらも命を削るようにしながら名人に挑戦・・そして夭折
映画の上での名人は羽生さんです(身長はともかくも雰囲気をよく似せて東出昌大が演じていますのでこの部分は見る価値ありげ)
主人公は、松山ケンイチ(体重を大幅に増やしての熱演・・・だそうな)
大河ドラマで味噌をつけたが、あれは演出家なり脚本家の失態。
伊勢平氏って野卑じゃなく、都平氏に近い存在なのですが、関東源氏みたいに薄汚く描いてしまった。
なかんずく、清盛は忠盛の嫡男ということになっていますが、後白河院の寵姫である祇園女御の子供(つまり実の父はミカド)
今回相応に汚名挽回できたのであれば重畳なのですが・・・ってことで最初のデーゼにかえる。


将棋映画の定番は「王将」
知る限り四回くらい映画化され・・・どれもこれも変人奇人の成長(出世)譚と思えば
名だたる男優が演じているのですから一応鑑賞に堪えますが、将棋の本質に肉薄するものではない。
この映画も、別に将棋でなくともいいのですよ。
余命いくばくもない少年(青年)が家族や周りの理解と支えで目標に一歩一歩進んでいくっていう・・・
まあ、倭人が作ると湿度100%にしかならない代物・・・としか思えないもんで、こういうの一番苦手なんです(笑)

稀代の天才集団を描いたものって、たいしていろいろあるわけじゃない。
中平邦彦さんの「棋士・その世界」くらいなもんか・・・講談社文庫にもあるみたい


チェス映画だと、ボビーフィッシャーの世紀の一戦を描いた「完全なるチェックメイト」
これも、天才=変人奇人というステロタイプ刷り込み版。あまり感心しない。


やはり格闘技映画は、かような知的ではなく肉体的に限る。
となれば・・・やっぱりボクシング
多くのスポーツでもフィジカルコンタクトがあれば映像になりやすい。
アメリカンフットボールがそうなんですが、防具をつけてますので一歩後退
その辺ボクシングは生身の戦い(ハズレになりにくく、どれをとってもどこかにとりえがある・・)


ということで「ロッキー」なんかじゃなくて、最高は「レイジングブル」
ミリオンダラーベイビーも捨てがたいが、これはテイストが少し違う。





2016年12月25日日曜日

スピンオフ映画のセオリー・・・ローグワン




実のところ「SW」とは、ダースベイダー卿物語である。
ファンはよく知っていますから、彼が最大最強のコンテンツなのである(だからフィギアの売行も多分一番)
エピソード(以下E)1から3は、ダースベイダー卿青春編
E4から6は、ダースベイダー卿(親子)葛藤編って感じになる
E7以降は全貌が見えないので今時点コメントなしですが、ダースベイダー卿相伝編みたいですなあ。


従って、スピンオフ版ともなれば、

主人公は全くの別人あるいは本編の脇役である。
本編の大きなモチーフや流れから大きくかけ離れてはいけない。
本編の主人公はそれとなく登場しなければならない。

というセオリーに沿って作られるのが通例で、ローグワンもその点は忠実です。
有り体に言えば、E4の前日譚
それも、極めて近時点。
まさかE4の細部の知識がないまま映画館に足を運ぶ・・・ような無謀な観客は居ないだろうが
そういう素人にはオススメできない作りになっている。
知っていると、シタリって気になるんだよねえ😇
レイア姫が登場しますし、オビワンの存在が仄めかされます。
なんちゃって、私の出番だと言わんばかりに・・・シリーズの最高ヒーローが登場です。
E4を見てますと、全体の流れよりも彼のステイタスは低く描かれてますが、このさい細部の矛盾には目をつむる。


思えば、スピンオフ作品なもので、無惨な展開です。
反乱軍からの支援も得られず、ただ大義のためだけに生還期し難い無謀な作戦に参加するローグワンのメンバー
予想外に全員が玉砕。キャラクターの再利用が出来ません
デススターに惑星ごと粉砕されるわけですから、まさか命からがら・・・はないわなあ。


いったい誰が言ったんだ?!
ヒロインのジンアーソ(フェリシアジョーンズ)がのちにルークスカイウォーカーとの間にレイ(デイジーリドリー)を
身篭ったなんて・・・
蝸牛プロフィールメイトの一員だったのに、残念なことに散華したのですよ(号泣)

不確実な情報によれば、フェリシアは、更に出演するオプション契約にサインをしているらしい
ということは・・・幼年期からアウトローに成長までの空白の期間が映像化される可能性もある。
全ては興行収入しだいか?・・・・ならすでに当確!ですよ








2016年12月24日土曜日

時代は、happy winter !





素直に・・・というか無意識に「ハッピークリスマス!」と言っている時代はシンプルだった。
理屈っぽく言えば、
クリスマス=キリスト+マス(礼拝)という意味らしいから、非クリスチャンにとっては宗教的侵害である。
キリストを信じる西洋人だけがセンターに座る時代が終わり、多極化時代だと思えば、普遍的な振る舞いが要求されても
致し方ない・・・と思うかどうか

今や、ハッピーホリデー! と言わねばならないらしい。
アメリカンでは、十二月は、ユダヤにとってはハヌカのお祭り、アフリカンはクワンダの祭典。
どんなものかよく知りませんし、どの程度普及しているかも知らない。
少なくとも、映画に登場したという記憶は皆無。

さらに言えば、イスラム系やアジア系はどうする・・・・ホリデーですらない。
知恵者は何処にでもいるようでして

ハッピーウインター!

ワクワクウキウキする時期だと、なんでもこの言い方が流用できますねえ😇
超意訳を試みれば.......ええお日柄どすなあ(笑)

相手の立場を慮るってスタンスからすれば、
相手の立場に立っての挨拶の仕方が美しい所作であるっていうのが倭の精神。
宗教に鈍感だとか理解が足らんとか言われる筋合いがない。
この点に関しては、新渡戸稲造先生が悩み抜き「武士道」なる名著でその精神性の高さを実証してくれていますので
安心すればいい。
もっとも、読んだことはおろか知りもしない・・・と言われればそれは論外。
しかし、生き馬の目を抜くような国際社会では通用しない寛容の精神です。
しかし、宗教の不寛容性が前に出る時代は、歴史的もあまりよろしくない時代と言えます。
そう思えば、来年も不幸な時代が続くのですよ。





2016年12月23日金曜日

世紀の「贋作」?!・・・・曜変天目







一部の好事家が大騒ぎをする新たな「曜変」天目茶碗の発見!
その道半世紀の骨董鑑定家が太鼓判を押し、その額たるや二千五百万円也。

その金額で曜変天目が手に入るなら、手持ちの書画骨董を処分して即金で買う、、、が(笑)
まあなんともいかがわしい匂いがする。
現物見てませんし、それなりの鑑定家の判断ですから、
頭ごなしに偽物とまではいいませんが.........
世界で4番目の曜変天目が、たったその値段?


まずこの所有者って古美術愛好のセンスゼロだわ。
美術品の価値には出自伝来の筋の良さも問われる。
成金まがいがもってましたじゃ、品のいいコレクターは眉をひそめる。
曜変天目が茶碗の世界で如何なるものかも知らなかったのか?
ちゃんとした場で専門のキューレーターに鑑定をねがうものであり
バラエティ番組の鑑定じゃなあ。
仮に本物でも品下がる。


万人が認める曜変天目は、世界に三碗しかない。
全て倭国の国宝。
天目にもそれ以外に、油滴、灰かぶりなんとかかんとか分類は様々。
最高級ランクが曜変天目ですから、数もしれておりちゃんと当時からリストがありまして
伝来も明らかであり、あるいはある時点で行方知れず。
三好長慶由来らしいが、子孫がその価値も知らずに物置にほりこんでいた・・・・
何ともねえ・・・現物鑑定が一番とは言え、史料上の裏付けがあるのでしょうか?

