勅撰集の秋部は「秋の初風」にはじまり、七夕とつづき、、、佳境に入れば
はるかなる唐土までも
いくものは
秋の寝覚のこころ なりけり
大弐三位(レディむらさきの娘さん)の作であり、数ある秋歌の中でもトップクラス。
文才は母親には及びもつかないが、歌才は遥かに凌駕する、、、って一般的な評価としては分かりますが、紫式部の和歌ってそんなにひどいのかしら?
源氏物語称賛の逆説話法なんだろうなあ(^^)
少し酒量が過ぎて早々と寝落ち。変な時間に目が醒めた。夏ならばそろそろ「暁 東雲 曙」と東の空が白み始めるのだが、秋の夜長はこころに沁み入るようにいつまでもいつまでも
なんて感じを、はるか彼方の中国までの距離感を比喩にするところが天晴れとしかいいようがない。
この和歌自体が古今集収録歌の本歌取らしいが、理知性がハナにつくような元歌。出来栄えは比較にならない。爾後多くの本歌取作品があるらしいが、読み比べて鑑賞したくなるような代物でもなさそう。
本歌を効かせすぎるのも宜しくないってこと
そもそも「どっちも素晴らしい」事例自体があんまりないのです(事例は略)
千載集秋下部の巻頭歌ですから、作者の立場を忖度せずに純粋に作品評価をしたのでしょうから、選者の藤原俊成の眼力を褒めるべき。