2016年8月31日水曜日
共謀罪のいま
ウツラウツラしながらアメリカンリーガルサスペンスを見ていますと、結構登場するのが、MWF。
業界お得意の参文字熟語です(笑)
グリシャムの「ローファーム」なんかでは、郵便詐欺罪という名称で登場しますが、別に郵便に限ったわけではない。
電子通信であっても構成要件を該当するようです。だから、M&Wなのです。
倭国の郵便法には存在しない犯罪であり、詐欺的行為を行うに際して郵便や電話、電子メールを媒介させると
懲役五年程度の処罰ってことになるようです。
ニコラスケージが主演の「マッチスティックメン」でも、登場してます。
一方、倭国の郵便法にはそのような禁則事項はなく、精々郵送ご禁制品の郵送行為を処罰する程度です。
勝手に麻薬や毒薬を郵便で送り届けるとアウト
実に面白い
そもそも、どうしてこんな法定犯罪があるのかってつらつら思うに・・・アメリカンならではってことになる。
実は郵便詐欺罪は連邦法であって州法ではない。
中央政府が直接乗り出せるってのがミソみたいです。
思えば郵便事業は州際事業ですから当たり前といえば当たり前であり、最近はリコール隠しとか海外との賄賂の相談とか
コンスピラシーに関わる経済的犯罪摘発の大きな武器になっているようです。
大型経済犯罪というより政治的陰謀絡みかも・・・
こうなると記録の残る電子通信って非常に怖いって事になります。
イスラムテロリストは、電子的な通信手段を排除し、伝書鳩、手旗信号・・・かどうかは知りませんが、防諜には
ナーバスってよく分かります。
ヒラリーの私的メール問題も、賄賂の相談なんかのメールが出て来ればより面白い事になったはずです。
仮にあったとしてもサルベージソフトでも復元できないようにして削除したんでしょう(笑)
この犯罪類型は倭国に導入されるかどうかはなんとも言えないのですが、かの「共謀罪」の
制定と連動する可能性があります。
例によって政府のやることはなんでも反対ジンケンハが騒ぎ立てており、なにか犯罪の謀議をやればそれ自体で構成要件を該当するかのような
粗雑な解説がメディアから流れてくるからことは面倒。
犯罪組織の組織犯罪の予防的処罰類型だけが対象なのにねえ。
会社の帰りに居酒屋で上司に悪口がエスカレートして、バットで殴ってやろうってな「謀議」まで処罰・・・なんか
常識的にありえないでしょう(笑)
しかし、こんな面倒なことをやらなくとも組織犯罪組織を潰すには訳無いのですよ。
金融取引は言うに及ばず、ほぼ全ての商行為の当事者から排除することが合憲だとされているのですから、
電力、ガス、水道、通信回線の供給契約に反社マル暴条項入れれば済む話。
ライフラインを止められたら、組織は生きていけない。
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