2022年12月7日水曜日

もののな歌.....ふたたび

 掛詞は約束事のある作歌上の技巧で歌の世界を豊穣にしますが、もののな(物名)は単なる言葉遊び。

以前にも紹介した超絶的な物名歌


......

......

普通に後朝の和歌です

よくある、、、逢えば別れがつらい



ながいマクラはここまで

今年もあとわずか。寅の年から卯の年へ

ですから、こんな物名歌をご賞味ください(二首セットですがいずれも拾遺集)


一夜寝て

憂しとらこそは 思いけめ

浮名立つ身ぞ 詫びしかりける


生まれより 櫃し作れば 山に去る

一人往ぬるに人いてませ




ヒントは既にだしてますし、、、答えが簡単に手に入ると励みになりません(^^)

後者よりも前者の方が出来が良いかな?


アタシの自作ならば大したものだが、、、藝術は創作するものだが、発見するものでもあります

2022年12月6日火曜日

切腹

 江戸幕政下での改易なるもの、、、多少の誤差を交えて(面白おかしく書きますが)

許認可業種での嫌がらせを含めた政策的な認可取消みたいなもの。
無理矢理にメガバンクを作りたいために合併に追い込まれたS銀行なんかが良い例だし、、、まあそんな例はほかにも

アタシの昔の奉公先だって、、、まあこのはなしはやめ(^^)


江戸初期の強権的な大名支配は数多くの大名取り潰しが行われて、、、失業武士は巷に満ち満ち(人斬り包丁を引っさげて)とんでもなく物騒だったみたい。

武士の需要は乱世に限る。太平の世ともなればさしたる技術のないお武家は貧困に喘ぐしかなく、、、

そこで流行したのが、然るべき大名屋敷に押し掛けて「世を儚みお庭先での切腹を所望」する。

実際は幾許かの金員を貰い受ける狂言切腹。実際にどの程度あったのかは定かではない。

最近再読した武江年表にはその記述はなかった。



有力譜代の井伊家に狂言切腹に押し掛けたのが秀吉恩顧の芸備福島正則の元家臣。井伊家ではこれ幸いと無理矢理切腹をさせてしまった。

これに激怒したのか元家臣の義父。

武士は相身互いというのに、絶望的な苦境になんら忖度も同情もしない理不尽な薄情さへのプロテスタントに討ち入りまがいに押し掛けるって反封建主義的ストーリー

60年台初期に相応しい映画素材


カンヌではパルムドールはヴィスコンティの「山猫」の後塵を拝したのでしたが、、、言ってみれば次席の栄誉に輝いたのがこの「切腹」なる映画



50年台から60年台にかけてはオリエンタルエキゾチズムだけの邦画が世界の映画祭を席巻しましたが、この重厚骨太な作品にはちゃんとしたドラマツルギーがあります。

いまでも鑑賞に耐えます、、、とキッパリ!、


ところが、、、この名作が「一命」なるタイトルでリメイクされ、なかんづくカンヌのコンペティションに出品されたらしい。



なにぶんにも観てませんからコメントのしようもないが、主演はあの團十郎(当時は海老蔵)

オリジナルは仲代達也さんですから推してしるべし。

コンペではかすりもしなかったみたいだし、、、

今時にこんなコンセプトで映画を作りますかねえ?

雰囲気の読めない二番煎じは国恥的

2022年12月5日月曜日

デジタル商品券が、、、

 これもささやかなDXなんだろう




いわゆる「スマホ決済」は生産人口の半分近くが利用しているとのアンケート結果がある。

全人口ならば判るが、、、半分が利用していないって事にプチビックリ(^^)



事業原資がなんなのか?はさておき


当該地域の住民だけが利用できる

当該地域の店舗だけで利用できる

一千円で千五百円のお買い物ができる


我が寒村の役場がどの程度広宣したのかは知らないが一次分は即日完売。

もっとも販売開始から数分、、、という事ではなく

一二時間程度だったみたい(開始直後はアクセス殺到だったが暫くすれば.....)

寒村所在の店舗の多くが参加していますし、このプレミアム率だし、、募集規模からして寒村在住スマホ決済利用者の大多数は手を出したのだろう。


逆に言えば非生産人口(高齢者)はその恩恵を享受出来なかったわけ。

実に公平な政策だ(^^)

働かずに社会福祉に寄生するだけの存在なんだからむしろ当たり前(アタシもその一人ですが)

更に逆を言えば、DX大好き老人が最大の恩恵をこうむる非公平な事業。アタシがその恩恵に預かっていますが、一応まだ個人的には働いていますし、なんだかんだで「相当な納税」もしていますから恥いるつもりはまったくない(^^)


