2023年10月10日火曜日

ラボエーム

 似て非なる三本だて

能はひとり芝居。

語り(芝居).舞(ダンス)、謡(歌唱)を一人でこなす。無論周囲に脇役やバックコーラス、オーケストラはいます。


オペラは、大胆に言えば全編「歌唱」芝居もありますが、アタシの見た目は歌唱の添え物。

ダンスは、、、オペラ歌手の体型では無理だ


ミュージカルは、、、概ね能と同じ。



プッチーニ作のオペラ最高傑作がミュージカルになった!

かなりオブジェクションです。

人気曲だとは思うが、、、トスカが最高と言うならまだわかるが、、、

それに、ダンスが登場しないミュージカルって??

昨今のグローバリズムとダイバーシティが悪しきスタイルで描かれる。

パリからNYに、時代を現代に、、、これは許容範囲

しかし、、、


ミミとロドルフはアジア系

ロゼッタとマルチェロはメキシカン

あとは、アフリカンやら


まともにWASPが誰も登場しないのは逆に異様で作為的。

舞台芸術とは、リアリズムはあってもいいと思うが、それは薄汚い現実を描けば良いってモノでは無い。

暗闇の空間の中で観客はある種の空想(夢)の世界に浸るのだ。

それが悲惨でも構わないが、ヒロインがコロナでグリニッジビレッジらしい屋根裏の粉雪舞い込む下宿で死んでいく様を見たい訳じゃ無い。


今年のワースト映画が決まったようなもの

しかし、ホールで生ミュージカルで観たならば、印象は多少変わったかも知れないが、ラボエームのミュージカル版ならば、既に大傑作があるんだけど





2023年10月9日月曜日

なべの季節

 真夏にギンギンにクーラーを効かして鍋を食べる、、、って、昨今の暑さだと不道徳な気がする(^^)


急に朝晩が冷えてきたから、いそいそと衣替え。

真夏の半袖シャツにユニクロダウン。
無理のきく居酒屋さんに鍋が食べたいって、、、

当然ながら裏メニュー。
出て来る魚は、店主まかせ。



老夫婦で食も細くなったから、少なめ、、、が仇になる(^^)

わかりますかねえ?

いとより....煮付けや鍋には向かないが、これも一興

食い意地の張った老人二人に、、、追加でコレは如何?、、、って、たまたまだろうが、カンパチ



あとは、まったく全国区になれないが、微妙な太さがお気に入りの佐用ソーメン(写真はありません)が締め


ポン酒三合、、、辛丹波、恵那山、千代むすび。あとはなんか焼酎ロックを飲んだなあ。


ご馳走様でした。

生きとし生きるモノのいのちを頂戴しました(合掌)

2023年10月7日土曜日

ペンゴロ

 




今時は、絶滅種となった職業が「総会屋」
はやいはなしが株ゴロ(ゴロツキにして少数株主)
公開企業に寄生してゆすりたかり紛いに金員を掠め、拒否すれば株主総会で暴れる、騒ぐ、叫く、下らん質問の乱発。

議場を混乱させれば、、、こっちのもの(^^)
来年からは厚めの茶封筒が頂けて、その見返りが「円滑短時間の総会運営」への協力(与党総会屋に転向)


こんな非道なビジネスがまかり通るわけがなく、商法改正により「活躍の場」を封じられ、、、しかし、そう簡単に絶滅はせずにマフィア化したようですが、、、よくわかりません。


表向き「株ゴロ」は消えましたが、もう一方の「ペンゴロ」は未だに跳梁跋扈の有様?

企業サイドの都合の良い広報の代弁者ばかりで、不都合な事実を言挙げすることが報道なんだが、、、そんな青臭い事は大メディアはやらないし、取材制限になれば、ことは重大事。

だっから、あまりしがらみのない週刊誌、、、あるいはもう少し高尚な小部数の調査報道誌の方がはるかにためになる。


しかし、Jの一件で総会屋まがいの「記者会見屋」なる職業がある事がわかった。

ある事を知らなかった訳ではないが、会見運営があまりに稚拙だから日本中にバレバレ。

舞台裏は分からないが、、、そもそもがそんなテクニカルな事ではなく、対処方針がキッチリ決まっていなかった事が最大の敗因。あの外資系コンサルタントファームがいつから参画したか知らないが、事務所サイドが輿論が読めなかったから、二回目の記者会見に追い込まれた時点で負け。


銀蝿みたいなペンゴロを封じる効果的なテクニックはいくらでもある、、、都合の悪い質問を封じるなんて悪手以外の何者でも無い。

昔習い覚えた悪辣な手口を今更自慢げに披瀝してもしょうがないし、いまさらそんな真似は矜恃が許さない。



この悪名高い東京新聞の婦人記者(最近は「婦人」って差別語なんだって?)

