2016年8月15日月曜日

冬・・そして継続戦争


大国に隣接しその圧力を直接受ける中小国は哀しい。
国家としての存亡と尊厳を自分自身の手で守り抜かねばいけない以上、尋常ではない知力が求められる。
政治的(戦争、外交その他もろもろを含めてですが)失態による破綻国家の事例はよく聞くが、
心無い揶揄にもめげず、平和と安全と独立を維持しえた国家の歴史をよく学んではどうだろうか・・・・

フィンランド(芬蘭と和語では書くようです)

倭国との交流は乏しい。
フィンランドを舞台とする日本映画は「かもめ食堂」くらいなものだし、
数は少なくてもいいが、まじめに評価できない識者や観客には困ったものだ。
小林聡美さんがヘルシンキで日本食堂店を軌道に乗せるまでののほほんとした映画です。

フィンランドはスウェーデン王国から独立したものの、ロシアや北欧国の様々な圧力の中で、
難しい国家運営を余儀なくされていた。
きっちりと書いたフィンランド外交史の本が見当たらないので、その辺のネット情報を素材に書けば

我が血を流すことを当然と思い(いまでも徴兵制度の国家らしい)
民主主義の原理を損なわず(ソ連の勢力下にあっても西側の価値観)
適当な範囲で頭を下げ膝を曲げることを厭わず

これらを「フィンランド化」と馬鹿にしたような言い方を西側諸国はするのですが、
ほかにどんな生き方があったのでしょうかねえ?
というか「フィンランド化」という言葉の意味を正しく理解していないのでしょう。

西側がいざというとにろくな支援をしなかったもんで、やむなくナチスの側につかざるを得なかった。
対ソ連からの祖国防衛戦争を「冬戦争」というのですが、その延長線上の戦争ですから「継続戦争」と称した。

しかしながら、戦後の戦勝国は冷たいものでした。
枢軸国として断罪されたのですが、国難の際に国家を適切に指導した指導者は、その功績により戦後国葬で野辺送りをされたらしい。
戦争犯罪人を国葬ですか?・・・・
臥薪嘗胆とはいえ、周辺国の非難はあろうとも絶対に譲れない価値観は譲らないという気迫を感じます。




比喩として適切かどうかは別ですが、A級戦犯を靖国合祀するようなもの?
まあ、彼らは・・・・その資格がない(戦争犯罪人だからが理由ですがその「理由」が相当に違う)

我國の 為をつくせる 人々の 名もむさし野に とむる玉かき(御製)

が靖国で神と祀られる御霊のありようだそうです。
靖国神社のHP的に言えば

国家のために尊い命を捧げられた人々の御霊を慰め、
その事績を永く後世に伝える

ことが目的の神社であり、その趣旨にそった御霊が祀られているはずです。
従い、未曽有の国難に際して適切な国家指導に懈怠があり、勝てるはずのない戦争に全国民を送り込み
国土を焦土とせしめた輩が「戦争犯罪人」でなければ、いったい誰が戦争犯罪の首謀者なのだ。
ほかにも、裁かれていない戦争犯罪人はごまんといます。
尻馬に乗って、好戦気分を煽り立て、ありもしない戦闘の手柄話を書き立てて部数拡大に狂奔した大メディア。
彼らは、A級戦犯と違って断罪すらされることなく、のうのうとこの平成の世ですら生きながらえている。








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