2025年11月10日月曜日

虹の橋

 



写真は十年以上前のもの
村はずれのアバラ御堂の軒下に捨てられていたが、
某人が、飼い猫を亡くしたばかりの母のところにハンカチに包んで持ち込んできた。
たぶん、母が傘寿の頃だろう。

飼い猫より先に死んで、取り残されるのが可哀想とかなんとか渋っていたが、、、
猫はヒトではなくて家につくものだし、
一樹の陰一河の流れともいうではないか、

是多少仏縁とかなんとか(^^)
それなりにワルサもしながら泰然に歳月をおくり、まあしあわせだったかな?
なんせ、晩年は猫にあるまじきグルメ三昧でしたから

母の満中陰の前後から急激に病み衰えて、、、
なんとか一周忌までは😥😥


虹の橋を渡るという詩がある。
この詩では、ペットが先に死に、虹の橋のたもとであとから来る大好きだった飼い主を待っているのだが、今回はあと先が逆だが、似たような風景になるかも、、、でも、少なくともアタシはまだまだ元気なんだがなあ

母が飼い猫がやって来るのを待っていたのか、あるいは招き寄せようとしたのか?


しかし、この詩のイメージはねこではなくイヌだなあ


合掌

2025年11月9日日曜日

冬は、時雨にはじまる

 


のんびりと秋部の王朝和歌を詠じているうちに、はや冬の様相

いまは、夏が長くて秋があるようなないような、、、早晩冬もなくなり、、、世界に冠たる倭人の季節感だってどうなることやら
アタシも「環境老人」となり、あのノルディックの環境少女と連帯するかなあ(^^)

多くの勅撰集や歌集の冬部は秋部の半分程度の分量ですから、詠題に乏しいのだ。
大抵は時雨の詩が最初にならびますから、、、秋の訪れは「風」だったが冬は「雨」だと言うこと

しかしなあ、、、時雨ってなんだい?
かような雨で冬の到来を感じる美意識って、アタシには理解に苦しむってか実感がないのよね。

即物的には「コンビニにならぶおでん」だろうが、これはこれで、感情移入し難いからあまり琴線には触れないし、精々が俳句素材



しかし、木下長嘯子のこれはなかなか


散り散らず
木の葉夢訪ふ槙の屋に
時雨をかたる 軒の玉水


某歌人は「秀句表現の綴れ織り」だと....
定家以降まともな歌人は、彼と正徹だけとは言葉がすぎますが、、、
長嘯子は高台院の甥にあたり、秀吉にも仕えた大身歌人でした。

2025年11月8日土曜日

六角堂

 





謂れある古刹のお堂かしら?と探訪に出かけたアタシが無知だった。

明治十年代に建設された今津小学校の遺構の名称である。文化財的建造物だが、この小学校出身者によればほんのしばらく前までは学校行事に使われていたそうです。

時代としては

明治五年に學事奨励の太政官布告

明治二十年代はじめの教育勅語の狭間に位置します。

今津は灘五郷(醸造産業のメッカ)の一番東に位置し、近世資本主義のフロントランナーだった地域。

布告にいうが如く

「身を修め知を開き才芸を長ずるは学に非らざればあたらず」なる明快な目標のもと

「邑に不学の戸なく家に不学の人なし」を目標に

「これらの弊(なにかと官に頼る癖)を改め自ら奮って学に従事せしむ」

公助に頼らず(頼られても予算がない)地域の篤志家の浄財やら自助で教育環境を整備してきた気風が、老朽化し時代にそぐわないとの風潮に抗しての地元の保存活動が今を作ったのでしょう。

今見ても理性の時代風なフォルムは実に素晴らしい!

これが教育勅語以降ならばこうはならない。

なんともファナティックな勅語を墨守復活を叫ぶ時代錯誤や部分的には今でも通用するとか....部分的なカット&ペーストは誤解のもと。

教育勅語は現行教育基本法に先立つ教育の意義の明示化であり、戦後に国会決議で失効しました。

正確に書けば、1948年六月の両院の決議

一方でこの太政官布告の効力は...よくわかりませんが、教育基本法施行により喪失したとされます。

全ての太政官布告が廃止されたわけではなく、現行憲法等教育の理念に違背していないし、明確な廃止手続きもないんだから、、、

美辞麗句を羅列する現行の教育理念とやらよりも、アタシはこの布告のスッキリしたプラグマティズムの方が好きです。

2025年11月7日金曜日

難度の高い台詞

 



今時は知らないが、舞台女優魂がかき立てられるセンターのヒロインとは

リジー(恭しき娼婦)
ブランチ(欲望という名の...)
ラネーフスカヤ(さくらの園)
ジュリエット(ロミジュリ)

この天邪鬼がジュリエットなんて口にすれば、笑止ですが、、。
でも、リジーやブランチと違う意味で難役だと思うのですよ。
バルコニーの有名なシーンなんか原作通りに演じると
大抵は平坦陳腐で笑いたくなる。
だから老獪なゼフィレッリ版の映画は、
恋の告白なんか早々にベッドインにヌード公開でサラリと、、、実に上手い。
オリビアハッセーの演技力から考えれば最良の演出。


あの誰でも知っている有名なジュリエットの台詞

O Romeo, Romeo!
Wherefore art thou Romeo?