嫌がる事を殊更にって、、、でも、質問は取材の一部であって、記事がジャーナリストの真価を決める。

まともな調査報道で勝負してください(過去にはそれなりの実績もおありのようだし)

このままじゃ、果ては騒動師でしか無い。騒動師って芸能レポーター以下ですから






2023年10月6日金曜日

マインドスポーツ・マイナースポーツ

 



アジア版オリンピックだけじゃつまらない。
マインドスポーツやマイナースポーツにも光を当てよう!、、、って良い事だ。


フィジカルだけがスポーツではないし、アタマの悪いやつは一流のアスリートにはなれないし、知力を振り絞るには凄まじく体力を消耗する。虚弱は知的格闘技にも勝てない。


アジア大会2023の競技種目を眺めるに、、、


囲碁

ゲーム理論での言うところの「二人零和有限確定完全情報ゲーム」の最高峰ですから当たり前なんだが、、、なんせ競技人口が少なくアジアに偏している


シャンチー(中国象棋)

なんのこっちゃ?と思ったが、中華の象棋ゲーム

倭國の将棋に似ているようだが、差異優劣は知らないし、、、でも競技人口は圧倒的に象棋が上みたいだ。


その他、ブリッジやチェスも行われるが略。

eスポーツが「スポーツ」かって?これはやった事がないからよく分からない。



マイナースポーツは、単に国際規模で競技人口が少ないだけだろうし、当事者はあまり話題にならなくても楽しくやっているのだろうし、マイナーである事で、ある種の思惑もあったりして(^^)


東京大学にゲートボール部がある(あった)

少しだけ話題になり、物好きな記者が取材に、、、


主将の弁「いまなら日本一になれます」



実際に優勝したかは知らないが、実は開成高校にはゲートボール部があります。

さらに言えば暁星高校は競技カルタ(百人一首)の名門強豪校




2023年10月5日木曜日

映画版 時の娘

 




真実(真理)は、いまは隠されているかもしれないが、時間の経過によって明らかにされる

というような趣旨であり、決して「権力や権威のどら息子」ではないことを言外にこめる
クラシカルな表現らしくあちこちで引用されるが、一番著名なのはこのミステリー史に燦然と輝くこの歴史ミステリー「時の娘」であろう




イングランド史上最悪の国王とされるリチャード三世ですが、薔薇戦争の末期に登場するヨーク王朝の最後の王。以降はチューダー王朝となりエリザベス一世で絶頂を迎える。
彼の悪逆非道はシェイクスピアの史劇で一際有名だが、あくまでもこれは創作。
王位簒奪やら幼気ない甥兄弟の惨殺やら罪状数多なんだが、、、、仮に刑事裁判ともなれば、犯行の動機に始まりマトモな証拠はなく、、、そもそも惨殺されたとされる兄弟の死体すら未だに発見されていない以上、無罪判決しかあり得ない....とかなんとか


冤罪が永らく定説となった理由は明白。
これが軍事法廷の論理に踊らされたということ。
正史は勝者の玩具だし、勝てば官軍負ければ「戦争犯罪者」
実に分かり易い(^^)
リチャード三世の事績に関する文献の大半がチューダー王朝期のものだから、内容は押して知るべしだ。

しかし冤罪説が定説になったともいい難いらしいから、、、真実が本当に明らかになるのはいつかはわかりません。

最近やっとリチャード三世の遺骨が発見され、国王として丁重に埋葬されたよし。

その功績は一介の歴史マニアの主婦(サリーホーキンスが好演)によるものであり、国家と女王は勲位を以て労に報いた。

因みに、倭語版のミステリーオールタイムベストではかなり下位に位置します。
選者の力量と言ってしまえばそれまでですが、15世紀の英国史に通暁していないとまず読みこなせないから致し方ない(同じ名前があれこれ出てくるし人物関係がよく解らないし、、、)

