2025年2月18日火曜日

先払いか後払いか

 




なんか世間様には、信じられないことだとビックリし、それにまた反応するヒトザルがいる。
なんとなれば、関西の電車は「後払い」で、関東とかだと「先払い」
歴史的に言えば、初めて自動改札システムを作ったのが京都の先端企業で、艱難辛苦の上やっと成功
関東に持ち込もうとしたが、そこで初めて支払手順の差異に気がつき、さらに苦労の連続・・・


金銭債権(債務)の支払い方の原理原則は・・・「貰いは先、払いは後!」
これはあったりまえじゃんか。
何かにつけて倭人はお人好しってことがよくわかります。
とは言うものの・・・・


かなり前ですが、年金事務所とやらに足を運びました。
なんせ自慢にならんが、年金知識は白痴とまでは言わないが、痴愚魯鈍のレベル
年金おばさんが懇切丁寧に説明していただくと目から鱗ですよ。

今月がお誕生日で65歳ですか(そんな事は言われなくとも・・・)
基礎年金部分の受給資格がありますよ(・・・だから来たんじゃないか)
お誕生日月の翌月分からの支給です(まあそれはそうかもなあ・・・)
支給は二ヶ月分まとめてその翌月15日になります(なんだって!後払いかよ。こっちの立場だと後貰い・・・)
11月がお誕生日ですから12月からの支給ですので2月15日が支給日です(・・・無収入が75日もってお国は酷いなあ)
二階建て部分は・・・支給されません(・・・)
そのお年でも相当な収入がおありですもんねえ(・・・本人の甲斐性なんだからほっといて頂戴)


貰うものが後払いってそういう経験は可能な限り排除して来ましたからショックは大きい・・・というのは言葉の綾(笑)
しかし、釈然としません。
ということで、想起するのは半世紀くらい前
今はどうなったかは知りませんが、最初の奉公先の製造会社では・・・・



月例給与と交通費は先貰いだった(現物支給が原型ですので交通費は当然そうなる)
賞与一時金と時間外勤務手当は後貰い(金額査定上そうしかならない)
出張旅費も近距離はともかくも基本は先貰い(金額予想が出来なければ堂々と仮払い申請!)

一方で、自分での払いは後払い・・・つまりクレジットカード払いに決めてました。
債権債務管理のリスク排除の要諦はこれに如かず。
貸し倒れの山で潰れかけた企業の立て直しの一翼を担った者としての金言である。


それはさておき、当時の会社はN月の給与はN月の20日に支給されました。
下旬分は全くの見込み払い。従って「先貰い」です。
当時、銀行の窓口が25日になると混雑するのを不審げに眺めていましたが、
先払い・・・かどうかは知りませんが支給日の世間標準がその日だったようで、20日払いって労働者には優遇
しかし、そういう事を当たり前って思うのが世間知らずというもので、もしかすれば「後払い」の方が多かったのかもしれません。
その製造会社も現場の所謂ブルーカラーは「後払い」だと知ったのは相当後になってから。
N月の給与はN+1月の20日に支給される。
その後、身分制度改革で支給基準が統合され、ある月だけ彼らは二ヶ月分の給与を一挙にもらったのですよ!


未だに釈然としません。
年金って施しじゃないのですよ。
自分が拠出したものを返して貰うだけなんだから・・・
やっぱり、一旦出してしまったものを取り返すのは難しいってことですなあ。

2025年2月17日月曜日

過去の罪を背負う事はなくても未来への責任は、、、、

 


重たい話だなあ。

ホロコーストの最終責任は、ヒトラーだろうが「さまざまなヒトラー」がいたこともまた事実。

その全てをナチス一派に押し付けたのが、ドイツの贖罪と清算だと厳しく指弾する声があります。

多分正しい。


見て見ぬふりしたアーリアンに罪はないのか

同胞を密告したユダヤ人に罪はないのか


ヒロインのジャスシンガーを目指すステラは、両親の絶滅収容所送りを回避するため、我が身を守る為、ゲシュタポのイヌとなり、ベルリン市内に隠れ住むユダヤ人を千人近く、、、同情すれば「緊急避難」だわなあ。

しかし、ソ連抑留から帰国した彼女は、ナチス協力者として裁判にかけられる。


判決は禁錮十年、但し抑留期間を未決勾留と見做し、即日釈放(まあ、、、大岡裁きかな)


実話のようです。

ステラみたいなユダヤ人は数多いたはずだし、絶滅収容所でユダヤ人を虐待しガス室おくりの実務的な汚れ仕事をやったカポなる職種に就いたのもユダヤ人。



名題の一節は、記憶が曖昧だが、想起の文化(アライダアスマン教授)の中にあったような、違うかもしれない、、、でもなんにせよかなり表現は違うし、そして、その意味合いもかなり我流解釈しています。



昔の世代の行為に責任をとるつもりはない

しかし、過去を想起し将来に対して同じような過ちをさせない事には誠心誠意.....