以下略しますが、略した部分は結構長くてコンテンツに含蓄があるものの、、、凡女優でもど忘れやとちりさえしなければなんとかなります。
問題はこの二行

太地喜和子さんの文学座公演で、彼女は

両手を組み合わせて頬をつき、
か細い囁き声をだし
ロミオを四回(二回でなくて!)繰り返した

小田島雄志氏の訳本だったそうですが(その訳業も凄い)呪詛のようなあまりな万感の思いがアトリエ全体を覆い尽くし、氏は涙を禁じ得なかった、、とかなんかに書いてました。
映像を探しまくりましたが、残念ながら



ちなみに、映画のヒロインの最高難度の台詞はこれ
原節子は上京してきた戦死した夫の両親を一夜細やかにもてなし、しばらくして義母は急逝。
後の日の義父とのやりとり

....
わたくしずるいんです。
お父さまやお母さまが思ってらっしゃるほど、
いつもいつも昌二さんのことばかり考えてるわけじゃありません

でも、このごろ思い出さない日さえあるんです。
忘れてる日が多いんです。
わたくし、いつまでも
このままじゃいられないような気もするんです。
このままこうして一人でいたら、
いったいどうなるんだろうなんて
夜中にふと考えたりすることがあるんです。
一日一日が何事もなく過ぎてゆくのがとっても寂しいんです。

どこか心の隅で何かを待ってるんです
ずるいんです
.....

いくら無謀な映像作家でもリメイクしない理由が
この台詞回しの超難度にあります。
どってことないのですが、背面の深さなり暗い闇はもはや再現しようもない。

2025年11月6日木曜日

おもてなしの、、、ココロ

 



鎌倉にある美酒乱星ひとつのお料理屋さん
元はといえば、この能(鉢の木)にちなんだのでしょう。
狭い自宅の一角で、こころを込めて作ったおにぎりが大人気でいまや、隆々たる大料亭。
初心の「おもてなし」のこころをいまだに持っている、、、そうです。


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主人公(シテ)佐野源左衛門常世は一族に領地を横領された没落鎌倉御家人
妻と二人暮らしながら、どうやって生計を立てているのかよくわかりません。

場所は、、、不詳(群馬か栃木あたり)

大雪のある夕刻のこと、旅の修行者が、一夜を乞います。
なんのおもてなしも出来ないがってことで・・・
ささやかになけなしの「粟飯」を振る舞います。
稗粟なんて、貧困の象徴ですが、貧しいがゆえのそのおもてなしがさぞかし修行僧には嬉しく心にしみたことでしょう。


夜がふけるにつき、だんだん寒くなりますが、暖を取る薪にも往生しています。
そこで、主は、秘蔵の鉢の木(梅、桜、松)を切り、暖をすすめるのです。
見ず知らずとはいえ、客人をもてなすとはこういうこと
豪華な飲食物や温かいベッドルームではなく・・・
富者の万灯より貧者の一灯のほうが値打ちがある意味合いとはまさにこれのこと。
けだし「おもてなし」とはそういうものなのです。

しかし、落ちぶれても鎌倉御家人の矜持はわすれず、
いざ鎌倉ともなれば・・・

ちぎれたりとはいえ この具足
錆びたりとはいえ この長刀
痩せたりとはいえ この馬

一番に馳せ参じるって意地を語るところが痛々しいまでに清々しい


翌朝、後ろ髪を引かれる思いで修行者は立ち去るのですが、
しばらくして鎌倉から、全員参集の号令が・・・
やっとのことで着到した主人公は、御前の前に呼び出されますが・・・

そこにいたのは、政権の最高権力者である執権北条時頼
旅の修行者は、世を忍ぶ仮の姿(まるで水戸のご老公さまみたい、、、)
時頼は、主人公の偽りなき矜持の高さを褒め、
横領された領地を取り戻したことを告げるのです。

佐野の庄三十か村って言いますから相当なものが帰ってきました。粟飯一膳の御礼にしては豪気ですねえ
合わせて、秘蔵の盆栽を切ってまで暖を提供してくれたおもてなしの心に免じ梅、桜、松にちなむ荘園三箇所を恩賞(ご褒美)とするのでした。