二次募集もあるから、更に購入するか、、、あるいは陋屋の管理を手伝ってくれるおばちゃん(完璧なDX音痴でスマホはもって居るが通話とLINEしか使えない)をサポートするか思案中。


人気沸騰ならば事業規模の拡大も予想されますから、、、追加購入はそんときでもいいかな

実のところ、あんまりリアル店舗は利用しないのよ。


気宇壮大 雄渾

 三十一文字

所詮は技巧を凝らした箱庭的小宇宙の世界。
それはそれで悪くはない言語芸術なんだが、、その狭さを木っ端微塵にするようなスケールの大きな和歌はより素晴らしい。


あちこち和歌集の索引を眺むれば、、、やはり古代かスメラミコト調に限ります。



我こそは新島守りよ

隠岐の海の荒き波風

心して吹け(後鳥羽院)



北山にたなびく雲の

青雲の

星離(さか)りゆき 月を離れて(持統天皇)



東(ひんがし)の野に炎(かぎろひ)の立つ見えて

かえり見すれば 月西渡(つきかたぶきぬ)

(人麻呂)



よけいな講釈なんか要らないが、、、

隠岐に流罪となった帝ですが、こんな和歌を詠むようではへたっているふうには見えません(^^)

白河院の「天下三大不如意」である自然現象すら屈服させそうな



天武帝への挽歌

青雲が夫である天武天皇

自分やあるいは皇子たちを含めて星や月になぞらえていますが、、、ホンマに鸕野讃良(持統帝の諱)の自作かなあ?



江戸期の蕪村ならば「菜の花や 月は東に陽は西に 戌が北向く 尾っぽはみなみ」程度にしかなりませんが、、

人麻呂の和歌は軽皇子が阿騎野の原にお出かけの際に詠った反歌の一首であり、陽は軽皇子(後の文武天皇)であり、月は父親の草壁皇子(天武帝と持統帝の間の長子だが夭折)に準えているというのが国文学の定説。




2022年12月4日日曜日

名無しの探偵

 物語のヒーローなんだからフルネームがあって然るべしなんだが、、、

あのハメットの傑作「赤い収穫」ではフルネームがまったく判らないし、マニアックなミステリーファンなら知っていようが「名無しの探偵」なんてシリーズすらあります。
そんじゃあんまり、、、ですから苗字はあるが名前無し



原遼さんの沢崎探偵シリーズ
新宿鮫シリーズ

もっとも後者は映画版では「鮫島崇」となっていた。



キャリア崩れの新宿署の鮫島警部のキャラクターに真田広之かあ、、、テレビ版は舘ひろしだったらしいがこんとかは「名無し」とのこと

シリーズも12作目となり、段々お話が複雑になってきた。公設貸本屋さんはいつまでたっても「購入検討中」らしいから、しびれを切らし


読み始めて気がついた。

前前作からの一連の残留孤児の犯罪グループがストーリーの通奏低音を奏でる。

前作の「暗躍領域」はまだ多少は覚えているが、さらに先の「絆回廊」は唯一の理解者の上司が殉職するとか恋人の青木晶と別れるとかは鮮明に記憶しているが、、、肝心の主題は忘れてしまった(^^)


仕方がないから、一旦中断して「振り出し」に戻る事にします。



To be continued 

2022年12月3日土曜日

仏教(4)

 前回の補足です

仏陀が実際にこの十戒を選定し説教したかどうかは知らないが、、、多分仏陀の転法輪のアレコレを弟子が再編集したのだろう。

十善戒の初出は華厳経だといわれていますが、この経典は四世紀頃にまとめられた。


何事も重要性の降順原則だと思えば、、、


殺すな

奪うな

犯すな    なるテーゼの重さがわかります。漢の高祖(劉邦)の「法ハ三章ニテ足ル」も同じ趣旨ですが、無論仏教伝来は遥かに後世のこと。

モーゼの十戒にもありますから、けだし自然律だという事です。


この十善戒は真言宗徒には昔からの勤行の必読であり、、、他のバージョンがあるとは知らずに

天台宗系では十重禁戒なるもの。比較論評はしないほうがよいのだが、多少の齟齬感があるし、、、本来は個人が涅槃に至るための日常的な品位ある戒のはずだが、教団組織防御的な戒(仏法僧を謗るな、教団の過ちをチクるな等)が加わると、、、、

それに「酤酒戒」に至っては(^^)

もっとも酤とは売買を意味し「飲」の語義はない。

しかしかような屁理屈は妄語綺語の類いである。





という事で、禍いの元である口業の本来は?の意味です



アタシの得意種目である「妄語綺語」ですが、有り体にいうと「中身のない虚言」だということです。

嘘に中身が有れば、かなり悪質ですから、アタシのはたわいない戯言程度なんですから、かろうじて「品位」は保たれています。



2022年12月2日金曜日

勝った勝ったまた勝った!

