2025年6月11日水曜日

卒塔婆小町

 




知人の伯母さんが、名題の演目を素謡で演じるというから、いそいそと能楽堂へ
素人の発表会なんか、身内以外には笑止なんだが、、、



まずもって、無料です
プロの能楽師がサポートしますから、プロの技だけを堪能する(素人のパートは居眠り)

この演目自体最高難度の謡曲であり、目に触れる機会が少ない

老女ものの謡曲は、アタシが演じる事はまずあり得ないから(サポートするプロもAクラスですからお役料やら値が張るのよ)


伯母さんはシテ(老残剥落した小野小町)

ワキとワキシテは、旅の高野山の僧侶

地謡(バックコーラス)が四名

普通はただの和装ですが、この演目に限り女性は色留袖、男性は裃着用と重装備です。


流浪に疲れた小町は朽ちた卒塔婆に腰掛けるが、それを僧侶達が咎める。

美貌と歌才だけでなく学識豊かな小町は逆に僧侶を論破する

あまりの事に名を尋ねると、、、小町は老残剥落の身を嘆き、殊に恋焦がれ死にした深草少将に取り憑かれたように物狂う、、、とまあ時空を超越したような場面展開。

能はもとより素謡であっても、実に難しいってよくわかります。



でも、とっつきにくいからって忌避するのは勿体無い。そんな時には、天才三島由紀夫の「近代能楽集」を読む。翻案戯曲集ですが、お手軽ながら奥が深くてサクサク読める。

それが、情念と怨念の観念劇を新潮文庫で千円足らずで堪能出来ますよ

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