意気揚々と土地の権利証を懐に故郷に帰る常世の晴れ姿で・・・カーテンコール(いささか長いのですが、名曲です)

歌舞伎、落語、講談にもこの演目があるそうですが、残念ながらアタシは鑑賞した事がない


2025年11月5日水曜日

怪物三兄弟

 



藤子不二雄さんのホラーギャグマンガ「怪物くん」
その主人公の忠実なしもべが、

ドラキュラ
狼男
そして、、、、フランケンシュタイン


言わば、ホラーヒーローの三巨峰ですが、前者二人は、歴史的な伝承を背景としますが、最後の人造人間は、シェリー夫人の想像の産物。

先行する人工的な産物説話にインスパイアされたとは思いますし、そもそもはバイブルの「創造神話」が濫觴かも。


ちなみに、倭國は、お岩、お菊、お露の方々が三巨頭



映画史に於いても、早々に1910年が初登場で、1931年のユニバーサル作品でキャラクターとしての地位が確立。その後手を替え品を替え、、、と言いたいが、食傷気味だし、ほとんど観てません。

今回は、鬼才ギレル・ギレルモ・デル・トロ監督らしいから、、、いそいそと(^^)

原作小説にかなり忠実な映像化であり、まあまあ、ゴシックロマン風で面白かったが、、、尺が多少長すぎる。最近の傾向なんですが、あまり感心しないわ


2025年11月4日火曜日

こひ(恋)

 


王朝古典に始まり、演歌、JPOPSに至るまで、恋歌の王道はそんなものだと。



消えわびぬ
うつろふ人の秋の色に
身をこがらしの森の下露(千五百番歌合 定家)


藤原定家は恋うたの名手である。
業平を凌駕する歌才ながら、性格が悪かったしイケメンとも聞いていないから、モテモテだった筈はない。

だからだろうか、、、観念の恋世界にのめり込み、男性歌人が女性の立場で歌う嘆き節の秀作を数多。

オトコがつれないオンナの恨みつらみを語っても
単に女の腐ったみたいで草野球(ミットもない)



やっぱり待つオンナが絵になる
あまりに有名なのが...


来ぬ人を まつほの浦の夕なぎに 
焼くや藻塩の身も焦がれつつ(新勅撰集 巻十三)


百人一首のおかげで知名度だけはダントツです。
いつまでたっても来ないオトコを焦燥感満載に待ち続けるオンナ
しかし、まつオンナならば、こっちの方が、
オトコに逢うよりも待ち続ける習慣に陶酔するマゾヒズムに涎がでるって、、、倒錯の極美(出来の違いは明らか)


あじきなく つらき嵐のこゑも憂し 
など夕ぐれに待ち習ひけむ(新古今集 恋三)


でも、待ち続けても、
そのうち捨てられたってやっと解るのよ。
それが冒頭の恋うた
どなたかの口語訳だと...


貴方の心は移ろい私に飽きてしまった。
私ひとり身を焦がして苦しんでいる。
秋の木枯らしの森の下露のように
貴方に顧みられず、
いまにも消えてしまいそう。



韻文定型詩って、
訳するとかくもつまらなくなる典型例
この訳文が悪いのではない。
縁語掛詞に始まり、超絶技巧の粋をあますことなく
説明できてはいます。
しかし、これが「翻訳の限界」だと言う事です。


この手の和歌は枚挙にいとまなく、、、でも最高峰はこれ!、、、と識者はいいます。

しかし、これは嘆きというよりも「呪詛」だ。



年も経ぬ 祷る契りは

初瀬山 尾上の鐘の

よその夕暮れ  (定家 新古今)



現代の「歌姫」はさすがにその域までには至らないものの、シンガーソングライターとして、真っ当な版元からハードカバーの歌集を出しているのは彼女だけ。

しかしながら、ゆみさんは文化功労者なのに、どうしてみゆきさんがもらえない。

理由は簡単(だと極私的ですが)、、、、

若く明るい歌声みたいな戦後民主主義を体現するような歌謡だけが文化だとおもいこんでいるのですよ、

そんな嘘っぱちな世界は社会主義リアリズムと同じ。

それに、アレっぽっちの功労金が文化の功績かねえ



定家だって、歌風を達磨歌とまで罵倒されたが、歴史に残るのは、罵倒した側じゃない。




2025年11月3日月曜日

国旗等損壊罪

 


まことに疑わしい

俗耳に入り易い愛国的法案だから、反対すればネチズンからはヒコクミンと言われそう


ハイ!アタシはヒコクミンですよ(^^)