贋作かと言われると、実のところ、曜変天目は現時点で再現は出来ていないと言われます。
微妙な火加減とか釉薬の配合とかたまたまの神の気まぐれで出来上がるもの。

最後に、写真を見る限りですが、なんとも貧相です。
曜変天目のなかでも最高と言われる稲葉天目に比べるのは気の毒ですが、ほかの二碗にも見劣りするように見えます。
曜変天目という以上は、碗のなかに銀漢が燦ざめくような風景が広がり、光の加減で幾重にも変化する様がありませんと・・・

なんにしましても、美術史上の大発見の可能性も有りますから、ちゃんとした鑑定検証をしてほしいものです。
曜変天目でなくとも、本物の建窯の天目であれば重要美術品程度の値打ちはあるはずです


最後に、TVでお宝持ってる事が分かるって、税務署が舌舐めずりする事と思わなかったのかしら?
守秘義務契約を交わした上で、鑑定を密かに依頼し、本物であれば、個人蔵という形で美術館の目玉として貸し出す。
貸出料は、振込先が美術館としれない様に銀行振込をさせるって常識じゃんか(笑)

2016年12月22日木曜日

芸能にもとめるもの(2)




いやはや、実に面白い!
能の前身である猿楽や河原の小屋掛け歌舞伎はきっとこんな感じだったんですよ。
お高くとまって芸の活力が痩せ細る前の芸能の原型を見た思い。

どの世界にも、常連の通人がいるみたいで幕間には、下衆な世間話のかたわら
業界のうわさ話に興じている。
出し物は毎回かわるようで、一定のローテーションなんでしょう。
明日は「それからの大石蔵之助」で、次は「梅川忠兵衛」だとか
どうも毎日通ってるみたい・・・・
おひねりが飛びかったり、お札のレイをかけたりするかと.........ありましたよ!
胸元に万札数枚(?)を紙ばさみで止めるって趣向。



まずは、けったいな演歌もどきをバックに日舞のメドレー
最後は殺陣つきの非牡丹博徒風で締める。
稚拙なんですが、なかなかみせますなあ(どうも公演時間枠消化なり小手調べみたいな・・)
さあつぎは新派風の人情喜劇。


年季あけで田舎に帰ってきた女
飛田の女郎あがりを村にいれるな!と騒ぐ村民
そんななかでの村八分を恐れる家族の葛藤

予定調和的にハッピーエンド。
テンプレート通りですが、ヤマ場ではやんやの喝采。
この世界では古典劇(お千代物語・・・だとか)らしいが、蝸牛が戯曲に期待するエレメントは何もないが、なんとも目頭が・・・


最後は座員総動員の歌謡演舞ショー
これがまあ、なんとも・・・(笑)
聞いたような聞いたことがないような音楽の爆音祭
ダンスは、日舞とも洋舞ともモダンダンスとも・・・一体なんだね?
さらにエキセントリックな照明
アイドルグループのドームコンサートってこんな感じかな
でも、観たことないが、なんだか既視感を覚えるのですよ。



これって、あの懐かしい時代の天満ミュージックか九条OSだよなあ!
日劇ミュージックホールほども上品じゃないが、道頓堀劇場(渋谷)や西船橋OS劇場みたいに下品下劣ではない。
ちゃんとした舞台芸能で・・・違いは踊り手が脱ぐかどうかだけ😇

思うに「天宇受売命」なる神様は神の岩戸の前で踊り、ストリッパーの元祖などと言われるが、それは正確を得ていない。
芸事の元祖神だと理解する方がいい。
芸能の神をウリにする社寺仏閣は数多ですが、文献的にはそう考えるの一番だ。
進化発展の過程で高級芸術にもなれば大衆芸能にもなり、堕ちれば温泉街の花電車
なんか勉強し、知見が増えたみたいですよ。



なんだかんだと三時間
また来ようとまでは思わないが、棺桶リストの一つが消えました。





2016年12月21日水曜日

芸能にもとめるもの





蝸牛は毎度言いますが、極私的プロ映画鑑賞家ですから、期待値とか評価基準が
そんじょそこらとは一線を画します。

耽美
倒錯
頽廃

しかし、そもそも的には大衆娯楽。
長時間の過酷な労働に疲れはて、ろくに英語も喋れない貧しい移民が一時の享楽と慰安も求めるものが「映画」
五セントを握りしめ、ニッケルオデオンに足を運んだのです。
だっから、馬鹿馬鹿しいアトラクションシネマにも一定のリスペクトを・・・


とまあ同様に舞台芸術だって、加えて「似非素人能楽師」の端くれですので、能狂言を至高のものとし畏敬の念をもつものの
大衆娯楽でしかない歌舞伎も面白いと思うし、人形浄瑠璃も・・・・まあねえ
とかなんとか、たいていのものは見たつもりだが、これだけは機会がなく、木戸をくぐったことがなかった。
いつでも観れるから・・・って言ってるうちに三瀬川を渡ることにもなりかねないから、思ったったらそそくさと・・・




新開地劇場




戦後間なしに出来た伝統ある演舞場
今は大衆演劇専門館ですが、過去は、映画スターや流行歌手(古いねえ、この言い方)のショーで
活況を呈した。
当時のことですし、場所柄公演を仕切った方はだいたい想像がつきますなあ😇

別に今だって、閑古鳥ってわけじゃなく、開演2時間前からオバちゃんたちが寒空に行列です。
そこんところの最後尾に並ぶなんて、チョット度胸ですよ。
公演はマチネーありの二部制。
料金は・・・・旅芝居ですからこんなもんですなあ
シニア料金はなくて「老人料金」・・・・ってところがなんともねえ(映画館ほども割引ません)
興行の世界では、シニア=老人という定義でもないわ。


本日の出演する一座は、澤村何某の陽炎座とかなんとか
土地勘ありませんから、なんとも

入りは......こんなものですか?
客席の数は能楽堂程度だと思われます。
蝸牛のおさらい会でもこの程度ご足労頂いていますが、
一ヶ月のランですから、まあまあかな。
想定通り、圧倒的にオバちゃんたち。ソコソコ若気な女性やおっさんも。




開演五分前.........いかなることに相成るや?(続く)

2016年12月20日火曜日

太陽が眩しくて


今日ママンが死んだ・・・・の書き出しで始まる不条理文学の名作
舞台はアルジェリア
そもそも不条理とはなんじゃいな?
理性も論理はもとよりマナー、エチケットすら通用しない現世で、今更そう言われましても・・・だから、忘れ去られたピエノワールな作家。
ワインの種類じゃありません(笑)
黒の(長靴をはいた)白人のこと。つまり、移民フランス人。

50年代は民族自決、植民地時代からの脱却の世。
歴史の大きな流れですが、敢えてここだけはって抵抗したのがアルジェリア。
フランス国の海外県であって、いわゆる植民地とは一線を画す。
地中海を内海とするための大事な領土だし、多くのフランス人の移民もいた。
彼らの権益なり政治勢力は無視は出来ない・・・

独立をやむなしとする歴史の流れ
過激に独立運動を進めるアラブ系アルジェリア人
あくまで独立反対のピエノワール

三つ巴の血で血を洗うような争いは第四共和体制を瓦解させ、
ドゴールの登場によりやっと終焉を見たが、その惨禍は筆舌に尽くしがたいと言われる。
美しい悲劇にすれば「シェルブールの雨傘」的だが、
この程度は悲劇とは言わない。
度重なるド・ゴール暗殺劇の背景はこの事件にある。





今思えば、フランス国民ですらアルジェリア問題の総括はまだできていないようです。
だから、中近東との葛藤はまだまだつづくのは蓋し必然。
無垢無辜無名の民衆の無言のテロルの映像化は、ポンテコルヴォなるイタリア人監督の手により完成した。
彼は良質な共産主義者と思われます。後年スターリニズムに幻滅し脱党しましたから。
他方、フランスの映画人は逃げた、、あるいは避けたのです。
不確かなまま書きますが、フランスでは「上映禁止」のはず。
不当な弾圧行為に、objection! を表明したのは、フランソワトリフォーだけだった、、らしい。