 薄氷の決勝トーナメント進出!

もうしばらくすると、余裕をもって予選リーグを堪能できるようになるかなあ
才能ある選手が世界で闘う事が当たり前になっているプロスポーツの未来は明るい。
欲を言えばJリーグに世界の才能か多少なりとも集まって欲しい。
逆に言えば、島国に縮こまっているプロスポーツは衰退するし現実にそうなっている。



挑戦者のつもりだとチカラをより発揮し、嫌いな言葉だが「格下」相手だと、、、プレイヤーにはそんな意識はないと思うが、サポーターの驕りめいた楽観意識が悪い雰囲気を醸し出し、、、負けを呼ぶ。
そして、負ければ戦犯探しやら罵詈雑言、、、どこの国もそうなんだが、倭人の古来から精神風土にはあんまり馴染まなかったはずなんですがねえ.....

ドローンの活用のレベルが上がってきたのか、斬新な映像が嬉しいねえ。
そしてVAR判定


アタシは審判の判定には誤審の可能性が高くとも異論を口にしない事にしている。

都合の悪いジャッジには文句をつけたがる心情は判るが見苦しい。色々あっても判定とは「神意」なんだから、、、

それにこのシステムの精度たるやミリ単位らしくて、テレビ画面の素人の印象だけでとやかくいうもんじゃない。



こんな感じの決勝トーナメント

たらればですが、コスタリカに勝っていれば、

モロッコとの対戦になったの?

クロアチアはドイツレベルのFIFAランキング。モロッコは倭国と同じレベルです。

所謂「格上」相手だと予想以上に頑張るのが森保ジャパンならば、、、なんか期待出来そうかしら(^^)


ニッポンチャチャチャ!!

恋の極み

 王朝和歌から究極だか至高だが、、、安っぽいグルメみたいな作品を極私的に選んでみよう。

ある種のゲテモノかも(^^)


夢にだに見で

明かしつる暁の恋こそ

恋のかぎりなりけれ


一昨年も

去年(こぞ)も

今年も

一昨日の

昨日も

今日も わが恋ふる君


知る限り一番下手くそなリンク映像

このふたりの和歌に一番似つかわしいかな(^^)


しかし、作者は最初は恋歌ならば右に出る者がいない和泉式部だし、次は博覧強記で究極技巧な源順

彼らの代表作品としては取り上げらる事は、、、先ずない。

特に源順のこの作は「一発一瞬芸」だし、

魂にふれるような和歌よりも鬼面人を驚かす

例えば....このような碁盤歌(多分彼の作品)


和泉式部は、、、なんちゅうか「恋に恋する」被虐的偏執者ですから、待てど暮らせどやって来ない彼を毎夜毎夜朝まで待ち続ける事が究極の恋だと。

妻問婚の時代でよかったなあ

今なら


因みにビクトルユーゴーの愛娘はとんでもなくエキセントリックなストーカーでした。



2022年12月1日木曜日

仏教(3)

 仏陀が遭遇した世間や人生の実相、生・病・老・死。この出家のきっかけとなったことを「四門出遊」なんぞという。

修行の果てに悟りを開いたが、僭越ながら大層なものとも思えない。しごく平明な真理の体感(....というか真理ってそんなものであり、難解をウリにするのは怪しげだと断定しても構わない)

人生が苦(思うようにならないもの)ならば、対処はふたつ。
荒業苦行もそうだが、しゃにむに力任せにブレイクスルーするやりかた。
今ひとつは自暴自棄享楽快楽に身を委ねる、、だが普通に考えても両極端は宜しくない。
偏らない「中道」こそ、心静かなメンタリティ。その精神状態に至る・保つ方法が「四諦」である。

四つの「真理」という意味です



まず「苦諦」

人生はままならないものだと認識すること

次に「集諦」

苦の原因を探究すること。

苦の原因をまとめて「煩悩」といい、煩悩がなくなった状態が「涅槃」

「滅諦」

苦がなくなればこころが安らかになる事を実感する

最後に「道諦」

滅諦の具体的な実践方法を学ぶ事


実に分かり易いし、仏陀の説教(転法輪という)とはこれだけが基本教理ですが、具体的な実践方法が体得できないとはなしにならない。

それが八正道(八つの正しい実践方法)として提示されています、、、まあ当たり前の素直な生き方だが、当たり前って難しいのです。




十善戒なるものがある

宗派で多少の异同はあるが、まあ似たり寄ったり

アタシが忌避する戒律には「不飲酒」があったりとか、、、 (^^)

ともあれ、こころのもちかたを正しくし、結果行いも正しく禍を呼ぶ口舌もなくなる、、、、