司法試験の一般常識問題が話題になるのは稀有のこと。
出題内容に賛否の声だが、分析批評は、的外れだし(^^)
名古屋で事務所をおもちの弁護士のブログをカトペしました。
実際は、作者名が出題には記載があるのだが、この先生は「カット」しています。細かい話だが、出題の意図からして引用のやり方としては適切ではない。
一見して、高校の古文の授業内容の知識と推論能力さえあれば難問でもない、、、と鼻であしらうつもりが、こりゃ意地悪なトリック問題である(^^)
まず、作者の明示
問題ではかようになっています。不親切極まりないが、読み人知らずならば出典の和歌集を書くべきだ(多分古今和歌集だと思います)
最後の孝善なんて、初めて知ったわ(平安前期頃の下級貴族らしく勅撰集にパラパラ採用レベル)
あとは、それなりの知名度だし、小町の和歌はかなり有名です。
当時は夜具は十二単を適宜被って掛け布団かわり。恋しいあの人に夢の中で逢いたいと思えば裏返しに羽織ったらしい。
ここらあたりで「ぬばたまの」の枕詞問題だと推論できますし、小町の和歌はズバリ「ぬばたまの夜の衣」
ぬばたまはなんとかという黒い実からの連想で「黒、夜、髪、闇....」の枕詞だと高校教師が(よっぽどのボンクラでも)教えたはずだ。
あとは、組み合わせ問題。「夜」だと文意がおかしい和歌が解答になるのだが、、、どの和歌もそれなりに意味が通じる
つまり、、、「解なし」が正解!じゃないのよ(^^)
昔の国家試験では、解なしという正解があったし、いまでもあってもいいと思うが、非難が多くなったので、闇沙汰になった筈だ。
さて、枕詞のレアな使い方に「夢」がある(らしい)
ぬばたまの一般的な、黒、闇、夜、、、から夢という連想らしい。「ぬばたまの夜の夢」の省略形で「ぬばたまの夢」という万葉集にも微かにしかない用例。
そんな微かな用例を設問にするようでは試験官の矜持にかかわる。
そこで、鍵は、、、「うつつ」をさりげなく指し示すのよ。
よくある対句的な慣用表現
百人一首だと、、夜は燃え昼は消えつつ、、、なんて
同じように「うつつ」の相方は「夢」も常識。
さらにヒントで一番目の和歌で夢をだす、、、
清少納言の御先祖らしい和歌なんだろうが、あたしならば、倒置表現を元に戻したい気分
そんなに高度な王朝美學の知的水準を要求しているわけでもない。
むしろさまざまな「証拠からの理知的な推理」を要求されており、それが判らないようではなあ
もはや左団扇の優雅な職業とも言えなくなったから、別の道を探す方がいい。
間違うようだと法曹界には本来は向かない
かなりにくい出題です。座布団三枚!
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