思い立ちモールの書店でサルトルを立ち読みしようとした。
四十年ぶりの邂逅のはずが・・
人文書院の全集はジュンク堂か紀伊国屋でもないと置いていない予感はあった。
しかし、新潮文庫の棚にもサルトルは皆無
あるのは、岩波とちくまの哲学書(存在と無)だけ
文学者でなく哲学者として東洋の島国で名を留めるのだから、本望だろう(笑)
あの当時の仏蘭西のひとかどの文化人で映画に関わらなかった御仁はまず居ない・・と思います。
サルトルも例外でなくリセの教師の傍らパテで脚本を書いていたらしい。
が、どうも相性が悪かったか、映画史に留めるような功績やエピソードは何もない。
ごく少数の原作小説が映画化されてはいますが、見るに値するかどうか・・・・
シークレットオブモンスター
表題の小説を原作・・あるいはモチーフにするらしいが、原作を読んでいないのでなんとも言いようがない。
映画の主たる舞台は、1919年のベルサイユ講和条約交渉の時期
原作は1938年に出版されてますが、ネット解説によればムッソリーニがモデルだとか・・・
主人公の父親はアメリカの外交官でウイルソン大統領の側近として講和条約成立に尽力する。
母親はドイツ人を父親とするが、広義のユーロ人。
家産の古農家に滞在している。
主人公は十歳くらいでしょうか、美少年です。
いわく言いがたい苛立たしさみたいなものが、主人公の癇癪・・・グロテスクに言えば狂気を掻き立てて、
カタストロフィに至るって事なんですが、なんともねえ
しかし、今年最大の問題作って事は間違いなさそうです。
第一次世界大戦の稚拙な戦後処理がその後多くの問題を生んだ事は紛れも無い事実だし、モンスターの誕生をそれに求めることも
間違いとも言えない。
思えば、20世紀は多くのモンスターが人類に災厄をもたらした。
罪科もなく不幸な人生を送らざるを得なかったヒトザルの数は、地球上の過半に及ぶ。
多分そんな事をモチーフにサルトルはこの小説を書いたのだろう
しかし、極私的映画鑑賞家は、こんなつまらないことしか想起しないのです。
絶対に「オーメン」にインスパイヤーされている。
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