山田風太郎の明治を舞台とする連作集。
主人公は勁草草莽ともいうべき人々。多くは大官顕紳になれたわけでもないし、一般的な通史の中では記憶に残ることも少ない。
吉岡艮太夫と榎本武揚
北村透谷、大井憲太郎と景山英子
樋口一葉と美登利(たけくらべのヒロイン)
成島柳北、川路利良
エリス(舞姫のヒロイン)に、ほんの少し森鴎外
川上音二郎と貞奴に何故か野口英世
どの作品にも、アレレという感じで有名人のカメオ出演が楽しい。明治期は必ずしも坂の上の雲みたいな晴れ晴れとした社会の青春期でもなかっただろうが、変革の時代はどこでも光もあれば陰もある。
片面だけをフィーチャーするのは間違いの元
個人的には、一葉ファンだから彼女が登場するのが一番好きだし、ミステリー仕立てでもある。
面白さでいえば、はちゃめちゃな音二郎だ。
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