これが、彼らの刑法改正案です。

サナエちゃんも過去に同じような法案提出を企てたし、維新も同調しそうだし、このままだと由々しき事態になります。

こんな粗雑な処罰規定が出来ると将来に禍根を残しますから、真の愛国者は真っ当な「対案」を提示します。



現行の「国旗国歌法」を次のように改正します。

改正の要点は

・国旗と国歌の尊重義務条項の追加

・尊重義務違反の処罰条項の追加



先ずは、国旗も国歌も同等に尊重すべきであり、この改正案は片手落ち(敢えて差別語を使いますが)です。

故意に「国旗を損壊」した場合、器物損壊罪を適用すれば現行でも侮辱の意思の立証をしなくても最高三年の拘禁刑を課すことが出来ますから、実は国旗の尊厳をかろんじているということ。


この改正案は「外国旗損壊罪」のカトペであり、二年の拘禁刑としているところも同じ。つまり、器物損壊罪よりも軽犯罪な扱いなのは、法益が「外交関係への忖度」に過ぎないからです、外国政府だけに親告権がありますが、子供じみた行為ということもあり実際に親告があったのは一件(中共)しか知りませんし、結果は不起訴。


実際の法運用も難しい。「侮辱目的」という内面意思の証明は面倒だし、思想信条や表現の自由との兼ね合いもあり、不毛の憲法論争に陥ることが今から目に見えます。


もう少し、、、、「国章損壊」も処罰対象のようですが、日本国国章ってありましたっけ?

一般には「天皇家家紋」だと理解されていますが、十六葉八重表菊紋が「慣例としての国章」だとイワレテイマス。

しかし、実際に国章が使用されているのは御料車のプレートや賜盃くらいで、、、、パスポートの紋章は、十六葉一重表菊紋であり、これが使用された経緯に鑑み「慣例としての国章」ともいい切れない。

仮にも、国章損壊で処罰しようとすれば、必ず「不敬罪」論争を産みます。それはそれで面白いが、、

国章損壊を処罰したければ(アタシは尊重すべきと思いますが)真っ当には、国旗国歌・国章法に衣替えしてからですよ。

今のままでは、立法事実がないのに処罰規定を定めるという奇妙なことになります。



2025年11月2日日曜日

公僕の選び方

 


公僕の選び方は様々であるが

公選職員(住民の選挙で被選挙資格者の中から選ぶ)
任命職員(公選職員が一定の要件の範囲から指名する)
採用職員(一般公募で、公職職員が選ぶ)

何が一番良いのかは、その職種なりできまるが、手間暇やコストなりを考慮しなければ「選挙」が一番だと思われるが、陥穽がないではない。

その職にふさわしい立候補者がいるか?
投票行動が合理的か?
つまりは、選挙制度が適切か?


あるリーガルミステリー
不法投棄された産業廃棄物により深刻な健康被害が発生し、州裁判所の審理の結果懲罰的賠償を含め原告の圧勝・・・と、ハッピーエンドで幕が降りるような単純な事ではない。
被告企業は当然にアピール(控訴)し、ドラマはここから始まる。

保安官や地方検事が公選制と言うことは海外ドラマに登場するから、ある程度周知ではあるが、州裁判官までが・・・
少なくともミシシッピ州はそういう制度らしい。

大企業の不法行為を起因とする訴訟戦術の最たるものは「時間稼ぎによる原告団への兵糧攻め」と相場が決まっています。
資力に乏しい住民側が根をあげたところを見計らって、やすい慰謝料で秘密保持付きの和解。
しかし、この州ではそんなまどろっこしい事はせずにもっと狡猾な方法を採用します。

何年かおきに実施される裁判官選挙。
大企業有利な判決を書いてくれそうな法律家を立候補させ、ド派手な選挙運動で当選させる。
あとは・・・

判決を金で買う司法制度ってことになりますが、そういう言い方は有権者に失礼というものです。
民意がそれでも構わないのだと言いますし、輿論(ヨロン)でなく世論(セロン)の空気に流されたとしても、そう言う仕組みを選んだのも州の住民である。

物語は・・・女性で中道良心派の現職不利のまま投票日をむかえます。
リーガルミステリーの常として、最終回逆転というカタルシスを用意しているのですが豈図らんや。当選したのが大企業寄りの新人
その新人裁判官は大企業有利な判決をだしまくり、一審敗訴で、企業存亡の危機に立った悪辣な経営者の策謀は大成功
悪の栄える試しは・・・いくらでもあるのです(笑)
一方で、手弁当で訴訟を闘った小さな事務所は自己破産。
吐き気のする結幕ですが、多少の因果応報のエピソードがついていました。


選挙で選ばれた「選良」にウラギラレタのは、、、枚挙にいとまあらずなんだが、選んだお前らが悪いって

まあそうなんだが、、、、、