2014年5月29日木曜日

世紀の慶事によせて・・・(日本神話異聞)

一部には号外まで出だそうです!

たしかに・・・・ロイヤルウェディングに匹敵する慶事ですので、素直に祝意を。
なもんで、協賛日記を急遽大公開。

天皇家は、天照大御神のご長男の系統であり、出雲千家は、次男様の末裔です。
そのお二人のご婚儀ですから、天下の一大事。
そんじょそこらのご結婚ととは「貫目」が違います。


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本当に2673年前に建国があった・・・神武天皇が橿原で
御即位なさった!と言う意味ではたぶん嘘でしょう。
しかし、長い日本の歴史があるという意味をたまには
考えてみるということは、悪いことではない。

くにの始まりをなんと定義するかは、難しい。
万世一系の天皇の即位というのであれば、たぶん歴史的には
継体天皇に始まるから、ゆうに千年は鯖を読んでいる。
国家システムの構築だとすれば、これまた、奈良時代が
濫觴でしょうから、更にサバ読みだ。
 
しかし、国にして「建国神話」を有することを、
誇りにこそ思え、悪しく思う必要は全くない。
一時期の「悪しき政治利用」だけをもって、全否定することは
間違いであり、かかるが故に、教育現場で「神話」を
教えない・・・これまた理解に苦しむ。
特段、歴史を教えるのではなく、
日本人のこころの一番根っこの部分を教えるのです。
ある種の倫理・情操教育みたいなものですよ。
 
  
 
ということで、今風の日本神話講座の始まりです。
 
 
これは、なによりも最高・最大・最強の大河ドラマです。
国営放送の大河ドラマなんか足元にも及ばない(笑)
いくつもの山場があり、それらがアラベスクのように折り重なり、
歴史時代に突入するさまは感動と言っても差し支えない。
 
 

 
 
第一幕は、日本版アダム&イブによる建国伝説
 
建国過程のいわば「労災」で哀れイザナミは、黄泉の国へ。
悲しむダーリンは、追いかけて行くのですが、見てはならないものを
見てしまい、逃げ帰ってくる。
追っ手に「桃の実」を投げつけ、辛くも逃げ延びたとあります。
魔よけの「桃」ですか・・・
そうなれば「桃太郎伝説」を思い起こさない訳にはいかない・・
と言うふうに、イメージが膨らめば、教育の成果大!

 
第二幕は、高天原の場
 
天上にあるのでしょうが、どこかよくわかりません。
イザナギの三人の子供が主人公です。
三人ってところが「坂の上の雲」風
当時としては少子化ですが、一姫二太郎’sです。
しかし、長女(アマテラス)次男(スサノオ)はともかく、
長男(ツキヨミ)が、正体不明。
まったく活躍しないまま消えてしまいます。
何があったのでしょうか?神話上最初のミステリーです。
 
・・・消えた長男
・・・死体なき犯罪か?

ここで想像力を亢進させるんですよ。
  
さて、この場の山場はいくつかありますが、まずは次男によるDV!
そこで、お姉さんは哀れ「ひきこもり」
心配した親類縁者により、スサノオは、失楽園にあいなり、
出雲あたりに落魄・放浪。
しかし、地元の有力者にうまく取り入り、入婿となり、
対立するヤマタノオロチ組を策略をもって殲滅、
宴会でシコタマ飲ませて・・・なんて汚いですねえ。
中国山地は、砂鉄による製鉄業が盛んでしたから、当時の超先端産業の
利権をめぐる争いですから、まあ勝つためには何でもあり
ともかくも・・
シマをのっとり、十分なしのぎができたようです。
その六代目(?)がオオクニヌシであり、あとあとの国譲り伝説につながります。
 
 
第三幕は、天孫降臨の場
  
長女の孫(?)であるニニギが、九州あたりに舞い降りる。
天乃浮舟に乗ってとありますから、ミレニアム・ファルコン号みたいなんでしょう。
本当に宮崎県かどうかは知りませんが、とにかく関西から見て
西の方であることは間違いない。
かの地で、準備を整え、東に進みます。神武東遷といいますが、
すべてが平和裏にすすむはずもなく、要は「侵略」です。
特に、紀州あたりに上陸しようとして、頑強な抵抗に遭遇し敗退したとあります。
そこで、搦め手からということで、熊野あたりまで転身し、
たぶん、今で言う熊野古道でもテクテク歩いたんでしょう。
そして、熊野からヤマト(奈良)に登っていきます。
今は、国道168号線が走り、ふんだんな公共投資の結果、
トンネルもでき、舗装もされましたが、
半世紀程度前は、本当にこれが国道かよ!というさまでした。
ジンム君のころはもっと大変だったでしょうねえ。
そこで、登場するのが、地元の八咫烏一家(足が三本の奇形児です)
サーカー日本代表チームのユニフォームのロゴですよ!
彼らのサポート(道案内)で、無事ヤマトを占領し、
かしわらの地で御即位遊ばされた。
カムヤマトイワレヒコともハツクニシラシメススミラとも言われます。
その日が紀元前660年2月11日ということです。

 
第四幕は、M&Aの場
 
ヤマトの地で即位したとしても、傘下に入らない組や一家は
あちこちにいたわけで、すんなりといかず、
西に東に「デイリ」が絶えない。
そこで、健さんみたいにかっこいい「ヤマトタケル」が
草鞋を履いて、長旅に出ます。
もっとも、東映の花田秀次郎とは違い、結構ダマシやりますねえ。
女装したり、放火したりとか・・・でも兵に奇計なしって孫子ももうされてます。
しかし、風間重吉(池部良さんですよ。Mastery for Service の具現者です)の
ような助っ人に恵まれず、三重県あたりで客死の憂き目をみます。
神話上最大の泣かせどころです。
かように「敵対的買収」を繰り返しながら、強大化して行くわけですが、
最後に立ちはだかったのが、スサノオの出雲一家。
考えてみれば、ヤマト組とは兄弟会社ではないですか・・・
今のアサヒビールとサッポロビールの前身の大日本麦酒みたいですなあ。
そこで、友好的な合併交渉を行い、晴れてM&Aは成功。
これを、神話の世界では「国譲り」といいます。
実際、そんな綺麗事かどうかはよくわかりませんし、
いろいろとドロドロしたものがありそうで、学者や作家先生の想像を
掻き立てます。
ともあれ、これで日本統一が完了し、神話時代から(一応)歴史時代に
突入するいうことです。


 
  
古事記にせよ日本書紀にせよ、時の権力者のある種の意図をもって
作成されたものであり、古事記に至っては「偽書説」まである。
しかしながら、悠久の年月、風雪にたえて、今に残っていること・
その文化遺産を持ち得たことを誇りに想いこそすれ、
どうして自虐的になるのでしょう。

(おしまい)
 

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