2015年9月2日水曜日
ボヴァリー夫人・・・それはパン屋だ!
近代小説は仏蘭西の19世紀文学を濫觴とする。
不倫
姦通
強姦
援交
浪費
贅沢
犯罪
現代悪を純粋昇華させた素材満載。
傑作と言われるものの多くが風紀紊乱猥褻図画でお白洲に引っ張りだされたのも当然である。
官憲との長く苦しい戦いのないで勝ち取った文学形式の有り難みを改めて噛み締めながら
半世紀ぶりに読み返しています。
当時と違った新訳ですので、サクサク読めます。
葡萄酒・・・なんて書かれると絶句しますが、いまはちゃんと・・ワイン(苦笑)
いまさらに「ボヴァリー夫人」とはって思うのですが、
仏蘭西で大ヒットしたのが「ボヴァリー夫人とパン屋」
原作にインスパイヤーされた小洒落たフレンチテイスト満載な作品
フランス映画は理屈が多いのが難点ですが、なんちゃって女優さんが素晴らしい。
美人だけならば、ハリウッドにかなわないが、官能性、エスプリ・・・褒め言葉に余りある。
これが
イギリス系=ギスギス(多少の例外有り)
ドイツ 系=ゴツゴツ
イタリア系=ガツガツ
スラブ系 =ブクブク
スペイン系=・・・・表現に困るなあ。とって食われそう(笑)
ここまでお洒落だと、本国で大ヒットするのもわかるなあ
退屈で平凡な現実生活と、
夢見た理想の生活との落差の中で、
夢想・妄想・・・リアルとバーチャルが錯綜し、
足を踏み外せば、末路悲惨なマダム・ボヴァリーの運命・・・
パリでの編集者稼業に見切りをつけて故郷で家業のパン屋を始めた主人公(狂言回し)の平安な日々は、
引っ越しをしてきた英国人のボヴァリー夫妻・・・とりわけ天真爛漫奔放な夫人の
小説さながらの行動で波瀾万丈化してゆく。
ヒロインのジェマ・アータートンが素晴らしい。
実のところは、労働者階級出身な英国人女優なんですが、フレンチテイスト満載に華麗なる変身
ノルマンディの陽光に映えます。
ほぼほぼ原作通りにお話は展開し、哀れマダム・ボヴァリーはって言いたいが
悲劇の二度目は喜劇ってセオリーを忠実に守る脚本の妙味
でも、これだけじゃ眼の超えたフランス人はテアトルに足を運ばない。
妻の不慮の死により、夫は・・・多分英国に帰ったのでしょう
空き家に次の住人が越してきました。
パン屋の主人の息子が、噂話のように告げるのです
凄いブロンド美人なんだけど・・・ロシア人らしいよ
名前が・・・アンナ・カレーニンだって
複雑な表情のパン屋主人のあたりに粉雪が舞います。
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