2019年4月23日火曜日

フェルメールは退廃芸術か?



似非芸術愛好家が変に絶対権力を持てばろくなことはない。
彼の時代は既に「文化は差異であって優劣ではない」という
文化人類学のテーゼが一般化していたはずだ。

彼の言う退廃芸術とは...

ポスト印象派以降
表現主義
その他ユダヤ人が関与する現代芸術全般である。
しかし

退廃
耽美
官能
倒錯....を芸術作品のエレメントから排除すれば、
後には何も残らない。



字幕監修を中野京子女史が引き受けたらしい。
ポスターにまで口を出す権限は無いのだろうが、
この惹句だと、オンナを下げるというか見識を疑われる。

アタシが浅学菲才で知らないだけかも知れないが、
ナチスに収奪されたフェルメールの絵画は聞き及ばない。
退廃芸術の対象にもなり得ない。
ゲーリングはフェルメールの収集家だった。
一枚だけ行方不明の「合奏」なる絵画があるが、
これは二十年前にガートナー美術館から盗まれたもの。
推定価値、二億ドル!



ちなみに、ゲーリングにフェルメールを売りつけたのは
オランダのメーヘレンなる稀代の贋作師
今の貨幣価値がわからないが、その額五百万ギルダーを
ナチスから巻き上げたことになる。
裁判で売国奴呼ばわりされ、死刑の淵をさまよったが、
真実が明らかになり、
一転彼は英雄となり、微罪の扱いとなった。

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