2025年2月16日日曜日

筒井康隆の「敵」....承前

 




オリジナルの小説を読み終わり、映画版とあれこれ対比しながらの楽しい独酌。


文庫版の解説(川本三郎さん)によれば、老人文学の傑作らしいが、文学というよりも、虫瞰的な私小説だ。古希を過ぎた独居老人の静謐にした端正律儀な日常のアレコレを章立てしてアレコレ書き綴る。

毎日が判を押したように、、いやいやそれでも毎日のように事件は起きる。



憎からざるアラサーの教え子が稀にやってきて終電ちかくまで。近所のバーでバイトする仏文科の女学生も

触れなば落ちん雰囲氣だし、二十年前に死別した色白美人の妻はいまでも夢に出てくる。そう、?アラサーも女学生も現実だか虚構か儀助の妄想か、虚実はだんだん判然としなくなる。



映画版は、小説のエピソードを換骨奪胎しながらそれとなく盛り込んでいる。

違いは、、、エンディング

儀助は、毎日の家計簿から将来の赤字累計額と貯金額の慚減を予測し、その時の自裁の仕方をアレコレ考えている、、、それもまた楽しい

小説では、春雨の昼下がりに雨垂れの微かな音が消えれば儀助の心臓の鼓動が止まる時....風に終わるのだが、映画版では、遺言状の開示である。



どっちがいいかの判断は人それぞれ。

なんともいい難い。

リアリズム的に始まった物語はシュールになり、またリアリズムに戻っていく。

三人のオンナはシュールの世界にしか登場しない。


ヒトザルは昔のオンナを思い出さなくなると、、、余命がヤバいって事らしい(^^)

2025年2月15日土曜日

明治ミステリー

 


いつでも何処でも、刑事犯罪は起きる。


犯罪が発生し

捜査が始まり

容疑者を確保し

処断が終われば、、、一件落着なミステリー


しかし、室町時代以前は、社会風俗や文化が現在と違いすぎ違和感が先に立ち、江戸期はむしろミステリーよりも捕物の世界。

大正や昭和初期は、既に乱歩なんかが書き散らかしているから、いまさら、、、

という事で、、明治の開化期なんかが舞台装置として面白い。

山田風太郎氏の、明治断頭台や幻燈辻馬車なんかは、伝奇浪漫風味もあり、サクサク読めます。

ところが読むのはお手軽でも、書く方は参考文献を漁り読み込み、なかなか手間がかかるみたいで、、、



明治殺人法廷(芦辺拓)


彼の他の作品はろくに読んでいないから、力量の程はなんとも

しかし、この作品はまあまあいけます

ミステリーよりも時代設定の読み込みが読みどころ


自由民権運動過激派が跋扈し、権力の弾圧でなんとか表面的には平穏な「獅子の時代」

大阪市市内の質屋一家惨殺事件が発生

なんせ、旧刑法の時代ですから、推定有罪

孤軍奮闘する代言屋や、それをサポートする自由民権芸者に新聞記者、、、圧倒的に不利な公判。


この手の話は予定調和のハッピーエンドなんですが、色々実在の著名人が狂言回しを務めます。


手塚太郎検察官(最終的にどっかの高検長まで偉くなりました)

テミス神の代理人なんですが、無能で偏見まみれの裁判官を歯牙にもかけず、、、児島惟謙(この頃は大阪高等裁判所長官かな?)のバックアップもあったか、毅然と正義を全うするのです


この検察官の御子息はさしたる者とまでは言いにくいそうだが、孫は稀代の医師免許を持つ大漫画家。

そもそも、手塚家は蘭学医の家系ですから、、、、

小説のなかに、チョコっと孫の設定で手塚治虫さんが登場します。

読み飛ばしそうなくらいあっさりと(^^)

ちばてつやさんではなく、もう少し長命ならば、文化勲章受賞者のはずが、、、




2025年2月14日金曜日

夜の梅

 