その幻の映画のリバイバルとは信じられない邂逅。
ロードショーは京都三条河原町あたりのいまはもうない封切館で叔母とみた。
いたいけない甥を連れて観にいくような代物じゃないが、
彼女は夭折でしたのでその理由を探るべくもない。
多分だが、自分がなんとしても観たかったのですよ。
密かに「サイレントローザルクセンブルク」を自負していたのかなあ





場末のカルト的映画上映専門館はまばらな人影。

母国で鑑賞出来ないので自国の黒歴史を再認識しようとするフランス人
アラブあるいはイスラムの勝利を希求する中近東人
革命あるいは過激市民運動の成功を期待する活動家 ・・・・なんかで満席(・・なわけがない)

十数名のマニア的鑑賞家だけです。
まあ、ここまで思想的に偏ると・・・よくぞベネチアでグランプリをとり、オスカーにノミネートもされた事だ。
キネ旬の年間ベストは圧倒的な第一位
そういう時代だったのですよ。


しかし、カスバに巣食う老練な革命家は言います(ちょっと意訳ですが、セリフのまま)

闘いを始めるのは難しくはない
闘いを継続するには難しい
闘いに勝利するのはより難しい
勝利した後の守成の労苦はさらに難しい

けだし、その通りだ。

少数のテロリスト集団は圧倒的な治安部隊の前に言葉通り殲滅され、
アルジェには平穏が戻った。
三年後、眩しい太陽の頃、偶発的な民衆蜂起がはじまり.........
アルジェリアの独立はその二年後のこと。






2016年12月19日月曜日

晴れやかな場へのご招待(3)



あれれ!?と言う感じでいささか予想が外れました。
この手のパーティーは「立食」だとおもいましたが、テーブル会食。
考えれば、後期高齢者や末期高齢者ばかりが出席なんだから・・・
この場でも蝸牛は若輩者かあ(笑)
何かと試練です。

ミーハーよろしく有名人の写メまくりという雰囲気じゃない。
お弟子の九割は老女。
先生は男性という世界ですが、参加者の多くは中高年男性。
こんなたくさんの男性の能楽愛好家がいるのであれば、行く末まあ安泰なんですが・・・
おめでたい席を寿ぎ「四海波静か」を全員の連吟で・・・まあ意地悪な趣向というもの(笑)
能の高砂の一節ですが、有名なのは「高砂や この浦舟に浦をあげて・・・」
庶民の結婚式の定番ですが、品位がない。落語ネタ。

平服指定ということですが、真に受ける向きもあれば、そうでない方も
三つ紋お召の方もおいでになりますが、その辺のビジネススーツまで
せめては、ダークスーツに礼式用ネクタイ(結婚式の白タイはむしろ無様)くらいはなあ。
受付の先生方は、仙台平五つ紋なんだから(聞き及ぶに、発起人代表さまの発案だそうです)

さて、次第ですが、大槻文蔵ご夫婦来場のあと

一門能楽師による能「石橋」(わかりやすく言えば鏡獅子(あるいは連獅子)の原型。特殊なお囃子だし、勇壮な舞。凄いです。)
祝辞(宗家)・・・流派で一番偉い方
祝辞(梅若玄祥)・・・知る限り最大最強の出世魚。改名回数が半端じゃないのよ(笑)はともかく名門梅若一門の総帥です。
乾杯(某政権政党の幹部議員)
京舞(井上八千代一門)・・・特別な祝舞だそうです。当然に黒留。バックのオケラ・コーラスは祇園の綺麗どころ!舞台の反対側でしたから写メも会話もなし(泣)
鏡割(春鹿、磯自慢、梅乃宿、白鷹、寿楽長)・・・これって来賓の顏たてるのにとても便利なんだから
祝電披露(ご芳名は略)
祝辞(同上)・・・どっかの名誉教授らしいが、誰も聞いてないんだから早く切り上げて欲しかったなあ。
目録贈呈(観世清和)
花束贈呈(片山清司)・・・京都観世の重鎮の家柄
文蔵師ご挨拶


おかげさまで盛会でした。
大阪のリーガロイヤルホテルでざっと数百人の参加者だったようです。
大槻一門も、次期の当主も決まりまして、これがまたまだ高校生(あれ?大学生になったかな)なんですが、
世阿弥の再来かと言われるくらいの天才
先ほどの石橋(これって品位の高い難曲だそうです)のシテをされてます。
世俗を離れても、蝸牛もたまには舞台に出るかなあ・・・



どうでもいいのですが、呑んだお酒

シャンパン
白ワイン
百年の孤独
春鹿
磯自慢
赤ワイン

飲み足りませんねえ。BARで飲みなおしでも・・・・



2016年12月18日日曜日

アンチ人口ボーナス





人口ボーナスに支えられた無為無策なビジネスモデルは衰退するのは当然と思わざるを得ない。
それを「当然」と思わないと、移民でも何でもいいからヒトザルをかき集めて経済成長を・・・って発想になるんでしょうなあ。
少ないパイを喰いあう弱肉強食の世界には違いないが、ビジネスって本来そういうモンです。
上げ相場だとなに買っても儲かりますが、そんなときのほうが珍しいのですよ。


高校の同窓会の案内が来ました。
地元土着民の成れの果てばかりで、もはや話が合わないし、合う話は昔話。
もっと言えば、

健康(ありていに言えば持病)の話
子供や配偶者の悪口(・・といって悪ければ愚痴)
孫の自慢話

どう考えても非生産的である。
お互い前期高齢者ともなれば、未来志向になりにくいのも致し方ないが、それでは人生がつまらない。
いずれの会話には参加したくないので、出欠は思案中


そういう非生産的なグータラ族が増加し、次世代人口は少なくなる。
ここからは悲観的な未来社会しか見えてこないが、楽観的に考えればいろんな稼ぎのネタもあるもんです。
総額としてのエンジェル費用は減少しているが、原単位は逆に増えています。
お子様イベントもここまでやるのかって・・・・あきれ果ててみている今日この頃



十歳で神童と言われた(・・つまり今となってはただの人ってことですが)豚児ですが、一応主婦と母親やってます。
なんとも、次から次へとお子様イベントの連絡が来る。

お宮参り
お食い初め
ハーフ・バースディ
キッズパーティ(満一歳のお誕生日)
七五三

昔は子供や孫の数が多かったから、あれこれやっていると、毎日が子供イベントになる。
逆に言えば、少子化になった分だけ、数が増えたって計算になる。
出産だって、自宅で産婆さんを呼んで・・・って、もはやありえない風景。
逆に、フレンチの出る高級産婦人科医院が活況を呈しています(・・・まあ出産は病気じゃないからなに食ってもいいんですがね)
聞いた話ですが、イベントのたびに「ホテルや結婚式場で披露宴並みの大仰さでやる」地域があるらしい(・・・どうも名古屋ではないみたいだ)


そしてイベントのたびに登場するのが、専門写真館
スタジオ何とかって上場企業ですし、業績も隆々としています
一度足を運べば、イベントのたびに永遠に生き血を吸うようなビジネスモデル
もっとも生き血を吸われるのは、ジジババと相場が決まっている。
上手いように意図せざる所得移転が行われている(苦笑)


この調子で、一人二人ならいいのですが、ネコやネズミのように子供が生まれれば・・・・
まあ、うれしいのでしょうねえ。


2016年12月17日土曜日

may the FORCE be with us !



