2023年9月21日木曜日

トランプ裁判

 



法律条文と判例に準拠した理性的な弁証と、エモーショナルな情理に訴える弁論&パブリックセンシティブの戦いである。

某誌の記事の一部を引用します。

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なんだかんだで百件余りの訴因で起訴されている。

アメリカンの大統領の除斥事由には犯罪歴は該当しないとされる。だから共和党の候補者となり、大統領選挙に勝ちさえすれば、後はなんとでもなる(^^)

しかし「犯歴非該」だが詳しくは調べていないが、反逆罪の類いの前科でも構わない、、、ってことにはならないと普通は思いますがねえ(ただ、今回の訴因に反逆罪はないようです)


トライアルがどんな風におこなわれるのか?

普通は12人の陪審員の評決一致(全員の意見の一致とか絶対多数)できまる。



つまり陪審員の選択の適否が勝負の分かれ目。

恣意性が無ければ、四割は共和党系の陪審員が選ばれるそうだ。さらにトランピアンが全国的に(と言っても共和党支持者だと思いますが)三割はいるとの世論調査結果。

つまり、理性や論理よりも感情や証拠能力のない情理を優先しかねない陪審員が三、四人いることになり、その連中の判断次第ということになり「有罪のハードル」はかなり高い。


そこで表には絶対に出ない「陪審員コンサルタント」の出番。

不利な候補者を選別し、忌避したり、、、あれこれいろんな手口で排除してゆく。

この辺りは、リンクの映画予告編をご覧下さい。

グリシャム原作の映画化にハズレは少ない


まあ、この一連の裁判は公開部分って面白くなくて、陰の部分の謀略が全てだということですが、残念ながら本当に見たいものは陽の目は見ない。





2023年9月20日水曜日

彼岸の入り

 




いわゆる「秋分の日」は彼岸会の中日。
前後三日を含めて彼岸会である。
この時期は、天文的に太陽と月が東西の方向にバランスし、御仏のおわしますのが、極楽浄土つまり西方浄土だから...ウンチャラカンチャラ

見てきたような嘘をつくのは講釈師だけでもない
だっから、三宝一体なんて信じない。


アタシはこの時期には墓参にはいかない。
毎日が勤行だし、ことさらに...
まずもって不正確な妄語綺語で善男善女を誑かすものではない。

この世が穢土
あの世が浄土で御仏の座す清浄な世界
その浄土は西方にあり、極楽と言う。

仏教界最大派閥の浄土宗門徒ならばそれでもいいが、
アタシは、阿弥陀如来ではなく、宇宙神である大日如来が本尊の真言宗徒、大日如来が御坐すのは密巖浄土で、極楽浄土とは言わない。
それに、悟りをひらいてしまえば、ことさらに清浄も汚濁もない。
全ては空だし、仏陀の存在する場所はどこでも浄土
下衆ばかりな喧騒な細民街でも、そこは浄土
青山はいたるところにある...とは中華の詩人も言う。


まあ、そんなこんなでノンビリと...
暑さ寒さも彼岸までだし、気候の厳しい折に墓掃除なんかは命を縮める。
この時期ばかりはと信仰心を振りかざす人々でごった返す墓園は神経が疲れる。
それに、この時期には墓花のお値段が通常の五割増し迄跳ね上がる。


理屈は色々あるが、馬鹿高い花を手向けて喜ぶようなご先祖さまを持ち合わせていないし、合理的なアクティビティは我が家の定め

2023年9月19日火曜日

吸血鬼

 



小説としてまともなもの、、、というか、マトモな小説が世にでだしたのが19世紀。

ブラムストーカー作「吸血鬼ドラキュラ」
ホラーとしてはシェリー夫人のフランケンシュタインと双璧らしいが、ホラーの舞台設定としての「ゴシックロマン」に鑑み、作品の優劣は論を待たないが、なんとも冗漫でかなりな根気がないと読破は無理

しかし、吸血鬼ものならば「カーミラ」が先行しますが、、、オンナがオトコの首に噛みつくのは絵にならない。原作ではオンナの襟足に噛み付く、、、レスビアニズム。当時としては普遍的に許容されるものでもない。当たり前になったのは、、、



