2014年5月16日金曜日

ボードゲームの哲学

盤上で二人が争うボードゲームの種類は、古代インドのチャトランガが、源流とされる。
西に流れてチェスになり、東に伝播し、将棋となった。
長い歴史は、似て非なる盤上遊戯を作り上げてしまい、
いまや「王を詰める」以外の共通項は、無いに等しい。

蝸牛庵は、囲碁は打ちますが、将棋を指すことはない。
まあ、貧乏な学生時代は、賭け碁でランチを食べてまして、
餌食になってくれる愚かな先輩に、碁打ちが多かっただけのこと。
というよりも、取るか取られるかという勝負の激しさについて行けず、
相対的にたくさん陣地を取る方がいいってルールの方に優しみを感じたかもしれません。

日本将棋の最大の危機とは、GHQの禁止命令問題だったと言われている。
GHQは、屁理屈めいた愚論を並べたて、如何に残虐で封建的なボードゲームであるかを主張し、
日本将棋連盟はかの大天才升田幸三が、彼らしく洒脱に反論を行った由。


Q:歩兵とか桂馬とか、つまりは好戦的な軍事ゲームである
A:チェスも同様で相身互い


Q:捕虜(持ち駒)の再利用はジュネーブ協定違反である
A:その駒の地位に応じ処遇し、虐待をしていない

Q:チェスにくらべてルールが殺伐としている
A:ゲームの進行に応じて戦死者が増えていく方が残虐である。
将棋は、相手の駒の活用を行うから戦死者のいない平和ゲームだ。

Q:将棋にはクイーンのような優美な駒が登場しない
A:レデイファーストがきいてあきれる。いざとなればキングのほうが大事なくせに、民主主義とはその程度か

 
駄洒落って思って読めば、その程度な愚なやり取りですが、
ある種の文化論、歴史の表層のつもりで読むといささか深遠である。
残年ながら、ときん(相手の陣地を踏むと歩兵でも金将になる)
の論争はなかったらしい。
あれば、けっこう面白いやり取りだったと思うのですが・・・(笑)


まあ、升田名人の快勝の棋譜でして、
以降彼は、GHQ木戸ゴメンで毎度毎度大量の缶ビールをせしめてきたり、
あまつさえ、占領政策に様々アドバイスを行なったという噂。

例えば・・・・
まず、根こそぎ上のほうは戦犯追放すればいいのよ。
あとは、成り金でも、そこそこはやれる。

状況が落ち着いたところで、戦犯追放した相手駒を有効に持ち駒活用だなあ。


史実ならば、面白いとおもいますがねえ(笑)
まあ、日本文化って、負の文化みたいなもんでして、
世界史的にも異質で理解しにくいし、教養のない政治家では
堂々と説明責任すら果たせなく、何時の間にか 負=誤 なんて雰囲気になってしまう。
加えて、話し合えば分かり合える、、、なんて思い込んでいるから困ったもんです。


升田幸三さんクラスの知性人が政治をやっていただけると
ありがたいのですが、ご本人曰く

本業に自信があれば、政治はやるものではない。

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