初日初回のSWストーリー(ローグワン)を見てきました(ミーハーですねえ・・・苦笑)
大衆娯楽の権化のようなコンテンツに関しては、極私的プロ映画鑑賞家ですからコメントはしません。

77年のエピソード4の公開以来、あたると幸いすべからくをなぎ倒す進撃の巨大コンテンツ
一体、ルーカスはいくら稼いだのだ?
推計ですが売り上げベースだと「300億ドル以上」だそうです。
実際のところ「興行収入」はしれています(二割もいかないらしい)
一番は「玩具」で全体の半分くらい(・・・あんなもの欲しがるかねえ?)
その他、ビデオゲーム、DVD・・・・
利益は・・・・よくわかりませんが、一番原価の高そうな映画製作の直接原価の10倍程度の興行収入ですから
まあ想像がつきます。

スーパーマンのようなアメコミキャラやキングコングが束になってもかなわない規模
多くのキャラクターが登場するからラインナップが有利って事もありますが、ダントツは・・・あの「悪の権化」らしい(未公表データですが・・)
次々と新キャラを登場させていますが、ちょっと一本かぶりになるのは懸念材料ですなあ。
ダースベーダーの子供、孫って手法だけだとねえ・・・・
実のところ、彼こそが主人公の映画です


そういう今後の先高感に「不安」があったのか(もうすぐ後期高齢者の仲間入りですからか)、ルーカスはディズニーに40億ドルで売り飛ばしてしまった。
投資としての成否はこれからですが、ピクサーアニメを70億ドル、マーベルを40億ドル・・・
これを思えば、安い買い物かもしれませんが、売却条件の詳細がわからないのでなんとも・・・
SWだけのテーマパークって、作ろうとすればつくれるような契約になっているんでしょうねえ
2015年の「エピソード7」は、興行収入だけでも20億ドル!!
とりあえずは上手くいっているようです。


さて「ローグワン」はどうなりますか?










2016年12月16日金曜日

不思議の国の仲卸


至高のグルメ映画とは・・・何度も書いてますからパス。
カフェアングレのエピソードです。
まあ、お料理の登場する映画って安直ですから、得します(笑)




これも何度も書いてますから、ええ加減食傷気味ですが、お料理の三要素

素材の吟味
料理の技
盛り付けの巧み

・・・で、かかるが故に、焼肉とテイクアウトのハンバーガーは料理ではない!ってオチになる。


今日は、どのエレメントが一番かって話題です。
殊更に言挙げすることもない。素材の吟味に決まってます(キッパリ!)

さほどでもない素材を調理のテクニックでこねまわす京味もありますが、やはり苦し紛れ。
京の某権力者に仕える包丁人が、僥倖ともいうべき素材が手に入れ狂喜乱舞って・・・なんで読んだエピソードかな?


全体の四分の三までは素晴らしい出来栄え。
最高のグルメ映画の称号を与えてもいい。
築地の仲卸連が主人公です。

実のところ、魚市場の仕組みってよく知りませんでしたが、こういうことなのか。
気の利いた小料理屋で「大将!これって美味いねえ」と言うだけの立場です
しかし、料理屋さんがお客が喜ぶ料理を出すために仕入れる素材は仲卸の吟味の手になる
高いからそのお店にいいわけじゃない。
そのお店の客の嗜好に合致するいいものを世界中から集まる(集める)素材から「選ぶ」という前さばきの機能が
築地の本来機能だとか。・・・奥が深いですねえ。
たしかに、割烹に寿司ネタを斡旋しても意味がない。

名だたる名店の板前(次郎、石川、小十、さいとう・・・・)の調理の技も登場します。
所作の美しさには圧倒されますが、
それも素材あってのこと・・・って板前本人たちが異口同音に言うのですよ。


しかし、倭国の魚文化は家庭の台所で尾頭付きを三枚におろす主婦の基本機能あってのこと。
切り身の魚しか知らないガキどもに尾頭付きを食わせる給食活動があるらしい。
健気な努力に目頭が熱くなりますが、早晩「モンペ」が骨が喉に刺さって危ないとかなんとか・・・

仲卸も世代交代で閉店も相次ぐとか
日本橋から移転して80年。
次は豊洲だ・・・・と言わんばかりの映像構成には objection!


そういう制作意図のドキュメント映画じゃないだろうに・・・
まるで最後は「食育映画」となってしまった。
仲卸の掘り下げが足りない。
TSUKIJIに惚れ込んでいるようで一番乾いているのは制作陣だと断じざるを得ないのは慙愧に耐えないねえ。



2016年12月15日木曜日

浦島太郎のお嫁さん



リップヴァンウインクル・・・・

小麦系のバーボン
メンズのちょい高級系ブランド
少しは知られたといっても知名度の低いアメリカン短編
英単語的には、時代遅れあるいは流れに押し流されるグウタラ


家名を銘柄にするにはあり気な話
語感が良さ気なのでデザイナーがブランドネームにしただけで他意はない
浦島太郎のような寓話であるが、寓意性がよく分からない
・・・ですが、その寓意性を勝手に忖度したのだろうが、この単語の語彙は決して良くはない。
そんなロクデナシのお嫁さんになろうなんて、黒木華さんもどうかしてますよ(笑)




岩井俊二さんのおひさしぶり作品。
本来ならば、この作品と葛城事件の二本で今年の日本映画の集大成のはずが、
興収ばかりの大衆娯楽作(アニメに怪獣)の二本被りで、今年は終わった。


コンビニバイト掛け持ちの代用教員の中途半端感
彼氏はSNSで探すお手軽感
流れのままアルバイト親族友人かき集め披露宴やって、主婦やって、マザコン夫からは捨てられて
大豪邸での高報酬メイドに流れ着き
AV女優との奇妙な共同生活の果てには・・・・


こんだけで3時間の長尺
力量無くしては映画にならない。
しかし、現代のおとぎ話としては寓意性が高すぎるし、予備知識を観客に強いる作品は損をします。
予備知識があればより楽しめます・・ならともかくもないと意味が分かりませんではねえ

ある種の教養(成長)映画であることはわかります。
酒を飲み、前後不覚に眠り果てた翌日、少し成長した黒木華をみる。
二日酔いをたび重ねれば、ヒトはオトナになると言われると、
本気になる.........映画なのではないが。


リンクの松田優作と室田日出男がいいですねえ。
リップヴァンウィンクルの寓話の片鱗が分かりますなあ







2016年12月14日水曜日

第三の性

http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/12/gender-neutral-oxford-university_n_13576302.html?ncid=engmodushpmg00000003


ーーーー

リンクの内容をサミングアップすれば・・・

トランスジェンダーに配慮し、
He she 以外に ze を使うことの提案です(複数形は they となる)

ちょっと不確かなのは「以外」という表現が妥当かどうかは判然としないこと。
出来れば「を辞めて」という方が良さげですが、その地の文化が凝縮された言語体系を大きく変えることは非常に難しい。
オックスフォードの知力をもってしても・・・


今日のお題は、いわゆる人称代名詞のこと。
実は人称代名詞の体系は言語体系により大きく異なる。
大雑把に言えば

一人称(話し手)
二人称(受け手)
三人称(それ以外の人または物)

が一般的な区分ですが、それ以外にもさまざま複雑な分類を持ち込んでいる。
日本語の場合・・・・以下はウィキペディアの引用

体系上の人称代名詞は「われ」「なれ」「かれ」「だれ」であるが、
実際には人称代名詞は敬語法などの待遇表現と密接に結び付いており・・・
指し示される人物との社会的関係や場面によって、
「自分」「あなた」などの人称代名詞を使い分けたり、
「先生」、「社長」、「おじいさん」のような社会的身分を表す語で代用したりしなければならない。
同様の複雑な人称代名詞の用い方は、ベトナム語、マレー語、ペルシア語などにも見られる。
また、日本語の人称代名詞は概して時代による変化が激しい。例えば・・・・

この説明のキモは

複雑
変化 にあります。

不思議なことに「複雑」なんですが西洋のように「性別区分」がない。
明治以前は、オスでもメスでも「彼」と表記したようです。
明治の文明開化で西洋の様々な考え方が押し寄せた際に「変化」が起こり「彼・彼女」という表記区分が定着したと
言われています。
人称代名詞で性別区分があることが一般的かどうかはよくわかりませんが、文法書的には少数的存在のように思えます。
西洋だから、スタンダードという訳ではない。

時代は変わった。
当然のように「両性」と言って良いものではなくなった。
ボーボワール的には「第三の性」

従って、英語文化圏で提唱され始めた第三の性表現(ze)
提唱する事を悪いとは言わないが、どうして性別区分人称代名詞の廃止提唱にならないのか?
・・・が実に面白いという感想になる。
オックスフォードの知力をもってしても彼の地の文化に根ざした言語体系を変革するには至らないのですよ。


翻って倭国はどうしましょうか。
簡単ですよね。
明治以前に戻ればいいのですよ。
具体的には「彼女」という言葉を禁句表現とする!


