2015年9月15日火曜日

書肆一代



書店
書房
書肆

要するに書籍製造販売関連業者のこと。
かつては、映画業界で言うところの

製作
配給
興行 を一手にやっていたコングロマリットタイプだったのです。

日本最古のゼネコン(社寺建築専門)やホテルは、飛鳥奈良時代に始まる事を思えば、最古の書店は江戸末期のころ。
聞くに仏教書専門らしい。
事業体としては、更に古いはずだがどうも永続性に欠ける。
観世流謡本の出版は、幕府式楽の地位を得た頃から始まったらしいが、版権・・・正確には出版権は流浪する。
独占販売権者の今の檜書店の濫觴は、贔屓目に見て明治以降。
しかし、未だに謡本だけは、江戸当時の版木印刷の佇まいをいまに残します。


愛書家や蔵書家の魂が子供に継承されない事に何だか似ていますなあ(笑)
書肆一代とはけだし名言である。
料亭や和菓子屋は、代々継承されていくものだが、これはいったいどういうことだ?
歌舞伎、能楽、生花、陶芸(楽家はすでに十五代)・・・もしかり。


某師匠曰く・・・

家の芸(家業)って、継承することが最大の芸なのよ。
人間国宝クラスは、毎度毎度出るもんじゃない。
家元って言われても、下手でも構わないし、そんなことはお弟子もわかっている。

古典とは「型の継承」なんだから、名人ともなれば新しい工夫を入れてみるが
口承とおりでも別に構いはしない。
しかし、書肆って稼業は、多分全く世界を別にするのでしょう。
別の言い方もあるようです。
ベストセラーとはエリート志向の大衆化により成立する。
なるほど(笑)書肆ってけっこう気位高いですから、大衆に歩み寄るのはそもそも苦手。
所詮・・・売れてなんぼなのだ。





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