2022年11月9日水曜日

月蝕

 ゲッショクと、、、片仮名でかいたタイトル

普通は、月食。
でも、昔は「月蝕」だったはずだ。



違いに無頓着ならば、ヒトザルやめろとまでは言わないが、倭國人としては如何かしら?

だっからニュースネタにもするのだ。
月の満ち欠けには、月自身の意思めいたものを感じますが(アンチサイエンス的だなあ、、実はそうでもないが)食には美学を感じないが「蝕」ならば、、、西洋的な廃墟美的美學がある。

ヤフー知恵袋なんてあんまり役に立たないが、、この回答は秀逸だ。



月蝕に主題とする和歌を探す、なんて無謀だった。

月に狂気なんて西洋的なんですが、禍々しいものは避けてとおるが、倭人の特性。

なかには偏屈もいます(例えば、、、西行)



特段身震いをするような秀作でないが、わざわざ歌材にしようとする詩人は他にはいない、、、みたい。



2022年11月8日火曜日

ランサムウェア

 四国の山奥の病院なんだから脇甘いだろう、、、て昨年は思ったが、今度は大阪の先端府立病院。

脇甘いのは病院共通、、、いやいやトヨタのティア1(あるいは2)クラスまで。
つまりライフラインやサプライチェーン全体が「脇甘い」って事になります。


何が拙かったのか?って、、、四国の山奥病院の調査報告書に凝縮されてます。


この手の事件で直感的に想像するのは「閉域網神話」の誤解ないし錯覚

扉も窓も有りませんから不正侵入はありません!ってそもそも有り得ない話。

扉も窓もなければ不正のみならず「不正でない」出入すら出来ない。

必ずバイパスルートなりある種の経路(コネクター然り)を作っている。

よく悪用されるのが、保守会社がリモートアクセスの為に利用するVPN。

そのVPNの脆弱性を突かれたってこと、、、なんですが、図の通り他にも絶句するような穴だらけで、サイバーテロリストさんいらっしゃい!と言っているようなものである。


自前でセキュリティリスクマネージャーを抱えていないのだから、高い報酬で高度なスキルを買うしかない。

サイバーテロ対策に湯水のような予算をつけてもらうには声の大きい剛腕なCIO次第(自分に技術がなくても技術の価値判断さえ出来れば)だが、、、まあ居ませんなあ(^^)

アタマと腕(もしかして倫理観)の最悪なベンダーを選定したのが最大の敗因だということ。


なんだかんだあって、、、復旧はしましたが、なんとも奇妙な展開になっていた。


身代金は払っていない筈だが、ハッカー集団は支払を受けたと言っているが?

仮に支払ったとして、誰が支払ったのだ?

暗号化されたデータを「暗号鍵」なくして復元できた事例って聞いた事がないし、仮に復元出来たとしてもかくも短期間に?

そんな「腕利きの東京の事業者」って誰だい?


ミステリーマニアならば、色んな想像を逞しくしますが、よくある話が「名探偵が犯人だった、第一発見者が犯人だった。被害者ヅラしたのが犯人だった」

真相は分からない。


ところで、このようなサイバーテロ攻撃は罪に問えるのかしら?


「不正指令電磁的記録に関する罪」


こんな微罪の扱い(最高で懲役三年又は50万円以下の罰金)でいいのかねえ?

それに読み違えていないと思いますが、日本国内で罪を犯した全てのヒトザルだけが処罰の対象。

サイバーテロの大半が海外からなのに......




2022年11月7日月曜日

川崎美術館

 



実業が胡散霧消しても虚業....でもないが美術コレクションは残るはずなんだが、、、

例えば、、、


東洋陶磁美術館(安宅産業)

穎川美術館(幸福銀行)

大谷記念美術館(大谷重工?)


川崎財閥の中核であった川崎重工はいまでも隆々としているはずですが、創業者である川崎正蔵氏の私設美術館は跡形もなくコレクションは散逸してしまった。

そもそも「コレクション」なんて一代もの。さっさと私有財産から切り離して寄贈するなり財団化して万一に備えておくもの。

公の意識に乏しいコレクターは尊敬に値しない。



川崎財閥の創業者である川崎正蔵は薩摩人脈に連なる政商と行っても良い。三井、住友、三菱、、、のように財閥として命脈を維持できなかった理由についてはよく知らない。後継者や番頭に恵まれなかったと言えばそれまで。

