2017年2月23日木曜日

「ベン・ハー」は何処に行った?


オリジナルは19世紀末あたりのベストセラー小説です。
風と共に去りぬと並ぶくらいの大衆的傑作。
ベンハーは、ユダヤ人の名門ですが、サブタイトルには「キリストの物語」とされますので、宗教的味付けが隠し味。
時代的に映画界が目をつけないはずがなく・・・

1907年版
1925年版(大ヒットだったらしいが未見)
1957年版(かの大傑作!戦車競争の凄さは後世様々にモチーフとされた)
2003年版(アニメ版らしいがよく知りません)
2016年版

最後は、制作費一億ドル(大した金額でもないが・・・)で、公開予定のはずが・・・

シネコンの予告映像にも関わらず、劇場公開見送りって、
なんかスキャンダルとかクライシスでもない限り起こりえない
稀有の出来事。
一体何があったのでしょうか?




よくわかりませんが、興行的に当たらないって判断したのだと思いますが・・・多分正しい。
大枚叩いて配給権を買ったのに、DVDの発売だけだと大損でしょう。
確かにねえ・・・今更って気もしますし、役者に知名度もない。
宗教性がキツすぎるようなつくりのようですから、倭国向きではない。

何がスペクタクルのウリだか知りませんが、戦車競争だと、SWのボットレース以上にはならない。
ガレー船同士の激闘ならば・・・ギリシャ海軍のように漕ぎ手が戦闘に参加するって派手さがないと受けないが
史実は曲げられない。

当時のバトルシップの主エンジンは人力である。
ギリシア船を例に取れば、総乗員は二百名で、漕ぎ手は大半の170名。
連合艦隊として二百隻くらいを常備していたらしいので、ざっと四万人の配備。
狭隘な国土に少ない人口からすれば、
分業なんて贅沢は許されないから「多能工化」
漕ぎ手であり戦闘員(ローマやペルシアはエンジンは奴隷のお仕事だった)
当然にアテナイ市民とは言えプロレタリアのお仕事

古代ローマの国の背骨とは、ケントウリア。重歩兵戦団であり、通常百人隊と言われる。
それに対して、古代ギリシャは海軍国であり、バトルシップのエンジンこそが国家の背骨である。
彼らの権益に配慮することこそが政体の基本であり、かかるが故に民主政が生まれた・・・とかの女史が喝破した。
歴史評価として正鵠を得ているかどうかは・・・・読み手が判断すればいいが、
ポピュリズムと言えば聞こえが悪いが、大衆を無視して政治は成り立たない。


そんな事は別のネタですから、このお蔵映画はアマゾンプライムでそのうちに見よう。
まあ、暇ならば(笑)








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