ジンケン派の得意種目の言葉狩り(笑)


そうは言っても百年以上続いた言葉の文化ですから、識者が知恵出して第三の性表現代名詞を考えるんでしょうねえ。
もっとも、著しい劣化のみられる日本語力ですので、期待値は非常に低い。
丸谷、大野、井上、塚本のような日本語の大家は全て物故されました。


2016年12月13日火曜日

懐かしいあの味


寒村陋屋暮らしも半年もたち、天下の素浪人スタイルも身についてきた・・・
とは言いつつも「清左衛門」同様に娑婆とは縁が切れず、そこそこ衣冠束帯に身を正し、俗界を徘徊している。
西行法師のごとくであるが、彼のように出家の身でありながら権門に出入りし媚びを売るような真似はしない(笑)

しかし、基本

井戸水を飲み(胃カメラ検査をしたがピロリ菌はいなかった)
畑の野菜を食べ(コメはさすがに元農民が扱うには大変なのよ)
自家製の酒を飲み(酒税法に違反する種類じゃない)
ザ行とダ行の区別があいまいな方言を操るおじさんやおばさん相手に(ひどいご仁はラ行まで混然とする)

なんて仙人暮らしなんですが・・・過日のこと
限界集落のはずれのスーパーに出向くと、なんとなんと!!


羽衣あられ


懐かしい駄菓子だ。
半世紀ばかりの江戸中心の暮らしで忘れていたが、昔と変わらないアルミパッケージ
しかし、製造者は新潟県の「ブルボン」となっている。
記憶では北日本食品なんとか・・・


三時のおやつに「文明堂」なんて土地柄ではなく、

自家生産の果実
親類から手に入れる火鉢であぶった酒粕(砂糖をまぶすような外道な喰い方はしない)
家族でつき上げたお餅

なんかを食べるのですが、なぜか家庭で外部調達をする限定的な駄菓子
名の通り「あられ」でして、醬油味の煎餅でなくいささか塩味が強めでビールのつまみに最適なのだ。
いつのころからか、商店の棚から消え、お江戸では目にすることも耳にすることもなかったが・・・
上方には根強いファンがいたのだ。
店頭陳列の数は多くないのですが、嬉しさのあまり買い占めてしまった(苦笑)





ネットのヨタ情報まがいによれば・・・

何故か販路は今も昔も上方限定らしい。
関東人の舌に合わないのかねえ(ネット通販では買えますし、ブルボン自体は関東が主力市場)
製造者名は、社名変更によるものらしい。
なんともフレンッチぽい社名だ・・少なくとも「羽衣あられ」売ってます!って言いにくいだろうねえ
そもそも不思議なのは。新潟の会社が三保の松原か富士山を望むって、意味不明です。


とかなんとか・・はさておき、ランチに変えて初めての試みで白ワインに合わせてみよう(笑)




2016年12月12日月曜日

雌鳥が時を告げる時



メスザルが世間にのさばると社会が乱れる・・・という古来からの言い伝え
さしたる根拠もなく、ヒトザルの歴史は騒乱の歴史であって、およそ悪しく愚劣なオスが君臨をしていたことを主因とする以上
ある種の「封じ込み政策」のシンボリックな物言いに過ぎない・・・はずです。

女性の社会進出の程度は、喫緊の課題だと・・・これもスローガンでしかなく、事態の改善は遅々として進まない。
先進国といわれる国々においても、カトリックの長女とか次女とか言われる国の実情は、ミゼラブルとしかいいようがない。


私の人生設計


そんなていたらくですから「映画素材」にしてもコメディでしかありえない。
実話をモチーフに話題と人気を博したそうですが、一時の享楽と時間つぶし程度であって、社会をうごかすほどのことでも・・・なさそうだ。

ヒロインは、ローマ郊外の山間部から往復四時間かけてローマ大学の建築学部を最優秀で卒業し、
各国で学位を収め、建築家(映画のセット製作なんかも建築家の領分なんだ!)のキャリアを積むが・・・・
故郷忘じがたく、イタリアに帰ってきたが、なんとも男尊女卑社会。
とりわけ建築業界は、オトコ社会らしくって、オトコのコネのネットワークでがんじがらめ。
やっとこさ、職にありついたが、就職誓約書には「妊娠退社条項」まで・・・・
公営住宅のリフォームプラン公募に挑戦するが、オスザルになりすました事で採用され・・・そして「騒動」は起きる。


これがフランス映画ならば、多少シリアスで理屈の多い問題作になるところでしょうが、イタリア映画ですから、
予定調和的なほのぼのハッピーエンド劇。
ドタバタとやたらとボリュームの多いお料理が登場するところもお国柄(笑)

監督は初見ですが、主演女優に手をつけた模様。
ヒロインも同様ですが、イタリアでは人気の歌手とかコメディアンらしい。
あんまりお若かりしころのカルディナーレ風ですがあまりお好みなタイプでもない。
おおさかのおばちゃん風なぽっちゃりな女優陣はさておき、
カッコいいオスザルが結構登場しますが、すべからくゲイというのが今風。


社会で頑張るアラサー・アラフォーにエール!ってキャッチコピーですが、あまり当たらなかったようですねえ。
ロードショーは早々に打ち切られました。
興行権が安いようですから、場末の二本立てなんかでどさまわり中。


女性宰相が頑張る一方で「女性蔑視派」のリーダーが闊歩もする二極化世界の挿絵みたいな映画です。
特にお勧めするものでもない。
だって、このヒロインは知力と説得力、持続する意思があるのですよ。
これにあと「肉体上の耐久力と自己制御能力」が備われば、カエサル(同じ「サル」でもできばえが異様なまでに異なる)と同等。
メスだから、だれでもオスと対等になれるって・・・幻想です。








2016年12月11日日曜日

地産地消



ことさらに「緑色の行灯」を店先に掲げ、ウリにするとはねえ・・・って、思いつつも、
それ以上に「ほんまかいな?」って疑念が先にたつ(苦笑)
いきつけの若い大将が一人で切り盛りする(やとなおくほど客が来ないっていううれしいお店)小料理屋さんもその類い。
店先の風景がすっきりしないからはずせ!とは言っていますが、その気はないみたい。
正真正銘の「地産地消」なんだから、わざわざ看板出さなくとも知る客は来る(最近は閑古鳥が鳴かなくなったようだ)
岡山の農家の息子らしい。
農産物、川魚、肉類(特にジビエ)は、まぎれもない自家製(あるいはご近所の猟師・漁師の手になる)

美味い!旨い!

