2026年2月23日月曜日

藤原高子作

 



気取った修辞な名題ですが、語感からして漢風文化時代の和歌です。


雪の内に
春は来にけり
鶯の凍れる涙 けふや溶くらん


作者は、二条の后(藤原高子)
清和天皇の奥様にして御子息は陽成天皇。「国母」として絶頂をきわめたのだが、浮き沈みが激しいこと比類なく、、、

業平との駆け落ち騒動(伊勢物語の芥川の段の逸話)
陽成帝は殺人の咎(多分事実)で退位

二条の后系の皇子達は帝位継承から放逐
供奉僧との不倫(多分冤罪)で称号剥奪宮中追放
死後四半世紀を経てやっと名誉回復

この和歌(八代集にたった一首の后さまの収録歌)はきたるべき春を讃える一連の和歌の並びの一首ながら、春怨とか春呪の雰囲気すら漂う。

古今集編纂時は、彼女の名誉はまだ回復されておらず、その時期に「もうすぐアタシってカムバックしてやるから、いつまでもめそめそしないの」なんて裏読みが出来る和歌を勅撰集巻頭の四番目に押し込むなんて、、、普通なら「読人不知」にするところを実名とは貫之はかなりな度胸というよりも確信犯



平安期の和風文化の底流には反体制の伏流が流れており、古今集自体が「反藤原」が隠れた編纂意図だと、、、喝破される先生もおられます。
この和歌の出来栄えはさほどとも言い難いが、背景理解だけに支えられている。

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