2025年11月27日木曜日

季節歌の超絶技巧

 


春の夜の
短き夢を呼子鳥
さむる枕に うつ衣かな(木下長嘯子)

三十一文字の中に、春と秋を詠み込み、冬を遠景にイメージさせるという優れて技巧的ながら、言葉のリズムも素晴らしい。

さすがに長嘯子!


多少の背景説明が必要なんだが「呼子鳥」って古今伝授にも登場する口事秘伝の鳥のこと。秘伝ですから諸説芬々でなんだかよくわからない。

猿声とも言われるが、常識的には春告鳥の類いだろう。

つぎに「うつ衣」

小夜ふけてふるさと寒くころも打つなり.....って百人一首にも登場しますが、代表的な晩秋の夜なべしごと。遠くにいる夫を偲んで砧で麻や絹をうてば、その音が彼の耳に届くはずだって、、、そんな馬鹿なって(^^)まあそういう情念が大事だってことなんです。


砧で衣を打つなんていまどきは絶滅種なんだが、江戸期の俳句では聞き及ばないものの明治以降には散見される。わが陋屋の納屋にはまだあるはずだが、実際に使っている情景の記憶はない。


カバー写真は、観世流の「砧」のワンシーン。

ランニングタイムは一時間半程度と多少長めな難曲

アタシは演じたことは有りませんが、一番の聞かせどころの「砧の段」は正座アカペラでやりました。

約10分のまる暗記。

今となっては、カンニングペーパーがないと、、、それよりもきれいに正座ができないわ


0 件のコメント:

コメントを投稿