2017年2月4日土曜日

いまどきのウェスタン


西部開拓時代・・・と言えば、牧歌的なパイオニア精神と詩情あふれる世界を思わせるが、
早い話が、原住民からの簒奪、稀少生物の殺戮、与太者の横行、ろくでもない弱肉強食の世界。
愚直で真面目な白人開発民や、平和の守護神みたいな騎兵隊も居たんでしょうが、それは視座による。

反対側から見てはいけない現実を見てしまった以上、教会やキンダースクールの若い女先生の登場することのない
パスタウェスタンが登場したのも必然だし、いまどきのハリウッドウェスタンも目先を変えないとやっていけない。
アメリカンのソウルフルなジャンルですから、手を変え品を変え・・・・一度はやって見たいのですよ。
かの成績優秀なヘブライ人のハーバード卒業生までも、わざわざ製作者に名を連ね、主演までやります。


興行的には散々な結果みたい・・・です。
ウェスタンで主役ヒロインは稀有だし、男尊女卑社会のハリウッドも多少変わったか?
我慢強い蝸牛だって途中で席を立ちたくなったくらいですが
別の理由があり、苦痛の時を過ごした。








嬉しい事だと思うのですが、かつての名作がデジタル化され再映されてますもんで、
いそいそと場末まで足を運んだら、この「ジェーンは銃をとった」ってのがくっついていたってこと。
アニーよ銃をとれ!の亜流タイトルですが、getとgotの違いがある。
これに駄弁を弄してもいいが、これは別の機会。


素材的にもガサツで大衆的
なかんずく、娯楽以外何者でもない映画を芸術品とまでは言いませんが、いっぱしの工芸品にまで高めた群像劇
何度見ても面白いし、新しい発見がある。

無名の大根役者ジョンウェインの出世的な「主演作」ってウィキペディアなんかには書いてますが、
これは疑わしい。
多分ですが、映画自体をキッチリと見ていない筆者の文章の孫引きに違いない。
定期便の馬車に乗り合わせたメンバーの中では、役柄的には重いが、主役というかどうか・・・

主役の定義って、難しいのですが、常識的には「出演者紹介の一番目」にクレジットされた役者さん。
その潜みに習えば、この映画の主演は(目の錯覚でなければ)

クレア・トレヴァー(酒場の娼婦・・だと思われるダラスを演じる)

アメリカンが大好きな「清らかな心は見た目薄汚れた外見に宿る」を絵に描いたような女性
サザンベルを代表するような騎兵隊大尉の若妻と対比的に描かれますが、その対立(反撥)と和解の描き方も素晴らしい。
間に南部名家の放蕩息子が絡むから物語に奥行きも出る。


まあ、異説もありましてね。
周囲の反発があったもので、ジョンウェインのクレジットは、あえて二番目にしたというジョンフォード監督の策謀とも・・
どっちか言えば、これが正解かも・・・ならば、真っ当な解説にはここまで書き込まないとプロの文筆家とは言えない。
蝸牛は、売文でゴハン食べてる訳じゃないが、素人なりに根拠のある実証的な事しか書かない。
あるいは、ええ加減な駄法螺や虚言の場合は、伝聞にとどめたりとか・・・・苦笑







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