そう思うからか・・・・海産系はどうもいただけない(・・・というのは偏見かも)


流通システムの革新により、どこでもどこのものでも食することが出来るようになったが、
それがありがたいことかどうかは視座しだいである。
地元でしか食せないって価値ってやっぱりあると思うのですよ。
日本式のラーメンの起源は「醤油ラーメン」らしいが、
その地によっては、なじみの食材である塩や豚骨を起源とする例も多い。
地産地消を絵に描いたようなものである。

蝸牛の故郷もラーメンを街おこしのツールとしたが、これは成功したみたいだ。
そもそもは、ナンチャラカレー事件でお江戸から大挙して押し寄せたマスコミの夜食だった。
あのどぎつい味が野暮と化け物しかすまない地の住民の舌にフィットしたらしい(苦笑)
なもんで、なんとか選手権に推薦され優勝したモンで、一挙に知名度があがった・・・というのは、
ちょっと時系列的におかしい。
正確には、優勝したラーメンがあったよね?ってことで取材陣が喰らってみると舌にあって人気が高まったと言うほうが正しい。
京都のラーメンの味が京味らしからぬ「ごてごて味」なのは地方出身の学生の舌にあわしているということと同じで「幸せな出会い」だったということに
しておこう。

そもそも的には、醤油はかの地を発祥とする。
その延長線の食文化ってことですので、全国的にも「醤油の名産地には旨いラーメンあり」という定理が成り立つ。
阪神間のラーメン屋で勢いがあるのは、播州系ラーメンである。
たしかに竜野は「薄口醤油発祥」の地である。

醤油と味噌は原料を同じくすることより同根の食材である。
味噌それ自体を食するってお江戸で口走り、野蛮人呼ばわりされたことがあるが、
野暮や化け物は「金山時味噌」を知らないのだ(千葉県も産地だと思うのですがねえ・・・)
なめ味噌って食材の一例。
ワインには多分合わないが、あまり高価でない倭酒(当然ヒヤ)の肴にはこれが一番
名執権であった北条泰時は、よき時代の鎌倉御家人らしく遠来の客と一献酌み交わすときには、味噌をなめながら・・・って
吾妻鏡だかなんかで読んだ記憶がある。
金山時味噌かどうかは定かではないが・・・・蝸牛にはよくわかる風景だ。


桃と柿は自家製でしか食べたことがない。
もぎたてを頂いてきて食する。
世間では、完熟してスプーンですくうように桃密(柿蜜)を味わうのが至福だとか(苦笑)
それって、乳児の離乳食ですよ。

おでこをぶつけるとこぶができるくらいの硬さが一番。
カキーンって歯が折れそうな硬さを味わう・・・・甘みもへったくれもないのですが・・・・ぐちゃぐちゃとかみしめていくと、
ほんのりと微かな甘味が口内に広がる
これがほんとうの至福。
倭人の知る「甘味」の元祖とは砂糖ではなく、かような甘味であった(・・・らしい)


ご幼少のみぎりは花見はじべたに緋毛氈を敷いての(桜ではなく)梅、蓮華、桃でした。
もっとも、桃は、花が咲き出すと即座に摘花しないと美味しい桃にならないもんで、花をめでている閑がない。
最近は、桃源郷と称して桃の花見を売物にするもんだから、どうもお味がよろしくないようで・・・
困った事だ。

2016年12月10日土曜日

ジャーマンニューシネマ


映像表現の新しい潮流を賀ぐなら、ちゃんとドイツ語で固有名詞化しなかったところに不幸がある。
まるで「アメリカン」ニューシネマという言葉を借りてきただけ

ヌーベルバーグ
ネオリスモズ

ちゃんと命名されれば、その後も映画産業それなりだったのですよ・・・・

今のドイツ映画は、潮流としては見る影もないと思います。
ジャーマンニューシネマの残党が、老骨に鞭打って頑張る姿はいささか痛ましい。

シューレンドルフ 77歳
フォン・トロッタ 74歳

最後の残党でしょうかねえ。
かつてはプライベートでも同志だったのですよ。




ノスタルジアはさておいても、なんとも泣きたくなるような邦題
なんとかの世界って事らしいが、もうすこしなんとかならなかったのですかねえ
オリジナルタイトルは・・・

Die abhandene Welt

意味がよくわかりませんっていうか形容詞の意味がわからない(苦笑)
確かに、METのプリマがドイツで売れない歌手であるヒロインの一年前に亡くなった母親そっくりっていうしつらえはその通りだが、
その通り説明的にタイトルにするもんではない。
宣伝部門の不思議なセンスのおかげで、良質なミステリーがドサ廻り中ではないか(公開方法を見るに相当に苦し紛れ)

力量のある女性監督ですから、ツボは外さない。
何を書いてもネタバレになりそうだから、全て封印(笑)


オンナがいて、友人女性がいて、オンナの夫には兄がいて、ほぼ同世代の歌を志す二人のヒロイン・・・になんだか音楽業界人がからむ


いろんな物語が空想できるでしょう。

2016年12月9日金曜日

一指導者の幼年時代




思い立ちモールの書店でサルトルを立ち読みしようとした。
四十年ぶりの邂逅のはずが・・

人文書院の全集はジュンク堂か紀伊国屋でもないと置いていない予感はあった。
しかし、新潮文庫の棚にもサルトルは皆無
あるのは、岩波とちくまの哲学書(存在と無)だけ


文学者でなく哲学者として東洋の島国で名を留めるのだから、本望だろう(笑)
あの当時の仏蘭西のひとかどの文化人で映画に関わらなかった御仁はまず居ない・・と思います。
サルトルも例外でなくリセの教師の傍らパテで脚本を書いていたらしい。
が、どうも相性が悪かったか、映画史に留めるような功績やエピソードは何もない。
ごく少数の原作小説が映画化されてはいますが、見るに値するかどうか・・・・

シークレットオブモンスター

表題の小説を原作・・あるいはモチーフにするらしいが、原作を読んでいないのでなんとも言いようがない。
映画の主たる舞台は、1919年のベルサイユ講和条約交渉の時期
原作は1938年に出版されてますが、ネット解説によればムッソリーニがモデルだとか・・・

主人公の父親はアメリカの外交官でウイルソン大統領の側近として講和条約成立に尽力する。
母親はドイツ人を父親とするが、広義のユーロ人。
家産の古農家に滞在している。
主人公は十歳くらいでしょうか、美少年です。
いわく言いがたい苛立たしさみたいなものが、主人公の癇癪・・・グロテスクに言えば狂気を掻き立てて、
カタストロフィに至るって事なんですが、なんともねえ
しかし、今年最大の問題作って事は間違いなさそうです。
第一次世界大戦の稚拙な戦後処理がその後多くの問題を生んだ事は紛れも無い事実だし、モンスターの誕生をそれに求めることも
間違いとも言えない。


思えば、20世紀は多くのモンスターが人類に災厄をもたらした。
罪科もなく不幸な人生を送らざるを得なかったヒトザルの数は、地球上の過半に及ぶ。
多分そんな事をモチーフにサルトルはこの小説を書いたのだろう
しかし、極私的映画鑑賞家は、こんなつまらないことしか想起しないのです。
絶対に「オーメン」にインスパイヤーされている。






2016年12月8日木曜日

リメンバーパールハーバー!


東部とはいえアウエイの戦いは不利に決まっているし、なかんずく trial by jury なんですよ!
中西部の田舎町のコートでないだけまだましって、代理人は慰めてくれるが、慰めにもならない。

せめては「仲裁」にしろ
最悪でも第三国を管轄裁判所にしろ  ・・・って意見したが、全て相手側主張を丸呑みした・・・ほんとうに馬鹿な賎商である。

当然ながら戦局は有利とは言えず・・・・というか責任者たる蝸牛は最初から投げてます(苦笑)
戦略的失敗は戦術や戦闘局面では挽回できないって思ってますから、
はやめに「和解」でもなんでもいいから悪あがきをしないのが一番の方策。
そうはいっても、面子で頑張るアホもいます。
しかし、一番驚いたのは、相手側の陰険な手口・・・・
毎日のように、コート周辺とかでビラまきをやるんですよ。

リメンバーパールハーバー!!