吸血鬼は貴族的な紳士に限らず、官能的な淑女でもあり得て、若いオスの喉首をかき切る。



かのブラムストーカーの原作は「序破急」みたいな構成なんだが、ドラマホラーとしては「破」の部分。

ルーマニアからロンドンに向かうデミテル号に積み込まれた多数の木箱の中に潜むドラキュラが乗組員をひとりまたひとりと、、、恐怖の要素に不可欠な逃げ場のない閉塞感満開がなんとも言えない。

しかし、この部分が映画素材になった例は聞き及ばない。

倫敦の邸宅の購入契約の為に若い弁護士が遥々トランシルバニアにやって来て、不可思議な体験をしたり(序)吸血鬼退治のためにヘルシンキ博士がおっとり刀でドラキュラの居城を襲撃したりとか(急)、、、



さしたる作品ではないが、それなりのホラー作品

登場する帆船の名前はデミテル

ググるにギリシア神話に登場する農耕の守護神とのこと。ほかにもなんかメタファーがあり気だがよく分からない。

2023年9月18日月曜日

魯迅

 




キツイ酒は蒸留である。
蒸留と醸造で優劣があるわけではない。
文明の進化があると低アルコール度の酒が好まれる。
しかし酒を水で割るとは、、、貧乏してもそんな真似はしたくない。


かの大国の国酒は白酒であり、茅台酒が至高とされる。
しかし、50度を超えるとさすがにしんどい。
周恩来は風邪薬に愛飲したらしいから「医酒同源」である。

黄酒とは醸造酒である。
昨今は、品質も良くなり紅酒(ワイン)が好まれるそうな。
要するに低アルコール飲料である。
メイドインチャイナのワインなんか...と思うのは偏見と無知だし、ナパワインがフランスワインを凌駕した様は「パリスの審判」に詳しい。
広大な領土のこと、ワイナリーに適した場所はいくらでもある。
気候変動を予期してフランスのシャトーが英国に拠点確保していることは周知の事実だし、チャイナに目を付ける可能性もないではない。
後はプロによる管理と指導をビシバシやれば...



魯迅と紹興酒


なんか含蓄深い中国酒文化論でも味わえるかと
読み始めたが、たわいない呑んだくれ酒エッセイだった。収穫は...

浙江省紹興市の名産は紹興酒と知識人である。
魯迅は紹興出身である。
魯迅もけっこういけるクチだった。

つまり「知酒同源」だということだ。実に素晴らしい事ではないか(^^)

2023年9月17日日曜日

健康診断

 




村役場から個別検診の案内が舞い込んだのは春先。毎年秋迄放置しているが、大抵の検査は日常的にやっているし、、、
秋の胎内旅行のつもりで、、、最近は大抵の町医者でも内視鏡くらい持っているが画像の判定能力があるのかどうか



昨年は最悪一歩手前だった。

朝一番に足を運んだのが、寒村陋屋に一番近い業歴うん十年の町医者
喉からですか?鼻からにしますか?と事務的に看護師が聞きますから、楽なのは鼻からに決まってる。

右の鼻に所定の事前の処置をして、、見た目からして尊敬の念が生じようもないドクターが、、、やおら左の鼻からカメラを突っ込む。慌てる看護師の声そっちのけに、、、、流石に涙が溢れる(笑い事ではない)


撮影画像を根掘り葉掘り確認し、質問すること雨あられ
本当に私の画像かなあ?
処女のように(単なるたとえ)清浄で美しく、積年の暴飲暴食の片鱗も見えない。

町医者の診断はさておき、素人目にも綺麗、、、まあ結果オーライということ。


今年は他の医者に頼もう(^^)
因循愚昧な村民はもう忘れたかもしれないが、アタシはまだ覚えている。開業当時、お正月の鯛の骨を詰まらせた患者を見殺しにしたのが、この医者
いまなら確実に医療過誤裁判になったかも。

間違いは誰にでもあるから、、、さりとて

近くだからたまには足を運ぶが、命を預けるような真似は絶対にしない。


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リンク映像のクリニックは本内容とは無関係で、ネットから拝借しました。

2023年9月16日土曜日

拉麵

 毎度の狂言綺語です。

我が戒律たる十善戒に照らし、、、、まあ硬い事言わないって(^^)



料理の定義はJISで決まっている、、、かしらねえ?

