2016年9月29日木曜日

「WAVE」が二度、三度


The wave





現実逃避願望は程度に差こそあれヒトザルの性癖。
しかし、顔を背け、眼を閉じても、忌まわしい歴史や体験が消えて無くなるものでもなく
口を閉ざせば再び巡りこないという事ではない。
勇気を奮って、対峙することが肝要であり、特段蝸牛庵如きに言われなくとも、マキャベリ先生曰く

天国に行きたければ地獄を思え
平和を希求するなら軍事・戦争を学べ


斯様な警句が未だに斟酌されるという事は、世の中そういう風にはなっていないと言う事だ。
人気グループの名曲が演奏される事もなく、そういうシーンが有るだけで上映自粛・・・
所詮大衆娯楽ですから、他人様のご不幸をモチーフとしてメシ食うことの後ろめたさって判らんでもないがねえ。


珍しくも2015制作のノルウェー映画ですが、シンデレラ映画です!
本国では大ヒット
オスカーの外国語映画賞部門出品作
監督と主演男優はハリウッドに招聘
倭国ではひっそりと翌年「津波シーンが含まれます」の注意書き付きで上映。
場末の二番館で、只今公開中(これが最後で、あとはプライム次第)

ノルウェーのフィヨルドは世界遺産でもある絶景スポットですが、百年に複数回程度の大崩落がある。
事が起きれば高さ数十メートルの大津波。
岸壁監視センターが四六時中観察中であるが、実際のところ崩落の可能性だけでは警報は出しにくい。
崩落が始まれば、10分以内に海抜80メートル地点まで避難しないと命の保証はない。
フィヨルド見物観光船だと・・・・逃げるに逃げられない。

これが実に素晴らしい映画なのですよ。
ホテルの関係者の避難バスはタイムオーバーで乗客乗員とも全員死亡・・・と思われます。
逃げ遅れた家族はホテルの地下(当然水面下)のシェルターに逃げ込み、ナンダカンダとあったのですが
なんとか助かると言うアイロニー
数多いTUNAMI映画の中で最優良の部類に入る。


紛らわしい事にもう一つの・・・the wave
2008年のドイツ映画。
実話を基にしていますが、それはアメリカでの出来事。

放縦な校風のハイスクール
規律、秩序、統制とは無縁の世界ですが、ある教師が社会体験型実験学習を始める。
生徒たちは、最初は馬鹿馬鹿しく・・・しかし段々にハマっていく。
因みに学習の秘めたるテーマは「健全な民主主義が恐怖の独裁制を生む」みたいなかな?

日本中の映画館を探しても上映館はありません。
TSUTAYAのレンタルは知りません。
しかし、プライムにはあるんですよ(笑)


蝸牛庵の駄文で見た気になるよりも、PCでしっかり鑑賞しましょうね。



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