2016年8月14日日曜日

一緒に血を流したのか?それとも足をひっぱた??


三国枢軸同盟・・・・なんか強固な鉄の団結みたいに思えますが・・・どうもよくわからない。

ポツリポツリと第二次世界大戦史を読んでいますが、連合国と戦った国家が、ドイツとイタリアと日本の三国だけでもない。
東欧諸国の多くが、主体的だかナチスの強制によるものかは議論のあるところですが「反共」を理由に枢軸国サイドに立ったことは歴史的な事実である。
東アジアにおいても、東方会議に参加した諸国もそれらに準じる。
したがって、戦後処理において「敗戦国」として相応の処置をうけても致し方ないところですが、
いろんな力学の結果「ナチス敗退により国家としての継続性がなくなり」不問となってしまった。

これらの国家群がファシスト国家であったかどうかも多岐多様でなんともいえない。
そもそ「ファシズム」の定義もあるようでないような・・・・反対派へのレッテル張りめいたもので、
トロッキー主義とも似たところがある。
なんだが胡散臭く、言動が権威主義的だと「ファシスト」って断罪しておけばいい。


広義の東部戦線では、イタリアやフィンランド、東欧諸国がナチスと共同でソ連と戦ったものの、相応に血は流したのでしょうが、
それ以上に足をひっぱたようです。
主たる敗因は、ヒトラーの神がかり的な作戦指導の失態とか、補給の失敗、天候も味方せずってことでしょうが、
同盟国の劣位も大きかったように思えます。

ヨーロッパ戦線の記録を読んでいた慨嘆したくなるのは、
所詮戦いは「ミスの少ないほうが勝つ」って公理とおりに進展したってことでしょうか。
合理的ならざる作戦指導をすれば、ケンシロウ的に言えば「戦う前に死んでいる」・・・だから、太平洋戦史は読むに耐えないのです。


そんなことよりも、お気の毒なのがフィンランド。
ソ連の侵略(国際社会からの非難でソ連は国際連盟から追放)に孤軍奮闘するが、西側は「冷たく」
やむなくナチスの支援を仰ぐが、枢軸国としてソ連相手に戦うものではない(侵略戦争に対する継続的な戦いである)と再三主張したが・・・・
戦後社会において、国際社会に復帰できたものの、ソ連宥和政策を余儀なくされ、西側から「フィンランド化」と
批判(揶揄)されるにいたったが、戦争中の徹底抗戦(ソ連はフィンランドを上回る損害を蒙った)と戦後の従属外交(臥薪嘗胆策)により
東欧諸国のような苦しみを味わうことなく、独立と平和を堅持したわけですから、長い目で見れば、国家としての尊厳を守ったといえます。

しかしながら、これらフィンランドの政策は、戦後も高く評価されることもなく、
対ユダヤ人政策(亡命ユダヤ人にはフィンランド国籍を与え、ドイツへの引渡しを拒否)なんか意義深いものがあると思いますし、
ドイツの支援を得るための協定を当時の大統領が「個人名」で行うという深慮遠謀。
彼は戦争犯罪人として裁かれたそうですが、連合国の非難にもかかわらず「国葬」をもって報いた国家意思。


決して、ムーミンとサウナだけの牧歌的な国ではないのですよ。
あのガルパンでは「継続高校」として、ものすごく好意的に登場しています。



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