昭和金融恐慌で川崎家は破産の危機となり彼のコレクションは競売にかけられて散逸流転する。あの佐竹本三十六歌仙絵巻のように、、、、

散逸した古美術を一堂に集めての回顧展は集客力の高いイベントだが、この川崎美術館所蔵品は神戸市立博物館で開催中。残念ながら事前予約制で入場規制するには至らなかったようだ。


川崎美術館は新神戸駅あたりにあったらしいが、いまや跡形もない。史跡碑くらいあってもいいと思うが、アタシは見た事がない



辛辣に書きすぎたからすこしは誉めておきます。

この美術館らしき和風建築の襖絵、、、応挙の作だが、実に素晴らしい。

あとはあまりお好みじゃなかった


2022年11月6日日曜日

神無月

 今年もはや十一月。

陰暦だと十月からは冬。十一月に入り未だ半袖若者が散見される、、、無論ダウンのオッサンもいます😝

倭風月名では一般的には「霜月」

明らかに冬イメージであるが、さまざまな副題のひとつが「神帰月」、、、季語にもあるらしいがもはや絶滅危惧種。



思うに十月が「神無月」

八百万の神々が出雲サミットに参加して誰もいなくなる故、、、だから月がかわれば神々は「帰って」来るとかなんとか

実に分かり易い、、、が、陳腐抱腹絶倒の俗説😝

先ず「神無月」の解釈を間違えている。

大野晋文法だと「無・む」は連体助詞であり、体言がその次の体言を修飾する際に使われる「の」の母音変化が国文法的常識。つまり単に「神の月」だと言っているに過ぎないのです。


梅雨期の六月が「水無月」っておかしいじゃないですか?って、、、、鉄緑会にいけそうな中学生が食ってかかっても、これも「水の月」なる至極当たり前のことだが、多くの組員教師は答えられるわけがない(^^)

アタシもマトモに学校で教わって記憶がない。


十一月は素直に霜月だと思っていればいいし、神帰月なんて言葉は絶滅を「危惧」するまでのこともないのです。

しかし、、、今日も暖かい。

冬は冬らしく寒さがある方がいい。



これも悪くはないが、、、冬の景色二首


散り散らず木の葉

夢とふ槙の屋に 時雨を語る軒の玉水(長嘯子)


むらむらに小松まじれる

冬枯れの野辺すさまじき 夕暮れの雨(風雅集 冬部永福門院)


ゆうだちは夏

むらさめは冬手前の秋

しぐれは秋過ぎの冬、、、、くらいの違いかしら?


永福門院は伏見天皇の奥様。歴代皇后のうち最高の歌人、?だからって貴種に阿るつもりはないが、秀句表現だらけの長嘯子作品も素晴らしいが、院のいいようのない寂寥感には遥かに及ばない。


 


2022年11月5日土曜日

安楽椅子探偵

 ミステリーのひとつのジャンル。

自身が猟犬のように這いずり回り事件の真相に迫るわけではない。アームチェアに座ったまま推論だけで事件を解決するフレームの作品。



椅子に座って煙草を吸いながら、、、くらいはともかくとしても、その究極のスタイルは「ベッドディテクティブ」

赤門大学法医学教室の神津恭介は急性虫垂炎で入院を余儀なくされ、、、クビから上はどこも悪くないわけですから無聊のまま「義経=成吉思汗」伝説の謎解きを始める。



しかし、謎に迫る、、、というが、この説自体が英雄不滅伝説の系譜に繋がる妄想ものだし、大正期に大陸侵攻を合理化する参謀本部の陰謀が火に油をかけたようなもの。いくら安物の小説とは言え素材としてはあんまり感心しない(まあお手軽な読み物として推奨しない訳ではない)


むしろこのタイプならば古典的な傑作はこれ!

しかし逆にあんまりお勧めしない(^^)

イングランド史に相当な知識がないととてもついてけません(アタシはこのミステリーを読む為にモロアの英国史を精読しました)



先ず持ってタイトルが、実に形而上学的です。

ほかにも、リンカーンライムシリーズとか有りますが少しテイストが違う。



で本論は「黒牢城」

荒木村重により土牢に閉じ込められた黒田如水が名探偵をやるっておはなし。

囚人が安楽椅子探偵をやる、、、新機軸。実はそうでもない。



かのレクターハンニバルが既に囚人探偵をやってました。


この「ベスト小説」とやら直木賞も受賞しましたが、年間ベストでしかないレベルの作品です。

図書館の待ち行列に十ヶ月並びましたが、、、その甲斐あってと言いたいが、オムニバス形式の連載長編ですが、途中で飽きてきた。

でもまあ、、、収穫はありましたよ(^^)

荒木村重の立て籠った城郭は有岡城といいます。

JR伊丹駅のすぐ近くに遺構らしきものがありますが

西洋的に伊丹郷全体を包み込む城壁だったらしい。

英文タイトルもついてますが、、、


Ariana  Citadel case


 まさかこれが海外で売れると思った訳でもなかろうが、、、こんなお城を表す単語があるんだ。

Castle .....と何が違う?


