Nacht und Nebel, niemand gleich!
ワグナーの「ラインの黄金」に出てくる呪文です。
夜と霧になれ!
誰の眼にも写るな
藝術の薫り豊かな寓意的な修辞ですが、これがファシスト達(ナチス)の手にかかると、、、
危険分子は密かに拉致せよ。
そして抹殺せよ。
生死、所在、経緯は一切あきらかにするな!
なんとも非人道的なやり口。
大川原加工機の冤罪事件のように、濡れ衣を着せて長期間拘束尋問し自白するまで保釈も認めずに締め上げるのはまだまた法治国家のうち。
軍事独裁政権下のブラジル
時代は70年代
ヒロインの夫はコミュニストシンパだが、ある日誰とも分からない連中に連れ去られ、爾後杳として動静はわからなくなる。
そして25年が経ち、残された家族の苦難の果て、やっと夫の死亡証明書が発行された。
生きて再会出来たわけではないが、事の経緯が詳らかに出来たという苦い勝利
苦学の末に、マイノリティサイドで闘う弁護士になった妻と家族は、記者会見で胸を張るのですが、、、
政権は、補償も謝罪も違法行為の処罰も一切しようとはしなかった、、、これは実話であり、同じような事はチリや他の南米諸国でもあったと聞いている。
大川原加工機事件においては、国家賠償請求は認められたが、個人の違法行為を咎める、、、つもりは全くなく(個人に求償転嫁も刑事訴追はやらないと決めたらしい)幕引き
これが「法治国家」だということ、、、らしい
この作品は、アカデミー賞の国際長編映画賞を受賞しました。賞レースのオッズは二番手だったが本命が主演女優の舌禍で落馬しての栄誉。
経緯はともかく、良質な作品である事には間違いはない。
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