とりあえず「素材の吟味、調理、盛り付け」の総体であり、基本的な「スタイル」を踏まえている事
一番簡素な料理のスタイルとはまずは「一椀一汁一菜」だ。


丼だけの一腕の食事とは、仏様のお供え物
卑しくもヒトザルであれば、まともな食事というのであれば、椀だけでなく汁に菜をそろえて三点セットで食するのが作法にかなう。
そういう意味で「拉麵」が料理って・・・いかがなものでしょうか(笑)

しかしデベートで負けた事のない天邪鬼は、超絶的な反論を試みる。
拉麵は「一椀一汁一菜」を一つの丼の中に小宇宙的に凝縮した画期的な料理だ!
拉麵とは単純な・・・麺と出汁、焼豚と煮卵だけのその気になれば誰でもできる料理であるが・・・
宇宙秩序の形成に成功できるかどうかがポイント

だっから、、、牛丼やカツ丼でも工夫次第で料理になるかもしれないが、粉物はどう考えても無理無理(^^)

加えて、仏教の五色(風水の四色➕黄色)をあしらう事

ちらし寿司は、だからちゃんとした正統和食。

拉麵もとりあえずそれを踏まえています。



ラーメンが先鞭をつけたということで、B級グルメ産業が姦しいが、上記のプリンシプルに照らして料理という概念に合致するかどうかがポイントである。




2023年9月15日金曜日

識字障害

 




読み書きは文明の礎石である。

これを実感するのは、漢字(正字)やローマン体のアルファベットがまるで存在しない土地に旅した時。

出不精のアタシだって、多少の経験はある。


自身がヒトザルとして欠陥があり尊厳そのものが傷ついたように骨身に染みいた。無論識字能力がなくても生きていける社会がこの地球上のどっかにはありそうだが、だからといってそんな世界に住みたいとは思わない。
事象を対象化し再認識する作業がこなせるからヒトザルがヒトザルとして存在し得る。






三本の映画を並べてみます。
いずれもカネのかかった作品ではないが、名優が顔を揃えています。ギャラが安くとも演じてみたいテーマだということなんだろう。



最初の作品は文盲である秘密を守るため雇い主一家を惨殺する下女(ローフィールド館の惨劇)

次はホロコーストに加担したという罪にかけられた女性。文盲の彼女は不能犯となるはずだが、彼女は冤罪を被ってまでも自分の秘密を守る(朗読者)


最後は、、、ちょっと甘いのですが、文盲のデニーロがジェーンフォンダの助けを借りて文字を学んでいく多少元気の出る作品(アイリスからの手紙)



文字にせよ記号や符号はその意味をしならければ、不可解意味不明な文様でしかなく、その不可解さの深層から意味合いをたぐり寄せる、、、あのホームズの「踊る人形」を思い浮かべれば分かることだが、天分そのもの。
シャーロックホームズは、子供の落書きめいたものから「有意差のあるなにか」を探り当てたのです。
シャーロックほどの天分はなくとも、ヒトザルはそれぞれに文様から意味合いをイメージする。


この先は、アタシの知らない世界だからある精神科医の弁を引用します。

意味合いをイメージすることとは「統合力」である。
その統合力が失われた世界は見慣れぬ不気味な存在であり、当惑や猜疑心が生まれ、、、妄想や幻覚に発展する。
その病態を我々は「統合失調症」と呼ぶのです。

つまり、、、狂気に陥りたくなければ、読み書きの鍛錬を欠かさないことが肝要だと、この精神科医は示唆するのです。

2023年9月14日木曜日

なほうらめしき

 



十世紀後半の上級貴族である藤原道信。
実父、養父、妻の父はいずれも上級の公卿なんだし、歌才バツグンだし、、、しかし天は健康をあたえず夭折。享年22才だからエラくなる前だった。