全く解らない。

2022年11月4日金曜日

長嘯子のこと

 豊穣な文藝の土壌も段々に朽ち果て、狗も横向く三十一文字の世界。

勅撰和歌集も、十世紀はじめに始まりとうとう、、、、



世に言う「二十一代集」ですが、和歌集の命名からして(誰の命名ですかねえ?)芸がない、、、、というか、惰性か慣性の世界。

知りませんでしたが、番外の「新葉和歌集」は南朝で編纂されたものだそうな!

皇位、年号といずれが正統か?大論争をやった訳ですが、この辺りはどう整理したのかな?

多分出来栄えがあんまりだから歌学の世界では歯牙にも掛けないのでしょうなあ(^^)


貴族社会が文藝の担い手で無くなっても、倭哥(やまとうた)の伝統は絶えるものでなく、、突然変異的としかいいようのない才人が登場


木下勝俊(16から17世紀の尾張あたりの武将)

秀吉の義理の甥(寧々の兄の子供)だというから出自からしても歌才抜群にはプチビックリ。

定家を範とした正徹の和歌に習ったそうですし、彼の歌風は芭蕉にもつながる、、、と言われますが、この辺りはよく知らない。

しかし当時からすれば斬新で保守歌壇から相当非難さるたんだろうなあ


若くして武家社会に愛想がついたか嫌気がさしたか、、西行(元は佐藤義清なる有力な武士)のように出家はしなかったと思いますが、サッサとリタイヤ。寒村陋屋で歌道三昧の日々。中世から近世の「世捨て人」って清貧には縁遠く暮らし向きは結構贅沢で優雅なんですよ。

勝俊も叔母さんがあの北政所ですから結構な仕送りを貰っていたようです。

浪費や贅沢の上に文化が花咲くってよくわかります。


勝俊あらため木下長嘯子(異名は挙白)


ウィキには彼の和歌がいくつか掲載されていますが、、、、「選球眼」を疑いたくなる(^^)

まあ、これなんかは長嘯子の心情が垣間見えますが、

呑気ながらもけっこう屈曲していたみたいな


  • よしあしを人の心にまかせつつそらうそぶきてわたるよの中  


アレコレ極私的審美眼を見せびらかすのも品位に欠けますから、季節を反映してこの一首



はるの世のみじかき夢を

呼子鳥

覚むるに枕を うつ衣かな(挙白集 秋)


ショウワの頃だって廃れていたと思いますが「砧」なるもの

この浮世絵のように生地を木棒で叩き滑らかにする夜なべの仕事。アイロンの登場で消えたらしい。

砧は秋の季語ですが、限りなく晩秋から初冬

呼子鳥ですが、なんとも奇々怪界な存在。鶯とも杜鵑とも郭公、あるいは猿かもしれない。

熊楠先生ですらお手上げ(^^)

古今伝授の中の秘伝らしいが、、、ある意味馬鹿馬鹿しい。「......猿にしておけ、呼子鳥」なんて俳句までありますが、これも初句が諸説芬々。


長嘯子の適度に縁語掛け言葉を交えて機知めいた作品つくりが、一首の中に四季を織り込んだ、、、と思うならば、呼子鳥は初夏らしい郭公。


2022年11月3日木曜日

武江年表

 編者の斎藤何某は江戸町方の名士だったようです。


ウィキの概説は当たり障りなく肝心のことを書いていない。歴史的に重要視な事実はほとんどパス

何処そこで大火があった

ナンチャラ寺でかんたら仏のご開帳、、、みないな山川歴史年表に掲載されないどうでもいいような三面記事ネタ満載。

これがまたひろい読むに、、実に面白い。


ちくま学術文庫版で三冊。加えて江戸名所図会全五巻が有れば江戸を舞台にした風俗小説が書けます。

たまたま時節にあった三面記事ネタがありましたからご紹介


19世紀はじめの文化年間

深川富岡八幡宮の祭礼が久方ぶりに開催され、善男善女貴賎都鄙、我も我もと押しかけ、、、余りな事に永代橋崩落。犠牲者千数百余名の史上最大規模の惨事となった(ここ迄は別のところでも書きましたから、別の話題を)



