2025年9月16日火曜日

こども家庭庁

 


昭和14年のこと。

大幅な出生減少やらに危機感を募らせた厚生省(この前年に陸軍省の要請により内務省から分離創設)は、有り難くも「結婚十訓」なるガイドラインを発表した。
ことの背景は言わずもがな


一生の伴侶として信頼できる人を選びませう。
心身ともに健康な人を選びませう。
お互いに健康証明書を交換しませう。
悪い遺伝のない人を選びませう。
近親結婚はなるべく避けることにしませう。
なるべく早く結婚しませう。
迷信や因襲にとらはれないこと。
父母長上の意見を尊重なさい。
式は質素に届けは当日に。
産めよ殖やせよ国のため。


ナチスの十箇条の焼き直しだと言われるが、誰も原典引用をしてくれない
なもんで、真面目で親切なアタシはオリジナル(と言っても論文の孫引き)を調べた上で大公開します

⬛️⬛️ 夫選びの10カ条

1 ドイツ人たることを自覚せよ
2 精神と魂の純潔を保て
3 身体の純潔を保て
4 遺伝上の欠陥がないのなら、独身でいてはならない
5 愛情のためにのみ結婚せよ
6 ドイツ人として配偶者にはかならず同種あるいは類種の血の者を選べ
7 配偶者を選ぶときは、その先祖を調べよ
8 健康は外見的な美しさよりも重要である
9 結婚相手には遊び友達ではなく伴侶を求めよ
10 できるだけ多くの子供を望め


焼き直し版の馬鹿馬鹿しさに比べて、さすがに世界に冠たるアーリアンだと感心します。
かなりな部分が換骨奪胎されていますが、最後の「多産の勧め」だけは共通していますし、優生学的見地もまた然り。
しかし、結婚観の思弁性の高さには相当な違いがあります。ナチスは「母性崇拝」の意識が高く、ヒトラー自身フェミニストだったようですから「子供を産む機械」のような侮蔑意識はなかったのでしょう。
だから「夫選び」というタイトルの通りヘゲモニーは女性側にあった、、、のかしら?


担当官の力作である結婚十訓がどの程度効果があったのかどうかは分からないが、悪しきドグマの呪縛が未だに舌禍事件を生む。

しかし、元来の厚生省創設の意図は極めて単純明快だった。


新しいかの組織も、こんな事から始めれば面白かったのにねえ、、、つまり組織のアイデンティティを分かりやすくするって事だが、多分焦点がボケたままなんだろう。だから、未だに継承した多額の予算を使いこなせない。



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