だから定家が憐れんで名題な一首を百人一首に収録したのかな?
しかし「恨み恋」の歌なら他にもあるだろう。
多少度が過ぎる感の気しなくはないが、こんなのはどうだろうか



近江(逢う身)にか ありといふなる
三稜草(みくり)くる 人くるしめの
筑摩江の沼(御拾遺和歌集 恋部)



筑摩江は琵琶湖の米原辺りの歌枕。

歌題としてあまり使われているかどうかは知らないが、石田三成の辞世の句に登場しているらしい。

米原辺りというなら彼の領国だった。



道信が誰にあてた和歌かは知らないが、恋の呪詛を彷彿とさせる、、、失恋がストーカーに変わるのはあと一歩




2023年9月13日水曜日

命の値段の

 諸般の事情により、二日遅れのリリース



大統領の日記の一節


あれは21世紀のパールハーバーだった!

なるほど
ネオコンが企んだイスラム潰しの謀略だったとの間接話法か?、、、なんて陰謀史観を書こうというのではない。
単に想像しようもない悲劇に遭遇した為に驚愕し茫然自失だったという意味だとしておくが、これだけは書いておく。

山本がやった事は愚かしくて不十分な空爆だったと思っているが、非戦闘の一般市民を標的にするような非道な真似だけはしていない、、と



アタシはあのテロ事件についてよくは知らない。

日本時間で夜の十時頃だったが早々の爆睡中で、アタマの中の論理的な整理がつかないままに毎日が過ぎた。だから数千人余りの犠牲者と遺族を救済する立法措置がなされ、DCでもなうての敏腕弁護士が調停の任にあたったことなんかは知らなかった。

その弁護士の著作に基づくネットフリックス製作の映画(劇場公開されたらしいがこれまた記憶にない)



アタシの興味は本事案は、ADRの一種だから補償総額が幾らだとか、どんな調停テクニックを使ってのかとか、、、そもそもかような仕組を考えたバックグラウンドにしかない。

別に犠牲者やらを哀れんだ事が一義ではないはずだ。仮にもクラスアクションなんかで大規模訴訟となれば長期に渡りアメリカンの政治と経済が麻痺する。つまり「訴訟権放棄の代償が補償金支給」であり、早期解決が期待出来る。

あざとく言えば、被告になったであろう大企業(主として航空業界)の救済が目的で信じられないスピードで特別法ができた。


無論全員が応諾したわけではないが、五千六百人余りに70億ドル強が支払われた(単純平均値は、、、凄いなあ。意味不明な事業に湯水のように公金を使う割に国民の命と暮らしに冷淡な某国じゃ考え難い)


それに、ファイトマネーを弁護士に払わなあかんし、一体幾ら......俄かに信じ難いことなんだが、これは二年間のプロボノだったらしいし、スタッフの報酬は彼のローファームから出したんだろう。

国家への奉仕という義務を弁護士ですら果たしたのだ。二年間にわたり事務所が無収入で、、、これはもう言葉にならない(もっともこれ以降大規模調停案件を独占するようになったみたいだから、下衆な言い方ですが元は取った、、、かな?)


しかし「命の値段」の算定なんて、個々には合理的に見えても鳥瞰すれば矛盾だらけ。

それはフォーカスの当て方次第で鵺のようになんとでもなる世界。

また、その「値段の受取人」にも考え方次第でなんとでも、、、当時の事ですから補償金の受取人になれないパートナーとか、犠牲になった夫の非嫡出子はどうなるの?

調停がこじれない方がどうかしている(^^)

まあそんな時には、老練な調停人はサラリというのです。


公平か平等かどうかは人それぞれ立場でなんとでも言えますから、議論は空転するだけです

そんなことより「あなたとその家族がこれから前向きに生きていく為の視点で、、、」一日も早い解決を......


モデルであるケネスファインバーク弁護士のプロフィールは英語版ウィキしか有りませんが、記載分量からしてもかなりな大物な法曹人のようです。