惨事の陰には英雄が必ず登場し、犠牲者を救ったり、被害を食い止めたりするのですが、それもありきたりだからバス


実はこの永代橋は公共施設ではなく町方が維持管理する民間施設だった。

吉宗の時代、公共投資の財源に苦しんだ幕府は苦し紛れに民活の美名の元に永代橋を民間に払い下げてしまった。町方も重要な交通インフラですから、通行料徴収やら色々と財源確保を工夫して管理していましたが、なんせ架橋から百年を越えて、、、寿命だったんですかなあ。


惨事の後、安易なPPP(民間活力推進)を反省した幕府は再架橋に踏み切ったのです。

今の永代橋は四代目の筈です。

明治の初めに鉄橋に架け替えられ、大正の軍縮の時代、八八艦隊の為に備蓄された鋼材の民間活用で今の永代橋が、太平洋戦争の惨禍をくぐり抜け今に至る。

しかし、1973年の第二次関東大震災で完全瓦解。二度と再建される事はなかった、、、映画版日本沈没(小松左京)ではそうなっています。




2022年11月2日水曜日

公設貸本屋

 下駄ばきアパート界隈のこと

書庫が満杯になり、、、もう金輪際(元来は仏語で、物事の極限の意味)書籍は買わない...なんて出来もしないのに(^^)

しかし、本棚が綺麗に見えない本はさすがに買わなくなった。

だからといって読まない訳ではないから「借りる」しかない。



今時点の予約状況です。


・黒牢城

さほど読みたい訳でもないが、あちこちで年間ベスト本だというし、直木賞も受賞したし、、、

待つ事十か月(^^)

半ば忘れていたがやっと順番が回って来た。複数冊保有している筈だから、待ち行列の長さの割に早い。


・戦争は女の顔をしていない

プーチン政権下では禁書扱いだが、多分一冊しかないはずだ。行列は短いが、読むのに時間がかかるし、、、辛抱強く待つしかない。でも買うまでの事はない。

中身よりもタイトルが素晴らしい!

戦争の顔したオンナ、、、なんて気の利いた(つもりの)罵声に使わせていただいています


・真説日本左翼史

賞味期限切れが早そうな雑書。

新書だから超斜め立ち読みでも構わない。暫くしたらそうしよう


・最後の「未所蔵図書」

毎度の手口なんですが、刊行前に購入依頼と予約をやっておく。今回は少し出遅れたが、二番目や三番目よりも早く手に入るだろう。


公設なんだから読み捨てに近いような小説購入に予算を付けるよりも稀本をどんどん買うべきですよ。

多数が読みたい本と少数が興味を持つ良書とのバランスが悪すぎます。

規模の大きな書店でないと棚にない良書こそ、、、

新宿鮫の最新刊なんかいつでもどこでも手に入る。

12月初旬にはBOOKOFFの棚にだってあるとおもいますよ。




2022年11月1日火曜日

今日の歌合、、、波、水底

 水中にだってメタバースはあります!って王朝和歌のある種のパターン。


名唱の誉れも高い紀貫之作ですが、鎌倉末期の玉葉集まで勅撰集に採用されなかったのはまことに不思議。

篝火の影しうつれば
ぬばたまの夜河の底は
水も燃えけり



残念ながらこれといった対戦相手を探しきれなかったから、季節柄秋部の「紅葉る風景」にします。

紅葉(もみじ)ならば、樹木の普通名詞ですが、紅葉(こうよう)だと落葉広葉樹の落葉前の赤変のこと。もみじに限ったことではない。

また、用例としては稀になったが「もみじる」という動詞表現もあります。



影をだに見せず

紅葉は散りにけり

水底にさえ 波風は吹く(躬恒)


もみじ葉の 流れてとまる

湊には紅深き波や立つらん(古今 素性)


甲乙つけ難く、、、持としますが、勅撰集に選ばれた方が多少うえかも.......

なお古今和歌集には、素性のこの和歌のすぐ後に業平の


.....竜田川 唐紅に水くくるとは


が、、、、百人一首に採用されたから知名度が高いだけで、落語や漫才のネタになるのも宜なるかな