苦労しても読みこなせないのは時間の無駄ですから、高木彬光氏の「義経=成吉思汗」説の証明ミステリーの方が食いつきやすい。

2023年10月4日水曜日

ダイビング

 



見るともなしにアジア大会(杭州)の女子たか板飛び込みを観ていたが、、、これが案外に面白い。



肝心のライブ映像がないのだが、瞬間芸(種目によるがたった二秒内外)な採点競技だと言うこと。

体操競技と多少異なるが、演技の完成度と難易度をジャッジのうち中央値の三人の採点合計に予め申告した演技の難度指数を積したものが得点になり、六回の試技の合計でランキングが決まる。

わかりやすいのですよ。平易な演技で満点をとるか完成度に難があっても難しい技に挑むか...

体操も、最後の着地でドラマが生じるのだが、ダイビングの醍醐味は「水飛沫」が立たない事がエクセレント。

倭國代表のなんとか祭理ちゃんのメダル期待だったが、惜しくも、、、しかし中共の十代コンビは圧倒的な強さ。あまつさえ、、、コマネチ以来かしら?「10点満点」の偉業。素人目にも実に素晴らしい二秒間だった

しかし、ヒトザルのやる事。上手の手から、、、ってあるんだなあ(^^)


六回の試技の内、一回の得点がゼロだと、、、確実に予選敗退。


マイナー競技だから練習環境も過酷だろうし、今の祭理ちゃんのチカラでは世界ははるか彼方みたいだが、、、パリまではあと一年あります。💪💪



2023年10月3日火曜日

カエル男

 中山七里氏のお手軽ミステリー。



近代刑法の基本骨格である責任主義に対するオブジェクションを基層とする異色の社会派ミステリー、、、と言いたいところだが、ただの意図的な露悪趣味に見えるし、、、寝転んで読むには推奨しますが、この程度で「刑法典上の責任主義」が理解できると思わない事。


白痴痴愚魯鈍の類い(差別用語かなあ?明治の頃の精神医学書を横にして書いてるもんで、、、)が凶悪犯罪を犯したにも関わらず心神喪失あるいは心神耗弱により無罪あるいは減刑。医療刑務所に収監されたが半年後に「完治」と診断され退院、、、暫くしてまたぞろ


それじゃ困るのだが日常風景に近いし、問題だと誰もが考えるが口うるさいジンケンハや無知蒙昧な厳罰派の不毛の論争が起きるだけ。


論点整理として、


責任主義は近代的な刑法概念以前から存在する。

養老律令(現存する最古の倭國の刑法典)の趣旨からすれば「幼弱、老耄、醜愚はこれを罰せず」とされていますから、これは理屈ではなく自然法理だという事。刑法39条廃止!なんて口走ると恥をかくだけ。

中華四千年の治世の要諦にケチつけるなんて無謀な事はしない。


精神鑑定は科学かどうかに疑念がある、、、から法廷で裁判官は鑑定結果に拘束されず自由心証で判断する。鑑定人の主観でなんとでもなる世界だし(中山七里氏の作品では原告代理人と鑑定人が親しく、、という事実があとから明らかになる)科学かどうかの疑問を排除出来ないと「合理的な疑いを差し挟む余地」ばかりで精神鑑定なんかそもそも無意味だということになる。


寛解はしても完治しない、、、完治しなければ再発しますよねえ。犯罪傾向のある寛解者を野放ししていいわけはないし、かといって著しく行動の自由を奪っていいとも思わない。

折り合いをつける事は難しくないが、誰もその一歩を踏み出さない。



原作よりもドラマ版の方がおもしろいかも。

なんせ、登場人物の誰もが病理的なんですから。

つまり、誰が異常な猟奇殺人者でもおかしくない

2023年10月2日月曜日

されどわれらが日々

 倭國の左翼運動って、敗残、挫折、自壊ばかりでロクな成功体験がないし、ロマンにも乏しい、、、とアタシは思う。



日共の武装闘争からの転換、歌ってマルクス踊ってレーニンの似非微笑み戦術を黙って素直に受け入れるって余りな思考停止はよほどの事(決して褒めるに値しない)

鉄面皮なまでの方針大転換が悪いとは言わないが「無謬のパルタイ」に過ちは無い、、、ってものいいが気に入らない。素直に間違いを認めない事がどれだけ後世に悪影響を及ぼしたか、、、


作者の柴田翔氏は高名なドイツ文学者だが、、、今どき倭國に数百人はいるらしいゲーテの専門家なんて如何程のものかしら?