まだそんなことを言うのかね?
対抗上「ノーモアヒロシマ!」のビラまきをやろうって言い出して・・・さすがにこれでは泥試合だ(苦笑)
毎年12月になると、思い出したくもないこのときのエピソードが思い出されます。


お互いが歴史上の不都合な事実に向き合うことに意味があるかどうかについては懐疑的です。
歴史上の真実がどうであれ、国際外交上の常識が覆るものではない。
ちゃぶ台返しをしたければ、もう一度戦い今度は勝つしかない・・・・がありえない選択肢。
まさか「だまし討ちでした。ごめんなさい」って公式表明するとは思っていませんが、騙されたのはこっちだとも言えない。
お互いが過去を乗り換えて強固な同盟関係を堅持し法と秩序を基盤とする国際平和の堅持につとめ・・・とでもいうのでしょうか。


あの「奇襲攻撃」が戦略的に意味があったのかどうかはよくわかりません。
補給施設が無傷であったとか空母を沈没させられなかったとか戦術上の失敗は色々あるようですが、
だからどうなの?というのが今時点の冷静な印象です。
そもそも「自衛行為」に宣戦布告なんか必要ないっていうのが当時の国際常識だったはずです。
もっとも自衛戦争だと万国が認めるかどうかは別問題
経済封鎖のためににっちもさっちもいかない状態を打開するための自衛行為ならば、満州地区と東南アジアの資源だけを押さえて
ハリネズミ状態で自活する体制を構築するっていうなら戦略的にわからなくもない。
フィリピンの米軍捕虜の帰国を条件に適当に停戦するって知恵がなかったのかねえ・・・・


ほんとうに「争い」って始めるのは簡単ですが、やめるのは難しいのですよ。






2016年12月7日水曜日

ネコかイヌかと問われれば?





血液型は?
なに座ですか? くらいにデリカシーのない質問だと思っている。
いなし方はきまっていますが、たいていはいなされてる事に気が付かない。

実のところ、どっちも好きでも嫌いでもない。
ネズミよけか警護用具くらいにしか思ってませんし、
口のある養いものは、ケメコ様だけで堪能しています(笑)

しかし、寒村陋屋には四つ足が未だに巣食うております。
代々はイヌでした。
名前は「モク」。
いわれは知らない。
代々同じ名前ですから、いつかローマ数字のように上限が来る(もっとも4000までも必要はないが・・)

モク
新モク
続モク
続新モク ・・・・(和歌集の命名ルールですが、アホたらしい・・・)

なもんで、とあることからネコに代わった。


某月某日、祖母の祥月命日ってことで、山奥の菩提寺に出かけたが、その帰り道
やせ衰えた野良猫がふらふらと車の前で立ち往生し倒れ込んだ。
ひき殺さなかったのが幸いということであるが、行過ぎてしばらくして・・・

一河の水一樹の陰
山川草木悉皆仏性

祖母の命日に遭遇するのは、これも仏縁ってことで、拾い上げ看病にこれ努め、晴れて我が家の飼い猫となった。
さすがに野良猫人生で世間の辛酸をなめたもんで番ネコも勤まるくらいの荒々しさ。
ところで名前はって?
ヒトザルが御仏の名前をつけるような罰当たりなことをしない・・・とは言い訳で要は面倒なだけ
ただただ「ネコ」あるいは「ネコニャン」と呼ばれてきた。


今は二代目であるが、これまた、村はずれの破れお堂の軒下でしくしく泣いていた子猫(・・というより幼猫)
これまた仏縁でハンカチに包まれて我が家にもらわれてきた。
命あるものを捨てる(未必の故意の殺人罪)なんて犬畜生の所業といいたいが、畜生だってそんなむごいことはしない。
毎日のほほんと怠惰を絵に書いたようなさまですが、あいかわらず名前はまだない。


イヌは人になつき、ネコは家になつくらしいが、我が家の惰猫は、飼い主の膝になつくようだ。










2016年12月6日火曜日

カラーかブラック&クロームか?


映画芸術の歴史は技術革新の歴史であり、よりバーチャルリアリティ化を志向する。

トーキー化
カラー化
立体化(3D)
アトラクション化(4D)

が、技術革新の進化が益々映画の芸術性を棄損している。
技術が映像表現を豊饒にする場合もありますから
全てとは言わないが、そう感じる事が多い。
優れて資本主義的な芸術ですから、客の入りが全て。
営業成績が人格と言われる賎商の世界と同じ(笑)
綺麗事は通用しない。

しかし、その論は娯楽視点である。
芸術視点でいうならば、欠けたピースと言うか隠されたメタファーを
想念としてかきたてるところに鑑賞の醍醐味がある。
あまりに多くを隠すと難解とか至上主義と非難されますから、
まあ、バランスも大事なのですがね


ガラリと話を変え.........たつもりはないが、新しいロマンポルノの話
映画史の徒花という声もあるが、禍福は様々
企画として、シタリ!というつもりはないが、思考は大蔵映画に飛ぶ。
いわゆる、ピンク映画
いまでは、見る影もないが、斜陽の日本映画界の制作本数の半分は
この類いだった。
質はさておき量において日本映画を支えたのですよ。
かなりな業界人はロマンポルノに流れたとされ、
そのセンセーショナルローコストオペレーション力が、ロマンポルノの隆盛を
支え、若い才能をも産み出した。
当時はカラーフィルムが高価なもんで、パートカラー方式だった。
これは!ってシーンになれば、画面はカラーに変わる。
通の鑑賞家ともなれば、うたた寝をして居ても気配でわかるらしい(笑)
だからと言って扇情性が高まったかどうかは疑念がある。
正確にいえば、扇情性は高まっても興奮度はなんとも議論がある。
ということで、新ロマンポルノをパートカラーで制作.........とは、倭国の映画人は考えもつかないのか!
デジタルの時代はカラーコントロールが簡単なんだから、
カラー版とブラック&クローム版が同時に作れるんですよ。


マッドマックス(オスカーノミネート版)のブラック&クローム版がリリース予定




2016年12月5日月曜日

グロテスク



グラマスクはお好みですが・・・・グロテスクはどうもねえ(苦笑)
ユーチューブは、映画ネタとかのブログの「つまみ」に利用させてもらっていますが、それ以上でもそれ以下でもない。

なんだか「耳掃除」映像の巨大なライブラリーがあるそうな
一定というか相当数のファンがいるって事だろう。
こんな映像で暇つぶしをする非生産的な輩が世間的に多いとは末世末法の時代である。

とかなんとかいいながら、ブログネタに困っているので、怖いもの見たさで覗いてみるに・・・・
何事でも「新しい発見」があるもんだ(笑)

耳垢なるものは、やたらと耳かきでお掃除をするものではなく、自然と胡散霧消するって耳鼻科の先生はおっしゃるが
そうとも言い切れないような気がしてきた。
蝸牛は「乾性」ですが、世界的には「湿性」が多いように思えます(倭人の大半は蝸牛と同じらしい)
こまめにお掃除をするのは、清潔好きな倭人くらいなのか、耳栓くらいに溜め込んでいる無頓着人が世界には多いらしい。

耳掃除は、しばらく前に医療行為外の扱いになったもんで、倭国では「イヤーエステ」なる新ビジネスがあちこちに出回っている。
業種的にはなんだろう?
エステ業自体には、営業許可は不要らしいが・・・・個室の浴衣姿で膝枕施術って風俗営業のような気もします。
マイクロスコープで耳掃除のプロセスを眺めながら施術を受けるって結構淫猥な趣味だとおもいますがねえ

海外映像を見てますと、白衣のおじさんが登場しますから医療行為のような取り扱いです。
耳掃除道具が・・・これまた実に面白い。
竹べら状が一番お好みですが、どうも世界的には「金属状のピンセットとか鍵形」が主流。
自分じゃ怖くて使えません。
水洗洗浄方式もあるのか・・・・ウォシュレットの耳掃除版とは恐れ入りました・・・・・

・・・とこの辺でユーチューブのリンクが張られるのですが、そこまで品悪くしたくないから、今日はなし。
興味があれば、自分で検索してくださいね(笑)





2016年12月4日日曜日

晴れやかな場へのご招待(2)


文化功労者には年金がつきます(文化功労者年金法)が、その上位の文化勲章受章者にはなにもなしってことは先に書きましたが、
文化勲章受章者は先立って文化功労者であることを慣例としますから、
世間的には文化勲章には年金がつくと誤解されています。
なにか恩典を差し上げたいが、憲法上の制約からの苦肉の策のようです。
文化の向上発展に「特に功績顕著」であると文化功労者に選ばれ、さらに「勲功卓絶」であれば文化勲章ってたてつけになっています。