宮内庁御用達の羊羹屋さんの看板商品の商標

印籠杉箱入の大判ならば、たかが羊羹なのに大層なお値段ですが、小型ならばお手軽。


虎屋さんのウェブサイトによれば、三十六歌仙の凡河内躬恒の和歌(古今集)を引用しつつ、、、あれこれと

変に理が勝ちすぎて、、、というかロジックがキャベツなのよ


春の夜の闇はあやなし 

梅の花 

色こそ見えね 香やは隠るる


羊羹の色目が夜のあらわし、その闇の中に浮かぶ梅の花を小豆が見立てる


そんな和歌よりも、本歌取りなんですが、


色みえで

春にうつろふ 心かな

闇はあやなき 梅の匂いに(定家)


時代が違うし、技法の進化もあり、比較するのは気の毒なんだが、、、そもそもプロ歌人として力量に差がありすぎる。





なんにせよ、桜は「花見」だが、梅の花見は噴飯物。自宅の軒端の梅を眺めるのはさておき、、、わざわざ足を運んでまで、、、、



梅は夜に香りを愛でるもの。

桜や桃だって、薫りが、、、なんて底の浅い反論はするものじゃないし、アタシからの倍返し(^^)

桜は葉の薫りだし、桃の薫りに至っては、あれは桃の実の匂い。それに本当に美味しい前歯が欠けるくらいに硬い桃の実は知る人は少ない。


2025年2月13日木曜日

極私的なベストテン

 


ある映画祭の審査員やらの繋がりから派生した仲間による映画ベストテンの結果です。


評価者の数はざっくり70名くらい

ベストテンにテイクノートされた映画は延べ百数十本

年間公開本数が千作品内外から選ばれたのですから、それだけでも大したもの


採点競技ですから、審査員の構成やら、、、ゲームのルールで順番はなんとでもなります。

邦洋実写アニメ混合のバトルロイヤルの結果は?



順当に第一位は、オッペンハイマー。

ベストテンに選んだ審査員は26名。

あれだけの話題作なんだからこのメンバーなら、観ていないはないだろうし、観た上で選外にするのはかなり天邪鬼です。


第二位は、侍タイムスリッパー

僅差でキネ旬ベストワンをおさえたのは見識です。

夜明けの全ては未見なんです。そしてこの作品の監督の前作も未見。食わず嫌いじゃないつもりだが、かつてのオスカー賞のちかみちは「アルコール依存症役者」なんて伝説を思い出すもんで、、、言葉すぎますがアザトイ


落下の解剖学と関心領域は、いずれもザンドラヒューラーの主演作。甲乙つけ難いが、落下の解剖学を上にするのは眼が高い(アタシがそうだから)


ホールドオーバーズみたいな渋くて地味な映画を選ぶんだから、選者のレベルが分かります


ルックバックと青春ジャックは、観たことも聞いたこともありませんし、知っていても多分小屋には足を運ばないだろう。


ロボットドリームスは爆睡だし、エマストーン嫌いだから、哀れなるものたちは観てません(とキッパリ)


なお、、、アタシのベストテン作品は3本がこの中に入りました。


2025年2月12日水曜日

カエル男

 


乱作の作者がかなりな思い入れなりで書いた連作ホラーミステリー四部作
かような作家の愛読者って公言するにはかなり勇気いりますが、、、いわゆる「純文学」の大半は骨粗鬆症か自閉症の産物みたいなものだと揶揄するアタシだから、、、

でも別に推奨はしません。

中身の悍ましさは、自分で読んで(買わずに借りる事で充分)確認してください。

ここまでも、これでもか!って作家は類を見ない。


中山七里ワールドには、様々な主人公(個々の作品のセンター)が登場します。

それが、全員ではないが、かなりなオールスターズが登場するのがこの四部作



このシリーズのセンターは、触法少女あがりの統合失調症患者のピアノ講師。コンサートピアニストの域ではないが、その荒削りな演奏は魂を揺さぶり、同じ触法少年上がりのサカキバラまがいの辣腕弁護士とは少年院仲間だし、ピアノレッスン仲間には司法修習生あがりで後年のショパンコンクールファイナリストもいたし、埼玉県警の体力バカ刑事とも心が通い合う。



