2014年5月20日火曜日

文明開化と日本美



文明開化とそれらに続く近代化の荒波は、多くの日本美を衰亡どころか
滅亡の危機に追い込んだ。
廃仏毀釈で、多くの仏像は焚き木となり、興福寺の五重塔だって
廃材として売り飛ばされる寸前だったと言われる。
多くの日本美が世界漂流の結果、しかるべきミュージアムに
収まったのは、慶賀のいたりである。
今頃になって「返せ!」なんて御託は天つばってものです。


近代日本を支えた実業家たちの多くは、貧民・平民のたぐいで
十分にリベラルアーツがあったとは言いがたい。
しかし、多くの実業家は、功なり名を遂げると、あまねく茶人となり骨董収集家となった。
カネと地位ができると名誉が欲しくなる・・・というマズローの五段階発展説を
絵に書いたような有様であるが、それはそれとして、日本美の
守護神として、お武家や社寺仏閣の責務の肩代わりを行って、今がある。


さて、万金を惜しまず、茶道具を買いあさり、さりげなく茶会を催し、
それとなくご披露をする。
お呼ばれの方は敵愾心を燃やし、これまた・・・


佐竹本三十六歌仙絵巻は、家運衰退した佐竹家が、三十六枚に切り刻み
オークションにかけました。
一片で一万円(まあ、いまだと一億円かな)
我と思わん財界人が殺到し、まず、保有するにふさわしいとされる
人物を選び(基準はどんなだったんでしょうねえ?)
選ばれた36人は、抽選で文句いいっこなしよって感じで、抽選で切り紙を渡されたそうです。
ここぞっていう茶会に、お軸として床に飾るのを楽しみにしたそうです。


蝸牛庵は茶会を催すことは最近はしませんので、もっぱら・・・ 
舞台なんぞは、ひとりで立つと孤独で不安で・・それを周囲を十重二十重に
プロが囲み・支え、豪華絢爛な能装束に世阿弥伝来の面で一曲を舞い、
法外なお役料を支いうことで、伝統芸をサポートする。
一番舞えば、お車一台分(当然に小型車クラスからレクサスの最高級クラスまで)
それを高いと思うかどうかは、人それぞれの価値観です。


でも、やはり、お高いので、素謡にとどめています。
しかし、回数がそこそこなので、あんまり変わらないか(苦笑)
・・・というか舞台上は、メガネご法度なので、裸眼で面つけると確実に視界不良。
かつて、見所(観客席)に転げ落ちて重傷を負ったお弟子もいましたし・・・汗 


さてさて、平成の経済人連は、どうするのでしょうか?
茶の湯は、荒ぶる武将の教育システムであり、その道に通じることで
文明化した・・とは丸谷才一の卓見である。


起きて半畳 寝て一畳 天下とっても 二合半


というではないですか(笑)


三途の川の渡し料は、たかだた600円で十分なんです。
子孫に美田残したって、
三面記事でオヤジの名声を傷つける〇〇容疑者って書かれるだけですよ。
お金儲けがうまいことは不要とはいいませんが、
それだけでは人間だめなんじゃないでしょうか(お金儲けに興味ないからお気楽に書けます)
お金はうまく使わないとねえ・・・
ご存知ですよね。
経済って言葉は「経世済民」です。つまり、世のため人のため・・・ですよ。














2 件のコメント:

  1. 秒速で儲けて、光速で没落するんだから・・・・その間の稼ぎはどこにいった?
    預かり資産一兆円で、助言手数料が1%(毎年)ともなれば、毎年フェルメールが
    買えます(笑)

    まあ、ささやかに海鰻でも・・・・苦笑

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