2016年10月28日金曜日

岩波文化人の「堕落」?


朝日教養派、岩波文化人・・・斯様な人物には、ひれ伏し、仰ぎ見、三尺下がって影をも踏まずって時代は遠い過去
前者は、いまや虚報新聞も出してますが、むしろ不動産業の傍で出版家業もやってる程度。
出版物が無くなっても痛くも痒くもない。
汗牛充棟な書庫には、そこそこ買い求めた書誌がありますが、さっぱり消えて無くなっても困るのは・・・・
朝日ジャーナルのバックナンバーくらいで、
後は、他の版元でも手に入る

本音的には、中島みゆきの全歌集はここから出版されてますのでちょっと困る。
ネットで読めるって言えばそれまでですが、詩集は「右縦書き」でないと・・・・気分が出ない。


一方で岩波書店
これはなくなると困る。
消えてしまうと書庫の体をなさなくなる。
もっとも大事にしているのは人文科学系ですので、社会科学系は蝸牛的には玉石混交です。

しかし最近の岩波も変わりました。
産経新聞社刊行の「法服の王国」を現代文庫で出版してみたりはともかくも
エスピオナージュものを出版するとはねえ・・・・


我らが背きし者(ジョン・ル・カレ)


著者お得意のスパイサスペンス物ですが、ロシアマフィアのマネロンなんかがテーマで、サスペンスタイプとしては「巻き込まれ型」
文庫版だとちょうど一冊の分量で手頃。
岩波現代文庫は、古典中心の岩波文庫に対峙する形で、現代古典のラインナップということになっています。

なんとこれが映画化され、ロードショー中。
この秋は過日ご紹介のマックスパーキンスと合わせて2本だけ見て、あとは12月16日をひたすら待ち続ける(笑)
どちらも良質な大衆娯楽ですが、大衆はまず足を運ばないから長々と小屋にはかからないでしょう。
見る気があるならお早めに・・・


ジョン・ル・カレの作品はそこそこ映画化されてますが・・・・

裏切りのサーカス
寒い国から帰ったスパイ
誰よりも狙われた男
テイラー・オブ・パナマ
ナイロビの蜂
ロシアハウス

どれもこれも平均点以上と思われますが、全部は見てません。
作者に敬意を表して役者も揃えて真面目に作るからでしょう。
しかし、映画という表現形式に鑑みて、原作以上にアクションが大きくなるのは否めない。
しかし「裏切りのサーカス」だけは原作表現に余りにも忠実。
繰り返し見ないと意味不明ってなのは困るねえ。観客の多くは原作を読んでいないんだから・・・



この作品もかなり原作をいじってますが、まあ致し方ないか。

0 件のコメント:

コメントを投稿