彼女は悪名高いシリアルキラーだが、解離性同一性障碍を患う。

ミステリーである以上、捜査関係者は警視庁、埼玉県警、千葉県警のそれぞれ個性的な刑事にまで及び、あとは法医学者や鑑定人まで、、、、

これだけの多様なメンツが織りなしてこそ「シェアードユニバース」に相応しい。




この連作のキーワードは刑法39条

ジンケンハ被告代理人の最後で最強の魔法の杖だが、使い方が難しい法律概念だし、被害者側からの批判も激しいセンシティブな分野。

本条文削除という強硬意見もあるが、これは刑法総則第七章全体を鳥瞰していない視野狭窄な暴論。精神鑑定は科学ではないというが、そんな事はアタシでなくとも裁判官は百も承知。だから鑑定書に拘束されず己の自由心象に従って判決を書く。

また、責任主義は近代刑法のプリンシプルではあるが世界基準ではないと宣う方がいますが、唐代やそれをうけた養老律令でも「幼若、老耄、衆愚が犯した犯罪処罰は軽減する」と定められている以上、自然法理に近い考え方であり、主張は勉強不足な的外れ。



物語自体は、最終的にはすべてが浄化される結末なんですが、肝心の「キーワード」の解は、当然ながら見つからない。

罰を排斥ないし軽減する要件は、この第七章が必要にして且つ充分なんですが、、、実は第四十条(条文は後述)はかなり前に削除されてます。

まことに珍しい事なのですが、障碍者団体の「切実な訴え」を立法府が考慮したってこと

そのひそみにならえば、39条廃止反対論者は、、、

サベツシテクレ!って言っているような(流石にこれは詭弁まがいな言いがかりだからアタシの真意ではない)



聾唖者、行為ハ之ヲ罰セス又ハ其刑ヲ軽減ス






2025年2月11日火曜日

春の喜び

 



春がやってきたよ!というにはまだ早いかなあ
そんなときには、、、

Just around the corner !


すぐそこに春が、、、って時の慣用表現

今時点はそんな感じだろう


しかし、捻くれ者とまではいわないが、斜視の歌人もいます。


茶人がもっとも重要視する「南方録」

利休伝来の茶道の秘伝書らしいが、真っ赤な偽書

利休の侘び茶の真髄をこの和歌が化体している、、、トカナントカ

武野紹鴎のいう、、、見渡せば 花も紅葉のに比べるとまだわかりやすい。


倒錯の美が大好きなアタシだが、なんか「ウエカラメセン」感が強くてあまりに好きになれない家隆の有名歌。でも、嫌いながら、百人一首収録のこれよりは遥かにまし



敢えて現代語訳風に披瀝しますが、あまりなまでに当たり前で、この歌人の本質が分からなくなるし、論評すらしたくない。



春がきたを素直に詠みたければ、志貴皇子の



天智天皇の皇子さまですが、母の身分が低くて皇位には手が届かないと達観し、政治とは一線をかくした文化人の生涯ながら、塞翁が馬とはこのこと。

彼の子供が白壁王(光仁天皇)として今に皇統を伝える。

もっとも、白壁王の即位は志貴皇子薨去の相当後のことであり、この和歌の喜び感はそんな「俗事」ではなく、純粋な春一直線であり、たぎり落ちるみなおとまで聴こえてきます。

俗事の喜びの歌ならば、アタシはこんなに買わないってキッパリ


2025年2月10日月曜日

筒井康隆

 



文藝のヒエラルヒーからすれば、士農工商ナンタラカンタラSF作家

そのSF作家の端くれである、荒唐無稽抱腹絶倒な筒井康隆(敬称略)もいまや大作家さま
なんとまあいまや芸術院会員ではないか!

いつの頃からか作風が変わり、シュールリアリズムとでもいうか、ある種「難解」になりました。純文学やら中間小説を超克しちゃったみたいなシュールメタファクション(^^)


小説「敵」


ざっと30年ばかり前の作品が吉田大八監督でモノクロ映画化されました。彼が監督なら観てもいいかなって思うし、東京国際映画祭のグランプリ作品でもあるが、キネ旬も日本アカデミー賞も全くの無視(多分公開時期なんかで今年は選考対象外なんだろう)

映像化困難ともいわれてますから、まずは小説を読んでみよう


主人公はリタイアした70歳代の一人暮らしの元大学教授の仏文学者。山の手の陋屋での平穏で律儀な日々の生活

その老境の渡辺儀助に襲いかかる「敵」とは?




To be continued