一方で「人間国宝」の根拠法ですが、これが文化財保護法なんですねえ。
ヒトザルであっても「文化財」なんです。
文化財には、有形と無形があり、人間国宝とは「重要無形文化財」であり、
条文の委細を見れば「文化財として価値を保有」しているから人間国宝であって、そのヒトザルそのものを財としているわけではない。
したがって、財としての価値を保有しえなくなれば、人間国宝でなくなる・・・って理屈である。

例えばですが、罹病し舞台に上がれなくなれば、もはや人間国宝に値せず、指定を解除・・・「できる」ってことになります。
しなければならないという表現ではないので、実際に解除した例があるのかどうかは知りません(実のところ聞いた事がない)
たいした額ではないが、年金がつきますから、税金の適切な支出という観点からは厳正に行うべきなんでしょうが
雑な出費は山とありますから、この程度で目くじらを立ててもしょうがない。

ところで、無形文化財は「倭国にとって歴史上、芸術上価値の高い文化的所産」が対象だそうですので
コンテンツは千差万別ですが、しかし、パガニーニのようにヴァイオリンが演奏できても、ベルニーニのような彫刻ができても・・・ちょっと無理筋みたいですねえ。


しかし気になるのは、役者のようにその技が形として残らない芸は、その保持者を人間国宝に認定するのはいいとして
陶芸家のように「作品」が後世にのこるような場合でも人間国宝に認定するってその理屈がよくわからない。
陶芸の技術は価値の高いが作品はそうもない・・・って矛盾のような?
倭人が作った茶碗で国宝認定はたった二つ(光悦と作者不明)
重文だと・・・・光悦、長次郎、道入・・・・調べるの面倒なのでやめ!歴史上の名陶芸家の作品だけのようです。
現在人間国宝認定を受けている方の作品は・・・・ありますかねえ


さらに疑問なのは、誰を人間国宝として選ぶのだ?
採点競技みたいなものですから、定量的に優劣がつくわけじゃない。
何でこのヒトが?って事例は聞き及びませんが、どうして選ばれないの?って疑念は多々。
やっぱり、知名度とか事前運動なんかがものを言うのでしょうかねえ・・・・・





2016年12月3日土曜日

特定複合観光施設区域


なんとも珍妙な法律法語で・・・・

カジノ施設及び会議場施設、レクリエーション施設、展示施設、宿泊施設
その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設であって、
民間事業者が設置及び運営をするものをいう・・・らしい(法案の第二条)

要するに、TDLとかハウステンボスに賭博場がくっついたものだということ。
鉄火場だけは作れませんから、余計なものをたくさん作らないと賭場は開催できない。
手っ取り早いのは、既存施設に追加でしょう。
しかし・・・夢が壊れるし、でも背に腹は・・・

具体的な中身やセイフティネットの構築は実施法の中身次第。
今時点で・・・
国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与するとともに、
適切な国の監視及び管理の下で運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることを
基本として行われるもの(法案の第三条)・・・となるかどうかは極めて不透明。

国際会議のついでに、レクレーションのついでに博打しようって普通はないですよねえ。
この法案では、

カジノ
チップ

なんて用語が散見されますから、ルーレット、ポーカー、バカラを想定しているようです。

花札
手本引き
丁半

とかの倭国古来の賭博は蚊帳の外でしょうか?
クールジャパンなんだから、廃れさせないためにも場を与えてもいいがねえ(笑)

法案によれば、運営会社は納付金を払い、参加者は入場料を払う事を前提にしているようです。
勝てば当然に一時所得ですから、補足システムは遺漏なく作るはずです。
運営会社を日本企業に限るとか参加者は外国人だけという縛りもありません。
パチンコで倭人が北鮮にむしられる構図もどきの悪夢の再現も想定されます。


こんなお馬鹿な施設建設に資金を投じるくらいなら、五輪施設建設の方がまだマシ。
普通の投資感覚ならそう思うと考えますが
唯一正当性がありそうなのは、海外で百億するなら国内でやってくれ(笑)・・・かな。





2016年12月2日金曜日

世紀の歌姫




メリルストリープの歌唱力を特段気にしたことはない。
マンマミーア等でノドを披露していますから、グラミー賞はともかくもそれなりである。
しかしながら、実の所彼女って歌力も天才的ではないか?と思えたくらいの「凄さ」

音痴はまともに歌が歌えないと言われるし、自分が音痴であることに気がつかない・・・らしい。
しかし、真っ当な歌唱力があれば、音痴に歌えるものなのか(笑)
あるいは、これも彼女だからの天才的な演技力の賜物なのか?

正確無比に記譜記号通りに歌えば、観衆が感動するってものではないことは
年末頃にやっと解散するらしい中年アイドルグループや単品じゃ商品にならない群ドルをみればわかること。
記譜記号が感動を産むわけではないってことは、何度でも声を大にしていってもいい。


40年代の実在のNYセレブな歌手だったらしい。
音楽史の馬鹿馬鹿しい逸話には詳しいつもりだが、彼女が歌った「夜の女王」の出来栄えは冒頭のリンクの通りである。
コメントは・・・・絶句
普通は、その次のような超絶技巧的なアリアです(声が裏返るじゃんないかって思うくらいスリリングです)

なんだか不思議な人気があったことや実際に44年にカーネギーで歌ったことは史実である。
ダフ屋が出るほどの前人気の高さであったことも事実です。

なんとも次から次へとユニークな企画で映画を作るハリウッドに脱帽である。
しかし、昨年制作されたフランス映画の「偉大なるマルグリット」は、このフローレンスフォスタージェンキンスの逸話を
元にしているはずだ。
昔風の薄幸の美女や良妻賢母役は廃れ・・これは事実、強く逞しい女性像ばかりなハリウッド映画というのはある種偏見である。
多様なキャラクターを描き得るだけの底力はやはり凄い


期せずして・・・・ってところが実に面白い。これも、仏蘭西の文化力かな。
ま、この映画ですが・・・まさかストリープはこれでオスカーなんて狙わなかったって思いますが・・・









2016年12月1日木曜日

エミリーブラントにオスカーを!




蝸牛には、まったく影響力はありませんが、そろそろもらってもいいのではないでしょうか。
これは出色のピーピングスリラーです(蝸牛の新造語)
覗き見映画は珍しくありませんが、傑作はヒッチコックの「裏窓」くらいだと思います。
アウトサイダーとインサイダーでは「覗き」の視点が違います。
時系列が頻繁な相前後する錯誤感がよりミステリアスな気分を掻き立てます。

三人の女.........なんだかあのロバートアルトマンの忘れられた傑作を想起する。
もっとも、ヒロインが三人登場するという点だけですがね(苦笑)



実によくできています。
実のところ、よく出来ていると感心したのはエンドマークの数分前(笑)
予告編からストーリー展開を予測するのも難しい位の難解さ。
ネタバレなくてはブログにもならない。
はたと・・・・タイピングが止まる(笑)


この程度で堪忍して貰おう。
定価で鑑賞しても後悔しないことは太鼓判(複雑な内容が理解出来ない知力なら論外です)

ヒロインその1
アル中、妊娠願望、夫の不倫が原因か離婚してプー太郎状態。
郊外からマンハッタンまでの車窓から見る風景は......

ヒロインその2
郊外列車沿の洒落た個建ちの妻、可愛い幼児、優しそうな夫
なぜにかきわどそうな若いベビーシッター

ヒロインその3
十代の頃の忘れたい思い出、夫と二人暮し、
片手間の家事のアルバイトとセラピストのカウンセラーに入り浸り


これにマッチョ風なオスザルが三匹からむんですよ。
時間つぶしの娯楽だと思ってええ加減に見ていると錯乱しますよ!!