それに、彼は党員でも活動家でもなかったはず。周囲にその類いがゴロゴロいただろうが、そんな状況下での他人様の恨み辛みや日常の不満や焦燥感をネタに芥川賞受賞のベストセラーをものにし、その印税で優雅にドイツ留学。果ては功なり名をとげ、、、

読んでると行間からモデルにされた知人たちの怨嗟のうめきが聞こえてきたような悍ましい記憶がある。

書庫の片隅にあるはずだが、いまさら手にしようとは思わない。



柴田翔氏の原作は映画化もされたが、YouTubeにも映像がないし、時代の雰囲気ならばこちらの方が、、、


アタシはあの時代は知らない。

60年台の新左翼運動の光芒も朝日ジャーナルの記事でしか知らない。

知っているのはなんとも悲惨な「内ゲバ」の時代。

あんなものは893の出入りと変わらん、、、が、ある日風呂屋の番台に殺人容疑で指名手配の、、、多少は好感を持った先輩の顔写真にはさすがに呆然。思わず、、、三度もアタシはイエスなんか知らないって口走るペテロを想起した。


なんともねえ、、、池上さんと佐藤氏の「日本左翼史」を読んでいて、、、今更ながら気がついた事。

アタシに仕送られてくる遊学費用の一部は民青の活動費用に使われていたのだ!って今頃になって(^^)


戦後の民主化施策のひとつとしてGHQは積極的に自治会育成の旗を振り、自治会費は強制代理徴収制度の対象となった。

大学の学生即ちその自治会員であることを強要するクローズドシップやユニオンシップであったかどうかまでは判然としないが、入学手続きをすれば自動的に自治会員となり、自治会費は授業料と一緒に振り込まされていた。


アタシの母校は法学部だけが民青の支配下にあり、あとは新左翼系諸派。

大学公認の自治会のヘゲモニーを握ること即ち活動資金源の確保ですから、、、拠点防衛は最優先事項だったのだ。

日頃は歌って踊っての民青も、いざ出入りともなれば、それはそれは菩薩が夜叉になる以上の怖い形相。

本質が表れますなあ(敵の出方論とはこの事)

2023年10月1日日曜日

神無月の釜飯

 陰暦十月になれば、倭國中の神々が出雲でサミットを開催する為「神様がいなくなる」から神様の無い月、、、民間俗解に過ぎず、出雲大社のセールスマンが言いふらしたこと。


神無月の「無・な」が「の」にあたる連体助詞「な」で「神の月」というものがあり、日本国語大辞典もこの説を採っている(後述)。「水無月」が「水の月」であることと同じである、、、というのが国語学者の定説。


そもそも、倭國中の神々が出雲に集まるってことからして疑わしい。伊勢神宮の祭神はお出ましにはならないとされる。アメリカンプレシゼントが出席しないサミットなんかありはしない。

なんにしても、十月は神様が活躍するイベントの無い月だという事です。



やっと秋らしくなったが、自然の恵みには恵まれない今年。

いそいそと小洒落た新規開店の和食屋さんに足を運んだが、、、


秋刀魚の刺身

秋刀魚の炙り焼き

秋刀魚の釜飯


普通に尾頭付きの塩焼きが食べたいのだが、、、諦めて釜飯だけを注文した。

釜飯とは、一人前用の炊き込みご飯(米、醤油、味醂に季節の具材)。お店の多くは、一合炊き羽釜式の鉄鍋を使用するが、その店はもう少し小振りだった(実に嫌な予感)

悪い予感ほど良く当たる(^^)


一合強の大きめの鉄鍋だとまず間違いはないが、普通の炊飯でもそうだが、少量の米炊きほど水加減の難しいものはないし、釜飯ならば多少のおこげがある方が美味しい。

案の定、微妙に水量が少なかった。